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2009/02/15 on air 「ドラマにとって、大事なことを教えてください」               (guest) 山田太一さん

ふぞろいの林檎たち (1983年)



ふぞろいの林檎たち


山田 太一



(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も皆さんと一緒に成長したいと思っています。

今夜は、テレビドラマ界、そして映画界の大先輩でもある “あの人” に、
お話をお伺いしたいと思っています。
えーと、どうしようかなぁと・・・思いつつ、
怒らせてしまったら、これは、怖いなぁ、と思いながら、今日ここにいますけども、
なんといっても大御所。
僕が生まれる前から、作品をどんどん創られている方です。
今夜のゲストは、
脚本家の、山田太一さんです。

山田さんの、12年ぶりの連続ドラマ 『ありふれた奇跡』 が、
いま非常に話題になっているのは、みなさんご存知のことと思います。
山田さんといえば 『男たちの旅路』 『岸辺のアルバム』 『ふぞろいの林檎たち』
などを手がけたヒットメーカー。
その山田さんが、なぜ、連続ドラマを10年以上も書かなかったのか?
そして、なぜ、ご自身にとって “最後の連続ドラマ” といわれる 『ありふれた奇跡』 を、
いま、書こうと思ったのか?
ぜひ、お聞きしたいと思います。

うーん。いまのドラマ界は、えー、いろいろな事が言われていたりするのを、
やっぱり耳にしたりとかもしますし、
僕世代の男の人とかはね『もう観れない』と、
正直、言っていたりとかするのもありますし、
『女性や、若い人達のために作って来た、ここ7年間』とかね、
ていうこと、いろいろ言われていたりしますが。

まあ、テレビドラマの在り方、まあ、大きく見ても20年前と今とでは、
全然、変わっていると思うんですよね。
リアルタイムでドラマを観る人は、どんどん少なくなってる一方で、
DVDやインターネット、携帯で観る人は、増えていってますし、
ドラマの影響力も、国民的なドラマ、というのは減って、
ある限定した層に受けるものが、増えて来ています。
日本のテレビドラマは、これからどこへ行くんでしょうか?
『ドラマにとって、大事なことを教えてください』 というテーマで、
山田太一さんに、いろいろお聞きしたいと思います。

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分、ぜひ、一緒にお付き合いください。」



(岡田くんの曲紹介)
「満面の笑顔。暖かな抱擁。手をつなぎ歩く恋人達。
人類の悲劇は、革命じゃ解決しないよ。
そうさ、できるなら、誰かを元気にしたいんだ。」
RAUL MIDON 『PICK SOMEBODY UP』
World Within a World






