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2010/08/15 on air  「短歌ってどうやったら作れますか?」                  (guest) 枡野浩一さん

一人で始める短歌入門



一人で始める短歌入門


枡野 浩一



(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も、みなさんと一緒に、成長したいと思います。

今日のゲストは、歌人の 枡野浩一さんです。
 
歌人というのは、短歌を詠む人のことですが、
枡野さんは、短歌だけではなく、作詞、現代詩、マンガの評論、小説、脚本、
幅広く、執筆活動を 行なってらっしゃいます。
なんと、一昨年には、舞台俳優としてもデビュー。
うちの番組の構成作家が、その舞台を観に行ったみたいなんですけども、
ほんとに、飄々とした感じで、異彩を放ってた、っていうことをね、言っていました。

枡野さんは、ご自身が 短歌を作るだけではなく、短歌指導にも定評があります。
NHK の 『スタジオパークからこんにちは』 『ようこそ先輩』 での授業は、大反響を呼びましたし、
著書の 『かんたん短歌の作り方』 というのは、増版を重ねていらっしゃいます。

えー、短歌 ですよ、
短歌、ぶっちゃけ 僕、作ったことないですかねえ。
子供の頃、あんのかなあ っていう。 小学生んときに習ったかなあ って言うぐらいで。
たぶん、僕の 上の人達とかは、ちょっと あるんじゃないかなあ っていう。
『サラダ記念日』 でしたっけ? とかね。 僕も読みましたけど、
ブームになってるときとかに、高校生とか大学生とか だった人とかっていうのは もう、
もろ、短歌をやってたりとか ってする人は、多いと思うんですけども。
ねえ、今日は、どういうふうに 短歌を作れるのか、聞いてみたいと思います。

“短歌ってどうやったら作れますか?” っていうね、テーマで、
枡野さんに、お話を お聞きしたいと思いますし、指導していただきたいと思います。

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒にお付き合いください。」


(曲)
TAYLOR SWIFT 『OUR SONG(POP MIX)』
テイラー・スウィフト-デラックス・エディション(DVD付)


岡田くん
  「枡野さん、あのー、今日、短歌 っていうことなんですけども。」
枡野さん
  「はい。」
岡田くん
  「短歌は、なんで 作るようになったんですか?」
枡野さん
  「はぁー。 普通、そう思いますよね。
  替え歌を作るのが好きだったんですよ。」
岡田くん
  「替え歌?」
枡野さん
  「替え歌。 昔 『ハロー・グッバイ』 っていう歌が、僕の時代に流行って、
  それを “ハロー おっぱい” とか(笑)
  たぶん、元々の歌 作った人が、そういう替え歌にさせようという魂胆でね、
  胸の大きい人に 歌わせた歌なんですけど。」
岡田くん
  「いやいや(笑) あ、そうなんですか。」
枡野さん
  「ええ。 まんまと それに引っ掛かって、
  喜んで 替え歌を作ったりしてて、それの まあ、延長線上で。
  歌詞って、言葉をはめていくことじゃないですか。」
岡田くん
  「はいはい。」
枡野さん
  「それで、短歌も いいかなと思うようになって、作り始めた っていうのが、
  きっかけだったんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
枡野さん
  「で、その後 まあ、短歌も詠むようになって、
  いろんな面白い短歌が 世の中にあることが分かってきて、だんだん、いまに至るんですけども、
  始めたのは、ハタチぐらいなんで。」
岡田くん
  「へぇー! ハタチで短歌を始める っていうのも、結構ね・・・」
枡野さん
  「そうですよね、ちょっと暗い青春で(笑)」
岡田くん
  「(笑)どういう 青春時代を送ってたんですか?」
枡野さん
  「ハタチんとき、僕、大学 一度 入って、辞めて、予備校生だったんで、
  人生で、一番 暗いというか、鬱屈してたんですよね。」
岡田くん
  「(笑)」
枡野さん
  「で、短歌 って、鬱屈してると できるみたいで、幸せな時期には できないんですよ。」
岡田くん
  「あっ、そうなんですか?」
枡野さん
  「そうなんですよ。
  だから、結婚してて 幸せだった時期には、全然 短歌 できなくて。」
岡田くん
  「へぇー。」
枡野さん
  「離婚してから、いっぱい できるようになったんですよ。」
岡田くん
  「アハハハハ! そうなんですか?」
枡野さん
  「そうなんですよ。」
岡田くん
  「幸せだと、短歌はできない。」
枡野さん
  「僕の場合は、できないんですよね。」
岡田くん
  「へぇー。」
枡野さん
  「で、一時期 “短歌やめる宣言” までしてて、
  もう、僕は幸せだから、短歌 作りません、とか言ってたのに、
  まんまと、離婚して、たくさん 短歌を 今も作っていますね。」
岡田くん
  「うーん。 始めるきっかけとなった短歌 って、誰の短歌だったんですか?」
枡野さん
  「えーと、まあ、いろいろなんですけどもね。」
岡田くん
  「はい。」
枡野さん
  「ただ、僕が 18歳ぐらいのときに、俵万智さんという人が、すごくブームになって、
  そのときには、読んだけど、こんなに上手いのは 真似できないと思ってたんですね。
  だけど、割と 一般の人の反応は、こんなの 自分でもできると思うらしいんですよ。
  そう思う人は、才能がないんですよ。
  これは難しいんだ、って気付いた人の方が、その 上手さが分かるっていうか。
  僕は、当時は、全然できないと思ってて、18歳のときは、無理だと思ってたんですけど、
  ハタチのときに、予備校時代に、予備校で 急に、漢文の授業中に できたんですよ、短歌が。」
岡田くん
  「うーん。」
枡野さん
  「それで 一気に、たくさん作って。」
岡田くん
  「その短歌、覚えてますか?」
枡野さん
  「最初に作った短歌はね、もう たいした短歌じゃなかったんです。
  それは もう、本にも 入れなかったし、
  それが きっかけになって、たくさんできて、その時 たくさんできたものが、本に入ってますね。
  自分で作ったとき、ちょっと 気に入ってたのが、
  無理してる自分の無理も自分だと思う自分も無理する自分
  ていう短歌で、それが 当時のね、暗い自分を よく表してたんですね。」
岡田くん
  「(笑)上手いですよね。
  それが できたときに、ウワー できた! っていうのは、あったんですか?」
枡野さん
  「そうですね。 それを、最初、ちょっと 形を整えてるときに、
  できた瞬間に、ちょっと クスクス って、自分で可笑しくて、
  あ、自分で作って 自分で可笑しいんだ っていう、すごい、印象に残ってるんですよね。
  いまは さすがに、もう、何度も読んじゃったから、全然 可笑しくないけど、
  できた瞬間は、なんか、あっ これ いいや! って、思ったんですよ。」
岡田くん
  「うーん。 短歌と川柳とかの違い って、何なんですか?」
枡野さん
  「普通の人は みなさん、川柳と短歌と俳句の区別 って つかなくって、
  えっと なんだっけな、短歌にしたこともあるんですけど、
  川柳と俳句と短歌の区別などつかない人がモテる人です
  っていう短歌を作ったんですよ。」
岡田くん
  「(笑)」
枡野さん
  「みんな、なんか、枡野くんの “俳句” 面白かったよ、とか言ってくれるんですけど、
  まあ、簡単に言うと、五・七・五 に なってるもので、季語がついているものが 俳句。」
岡田くん
  「うんうんうん。」
枡野さん
  「季語がついてないのが 川柳。」
岡田くん
  「うん。」
枡野さん
  「五・七・五・七・七 のが、短歌ですね。」
岡田くん
  「うーん。」
枡野さん
  「百人一首 も短歌ですし 『君が代』 の歌詞も、短歌なんですよ。
  ちょっと 字余りなんですけど、五・七・五・七・七 に なってるんですよね。」
岡田くん
  「うんうんうん。 へぇー、そうなんですね。」
枡野さん
  「厳密に言うと、俳句でも 季語が無い、
  季語 っていうのは、季節の言葉なんですけど、無いものもあるし。
  あと、みなさん、短歌にも 季語が必要だと思ってる人が、すごい 多いんですけど、
  五・七・五・七・七 であること以外は、ルールは無いんで、
  ほんとは、誰でも作れるものなんですけどね。」
岡田くん
  「どういうふうに 作ってるんですか? いつも。
  短歌 作ろ~! と思って、作るんですか?」
枡野さん
  「悲しいことがあるとですね、首のあたりに、何かこう、悲しみが溜まっていって、
  なんかこう、急に 五・七・五・七・七 に なるんですよ、僕の場合は。」
岡田くん
  「へぇー。 悲しいことがあると、首に溜まるんですか?」
枡野さん
  「なんか、気分的に、そんな雰囲気なんですよね。」
岡田くん
  「へぇー。」
枡野さん
  「ずうっと考えてると、フッと 短歌になって 出てくるから、
  あんまり 僕は、指折り数えて 作ったりは しない方なんですね。」
岡田くん
  「うんうんうん。」
枡野さん
  「いま ちょっと、ネットの、ツイッター ってのが流行っていて、
  それで、近況報告とかも 全部 五・七・五・七・七 で書いてるんですけど、
  それも、あんまり考えずに、起こったことを 五・七・五・七・七 に書いてるだけで、
  たまに それで、ちょっと ウケたものとかが、すごい、反響があったりするんですけど、
  基本的には、そんなに、気晴らしに書いてるんですよね。」


