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2010/05/30 on air  「海外の音楽や文化に触れる良さって何ですか?」          (guest) ピーター・バラカンさん

200CDピーター・バラカン選ブラックミュージック



200CDピーター・バラカン選ブラックミュージック


ピーター・バラカン



(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も、みなさんと一緒に、成長したいと思います。

今日のゲストは、ブロードキャスターの ピーター・バラカンさんです。
ピーター・バラカンさんは、みなさん ご存知の通り、
音楽評論や、ラジオDJ、『CBSドキュメント』 の司会として、活躍してらっしゃいます。
でも、ブロードキャスター という肩書は、珍しいですよね。
もう、すごく こだわりがありそうな感じもします。

ピーター・バラカンさんは、日本で 海外の様々な音楽を紹介。
ピーターさんによって、海外の いい音楽を知った方や、
その音楽が生まれた国のことに 興味を持った方は、多いんじゃないでしょうか。

でも、最近の日本の若者は、海外旅行に行く人が減り、洋楽を聴く人が 減って来ています。
映画も、超大作以外は、洋画より 邦画を観る人が 増えましたよね。
海外の文化に触れることに 消極的な若者が増えたのは、何故なのか。
海外の音楽や文学に触れる良さ って 何なのかを、今日は お聞きしたいと思います。

“海外の音楽や文化に触れる良さって何ですか?”