岡田くん
  「まず始めにですねぇ、お聞きしたかったんですけど。」
山田さん
  「はい。」
岡田くん
  「僕のこと、知ってますか?」
山田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「ハハ!」
山田さん
  「お顔と、えー、テレビで時々、拝見するということ以外は、
  全く存じません。」
岡田くん
  「そうですよねえ。」
山田さん
  「すいません。」
岡田くん
  「たぶん、知らないだろうなぁと思って。」
山田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「いや、初めに聞きたかった・・・」
山田さん
  「いや、お名前は、よく知ってますけどね。」
岡田くん
  「あ、ほんとですか?」
山田さん
  「ええ。」
岡田くん
  「テレビって、ご覧になられるんですか?」
山田さん
  「えーっと、あんまり観ないですねえ。」
岡田くん
  「アハハ!観ないですよねぇ。」
山田さん
  「だんだん、観なくなってきてしまいましたね。」
岡田くん
  「昔は観てらっしゃったんですか?」
山田さん
  「ええ、そうですね。割と昔は観てましたですねえ。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「でも、ドラマは、そんなに観てなかったかな。(笑)」
岡田くん
  「アハハ! 観てないのに、あの、書かれるわけじゃないですか。」
山田さん
  「そう・・・ですねぇ。
  あの、まあ、つまり、人のを観たってしょうがないって気持ち・・・(笑)」
岡田くん
  「アハハハ!」
山田さん
  「他の人とおんなじじゃ、商売になんないもんね、僕らは。
  一人一人違うから、買ってくれる人がいるんで。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「『他の人の、あのテンポいいな』とかね、『あの言い方いいな』とかって言って、
  それを真似するわけにもいかないでしょ。」
岡田くん
  「うーん。まあ、そうっスね。」
山田さん
  「真似たら、上手くいかないよね。やっぱり、二次的なもんになってしまうし。」
岡田くん
  「そうですよね。
  でも、10年ぶりに『ありふれた奇跡』・・・」
山田さん
  「ええ。」
岡田くん
  「好評ですけども。」
山田さん
  「いや、好評かどうか、わかりませんけど。(笑)」
岡田くん
  「好評ですよ。」
山田さん
  「ええ。まあ、一部にはね。(笑)」
岡田くん
  「(笑)書かれて・・・
  10年間、遠ざかってましたけど、それは、理由はあったんですか?」
山田さん
  「ええっとねぇ、そう、10年少し前かな?」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「だんだん、ものすごく、あの、やっぱり『若い人に絞ろう』っていうの、
  テレビドラマを。」
岡田くん
  「はい。」
山田さん
  「という傾向が強くなってきて。
  そいで、僕はどんどん、つまり自然の成り行きとして、
  若くなくなって行くわけでしょ。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「そいじゃ、若い人のところに立ち交じって、若い人の話を書くっていうのは、
  やっぱり、皺だらけの人が、お化粧で若作りしてね、
  出たって、見苦しいでしょう?」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「うん。それと、僕は、だんだん、つまり年取って来ると、
  若い人の物語って、あんまり面白くないのね。」
岡田くん
  「うーん。ご自身が、っていうことですか?」
山田さん
  「そうそう、自分がね。
  だって、それは、ノスタルジーで書くんだったら、まあ書けなくはないけれども、
  いまの若い人の事を、肌でパッパッってわかるのは、やっぱり若い人でしょう。」
岡田くん
  「うん、フンフン。」
山田さん
  「うん、書けるのがね。」
岡田くん
  「はい、はい。」
山田さん
  「ええ、だから、年寄りは、年齢によって獲得していくものがあるわけだから、
  それを生かす方が、いいわけですよ。
  だけどそれを、つまり『買わない』っていうんだったら、
  これはやっぱり、そこで無理やり合わせて、時代の変化と共に、自分も変わってね、
  行くっていうのは、なんかやっぱり無理があるって気がしたのね。」
岡田くん
  「いま、でも、それの、若い人に “F2” とか、世代を分けて、層に分けて、
  作品を作るっていうのが、ちょっと崩壊してきた、じゃないですか。」
山田さん
  「うーん、まあね。」
岡田くん
  「テレビ業界的にも・・・」
山田さん
  「幸いにしてね。」
岡田くん
  「幸いにして(笑)崩壊してきて、それで、こう、なんだろう、
  スタッフが、もう、誇れない。」
山田さん
  「うん。やってることをね。プライドを持ってね。」
岡田くん
  「自分達がこう、新しいものを生み出しているんだって、
  『この作品、大好きなんだ』っていうのを、誇れない時代、
  作り手が誇れない時代っていうふうに・・・」
山田さん
  「そう、そう、そう。」
岡田くん
  「言われて来て しまっていますが。」
山田さん
  「うーん。それはもう、ほんとに、いけない事だと思うね。
  だって、テレビっていうメディアは、すごいメディアですよ。
  つまり、なかった時のことを、考えたらね、劇的に日本の生活を変えてますよ。」
岡田くん
  「うんうん。」
山田さん
  「で、そういうところで、ドラマっていう部分に、担当している人達っていうのはね、
  そりゃあ、能力ばっかりじゃなくて、巡り合わせだとかなんだとか、いろんなもんで、
  (笑)運が良かったりね、コネがあったり、なんかでやってるわけでしょ。
  この人達が、そんな素晴らしいメディアを、使いこなさないっていうのは、
  その人達が悪いですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「そんな、時代のせいでも、視聴者のせいでもないですよ。」
岡田くん
  「うんうん。」
山田さん
  「それをつまり、なんとなく、時代のせいのようなことを言ってね(笑)」
岡田くん
  「フフフ(笑)」
山田さん
  「やってるのは、僕はやっぱり、いま担当してる人達が悪いと思う。」
岡田くん  
  「うーん。10年前と今とでは、やっぱりちょっと違いましたか?」
山田さん
  「あ、もうそれは、ずいぶん違って来ましたですねぇ。
  10年前だと、もう少し、つまり、ライターがオリジナルで書く」
岡田くん  
  (小声で)「アッ!」
山田さん
  「っていう部分が・・・」
岡田くん
  「オリジナルが通らない時代が、永く続いちゃいました・・・」
山田さん
  「そうですね。」
岡田くん
  「はい。」
山田さん
  「だからそれはねぇ、やっぱり、テレビっていうものと、マンガとか小説とかっていう、
  メディアの違いについてね、割と大ざっぱだったんだと思うね。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「やっぱり、実はマンガだから書けるものってあるじゃないですか。
  それを、テレビに映すっていうのはね、やっぱりそれは無理があるわけですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「うん。で、テレビは、テレビしかできない。映画でしかできないっていう領域が、
  あるわけですよね。そういう、こう、メディアの違いについて、
  わざと敏感じゃなく思おうとしてたのかもわからないけども、企画を通すためにね。
  『ベストセラーです』とかっていうふうに言うっていうこと?」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「それでも観ると、元のマンガの方が良かったとかね。
  元の小説の方が良かったとかって言われてしまうのでは、それは恥ですよ。テレビのね。
  テレビが、そういうものを脚色するんだったらば、
  それは『元のやつよりテレビが良かったね』って言わせなきゃね。」
岡田くん
  「フフフフ!」
山田さん
  「それなら僕は、マンガが原作だろうと、小説、原作だろうと構わないと思う。」
岡田くん
  「うーん。そうですよね。
  10年間やってなくて、やった理由があるだろうと思ってたわけです。
  僕、今日、お会いするまでに。」
山田さん
  「テレビドラマから、僕、離れてたわけじゃないからね。」
岡田くん
  「連続? 連続でやらなかった・・・」
山田さん
  「連続ドラマを、もうやらないって決めたんですよ。」
岡田くん
  「その理由があるんじゃないかな、と思って・・・」
山田さん
  「だからそれは『若い人向け』って言うから、ムッとしたわけね。」
岡田くん
  「アハハハ!」
山田さん
  「(笑)ええ。それで僕は、とてもそれは、追いつかない。
  それからこの、テンポとかね。なんかそういう種類のものも、
  なんかこう、一律にどんどんなって行くような気がしてね。」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「それでこう『オリジナルで何かを書くなんてヤツは、潰せ』っていうのかな?」
岡田くん
  「(笑)」
山田さん
  「つまり、これは商品なんだから。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「視聴率を取らなきゃいけないっていう商品なんだから、
  それはつまり、一人の作家に任せるわけにはいかない、っていうふうなね、
  空気がもう露骨に出て来ましたですね。」
岡田くん
  「うんうん。」
山田さん
  「そんなかでね、やろうとすればね、どうしたってそりゃ、自分を抑えて、
  それで、なんだか知らないけど、市場調査とかなんかに合わせて、
  書いたって、そんなもの、なんの喜びもないでしょ。」
岡田くん
  「うんうん。」