(曲)
BPA FEAT.IGGY POP 『HE'S FRANK(SLIGHT RETURN)(TWELVES REMIX)』
I THINK WE'RE GONNA NEED A BIGGER BOAT


岡田くん
  「枡野さんの短歌 って、ロマンチックですよね。」
枡野さん
  「はぁー。 だから、離婚しちゃうんですよね(笑)」
岡田くん
  「アハハハハ!」
枡野さん
  「もうちょっと、現実を見つめないといけないですね。」
岡田くん
  「相当、ロマンチック ですよね。」
枡野さん
  「あ~、そうでしたかぁ・・・」
岡田くん 
  「そうでしたかぁ、って(笑)」
枡野さん
  「人によって、読んだ人によって、
  読んでくださった人が、この歌がいいとか、この歌がダメ っていうのを聞くと、
  その人が、どんな人かが わかるんですよ。」
岡田くん
  「へぇー・・・」
枡野さん
  「たぶん、ロマンチック だと思った ってことは、わりと、
  もうちょっと 現実的な、恋愛観や人生観を持ってらっしゃるんじゃないでしょうかね。」
岡田くん
  「僕ですか?」
枡野さん
  「ええ、岡田さんが。」
岡田くん
  「そうかあ・・・
  ちょっと、探してみますね。 (ページをめくる音)
  なんか、いろいろ 読ましてもらったんですけど、
  その部屋でかたくなったりやわらかくなったりキスをしそこなったり
  とか。」
枡野さん
  「あー。 そこ、来ましたか。」
岡田くん
  「ハハハハハ!」
枡野さん
  「 “その部屋でかたくなったりやわらかくなったり ” を来ましたね。」
岡田くん
  「ハハハハ! そこ、来ましたか、って どういうことですか?」
枡野さん
  「いやいや、あまり、その歌を、この本で 取り上げてくれた人は、いなかったから。」
岡田くん
  「アハハハハ!」
枡野さん
  「嬉しい気持ちですね、ええ。」
岡田くん
  「(笑)結構、好きですけどね、これ。」
枡野さん
  「ありがとうございます。」
岡田くん
  「いろんな、ねえ、こと 考えられますからねえ。」
枡野さん
  「そうですね。」
岡田くん
  「 「淋しい」と思ったこともないくらい 淋しかったと気づいてしまう
枡野さん
  「そうですねぇ。」
岡田くん
  「ロマンチック・・・」
枡野さん
  「ロマンチック かもしれませんね。」
岡田くん
  「ロマンチック ですよねえ。」
枡野さん
  「この 『淋しいのはお前だけじゃな』 っていう本なんですけど、
淋しいのはお前だけじゃな
  この本は、自分の中で 一番 こう、無理して 恋愛のこと書いたりしてるから、
  一番 こう、ロマンティック ではないんです。」
岡田くん
  「はぁー・・・そうなんですね。」
枡野さん
  「これ 読んで、気に入ってくれた女性とかが、
  最新刊の 『結婚失格』 とか読むと、すごい がっかりすると思うんですよね(笑)」
結婚失格 (講談社文庫)
岡田くん
  「 『結婚失格』 これは、ご自身の・・・」
枡野さん
  「そうなんですよ、自分のことを。」
岡田くん
  「結婚を、ダメだったときに。」
枡野さん
  「ダメだったときの、まあ、自分のことを書いた、 私小説なんですけど、
  あっ、ちなみに、宮藤官九郎さんも出てくるし、松尾スズキさん とかも出てくる本なんですけど。
  なんか、解説で、町山智浩さんという 映画評論家の方が、
  もう、主人公が いかにダメかを、懇々と説いてくださって、
  で、まあ、主人公は 僕なので、ほんとに ヘコんでるんですけど。」
岡田くん
  「(笑)」
枡野さん
  「毎日、辛くて・・・それで、本が出てから、その感想も、
  いま、ネット上とか ツイッターで、みんなが 書いてくれるから、
  “ほんとに、ダメな主人公” とか “大っ嫌いです!” とか書いてあるんですよ。
  それを見つめては、なんか、ヘコみながら、でも 読んでしまうんですけど。」
岡田くん
  「ヘコむの、でも、好きなんじゃないですか?」
枡野さん
  「そういうときもあるかもしれないですけど、さすがに 今回は、ヘコみたくなかったですね。」
岡田くん
  「アハハハ!」
枡野さん
  「あの、ちょっと、限度問題・・・」
岡田くん
  「まあね、自分のこと書いといて、スゲエ 言われたら、あれですよね、もう。」
枡野さん
  「本当は・・・」
岡田くん
  「オレ、ダメだったんだ・・・みたいな。」
枡野さん
  「そうなんですよ。 ほんとは、みんな 読んでくれたら、
  『町山さんは、そんな 厳しく言うけど、そんなことないよ』 って 人が、
  一人か二人は いるかと思うじゃないですか。
  みんなが みんな、町山さんに 大賛成だから、ちょっと、当てが外れましたね。」
岡田くん
  「(笑)いや、でも、共感する人、たくさん いると思いますよ。」
枡野さん
  「だと いいんですけどねえ・・・
  でも もう、今は僕、そんな ロマンチック じゃないと思いますね。
  愛を信じてないかんじに なっちゃったんですけど。」
岡田くん
  「ほんとですか。 じゃあ いま、ボロボロ 出てくんじゃないですか? 首元から、短歌が。」
枡野さん