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒にお付き合いください。」



(曲)
T REX 『GET IT ON』
電気の武者+8 30THアニヴァーサリー・エディション


岡田くん
  「まずですね、『CBSドキュメント』 復活、おめでとうございます。」
バラカンさん
  「ありがとうございます。」
岡田くん
  「あれも、すごい いい番組じゃないですか。」
バラカンさん
  「いや、僕は、とても いい番組だと思ってるんですけど、
  残念ながら、でも、地上波からは、もう 消えてしまいました。」
岡田くん
  「そうですねえ・・・」
バラカンさん
  「あとは、CS か ケーブルか、どっちかにアクセス出来る人じゃなければ観られない。
  これは、ちょっと 残念です。」
岡田くん
  「でも、一回 終わるときに、あの、最終回で、バラカンさんは、すごく、
  『何で、この番組 終わらすんだ』 みたいな感じだった っていうのが(笑)
  結構、伝説になってると 聞きましたけど(笑)」
バラカンさん
  「あ、そうですか。 ハッハッハ。」
岡田くん
  「やっぱ、そんだけ、やっぱ 大切な、いい番組だ っていう、
  もの作りの仕方を して来てた ってことですよね。」
バラカンさん
  「そうですね。 真剣に作ってる番組ですし、
  しかもね、必要以上に 堅くなくてね、誰でも、観れば わかる。
  ああいう、時事ネタ っていうのは、難しく語ろうと思えば 難しくなるし、
  わかりやすく語ろうと思えば、結構ね、
  そんなにね、専門知識がなくても わかる問題は、たくさんあると思うんですよね。
  結局、社会問題 って言うと、なんかこう、構えて 考えるかもしれないけれども、
  結局、我々が みんな、暮らしてるのが 社会なんだからね、いろんな問題が 起きるわけで、
  それについて どう思うか、どう考えるか っていうのは、すごくね、誰でもね 絶対に、
  あるとき、考えなければいけないことですから、
  とっても、そういう意味では、参考になる番組だし、
  自分の思考回路を、こう、刺激してくれる番組ですね。」
岡田くん
  「うーん。 今日は、バラカンさんの、生き様を知りたいなあ と思ったんですよ。」
バラカンさん
  「あ、どうぞ、何でも 聞いて下さい(笑)」
岡田くん
  「そういう 『CBSドキュメント』 に対しても、
  まあ なんか、普通だったら、終わる ってなったら、
  いろんなことが あるから、まあ でも、感謝しながら、文句は言わずに、
  ありがとうございました って終わるのが・・・」
バラカンさん
  「(笑)」
岡田くん
  「まあ、普通だったりとかするじゃないですか。
  いろんなことを考えたうえで。」
バラカンさん
  「はい。」
岡田くん
  「でも、そんなかでも、バラカンさん、
  『これ、何で 無くすんだよ』 とか、言える人 っていうか。
  その、日本に、70何年でしたっけ? 4年に、来日されてから、
  やっぱり、そういう番組作りとか、もの作りだって、いまの ラジオだって、
  あんなに、好き勝手 作ってるラジオ って、無いと思うんですよ。 変な話を 言うと。」
バラカンさん
  「いや、そうかもしれません。」
岡田くん
  「この時間帯だったら、こういう音楽を流すとか、やっぱり こう、なんだろう、
  暗黙のルールとか・・・」
バラカンさん
  「あります、あります。」
岡田くん
  「やっぱり、あるじゃないですか。 ものを・・・
バラカンさん 
  「だから、3時間の生放送を、去年の10月から、やってるんですけど、
  僕が これまで 30年間、ずっと、ラジオの仕事を して来たんですけど、
  やっぱりね、朝の番組だっていうことを、ある程度 考慮しながら やってますけどね。」
岡田くん
  「うん。」
バラカンさん 
  「毎日の番組だし、これまでは 大体、週に一回の番組しか やってませんのでね、
  そういうのだと ほんとにね、時間が少ないし、
  自分が、ほんとに これを聴いてほしい、っていうものを中心に。
  もちろん、リクエストも 頂くんですけど、
  取り上げるリクエストは、やっぱり、自分が かけたいものですよね。
  DJ、誰でも そうだと思いますけど。 でも、毎日となるとね、もっとね、
  いまの日本の FM から消えつつある 過去の洋楽を、
  とりあえず、もう一度 戻してみたい と思ったんです。」
岡田くん
  「うーん。」
バラカンさん
  「60年代 70年代の、あのへんの、
  素晴らしい音楽文化 っていうものが、あるんですね やっぱり、洋楽の。
  それを ほんとはね、自分が 好き嫌いに関わらず、知っている。
  とりあえず 『あっ、この有名な曲 知ってるよ』 というのが、
  人間が生きて行く上で、最低限のね、なんていうんだろう、
  教養のようなものの 一部だと思うんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
バラカンさん
  「僕らの世代は、そうだったね。
  別に、好きでも何でも ないんだけど 『あ、この曲 知ってるよ、もちろん』
  クラシックにしても ポピュラーにしても、しょっちゅう 耳に入ってたからですよね。
  いまはね、耳に入って来ないから、みんな 知らないんですよね。
  そうすると、優れた 世界的な音楽文化 っていうのは、消えてしまうのか って。
  すごくね、僕は 危機意識 持ってますね、それについて。」
岡田くん
  「なんか、あの、いまと昔で、音楽の聴き方が、変わった っていうことって ありますか?」
バラカンさん 
  「劇的に、変わってますよね。」
岡田くん
  「変わってますよね、たぶん。
  なんか、バラカンさんとかの あれ、いろいろ 見てたりすると、
  一つの音楽に、その国の文化だったり 宗教だったり、その人が作った 生き様だったりとか、
  ていうものを、その・・・ライナーノート。」
バラカンさん
  「あぁ。」
岡田くん
  「とかに書かれたりとかもしてて、
  一つの音楽の聴き方が、もっと こういう 深さがあるんですよ、ってことを、
  みんなに 伝えてくれていた気は するんですよね。
  でも、いまって、そういうかんじも無いのかなあ って、思ったりとか・・・」
バラカンさん
  「どうだろうね。 ライナーノーツは、書かなければ、
  レコードを聴いただけでは わからないかもしれないことを、当然、書きたいですよね。
  そうでなければ、何のための ライナーノーツ か っていうことに なるしね。
  確かに、いまの若い人達はね、まず、CD っていうものを、
  僕の 子供達も、そうなんですけどね、
  こんなCD、たぶん 気に入るんじゃないかなあ と思って、こう、貸すじゃないですか。
  それで、一回 聴いて、ちょっと いいと思ったらね、すぐ i-pod に入れて、
  それで すぐ、返して来るんですよ。 『あっ、ありがとう』 って言って、
  パッケージは 何もいらないし、情報も 別に、読みたいわけじゃないし、
  音さえ あればいい、と。
  大体、いまの日本の 若い人達は、
  ほとんど そういうふうに、なって来てると思うんですね。」
岡田くん
  「まあ、そうですね。」
バラカンさん
  「一方的に、それが 悪いことでもないと思います。
  僕の世代だったら、逆に みんな、文字から入って、 
  人によって なんですけど、頭でっかちになって、
  文字とか文章を 読んだから 知ってるような気になるんだけど、
  じゃあ、ほんとに その音楽を、深く 聴いて、ほんとに わかるか っ て言ったら、
  疑問に思うこともあるし。
  だったらね、純粋に 音と向き合って、その音を 楽しんでれば、
  それは それで いいような気もしますけどね。」