(曲)
ENYA 『DREAMS ARE MORE PRECIOUS』
AND WINTER CAME





岡田くん
  「そもそも、脚本家になったきっかけは、なんだったんですか?」
山田さん
  「うんとね、僕は、20代は、映画界にいたんですね。
  で、映画界で助監督という担当をしていたんです。」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「その中でね、僕は、非常に、監督主導主義というのかな。
  監督がもう、最も偉いっていう風潮の映画界にいたんですね。
  松竹の大船撮影所っていうところ。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「そこでは、小津安二郎さんとか、木下惠介さんとかっていうのも、
  なに言われたって、みんなもう『ハハッ』って言うようなかんじで・・・」
岡田くん
  「(笑)そうっスよねぇ。」
山田さん
  「で、やってて。そのお二人は、だいたいオリジナルで、
  ご自分でお書きになっているから、それは、いいんですけれども、
  多くの脚本家っていうのはね、いい仕事をしてもね、
  全部、監督にさらわれっちゃうのね。」
岡田くん
  「ふぅーん。」
山田さん
  「外へ情報で行く時には、監督が『僕の作品』とかって言うでしょ?」
岡田くん
  「うーん。そうですね。」
山田さん
  「でもこれね、脚本家のオリジナルでね。脚本家の、つまり、キャリア?
  自分の人生。小さい時からのいろんな事を込めてる作品でもね、
  監督はケロリと『僕の作品』て言うわけよねぇ。
  それで、脚本家に『あなたの作品』なんて、聞く人、いないわけよね。(笑)」
岡田くん
  「そうですよねぇ。」
山田さん
  「でも、まっさらなとこから、何かフィクションを創っていくっていう、
  築いて行くのは、脚本家だ、っていう気が、とてもしたのね。
  ところが、あの、非常に重んじられてない、って気がしたのね。」
岡田くん
  「うーん。うんうん。」
山田さん
  「で、重んじられてない事は、まあ、別にして。」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「僕は、監督よりもねぇ、クリエイティブだなあ、っていう気がしたのね。」
岡田くん
  「うん。そうですよね。
  脚本家が、地図を書けなければ、
  監督は“宝探し”にも行けないわけですし。」
山田さん
  「そうそうそう。」
岡田くん
  「元を作るのは・・・」
山田さん
  「そうそう。」
岡田くん
  「脚本家ですからねえ。」
山田さん
  「だから僕は、映画、好きだし、テレビドラマまだ、途中から出て来たもんだからね、
  そんなに、愛する、っていうわけにもいかなかったけれども(笑)
  十分にやりがいのある仕事だと思ったなあ。シナリオを書くって・・・」
岡田くん
  「“ドラマの希望”っていうのは、何だと思われてるんですか?」
山田さん
  「うん。僕はね、ドラマっていうのはねぇ、いろんなドラマがあると思いますよね。
  現実を忘れたいために観るやつとか、ゲーム感覚で観るやつとか、
  それから、推理ドラマみたいな、
  人間を書くよりも、犯人を捜す方へ行くようなドラマがあるとかね。
  いろんなドラマがあっていいと思うんですよ。
  だけど、やっぱり一番、心に残るものってのはね、
  人間の人生だとか、人間だとか、
  中心にある物に、触れるもの?」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「『あっ、そうだよな!』っていうふうに思う。
  それが意識化されるっていうのかな?
  『あぁ、人間て、こういうとき、そういうことするよな』とか、そういう共感?」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「それから、発見?」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「を、促すようねドラマが、僕はやっぱり、いいドラマだと思うんですよ。」
岡田くん
  「うんうん。」
山田さん
  「それに、観てて快いし、終わって忘れない。
  だけど、そういうものってのは、やっぱり、
  どっかで、その先に、個人の体験とか、個人の悩みだとか、
  長い間、培って来たものとかが、反映されてないと出て来ないんですよ。
  そういう事ってね。」
岡田くん
  「うんうん。」
山田さん
  「だから、そういう描写があったりなんかするようなドラマなら、  
  全体が少しグズグズしてても(笑)、僕はやっぱり、好きんなるね。」
岡田くん
  「うーん。 心に触れることができる・・・」
山田さん
  「そう、そう。
  あのねぇ、例えばねぇ、アップダイクの小説の中にね、
  アップダイクなんてもう、みなさん、あんまり読まないでしょうけれども、
  アメリカの作家ですけどね。」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「『インタビューをもう一度』 っていう短編があんのね。」
岡田くん
  「うん。」
美しき夫たち美しき夫たち