  「そうですね。 短歌、いっぱい 作っちゃって、あの(笑)たいへんです。」
岡田くん
  「最近の お気に入りは、なんか あるんですか。」
枡野さん
  「最近の お気に入りは・・・まあ、そうですね。 暗い短歌ばっかしですけどね。」
岡田くん
  「例えば、あります?」
枡野さん
  「さようなら さよなら さらば そうならば そうしなければならないならば
  っていう短歌とかですねえ。」
岡田くん
  「ハハハハ(笑)」
枡野さん
  「別れの歌が 多いですねえ、最近ね。 でも、離婚したのとか だいぶ前なのに。」
岡田くん
  「だいぶ前なのに、引きずってますね、まだ。」
枡野さん
  「いまだに、さよならを言い続けてる。」
岡田くん
  「アハハハハハ!」
枡野さん
  「いつになったら、言い終わるんだろう みたいな、かんじですねえ。」
岡田くん
  「書くと、なんですか、癒されるんですか? それとも、振り返れるんですかね。」
枡野さん
  「なんか、あんまり もう、癒されないですね、書いてもね、うーん。
  なんか、しょうがなく 生まれてしまう みたいなもんなので。」
岡田くん
  「うーん。 しょうがなく 生まれる。」
枡野さん
  「そうなんですよ。」
岡田くん
  「それが、すごいよなあ・・・短歌を出せる人 って、僕 すごいなあと思うんですよ。
  なんか、余計なもの 考え過ぎちゃって、
  言葉が こう、上手く こう、さらっと 出せないというか・・・」
枡野さん
  「あー。 どうでしょうねえ。 でも、性格によるんだと思います。
  短歌じゃないものが向いてる人とかも いると思うから。 文章にしても。」
岡田くん
  「うーん。」
枡野さん
  「でも、意外な人が、僕が お目にかかった タレントさんだと、
  アッキーナ さんとかは、すごい、短歌が面白くて。」
岡田くん
  「へーぇ。」
枡野さん
  「なんか・・・あっ、この人 才能あるから、もっと やればいいのに、と思ったんですけど、
  あんまり ご本人は、そんな気が ないんですけどね。」
岡田くん
  「(笑) アッキーナ は、どういう詩を・・・」
枡野さん
  「ちょっとねえ、とっさに、正確に覚えてないと失礼だから、言えないんですけど、
  わりと、見方が面白かったり、あと、
  ちょっと、こう直したらいいんじゃないですか? って、ちょっと アドバイスしたら、
  もっと良くなって、もっと面白くなるみたいな。」
岡田くん
  「へぇー。」
枡野さん
  「ほんとに、短期間だったんですけど、あ、この人、すごく センスがある って、思いましたね。」
岡田くん
  「うーん。」
枡野さん
  「短歌は、初めて作っても、すごく、上手い人は 上手いんですよ。
  何年やっても、ダメな人は ダメなとこも あるんですけど、
  だから、タレントさんとか 俳優さんとかが作ると、いいと思うんですけどね。
  あと、顔に似合うかどうかも 大事なんですよ。」
岡田くん
  「へぇー。」
枡野さん
  「だから、すごい こう、顔がいい人が言ったら 似合う短歌と、
  この人の顔で これ言っちゃ、ダメじゃないか っていう短歌 って、あるじゃないですか。
  そういうこと 考えると、カッコいい人とかが、もっと 短歌を作ったり、
  サッカー が好きな人とか、スポーツが好きな人が、スポーツ短歌 とか作ると、
  いいんじゃないかと思うんですよね。 いかがですか?」
岡田くん
  「いかがですか・・・(笑)
  作りますか、じゃあ 短歌、いま。 教えてもらっていいですか?
  どうやって 作ればいいんですか。」
枡野さん
  「ほんとに 五・七・五・七・七 に なってればいいんですよ。」
岡田くん
  「五・七・五・七・七 」
枡野さん
  「はい。 で、なんか 言いたいことがあったら、まず、このぐらいの長さの文章にしてみて、
  それから 五・七・五・七・七 に整えるとか、できるんですけどね。」
岡田くん
  「うーん。」
枡野さん
  「あとは、読むのが 結構、なんていうんでしょう、一番 近道であって、
  僕の本で 一番 売れた本は 『ショートソング』 っていうんですけど、
  宮藤官九郎さんが 推薦してくださって、それは まあ、
  短歌、全然 知らなかった主人公が、
  短歌を すごくやってる、もう一人の主人公に会って、学んでいく っていう、短歌小説なんですね。」
ショートソング (集英社文庫)
岡田くん
  「面白いですね、短歌小説 って。」
枡野さん
  「わりと、エッチな短歌が いっぱい載ってる本なんですけど、それとか 読むと、
  だったら、こういうふうに真似しようとか、
  パロディー にしたりすると、作れるようになるんですよね。」
岡田くん
  「うーん・・・」
枡野さん
  「だから、人の短歌 読んで、
  ここ 直しちゃえ とか、ふざけたようにしちゃえ っていう発想から作っていくと、
  できるようになると思いますね。
  だから、例えば 僕の短歌で、ロマンチック だと思ったら、
  それを ロマンチック じゃなくすには、どうしたらいいか っていうことを考えて、
  すごく、身も蓋もないものにしていくとかすると、
  オリジナルな表現に なるんじゃないでしょうかね。」