(曲)
R.E.M. 『RADIO SONG』  
アウト・オブ・タイム


岡田くん
  「74年に来日されて。」
バラカンさん
  「はい。」
岡田くん
  「どういうものを、こう、伝いたいと思って、来られたんですか。
  はじめから、何かを伝えたい! と思って、日本に 来たんですか?」
バラカンさん 
  「最初から、メディアの仕事をしてなかったんですよ。
  最初はね、シンコー・ミュージックという 音楽出版社の社員として、
  国際部 だったんですけど、海外の楽曲の権利を、その会社で 管理してるわけですから、
  その権利を取って、会社として、印税が発生するように しなきゃいけない。
  要するに、ほとんどの場合はね、レコードが出れば、印税が発生するわけだから、
  そういう方の、音楽関係のサラリーマンの仕事、6年間、やってたんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
バラカンさん
  「日本に来る ちょっと前から、
  自分のラジオ番組を持ちたいなあ っていう、夢は あったんですけどね。
  あんまり、 そんなの 実現するとは 思ってませんでしたね。
  で、ほぼ たまたまに近い感じで、番組を持つように なったんですけど、
  僕の場合はね、DJ になりたいと思ったのは、
  有名になるとかね、お金持ちになるとか、そういうことでは 全然 なかったんですよ。 
  だから、テレビに出ようと、一度も 思ってなかったし、ラジオだけでいいと思ってたんですけど、
  どんな深夜の番組でも、何でもいいんだけど、
  こういう、すごい音楽 あるぜ! ということを訴えたかっただけです。」
岡田くん
  「最初から 日本に こう、結構、浸透して行きましたか?」
バラカンさん 
  「いやいや。」
岡田くん  
  「全然・・・」
バラカンさん
  「僕の番組は、もう みんな、だから、深夜番組ばっかり やらせてもらっていたのは、
  要するに、僕の選曲では、多くの人が聴いてる時間帯では、
  誰も、お金になると思ってなかった っていうことですね。 それ、読みは 正しいと思う。
  で、そういう番組があっていいと思うんですよ。  
  どこの放送局でも、昔はね、いわゆる “サス番組” って 業界用語で言うとね、あったんですね。   
  サス っていうのは “sustain” 維持された番組。
  放送局が、スポンサーを 敢えて 付けようとしなくても、
  これは 要するに、教養のために、こういう番組を制作しようというね、
  姿勢を みんな、持ってたんですけど、それが ほとんど、いま、無くなって来ちゃった。
  残念ながら。」
岡田くん
  「うーん。 この番組は、そうです。」
バラカンさん 
  「あぁ。」
岡田くん
  「 “サス番組” です。 サス番組(笑)って言ったら変ですけど。
  まあ、あの、洋楽で、
  一番 そのとき、人気があった っていうのは・・・」
バラカンさん 
  「僕が、日本に来たとき?」
岡田くん
  「はい。」
バラカンさん
  「カーペンターズかな。 ほんとに、良く出来た ポップミュージックで、
  世界的に 人気があったんだけど、日本は とにかく、みんな カーペンターズ 好きでしたね。」
岡田くん
  「その頃、お薦めしてたのは、誰だったんですか?」
バラカンさん
  「僕? 僕は、なんだろうね、リトル・フィート っていうグループが、大好きでしたね。」
岡田くん
  「んっ、リトル・フィート。 たぶん まあ、この後、聴けると思うんですけど(笑)
  この後、流れると思うんですけど。」
バラカンさん
  「岡田さんは、いま、29歳?」
岡田くん
  「29です。」
バラカンさん
  「29歳 ってことは、8・・・?」
岡田くん
  「80年です。」
バラカンさん
  「80年に、生まれたか。
  その前の年に、リトル・フィート のリーダーの、ローウェル・ジョージ っていう人がね、
  亡くなったんですよ。」
岡田くん
  「あー。」
バラカンさん
  「だから、彼らの音楽は、70年代の音楽だから、
  なかなか 自分が生まれる前の音楽 っていうのはね、何か、触れるきっかけが無ければね。」
岡田くん
  「そうッスねぇ。」
バラカンさん 
  「出会えないものなんですよね。
  だから、僕が言ってる、過去の音楽文化を衰退させないための努力 っていうのは、