ジョン アプダイク


山田さん
  「でね、それはね、ちょっと売れない俳優がね、その、
  地方紙からインタビューを申し入れられてね。
  自分の故郷を、こう、ドライブしながら、」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「話していく。
  それをこう、助手席に座った記者がね、聞くっていう話なんだけども。
  記者がねぇ、頷かないのよね。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「それ、頷かないって、すごく傷付くでしょう。
  すごく、面白い話しても、頷かないのね。」
岡田くん
  「うんうん。」
山田さん
  「でね、だんだん過激になってくるわけですよ。恨みでも何でもね。」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「それでね、何か言うたんびに、
  『ここはオフレコだ』って言う。(笑)
  それで、また何か言うと『ここはオフレコだ』って言うのね。(笑)
  それ、気持わかるじゃない。」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「言ったけど、これは、世間に知れたら困るなっていう。(笑)
  でね、どんどんオフレコが増えてきちゃう(笑)っていう話ね。
  まあ、それだけのもんじゃないんだけれども、そりゃ、描写ですよ。
  そういうものってね、僕、やっぱり、その人間。
  ある、個人の人間から湧き出して来るもんであって、
  会議でね、そんなシーンったって、誰も発言しない。」
岡田くん
  「フフフフ。うん。」
山田さん
  「やっぱり、個人がうちの中にいて、苦しんで、
  そいで、ある人物を書いてこうと思って、
  それで、それを書くには、どうしたらいいだろうって考えてるうちに、
  インタビューアーってのを思いついてね、
  それで、その相手が頷かないっていうことにね(笑)」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「ああ、そういうふうに書けば、だんだん過激になって、サービスしようとしてね、
  あの女と、あの時、あそこでしけこんでた時、なんて言っちゃうわけね。
  そうすっと『ああ、これはオフレコ・・・』って(笑)」
岡田くん
  「ウフフフ。」
山田さん
  「うんで、その小説全体は、読めばね、
  その俳優がどういう人生を歩いているかわかるじゃないですか。
  上手いもんだ!と、僕は思うけどね。 短編だけど。」
岡田くん 
  「うーん。」
山田さん
  「だから、そういう種類のものってのが、僕はやっぱり基本だと思う。
  ドラマの面白さの。」
岡田くん
  「うーん。」


(曲)
JANIS IAN 『WILL YOU DANCE?』
アルティメイト・ベスト~ベスト・オブ・ジャニス・イアン・フォー・ジャパン~~





岡田くん
  「でもー、そういう、心に触れる、と言われるような作品は、
  今もう、あんまりないと言っても・・・ねえ、
  あの、そういう“作り方”をしていない・・・」
山田さん
  「そう、そう。そういうのに、もう、慣れてないから・・・」
岡田くん
  「じゃないですか。」
山田さん
  「そうそう。だから、僕の作品なんか、こう、
  突然、10年ぐらい経って(笑)出て来るとね、
  それは、他のドラマと違うから。
  なんか、奇妙な気がするらしいね。(笑)」
岡田くん
  「あー・・・そうスかねえ。」
山田さん
  「だから、そういうテンポとか。
  つまり、今『KYだ』なんて言って、空気読めるヤツがいいっていうふうに、
  なってるじゃないですか。」
岡田くん
  「うんうん。」
山田さん
  「それで、空気読み合って、あんまり台詞なくて(笑)
  空気読み合うっていうふうな事で、ま、リアルな、
  あったとしたら、ですよ。
  それを反映するだけではなくて『ドラマってのは、やっぱし台詞だろう』とかね、
  そういうふうに思う人がいたっていいと思うんですね。(笑)」
岡田くん
  「フフフ(笑)うーん。
  昔は結構、そういう作品が多かった・・・」
山田さん
  「いやぁ、うん、そう。それは、ある時代。
  橋田壽賀子さんの『渡る世間は鬼ばかり』っていうのは、
  今でも、ものすごい台詞劇ですよね。もう、台詞で溢れてる。
  だから、そういうものは、今でもまあ、ないことはないとは思うけれどもね。」
岡田くん
  「うんうん。フンフンフン。」
山田さん
  「昔は、シェイクスピアだってそうだけど。 昔過ぎるけど・・・(笑)」
岡田くん
  「フフフフ(笑)」
山田さん
  「『生きるべきか死ぬべきか』なんて、一人で言ってたんだもんね。」
岡田くん
  「それ、ずーっと、喋ってますよね。」
山田さん
  「そう。それ、台詞、多すぎるって言われたら、困っちゃうよね。(笑)」
岡田くん
  「(笑)いや、でも、昔の、作品とか観ると、
  もう、みんな早口で、ずーっと喋ってるじゃないですか。
  映画とかもそうだけど、小津先生も、そうですし、
  バアーっつって、なんだろう、今の間と全然違う・・・」
山田さん
  「そうですね。違いますね。
  だから、僕は、別に昔がいいってわけじゃないですよ。(笑)
  僕自身の、やっぱり、リズムとか、表現方法が、
  今とちょっと違って来てるっていうことは、
  こんど放送して、やっぱり感じますですね。」