(曲)
LEONA LEWIS 『BLEEDING LOVE』
Bleeding Love


岡田くん
  「思ったこと 言えばいいんですよね。」
枡野さん
  「はい。」
岡田くん
  「それを、五・七・五・七・七 に当てはめんのが、難しいですよね。」
枡野さん  
  「ま、コツ 掴めば、簡単なんですよ。
  短歌って、みんな、切れ目が 五・七・五 に なってなきゃいけないと思っちゃうけど、
  そういう短歌でもいいんですけど、わりと、切れ目が変な 短歌もあって、
  僕の短歌の代表作だと、
  好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君
  っていう短歌。 これは、切れ目が ちょっと ずれてるんですけど、
  パッと見 “好きだった雨” “雨だったあのころの日々” “あのころの日々だった君 ”
  っていう言葉になってて、ま、三段論法ですよね。」
岡田くん
  「うーん。」
枡野さん
  「そういうふうに、切れ目が 変に 作ることもできる。
  ちゃんと、切れ目があるものだと、例えば、
  かなしみはだれのものでもありがちでありふれていておもしろくない
  ていうのだと、五・七・五・七・七 に ピッタシ切れてるみたいな。」
岡田くん
  「うーん。」
枡野さん
  「そんなにね、コツ 掴めば、難しくないんですけどね。」
岡田くん
  「うーん。 ちょっと、作ってみようかな・・・どうしようかなあ・・・
  急に 作るって、難しいですね。」
枡野さん
  「難しいですよね。」
岡田くん
  「ポロ って出てくるもんですよね?
  なんか、いま 出てくるもの ないですか。」
枡野さん
  「いま、出てくるもの、なんでしょうねえ。
  最近、どんなことが、こう、やなことだったり 良かったりしたことだったり ありました?
  楽しかったことでも、やなことでも いいんですけど。」
岡田くん
  「嫌なこと・・・」
枡野さん
  「あと、誰かに 言いたいこととか。」
岡田くん
  「を、出していけばいいってことですか。」
枡野さん
  「ええ。 『ドラえもん短歌』 っていう本を作ったことがあって。」
ドラえもん短歌