  まさに、そういうことです。」
岡田くん
  「うーん、衰退させない・・・その、
  “過去の音楽” って、言っていいのか、わかんないですけど、
  例えば、生まれる前とか、いまは 聴かれなくなって来てる・・・」
バラカンさん
  「はい、過去の音楽です。」
岡田くん
  「過去の音楽 にある 力 っていうのは、何ですか?」
バラカンさん
  「いや、過去に限らず、音楽に、なぜ 力 があるかって、
  いや、とても 深い質問ですけどね、それは。
  聴き手によって、違うと思います。
  普遍的な、何か素晴らしいものを持ってる音楽 っていうのは、確かに あります。
  でも、そういうものでもね、個人がね、こんなの なんか、よく わかんねえや、
  って言えば、それまでだし、やっぱ、最終的には 主観ですよね。
  多くの人を感動させる音楽は、何なのかな・・・
  歌に関して言えばね、痛みを表現できる人 っていうのは、
  多くの人を 感動させることが出来るんじゃないのかな。
  本当の、なにかこう、痛みを体験していて、それを、歌で伝えることが出来る っていうのが、
  一番、強いんじゃないのかな。」
岡田くん
  「その、いまの音楽と 昔の音楽の、違い って何ですか?」
バラカンさん
  「うーん・・・」
岡田くん
  「いや、わかんない。 勝手に感じるのは、その、痛みが違う気は するんですよね。
  昔の音楽 の方が、叫んでた って言うか わかんないけど、
  自分の気持ちを 発していた気は するんですよ。」
バラカンさん 
  「はい。」
岡田くん
  「その歌い手さん達の、文化だったり 宗教だったり 感じているものを、
  ダイレクトに、伝えることが多かった気は するんですよ。
  でも、いまは、聴く人が どういう感じを得るのかとか、
  その・・・消費してくれてる方々に、こういうのが いいんじゃないか っていうのが、
  多くなって行ってる気もするんですけど、そうでは ないですか。 それは・・・違いますか。」
バラカンさん
  「うーん、どうでしょうね。 それに答えるのは、非常に難しい。
  とにかく、いまの時代は、とにかく 多様化しているからね、
  ちょうど、岡田さんが生まれた頃から、音楽業界は、ものすごく 多様化しました。
  80年代 以降。
  しかも、MTV っていうものが生まれたことによって、音楽は、観る要素が 必要になって来た。
  そうすると、音楽を作るための費用が、莫大になって来て、
  そうするとね、レコードを一枚 作るために、お金が、倍とか 3倍、掛かるようになると、
  それだけの投資をしているからね、売れなきゃ困る。」
岡田くん
  「うーん。」
バラカンさん
  「そうすると、冒険が出来なくなる。 保守的に 作るようになりますよね。
  そうするとね、無難なレコードばっかり 作るようになる。
  そうすると、出来るだけ多くの人に、こう、平たく 受け入れられる音楽が、
  必然的に、多くなると思うのね。 まさに、そういう流れに なって来てると思う。
  だから、たぶんね、岡田さんが いま言ったことと、結果的に 同じことだと思うんです。」
岡田くん
  「うーん。 なんかこう、昔の人の 歌詞とか 詩とかって、
  なんで、この年で、この人は こんなことが書けたんだろう って思うことが多いんですよ。」
バラカンさん
  「ありますね、そういうことね。」
岡田くん 
  「20前半で、なんで こんな歌詞が書けるんだ、この人、とか、
  っていうことが やっぱ、多いんですよね。」
バラカンさん 
  「ときどき あります。 はい、あります。」
岡田くん
  「でも、いま そう思うことは、なかなか無いというか。 この人の・・・なんていうか、
  日本でも、そうです。 海外のものでも、日本のものでも、
  どんな経験して来たんだ、この人は! みたいなのが、やっぱり、
  僕が 感じるのは、昔の方が、圧倒的に すごい歌詞だし・・・」
バラカンさん
  「昔もね、浅はかなものが、たくさんあったと思うんですよ。」
岡田くん
  「ま、そうですね、ありますけどね。」
バラカンさん
  「やっぱりね、時代が、というか 年月が経っても、まだ 残っているものはね、
  何か、特別なものがあるから 残ってると思うんですね。
  そうじゃないものは、忘れられてしまってるかも しれませんね。」