岡田くん
  「会話の面白さっていうのは、何でしょうかね?
  リアリティーなのか、それとも、橋田先生が言っていた言葉は『テレビは』
  その、なんだろう・・・『ずっと観てない』と。
  料理したりとかしてるから、もう、会話を増やして、説明を入れてあげて、えーと、
  観てなくても、あらすじがわかるように作ってあげた方がいいんだ、
  っていうのも・・・」
山田さん
  「そう。僕もそのねぇ、ある程度は、僕もそう思います。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「うん。つまり、観てないよ。」
岡田くん
  「(笑)観させりゃいいじゃないですか! そういうわけでもない?」
山田さん
  「そうそう。集中度、もちろん要求したいんだけれども、
  だけど、テレビをねぇ、何にもしないで一時間観てる人って、僕は、いないと思うね。」
岡田くん
  「アッハハ!」
  まあ、そうですね。主婦とか・・・」
山田さん
  「『ずっと観てる』と言ってても、アイロン掛けてるとかねぇ(笑)」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「だから、沈黙を、そのドラマの芯に持って来たらダメですよ。」
岡田くん
  「はーぁ。」
山田さん
  「クライマックスが沈黙だったりするとね『なんだこれ?』とか言って(笑)」
岡田くん
  「アハハ!」
山田さん
  「それ、やっぱり集中度が、ものすごく悪いでしょ、テレビはね。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「映画館や芝居に比べたら、もう、ものすごく悪いんですよ。
  何か、してるもんな、大抵。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「うん。だから、それは、台詞が多くなるのは、僕は、それのせいだと思う。
  つまり、視聴者を信じられないっていうかな。(笑)ある意味では。」
岡田くん
  「(笑)うーん。」
山田さん
  「まあ、一方では、DVDやなんかがこう、手軽に出来てるから、
  DVDで観て、もう、重箱の隅、つっつくようにして観てる方もいるんですよね。
  だから、視聴態度が、ものすごく落差があるんですよ。
  だから、そこんとこをねえ、読み違えると、ダメっていう気もするね。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「それとやっぱり、台詞の面白さっていうのがね、
  “停滞する”っていう危険性もあんだよね。その物語をね。
  つまり『犯人、誰だ!』とか言ってる時に、面白い台詞なんか、やり取りしてると、
  『なにグズグズしてんだ。犯人追っかけろ!』とか言って(笑)
  揉めちゃうじゃないですか。
  だから、物語のスピードを落とさないとダメなんですよ。」
岡田くん
  「うんうん。」
山田さん
  「だから、僕は、今度のドラマでも、スピードを、今のよりも落としてます。
  それは、つまり、日常の話でね、エアコンの部屋にいて出入りするやつが、
  ドア ちゃんと閉めないと、冷たい風が入って来るから、
  『閉めろよ!ちゃんと』とかっていうようなことを言うのは、
  これ、主筋と、何の関係もないでしょう。(笑)
  そうすると、そういうのは“カット”っていうふうになっていくわけですよ。普通はね。
  だけど、僕は、ドラマの面白さって、そういう部分にあると思う。
  そういう描写にね。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「『あったかいとこにいて、そんなこと言って。出入りしてる俺の身になれ!』って、」
岡田くん
  「フフフ(笑)」
山田さん
  「言えるわけじゃないですか。」
岡田くん
  「『日常を描くのが上手い』と、いろんな人から言われていますけども、
  やっぱ、そういうとこを意識して、書かれるからですかねぇ。」
山田さん
  「うん、意識っていうか、そういうとこ面白いと思って・・・
  余分でも、書きたくなっちゃうのね。」
岡田くん
  「フフフ。」
山田さん
  「俳優さんたちも、そういうとこって、割合、乗るんだよね。」
岡田くん
  「そうですね。」
山田さん
  「うん。そういうバカなこと言ってるとこっていうのも。
  それは、リズムがなきゃダメですけれども、それは。 面白さがなければね。
  そういう描写とかなんかを、こう、ドラマが維持して行くっていうことね。
  集中度が悪いにもかかわらず(笑)維持して行くってことは、
  映画より、ずっと難しいと思うね。そういうものを。」
岡田くん
  「いや、言えないとは思いますけど、
  じゃあ、ご自身の脚本が、100点、書けたとしますよね。
  でも、出来上がりが、まあ、監督によってとか、客層によってとかも、
  あると思うんですけど。
  自分のイメージとは違うってことって、あるとは思うんですよ。」
山田さん
  「いや、そう思う。全部、違いますよ。
  それは、だって、人が演出し、人が演ずるんだから。」