岡田くん
  「はい。」
枡野さん
  「それは、ドラえもん に、語りかけるように作ったりすると、結構 作りやすかったみたいですね。」
岡田くん
  「へぇー・・・じゃあ、いま 思うこと。
  " 正面の ” ・・・」
枡野さん
  「はい。 “ 正面の ” 」
岡田くん
  「ショ、ウ、メ、ン、ノ ? これ、五個ですよね。」
枡野さん
  「はい。」
岡田くん
  「正面の。
  へ・・・・・・ しょうめんの ・・・ 正面の。 
  ・・・ ハ、ナ、ス ・・・・・ 違うな。 正面の。
  正面の、ハ、ナ、シ、ア、イ、テ、ノ ? ・・・ オ、ク ・・・ かがみ ・・・(笑)」
枡野さん
  「ちょっと 待ってくださいね。」 (メモを取られている様子)
岡田くん
  「しょうめんの ・・・ は、な、し、あ、い、て、の ?・・・
  正面の。」
枡野さん
  「話し相手の?」
岡田くん
  「・・・・ オ、ク」
枡野さん
  「奥」
岡田くん
  「・・・おく?」
枡野さん
  「奥?」
岡田くん
  「おく・・・かがみ?」
枡野さん
  「奥、 鏡。 えっ? “奥鏡” ?」
岡田くん
  「奥に、鏡がある。」
枡野さん
  「奥に、鏡がある。」
岡田くん
  「奥に・・・ はなしあいて ・・・」
枡野さん
  「 あ、じゃあ、“奥にある” とかで いいんじゃないですか?
  “正面の 話し相手の奥にある” 」
岡田くん
  「おくにある ・・・」
枡野さん
  「奥にある? 鏡?」
岡田くん
  「おくにある ・・・ かがみ・・・ に ・・・」
枡野さん
  「鏡に?」
岡田くん
  「五・七・五・七 ・・・ カ、ガ、ミ、ニ、ウ、ツ、ル」
枡野さん
  「うつる?」
岡田くん
  「セ、ナ、カ ・・・・・・・・・・・・・・・・うん?
  セ、ナ、カ ・・・ セ、ナ、カ ・・・・・・ふぅ。」
枡野さん
  「背中・・・」
岡田くん
  「鏡にうつる ・・・ せなかぁ~ ・・・・・・・・・ セ、ナ、カ “ ガ” 」
枡野さん
  「 “が” ? あったあった。 三つですね。」
岡田くん
  「愛しい。」
枡野さん
  「愛しい。」
岡田くん
  「あ、四つに なっちゃうか。」
枡野さん
  「まあ、字余りだけど・・・」
岡田くん
  「せなかが ?」
枡野さん
  「まあ、“が” は 省いてもいいし。」
岡田くん
  「せなか ・・・」
枡野さん
  「 “背中 愛しい” とかでも いいけど。」
岡田くん
  「せなかが ・・・」
枡野さん
  「 “好きだ” とかでも いいけど。」
岡田くん
  「セ、ナ、カ、スキ ・・・」
枡野さん
  「 “嫌だ” でもいい。」
岡田くん
  「(笑)せ、な、か、が ・・・」
枡野さん
  「 “見える” でも。」
岡田くん
  「せなかが ・・・ “笑顔” 」
枡野さん
  「 “背中が笑顔” 難しいことに なっちゃいますね。」
岡田くん 
  「アハハハハ!」
枡野さん
  「ちょっと 待ってください。」
岡田くん
  「難しいことに なっちゃいますか(笑)」
枡野さん
  「 “正面の 話し相手の奥にある 鏡にうつる 背中が笑顔” 」
岡田くん
  「背中が・・・背中が、どうなってんの・・・背中が・・・」
枡野さん
  「でも “背中が笑顔” っていうのは、比喩としては いいですよね。
  背中が、笑顔みたいに見える ってことでしょ?」
岡田くん
  「うん。」
枡野さん
  「いいんじゃないですか。 とりあえず、詠んでみたらいいじゃないですか。
  正面の話し相手の奥にある鏡にうつる背中が笑顔
  意外と、いいかもしれませんねえ。
  “背中が笑顔” のところが、ちょっと こう、読解力が必要というか。」
岡田くん
  「(笑)読解力 いりますよね。」
枡野さん
  「背中が笑顔・・・」
岡田くん
  「見た目・・・みんな、見た目だったんですけど、その、
  奥に 鏡が うつってて・・・」
枡野さん
  「あ、見えてるんですね。」
岡田くん
  「そうそう、そうそう。」
枡野さん
  「背中が笑顔 っていうのが・・・」
岡田くん
  「背中が、楽しそうだからと思って・・・」
枡野さん
  「言われてみれば わかるけど、聞いて すぐには、うん? と思うけど、
  でも、いいんじゃないですか、この短歌。 これは、これで。」
岡田くん
  「もうちょっと こう、絞っていけば、良くなりそうですかね。」
枡野さん
  「わりと、誤解をされないように 直すこともできるし、
  このままでも、これは これで、いいと思いますよ。」
岡田くん
  「ほんとですか。」
枡野さん
  「ええ。 “正面の・・・”
  ただ、ご自身が 本当に伝えたかったことと、聞いた人が受け止めることが、
  ズレてることが あるかもしれないですね。」
岡田くん
  「あぁー・・・」
枡野さん
  「でも、こんなふうに 作っていくといいんです。
  “ 正面の話し相手の奥にある鏡にうつる背中が笑顔 ”
  でも、わかりますよね。
  これが じゃあ、第一作、デビュー作 じゃないですか!」
岡田くん
  「デビュー作 です(笑)」
枡野さん
  「歌人 としての。」
岡田くん
  「歌人 ですか。 歌人 って、いつから なれる・・・」
枡野さん
  「いや もう、いまが 歌人 です。」
岡田くん
  「あっ、そうなんですか(笑)」
枡野さん
  「ええ。 短歌 作ったら、歌人。」
岡田くん
  「歌人 って、言っちゃえば・・・」
枡野さん
  「はい。」
岡田くん  
  「言っちゃえば、歌人 なんだ・・・」
枡野さん
  「歌人 って、いわゆる 旅人 みたいな肩書 だから。」
岡田くん
  「あー。」
枡野さん
  「別に、誰でも なれるわけですからね。」
岡田くん
  「枡野さんは 今、自分で いっぱい 名前が付いてますよね。」
枡野さん
  「でも “歌人” て肩書にしていて、実際には、小説を書いたりとか。」
岡田くん
  「舞台も、出られて。」
枡野さん
  「舞台に出たり。 去年 ちょっと、すごく好きな 劇団があって 『五反田団』 ていうんですけども。
  友達が、オーディションを受ける っていうんで、僕も ついて行ったら、僕だけ 受かってしまって。
  あの(笑)アイドルのように、出演することになって、すごく大変だったんですけど、
  わりと、重要な役を やったんですよ。
  ほんとに、大変でした。 セリフとか、覚え・・・
  あの、正直な方なんですけど、自分が思ってないこと喋るのが、苦手なんですよ。」
岡田くん
  「うんうん。」
枡野さん
  「演技 って、たぶん、自分が思ってなくても、
  脚本に書いてあることを、思ってるかのように喋るじゃないですか。
  なんで みんな、そんなことが できるんだろう、っていう・・・」
岡田くん
  「(笑)ま、その設定としては、思うんですよね。」
枡野さん
  「そうなんですね。」
岡田くん
  「自分では ないので。 設定としては、思うことなんです。」
枡野さん
  「そういうことって、最初から 上手でした? 岡田さん。」
岡田くん
  「いやいや、できないです、できないです。 最初っから、できないですねえ。」
枡野さん
  「思ってもいないことを言わなきゃなんないときは、どうしたんですか?」
岡田くん
  「いやあ、だから、思ってもないこと っていうのではなくて、
  そのストーリーの中の、その役の人が 思ってることを言ってるだけなので、
  自分とは 思ってない。」
枡野さん
  「違うというか・・・」
岡田くん
  「自分は、こういうことは思わないよなあ っていうことは、山ほどあるわけですよ。
  もう、そんなの言ったら、僕がやった役でも(笑)なんなんだコイツは! って思う・・・」
枡野さん
  「思いながら、もう・・・」
岡田くん
  「役とかも あるわけです、男からすると。
  “あなたから電話が来るまで 家で待ってる” みたいな。」
枡野さん
  「そんなこと、自分は しないぞ みたいな。」
岡田くん
  「しねえよな。 あの(笑)携帯に電話(笑)家で待たねえし! みたいな。
  “電話とれないと やだから・・・” っていう役が来たとしたら、
  自分だったら、あり得ないわけですよ、そんなのって。」
枡野さん
  「ええ。」
岡田くん
  「は? 何 言ってんだ、みたいな(笑)
  それは、主人公として、気持ちが わかる。」
枡野さん
  「そのときは、つい その、わかんない気持ちが伝わったりしないんですかね、観てる人。
  あ、この人は、ほんとは 嫌だと思って言ってる とか。」
岡田くん
  「いや、でも、そのときは、そういう自分ではない。 100パー の気持ちで言うんで。」
枡野さん
  「やっぱり、役者って、そういうものなんですかねえ。」
岡田くん
  「うーん、いろんなタイプの人が いるとは思うんですけどねえ。」
枡野さん
  「もう、共演した方達が、すごい上手だったから、ほんとに、
  今 まさに、頭で考えて喋ってるように 喋るんですけど、僕は、ほんとに 苦手だったです。
  ただ、観た人は、いつもと同じだったね、って言うんですけれど。」
岡田くん
  「ハハハハハ!
  すごい、飄々として、すごい良かった って、言ってましたけどね。」
枡野さん
  「素敵なカップルを引き裂く ストーカー役だったのに、
  いつもと同じだったね、って(笑)」
岡田くん
  「アハハ。 どういうこと? みたいな(笑)」
枡野さん
  「そう・・・」