(曲)
LITTLE FEAT 『WILLIN'』
Little Feat


岡田くん
  「聴き手によって、音楽っていうのは、やっぱ 何なんですか?」
バラカンさん
  「あのね、聴けば聴くほど、もちろん いろんな、例えば 新しいレコード 聴いたときに、
  自分が これまで、こう、何年もの間に、積み重ねて来た 感性 っていうのかな。
  で、それを、うーん・・・解析 って言ったらね、すごく 堅くなっちゃうんだけど、
  結果的に、それに近いことになると思うのね。
  でも、まだ、13歳とか 14歳で、ほとんど、音楽 まだ知らない人が、
  同じレコード 聴いて、じゃあ その、理解の仕方が同じかっていったら、そうじゃない。
  当然、自分の人生経験が違うから。  
  だから、人生経験だとか 年齢だとか、あるいは、自分が どういう社会で育ったかとか、
  いろんなことによって、音楽の聴こえ方が、当然 変わって来ると思うんですね。」
岡田くん
  「うーん。」
バラカンさん
  「だから、僕もね、若い時に聴いたレコードは、子供なりに 好きだったものでも、いま聴くとね、
  あっ、そうか、こういう側面があったのか、と 初めて気がつくことだって あるし、
  音楽は、そういうふうにね、一生、いろんな楽しみ方が出来るから、また、いいんですけどね。」


(曲)
FLEETWOOD MAC 『DON'T STOP』
噂(リマスター&ボーナス・ディスク・エディション)


岡田くん
  「まあ、困難な時代 というか、不幸な時代 って言ったら変ですけど、
  その方が、いいものが生まれる っていう感覚は ありますか?」
バラカンさん
  「あると思いますよ。 もの足りないことが、
  あるいは、フラストレーションが溜まるようなことがあると、
  人間は やっぱりね、戦う気力が出て来ますからね。
  それは、音楽でも 何でも、他の活動でも、何でも そうだと思うんですけどね。  
  困難な時代の方が、たぶん、文化的に面白いんじゃないのかな。」
岡田くん
  「うーん。 70年代 80年代を、ちょっと 具体的に、教えてもらいたいんですけど、
  そういうのが やっぱ、強かった時代じゃないですか、70年代・・・」
バラカンさん
  「70年代は、そうですね、まあ、僕が生まれ育った イギリスは、とにかくね、
  失業率が高くなったり、若者が、あまり 夢が持てなくなったり、
  パンクロックとか、そういうのが生まれて来たのは、一つには、そういう背景が ありますね。
  まあ、仕掛け人がいたという、また 別の側面も あるんですけど、
  70年代は、すごく エネルギーがあったと思います、とにかく。
  80年代は 逆にね、日本も バブルの時代だったし、
  欧米でも、いわゆる ヤッピー と呼ばれた、人達、まあ なんていうんだろう、
  要するに、バブルに近い状況だったわけでね。
  僕の好きなミュージシャンの一人に、エルヴィス・コステロ っていうイギリス人が いますけど、
  彼が 言ったのは “80年代は、音楽が忘れた10年間”
岡田くん
  「ほぉー。 あー・・・」
バラカンさん
  「まあ、これは 言い過ぎ っていえば、言い過ぎなんだけど、
  でも、かなり近いこと 言ってると思うんですよ。
  80年代の音楽を、いま 聴くとね、なんか 妙に浮いてる、
  地に足が着いてないような感じの音楽が、すごく 多い。」
岡田くん
  「うーん。 やっぱり、ちょっと こう、なんだろう、バブル・・・
  まあ、経済が上がってるとき っていうのは、
  やっぱ、そういう感じになる っていうのは、あるんですかね。」
バラカンさん
  「でね、経済が あまり良すぎるとね、
  みんな、いつまでも これが続く っていうふうに、思い込むでしょ。
  そうすると、人間はね、傲慢になってきますね。  
  で、自信過多になって、日本もね 『「NO」と言える日本』 という本が 流行ったりとかね、
  そういう いろんなことがあってね、結局、90年代に入ると、日本の経済が もう、ガダンと。」
岡田くん 
  「落ちましたよね。」
バラカンさん
  「日本に限らず、どこの国でもね、人間が傲慢になって来るとね、必ず そういう、
  仕返しが来るものだと思うんですね。 これ もう、普遍的な、バランスだと思う。
  だからね、どんなに 状況が良くても、謙虚さを喪わないことが、一番 必要なんじゃないかな。」
岡田くん
  「うーん。 あの、ピーターさんが、いろいろ こう、見て来たアーティストで、
  この人は、こういう いいこと言ってたよ みたいな、言葉 って、あるんですか。」
バラカンさん
  「いっぱい あるんでしょうけど、僕の、一つ、
  もう、ずっと昔から 大好きな言葉が あるんですよ。
  ボブ・ディラン のね 『Like a Rolling Stone』 ていう歌の歌詞の中にね、
  “When you got nothing, you got nothing to lose”
  というのが あるんです。
  “何も 持ってないと、失うものも ない”
  要するに、何も持ってない人ほど 強い、っていうか、恐れるものも ない、
  要するにね、何でも出来る。
  大好きなんです、それは。」