岡田くん
  「そういうのって、どういう気持ちなんですか?
  もう、イライラしないですか?」
山田さん
  「いや、それはね。昔はイライラしましたね。」
岡田くん
  「アハハ!」
山田さん
  「若い時にはね。」
岡田くん
  「そうですよね。
  だって、全然『ここ、意味が違うよ』とか。」
山田さん
  「昔ね、ビデオもなかったから。ホームビデオみたいなの、なかったから、
  試写になるとね、局、行って、試写を観るって事が、あったんですよ、よく。」
岡田くん
  「はい。」
山田さん
  「そうするとねぇ、試写を初めて観るでしょ。
  そうして、ディレクターやプロデューサーも、一緒に観るでしょ。
  そいで終わって『どうでした?』って言われるとね、あのう、
  違和感ばっかりが、こう、来ちゃうのよ。」
岡田くん
  「そうですよねえ。」
山田さん
  「うん。つまりこれ、小声で言うべきだったのになぁ・・・って、
  大声出して言ってるな・・・とかね。
  これ、当然アップだろ!と思ってるのが、ロングでやったりすると。
  それでねぇ、僕は、そういうことを言った時期もあったのね。
  だけどね、よく考えたらね、僕が演出してるわけじゃないわけでしょ。
  で、演出家は、別にいるんだから、
  もし、僕とおんなじように撮ったとしたら、それは、不思議だよね。(笑)」
岡田くん
  「フフフ! まあ、そうですけどねえ。」
山田さん
  「うん。だから、これはねぇ、違うの当たり前なんだって、僕は思ったのね。
  それから、あの、初見、最初に観るのは、一人で観ようと。
  で、二度目、観て、それでも言った方がいいっていう時には言う。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「あの、最初はね、違和感ばっかり来ちゃうんですよ。
  でね、あとでね、二度か三度観てるとね、
  演出家もそれなりに筋が通ってる、とか、思うよね(笑)」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「うん。で、僕はやっぱりね、
  これは、共同作業の楽しさでもあるし、苦しさでもあるとは思うけれど、
  それでも僕は、やっぱりねぇ、それに俳優さんが加わって、
  その俳優さんが、上手かったり下手だったりして、
  むしろ、下手だったから、魅力が出たりする(笑)こともあるよね。
  そういう、いろんな複合があって、しかも、音楽が入るとかね。
  それを、楽しまなかったらね、ドラマなんかやってられませんよ。」
岡田くん
  「うん。 
  いや、僕は、やっぱ、聞きたかったのは、映像、ま、ドラマとか、映画も、
  そうだと思うんですけども、
  作家さんが『映像の力を信じている』ってことを、たまに聞くと、
  どういうとこなのかな、っていうの、細かく知りたいな、っていうのが、あるんですよ。
  その、信じてくれるの、すごく嬉しいし、
  有能な方が、こう『映像の力を』って。
  でもこう、ご自身の世界観を、全て注ぎ込むには、やっぱり、本だけの方が、
  なんだろう・・・」
山田さん
  「あっ、あの、完結します。」
岡田くん
  「完結するじゃないですか。」
山田さん
  「そうそう。」
岡田くん
  「そっから先に、例えば、手渡しをして、作品が壊れるかもしれない、
  どうなるかもわからないけど、その、
  映像にして、こう、人に観てもらう、っていうことを
  『信じている』っていうので、どういうところに、こう、
  モチベーションがあり、力があり、っていうのかなっていうのは・・・」
山田さん
  「うん。非常に、それは、下世話な返事になるかもわからないけど。」
岡田くん
  「はい、いや全然。」
山田さん
  「小説を書いたときねぇ、初めて、小説書いたとき、ものすごく楽だと思ってね(笑)」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「自由だ!ものすごく自由だ!って嬉しかったね。
  とにかく、何、書いたっていいし、
  編集者は、句読点まで、全部、僕の言う通りにやってくれるでしょ(笑)」
岡田くん
  「フフフ。」
山田さん
  「そして、夜間ロケがいくらあろうといいし、
  洪水を起こしたって、大火事を起こしたって・・・」
岡田くん
  「予算のことなんか、言われない・・・」
山田さん
  「そう。予算なんか、一切、言われない。」
岡田くん
  「デイシーンにしろ、ナイトシーンにしろ、なんてことは、
  『ここ、デイシーンだよ!』っていうことも、言わなくていいし。」
山田さん
  「(笑)そのかわり、全部の責任を持たなきゃなんないでしょ。」
岡田くん
  「はい。」
山田さん
  「それの快感も、ありましたですね。その苦しさもあったけども。
  それで、あの、少しやってるとね、
  寂しくなるんだよね。(笑)」
岡田くん
  「アハハ! 寂しくなるのか・・・へぇー。」
山田さん
  「うん。なんかねぇ、
  あっ、やっぱり、映像っていいな、音楽が入ったりすると、いいなって思うのね。」
岡田くん
  「ハハハ!」