(曲)
POLICE 『EVERY BREATH YOU TAKE』
Synchronicity (Dig)


岡田くん
  「短歌は、演技するとは、ちょっと 違うんですか?」
枡野さん
  「うーん、どうなんでしょうねえ。
  短歌は、わりと 正直な気持ちを書いてしまってるんで。」
岡田くん
  「全部、自分の正直な気持ちですか?」
枡野さん
  「わりと、言葉 って、書いてると、  
  自分の気持ちじゃないけど 面白い言葉 って、できちゃうんですよ。」
岡田くん
  「それと、一緒ですよ。」
枡野さん
  「ただ、できちゃうんだけど、わりと 僕は、
  そういう歌は、あんまり 発表しなかったりするんですよね。」
岡田くん
  「あー。」
枡野さん
  「普通、発表しちゃう人の方が 多いと思うんですけど、
  あっ、これ 面白いけど、自分の気持ちと ちょっと遠いから、ボツにしようとか思う方で、
  なんか、そこまで 頑なじゃなくても、ほんとは いいのかもしれないんですけどね。」
岡田くん
  「へぇー。 ま、いま、ツイッター とかで、短く つぶやく っていう・・・」
枡野さん
  「そうですね。 ちょっと、小説 出したら、ちょっと売れちゃったせいで、
  前は、短歌を いっぱい、いろいろ、本 出したりしてたんですけど、
  あんまり、短歌 書いてくれ って、言われなくなっちゃったんで、
  しょうがないから、ツイッター で書いてるんですよ。」
岡田くん
  「へぇー! フォロー します。」
枡野さん
  「ありがとうございます。 そんな、光栄です。」
岡田くん
  「(笑)いま、やられてるんですもんね。」
枡野さん
  「そうなんです。 ツイッター やってたらね、なんか、
  映画監督の人から、出てください って、突然 言われて、映画 出たりとか、
  あんまり、本業に関係ないことばっかし、いま やってるんですけど。」
岡田くん
  「(笑)」
枡野さん 
  「それも、なんか、すごい 危険な男の役で、なんか・・・
  あ、こんなふうに 自分は見られてるんだ って思いながら、演じたんですけどね。」
岡田くん
  「うん。」
枡野さん
  「演じた っていうか、もう、素のまま なんですけどね(笑)」
岡田くん
  「フォロー してる方達の、言葉のセンスとか って、どうですか?」
枡野さん
  「あー、あの、みなさん、でも、すごい、文章・・・
  ツイッター って、すごいと思うのは、僕は、子供のときから 作文が好きだったので、
  文章 書くのが好きなのは、当たり前だと 自分で 思ってるんですけど、
  全然 そうは見えない人達も、みんな 上手だから、なんか、ズルイな とか思って(笑)
  僕、子供のときから 作文ばっかし書いてきて、今に至るのに、
  なんか、全然そうじゃなくても、上手い人は 上手いんだな って 思いますね。」
岡田くん
  「うーん。」
枡野さん
  「で、わりと、コミュニケーション が上手い人とかは、もう、いろんなことを、
  面白いこと 言ってくれたりするし。 うーん。 不思議なものですね、ツイッター はね。」
岡田くん
  「うーん。」
枡野さん
  「うん。」
岡田くん
  「短歌の良さ って、何なんですかね。」
枡野さん
  「短歌の良さは、まあ、五・七・五・七・七 に はめるって、無理矢理なことなので、
  かえって その、言いたいことの本質が わかるんですよ。
  で、写真とかに例えてるんですけど、
  フレームがあることで、風景が きれいに見えたりするようなもので、
  省くとこが どこかを考えることで、
  ほんとに言いたいのは ここだ ってことが、わかってくるんですよ。
  なんか、自分の気持ちを ふるいに掛けるような感じがありますね。」




岡田くん
  「短歌の世界が、今後 どうなっていけばいいと思ってますか。」
枡野さん
  「短歌の世界はですね、わりと、
  僕も ハタチのときから始めて、今年、九月で 42歳になるんですけど、
  結構、その20年間で、かなり 変わりましたね。
  わりと、僕が提案してた、現代の言葉遣いだけで やろうよ っていう短歌が流行ってしまって、
  かえって、揺り戻しで、難しい短歌も、また、やる人が増えてきたし。
  すぐにね、反映されちゃうんですよ、こう、流行りが。
  なので、いろんな短歌が、いま、あるので、
  わりと、僕の短歌は、もう ちょっと、ある種 スタンダード っていうか、
  ひねりが無いものに 一見 見えてしまうぐらいに、いろんなものが あるんですよね。
  でも まあ、いろんなものが共存してるのが いい状態だと思ってるんで、
  みんなも、全然 違うものを作っていけばいいと思うし。
  僕の本 読んで、やだなあ と思ったら、
  それに反発したものを作っていってくれればいいと思うんですよね。
  それは、自分自身も、ビックリするようなものが見たいから。」
岡田くん
  「うん。」
枡野さん
  「わりと、僕の短歌の真似から入ったけど、いま、すごく面白い短歌 作ってる人、何人もいて、
  そういう人達の短歌を集めて 作った小説が 『ショートソング』 っていう・・・
  それは、だから、僕の短歌じゃなくて、いろんな人の短歌が入ってる本なんですよね。」
岡田くん
  「あっ、そうなんですか。」
枡野さん
  「ええ。 あれは、半分は、僕の作った短歌ですけど、
  残りの半分は、インターネットで、みんなが作った短歌を借りてきて、
  演劇と同じで、
  誰かの作った短歌を、主人公達が作った短歌 っていうことに、させてもらってるんですよ。
  だから、本当の作者は、別に いるんですけど、
  演劇 って 最後に こう、挨拶して、実は、自分の名前は 何々ですとかって、こう、
  カーテンコールで 言うじゃないですか。
  そういう、カーテンコールみたいなコーナーが、最後にある本なんですけど。」
岡田くん
  「うーん。 短歌 って、でも、バラバラにしか 作ることしか、できないんですか?」
枡野さん
  「いろいろです。 たくさんの短歌を くっつけて、
  小説みたいなストーリーを作ることもありますし。」
岡田くん
  「共同短歌 作りましょう。」
枡野さん
  「あ、共同短歌。 そういうのも ありますね。
  “付け句” っていって、上の言葉と 下の言葉を、別の人が付けるとかいう遊びも あるんですよ。」
岡田くん
  「へぇー。」
枡野さん
  「僕がやったのだと、下の言葉を “どうぞよろしくお願いします” っていうふうに決めておいて、
  上の言葉だけを 考えていく。」
岡田くん
  「へぇー。」
枡野さん
  「そうすると、いろんなのが 考えつくんですけど、
  みんなで作った中で、印象に残ってるのだと、例えば、
  ムーミンはカバじゃないったらカバじゃない どうぞよろしくお願いします
  とか。」
岡田くん
  「アハハハ(笑)」
枡野さん
  「矢沢です ロックンロールをこれからも どうぞよろしくお願いします
  とか。」
岡田くん 
  「(笑)」
枡野さん
  「みんなで、上に 何を くっけたら可笑しいかを考えて、作っていくんですよね。
  それを集めて、本にしたこともあるんです。」
どうぞよろしくお願いします (マーブルブックス言ノ葉絵本)