(曲)
JADE ANDERSON 『SWEET MEMORIES』
ダイヴ・ディーパー





山田さん
  「舞台も、えー、20作ほど書きましたけれども、これからも書きますけれども、
  舞台を初めて経験した時ね、
  お客さんていうものがいるっていうことに、ものすごいショックを受けたのね。
  芝居なんか、いっぱい観てんですよ。人の芝居は。
  だけど、自分の芝居を観たときにねぇ。
  お客さんが『ワッ!』って笑ってくれたり、
  なんかこう、ガッと息詰まるように、会場全体がシーンとしたりね、
  そういうことが、ものすごく作品に影響を与える。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「俳優さんは、稽古通りやってんだけれども、それは、全然違って来る。
  それがねぇ、僕、テレビは、なんにもないなあって思ったのね。」
岡田くん
  「まあちょっと、遠くで見てるかんじはしますよね。」
山田さん
  「つまり、僕はねえ、テレビのお客さんて、見た事がないわけね。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「うちでは、つまり、家族と観ると、
  家族は、オヤジのやつ『あーぁ』なんて言えないから、
  しょうがないから黙って観てるじゃないですか。
  それ、気の毒だから、僕は一人で観るんですよ。(笑)放送もね。」
岡田くん
  「はい。」
山田さん
  「そうすっとねぇ、どこでも、お客さんを見られないの。  
  よそ行って、観せて下さい ったって、よそだって、作者が来て、横へ座ればね、
  みんな、ワリぃから、じっと観てるじゃないですか。
  いつになく、じっとしてたりして。(笑)」
岡田くん
  「アハハ!」
山田さん
  「見られないのよね。だからねその、芝居、入ったお客さんが、ワーッ!と反応してね、
  それでね、俳優さんに、こう、影響与えんのよね。
  それは、悪い影響もあるけれども。(笑)
  そのねぇ、交流みたいなもんがあることでね、
  僕は芝居をね、始めたら、ちょっと、やめられなくなってね。(笑)
  続けてずっと、やってるってことが、ここ何年だろう、だからあの、
  連続やらなくなった辺りから、少し・・・」
岡田くん
  「舞台を・・・」
山田さん
  「うん。舞台をやるようになって、
  それの楽しさもあるね。その苦しさもあるけど。
  お客さん、寝てたりしてね。作者が横にいるのに。」
岡田くん
  「ヘヘヘヘッ!(笑)」
山田さん
  「知らないからだろうけど(笑)もちろん、知らないからですかね。うん、なんか、
  『起きて下さい。ここからが、いいんです!』(笑)」
岡田くん
  「アハハハ!
  もう、でも、ドラマとか、また、大変じゃないかな。
  ま、意思にそぐわない事が、多くなることは多いと思う・・・」
山田さん
  「そんな事は、ないですよ。」
岡田くん
  「そうでもないですか?」
山田さん
  「そんなことはない。
  そんなにねぇ、僕、カミソリのようにね、鋭い神経で、テレビドラマは、
  観てちゃいけないと思う。
  お客さんが、そんなふうに鋭くないんだもんね。」
岡田くん
  「(笑)作り手側も、そうですか?」
山田さん
  「いや、自分の領域については、僕は、非常に細かく、あの、なんてんだろう、
  一行でも、何日もかかったりするって事がありますよ。
  だけど、渡してからはね、みんなで作ってるんだから、
  しかもそれは、現実の制約が、いろいろあってのところだから、
  俳優さんが、解釈が違うとか、わかってないとかってのは、ありますよ、そりゃね。
  でもねぇ、そりゃまあ、しょうがないと思うね。(笑)うん。」
岡田くん
  「あー。」
山田さん
  「そんな、人生すべて上手く行くなんて事はないんだから。」
岡田くん
  「アハハハ!」
山田さん
  「作品ばっかりね。こっちの思う通りにはいかないってふうに思うね。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「うん。それでもね、僕は、テレビドラマってのは、利点てのは、
  大勢の人が観て下さることね。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「つまり、芝居だとね、450ぐらいの客席に、50の補助席を入れたりすると、
  もう、大当たり!みたいな気がするけど、考えて、500人しか入ってないわけで、
  それに比べて、1% 50万とかいうじゃないですか、テレビね。
  50万なんてね、もう、人間の桁ではないですよ。」
岡田くん
  「フフ。すごい数ですよね。」
山田さん
  「そう、すごい。1%でも、テレビ作ってる人は、ひれ伏して、ありがとうって、
  言わなきゃいけないのに、1%だったらもう、プロデューサーからなにから、
  廊下の真ん中、歩けなくなるでしょう。(笑)
  クビんなる人だって、いるかもわかんない。」
岡田くん
  「視聴率・・・ねぇ。」
山田さん
  「うん。つまりね、それは、僕、非人間的なスケールだと思うのね。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「うん。だからね、その数字にねぇ、あんまり、つまり、
  大変な基準のようにしているとかね。
  それからこう、テレビっていうものを、あの、ものすごいメディアであって、
  日本の文化をしょってるくらいの、メディアであるにもかかわらず、
  文化だと考えてないっていうことね。」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「うん。つまり、やっぱりそれは、ピカソが出て来たときとかね、そういう時みんな、
  ピカソに、すぐ拍手したかっていや、しないでしょ。
  そういう種類のものが、つまり、揺り動かして、次の時代を創っていくわけでしょう。
  だけどそれ、いつも、耳当たりのいい、口当たりのいい、ものを作ってたら、
  前衛には、絶対なれないよね。
  だから僕は、前衛になる必要はないと思うけれども、
  せめて、これは文化なんだ、と思う・・・」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「韓国は、ドラマの中間に、CMを入れないっていうでしょ。
  僕は、それだけだってねぇ、韓国の方が素晴らしいと思う。(笑)」
岡田くん
  「(笑)うん。」
山田さん
  「だってねぇ、物語ってのは、嘘の話なんだから、
  嘘の話に、こう、引き込むっていうのはね、そりゃ、力がいりますよ。
  で、引き込んだと思うと、コマーシャル?」
岡田くん
  「うん。」
山田さん
  「で、また、引き込んだと思うと、コマーシャル?」
岡田くん
  「うーん。」
山田さん
  「なんか、意地悪してるような気がして・・・(笑)」
岡田くん
  「アハハ! まあ、難しいですよねぇ。」
山田さん
  「うん。だからねえ、それはねぇ、日本は堂々と胸を張って、
  “テレビは文化である”ただ気晴らしだけじゃない、
  も少し、つまり、深いところへ届く、人間のほんとのところ、ほんとの、
  “夢”であるとか、なんていうか、“苦しみ”であるとか、
  そういうところへ触れるものを、作るっていうことね。
  そうして、ほんとの、
  気晴らしじゃなくて、勇気が出たり、生きる力が湧くようなものとか、
  そういうものを作るんだっていうふうな、“誇り” みたいなものをね、
  もっと、つまり、偉い人から、ずっと持ってくれたらね、
  かなり違って来ると思う。」


(曲)
GARTH BROOKS 『 WHAT SHE'S DOING NOW』
The Ultimate Hits




 
(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、山田太一さんと、お話しをさせていただきました。
いやぁ、でも、そうだなあと思いました。
“作り手側が 誇りを取り戻せる時代” を作りたいなあ、と思って、僕も、
ちょこちょこ、ちょろちょろ、やってますけど。(笑)
うーん、ねえ。そういう時代にしたいぁと思いますし。

なんだろう、“脚本家”っていうかんじでしたねぇ、っていうか、
あの、失礼かもしれないですけども、巨匠のね、方ですから。

ちょっと達観していて、やっぱこう、地図を作る人なので、
いろんな事を頭の中で、全部こう、トータルでものを見れて。
腹の内の内は、あんまり言わない、みたいな。 ハハハ!(笑)
ほんとは、たくさんあるんだけど、それを全部、受け入れて、受け止めながら、
こう、ちょっと、話していてくれてるっていうね、かんじもしましたし。

でも、まあ、希望をね、
こう、若い人達にも持ってもらえるような、ドラマをね。
実際、そうなんですよね、なんか、やっぱりこう、
僕でさえも、ドラマを。
ドラマじゃなくて、テレビを、
言っていいのか、わからないけど、
『テレビを、見限らないでくれ』って、言われたりもするわけですよ。
だから、僕なんかにも、そう、ね、言われたりするような時代なので。

でも、まあ、なんかこう、グワァー!ってね、観てもらえるようなものをね、
作って行きたいなぁとは、思いますけどねぇ。

ちょっと違ったのは、やっぱりこう、なんだろう、視聴者の人は、みんなこう、
『観ないんだよ』って、『ずーっと、観てないんだよ』って、おっしゃってましたけど、
僕は、“観るもの”を作りたいですよね。
あのー、テレビから離れられないみたいな。
それは、でも『DVDで観るから』とは言ってたけど、
ま、それもそうなんですけど。
『その時間、これを観なきゃ!』みたいな。
っていうような、こう、力強いものをね。
“作りたいなー” と!
思って・・・ます。
アッハッ! なんて・・・言ってみたり・・・ですけど。

まー、怒られなくて、よかったです。」


(曲)
RAY CHARLES 『ELLIE MY LOVE』
エリー・マイ・ラブ~いとしのエリー





(山田さんからのコメント)

「岡田さんがね、非常に、いい聞き手で、
ちゃんと、僕の目を見てくれて、頷いてくれて。
考えると、50歳近く、歳が違うんだからね(笑)
共感しなかった事も、あるかもわからないけれども。

やっぱり、今のドラマとか、映画に、合わせんじゃなくてね、
自分が作りたいもの、映画でも、持ってないといけないよね。
で、それを、つまり、くじけないでね、持ち続けようとすると、
僕はやっぱり、いいものは、開けて来ると思う。
すぐさま、効果があったりね、すぐさまっていう、
大当たりするとか、そんなこと考えてるとね、
結局、まわりの状況に、合わせなきゃなんなくなって来て、
なにやってんだか、わかんなくなって来るっ てとこも、あると思うのね。
だから、やっぱり、自分の物語はなんだ。 これ、語りたいんだ。
こういうふうに、語りたいんだ、ってものをね、
まず、持つことね。

それは、若い時に、そんなに、くっきりは、なかなか持てないですよ。
だから、それは、いろんな経験してる間に、
だんだん、だんだん、自己形成をしていくっていうプロセスはね、
別に、あわてる事はないと思いますね。
まだ、若いんだから、あと10年ぐらいは、雌伏してたっていいくらいだと思うね。フフ。

久し振りで、若い人の前で、風呂敷広げたようなかんじです。(笑)
あの、楽しかったです。」



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