『どうぞよろしくお願いします』




岡田くん
  「へぇー。 なんか、面白いですね。 いろいろ できる っていうか、
  遊びながら できちゃう ってことですよね。」
枡野さん
  「なんか、言いたいことを こう、暗に 言うときに、ツイッター で 短歌にしておいてすると、
  みんなが 自分のことかと思ってくれるんで、いいんじゃないですかね。」
岡田くん
  「自分のことかと思う・・・」
枡野さん
  「ええ。 わりと、だから、自分自身が感じた 個人的なことでも、
  実は、みんな 同じように感じてることって、あると思うんで、
  ツイッター で書く短歌で、反響があるのは、例えば、
  疑問形になってたりするものだったりして、
  それは、呼びかけにあってるから、自分も当てはまるなと思って、返事くれたりするんですよね。
  なんで、岡田さんも、なにげなーく、誰にも気付かれないように、
  五・七・五・七・七 にしておくと いいと思います。」
岡田くん
  「(笑)おしゃれですねえ。
  誰にも気付かれないけど、オレ、五・七・五・七・七 で言ってるから、みたいな。 アハハ!」
枡野さん
  「実は、今日、歌人だ、みたいなね。」
岡田くん
  「そんな面白いやり方が、あるんですね。 すごいなあ。
  なんか、短歌 って、人に贈ったりとかもするんですか?」
枡野さん
  「そうですね。 昔の、平安時代とかは。」
岡田くん
  「贈ったりしますよね、人に。」
枡野さん
  「ラブレター みたいに贈って、返事が来るみたいな。
  それこそ、ロマンチックな行為ですよね。」
岡田くん
  「ロマンチック ですよね。」
枡野さん
  「でも、それと、いま メールでやりとりしたりするのも、近いと思いますよ。
  なにかこう、ちょっとしたこと、伝えて、返事が来て みたいな やりとりだから。
  メールと短歌も 相性が いいので。
  短歌の やりとりをする恋人は、あまり いなそうですけど、
  でも、遊びとしては、面白いと思いますけど。」
岡田くん 
  「相手に伝える ってことが、大事ですよね。」
枡野さん
  「そうですね。 だから、手紙みたいに書いた短歌 って、通じるんですよね。」
岡田くん
  「うーん・・・なんか、心掛けてること って、あるんですか? 書くことに。」
枡野さん
  「僕のルール で、短歌 ってどうしても、古典的な言葉遣いをする っていう短歌もあるので、
  いまだに、現代に生きてる人でも、
  “あり” “をり” とか “ありけり” とか書く人、どうしても いるんですね。
  それはそれで、時代を超越した、タイムマシンに乗ったような気分で 作ってると思うんですけど、
  僕は、今の人に通じるように書きたくて。
  なるべく 言葉遣いも優しいけど、意外と、優しい言葉しか 使わないけども、
  読む人が、ハッとするような言い方が できないかと思っていて。
  例えば、みんな 思ってるけど、言われてみないと わかんないことって、あると思うんですよね。
  言葉にして 言われると 『ああ、私も それ、思ってたよ』
  だけど 『言われてみないと、自分では 言葉にできなかったよ』 みたいな。
  そういうことを形にするのに、いいと思うんですよね。」
岡田くん
  「うーん・・・ハッとできる っていうのは、ありますよね。」
枡野さん
  「そうですね。 だから、気づいた瞬間だと思うんですよね。」
岡田くん
  「うんうん。」
枡野さん
  「頭が、すごくいい人だと、短歌、作れないところがあって、
  何か、思い込んでたものが、思い込みがとれた瞬間に生まれたりとか、
  何かに 発見した瞬間に、生まれることが多いですね。」
岡田くん
  「はぁー。 短歌が こぼれ落ちるんですよね、首から。」
枡野さん
  「そうなんですよね。 だから、満たされてると あんまり できなくて、
  不満があったりとか、この気持ちのモヤモヤを、どうにかしたいと思ってると、突然できる。
  あんまり、でも そういうことないですか? 普段、すっきり爽快な気分で生きてます?」
岡田くん
  「まあ、そうですね。 元気で、なんでも楽しい ってときには、なんか、
  あんまり 言葉は出てこないですよね。」
枡野さん
  「そうなんですよね。」
岡田くん
  「じゃあ、ずっと ねえ、ちょっと、不幸せ でいてもらわないと いけないですね。」
枡野さん
  「いやいや、いやいや・・・もう でも、あんまり 幸せは いいかなあと思って、最近は(笑)」
岡田くん
  「(笑)どういうことですか。 幸せ、なりたくないですか?」
枡野さん
  「うん、なんかもう、前ほど・・・結構 愛を信じてたんですよ。」
岡田くん
  「何で、信じなくなっちゃった・・・短歌は、愛じゃないですか。」
枡野さん
  「うん、なんだろうなあ。 僕の最近作で、どこの出版社も、最近、本にしてくれないから、
  電子書籍 っていうの 作ってみたんですけど。 iPad とか、iPhone で読める。」
岡田くん
  「はい。」
枡野さん
  「そん中の代表作は、
  心から愛を信じていたなんて思いだしても夢のようです
  っていう 短歌なんですけど、それが いまの自分の気持ちで。
  ほんとに わりとね、信じきっていたんですけど、
  無邪気で 幼かったなあと思いますね、自分がね。」
岡田くん
  「そんなこと ないですよ。」
枡野さん
  「いやいやいや・・・ほんとに・・・」
岡田くん
  「いろんな形の 愛がありますから。」
枡野さん
  「だと いいですよね。」
岡田くん
  「短歌も、こう、愛ですね。」
枡野さん
  「そうですね。 情熱みたいなものなんですよね、言葉の。
  何か、強く言いたかったり、反発したかったり、あるいは、
  何か、相手に伝えたい気持ちだったりするから、
  まあ、愛といえば 愛ですよね。」
岡田くん
  「うん・・・」


(曲)
DEBELAH MORGAN 『I LOVE YOU』
イッツ・ノット・オーヴァー



(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、枡野さんと お話をさせていただきましたが。
いやあ、もうね、今日が 僕の 歌人デビュー ということで(笑)
どうなんスかね。 もう、難しいですよね。 歌人 て あんまり・・・ 
でも、メールとかで、ツイッターとかで こう、秘かに 短歌 やっぱり、書いてるとか っていうのは、
面白いなあと思いますし。

思いを ふるいに掛けるとかね、なんだろう、
フレームがあって そこでの表現が、やっぱり いいんだ とかいうことも含めてですけど、やっぱ、
言葉を使う って、面白いですよね。

同じ経験をしてて、あっ、私も こういう経験したことある とか、
そういう、発見があるような言葉を並べたい みたいなことをね おっしゃってましたけど。
短い言葉 って、制約した言葉の中でだと、暖かくなれたり、
長く説明しないからこそ、読み取れたりとかっていう こう、なんか、
面白さが、すごい あるんだあ っていうのは 思いましたね。

ね、ぜひ なんか、これを 今日 聴いてくださってる方は、
明日、メールとか ツイッターとかで、秘かにね、五・七・五・七・七 で、
言葉をね、送ってみる っていうのもね、面白いかもしれませんし、
ぜひ、チャレンジ してみてください。
僕も ちょっと、メールで、送ってみたいなと思います。」


(曲)
ROBERTA FLACK 『KILLING ME SOFTLY WITH HIS SONG』
Killing Me Softly



(枡野さんからの コメント)

「岡田さんの短歌は、あらためて考えると いい短歌だったと思うんで、
淡々と 褒めてしまいましたけど、もっと 熱く 褒めるべきだったと思います。
あと、なんだろう、男前の人が 短歌を作ったらいいと思ってて、
ぜひ、ツイッター でも、短歌を作り続けてほしいですね。
あの、なんだろう、説得力が あの(笑)顔がいい人が作った方が、より 増すと思うので、
懲りずに 作ってみてください。

番組の中で、岡田さんの短歌 良かったので、
岡田准一さんに、短歌を詠んでほしいなという 気持ちを込めて 一首。
タイガーやドラゴンよりも勇ましく短歌を詠んで 岡田准一!
枡野浩一 でした。」


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