(曲)
BOB DYLAN 『LIKE A ROLLING STONE』
追憶のハイウェイ61


岡田くん
  「いまの時代は、こう、インターネットの時代で、海外の情報とかも、映像とか、
  音楽だけじゃなくて 映像も手に入るような、簡単な時代になって来ていますけども、
  その、良さと 弊害 が、あると思うんです。」
バラカンさん
  「うん、そうですね。」
岡田くん
  「それ、どう思われますか?」
バラカンさん
  「なんでも すぐに検索すれば、情報が手に入る っていうのは、
  もちろん、すごく 便利なことです。
  学校の勉強も、随分ね、変わって来るんじゃないかと思うんですね。
  例えばね、家にね、百科事典なんて、いま 買う人は、たぶん いないと思うんですよね。」
岡田くん
  「そうですね。」
バラカンさん
  「僕らの子供の頃はね、百科事典は あって、時々 引いたものなんですけど、
  いまだったら 大体、ウィキペディア 行っちゃいますから。
  そういう意味では、どこにいても 情報 すぐに手に入るものだからね、
  勉強しなくてもいい と言えば、あ そうか、って思ってしまいます。  
  だったらね、学校で過ごす時間を もっと効果的に使えるんじゃないかと、僕は 考えますね。」
岡田くん
  「うーん。」
バラカンさん
  「日本では、情報の詰め込みばっかり、いまだに やってるからね、
  物事を 自分で考えることが出来る人 って、意外に少ないと思うのね。
  指示を与えられると、その 指示どおりに行動することは、極めて、
  勤勉だし、みんな、良く出来るんですけど、
  じゃあ、問題が生じたときに、自分で考えなさい って言われたら、右往左往してしまう。
  というのは、昔から、よく 指摘されることですけど、いまだに たぶん、そうだと思う。
  でもね、なぜ、そういう教育をやってたかというと、ちょっと、脱線してるんですけど。」
岡田くん
  「全然、だいじょぶです。」
バラカンさん
  「あの・・・終身雇用という制度があって、いわゆる 一流企業に入ってしまえば 安泰で、
  定年まで、ずっと行ける。 年功序列で 行けると。
  でも、その時代が 崩れて来ちゃって、もう、20年ぐらい 経ってますよね。
  そんなね、安泰なんていうものは もう、ほとんど 見えてない時代に なって来たのに、
  教育の仕方が、いまだに 全然、変わってない。
  だから、もっと もっとね、考えなきゃいけないと思うんですね。
  特に、情報の詰め込めをする必要は無い。
  情報は 情報で、インターネットに 置いとけばいい。
  ま、多少、頭の中に あった方が、もちろんね、有利な時はある と。
  でも、もっと もっと 大事なことが、いっぱい あるんじゃないのかな。」
岡田くん
  「うーん。
  考える力 というか、それは でも、音楽を探す とか、聴くことで、
  養われたりすることでも あると思われますか?」
バラカンさん
  「うーん。 音楽を探す っていうのは、欲しければ 探す。 欲しくなければ 探さない。  
  で、僕としては、自分が いいと思う音楽を、人に紹介したい立場だから、
  当然ね、みんな、普通の番組を 聴いてくれるような人達、
  あるいは、番組を聴いてくれないような人達も、
  自分で能動的に 音楽を知ろうとするのが、とっても ありがたいことだけど、
  でも、そうじゃない人はね、強制できることじゃないですよね。
  どんなに、僕が 訴えても、音楽なんか、別に あんまり、興味ないから って言われれば、
  あ そうですか で、もう 終わっちゃうんですよね。」
岡田くん
  「いま、選択できる、
  考える力は 養ってないかもしれないですけど、
  学校とかで、もっと 重要に やった方がいいと思いますけど、
  選択できる っていうことが、増えたじゃないですか。
  検索できれば、何でも 選べる、ってなったときに、
  どれが、果たして、いいものなのか。
  いいもの って、何なのよ、っつったら 別ですけど、その・・・」
バラカンさん
  「まずね、信頼できるかどうか っていうのが、大きな問題ですよね。
  インターネットの情報 って、あんまりにも 多様だし、多いからね、
  文字で書いてあると、ついつい、これは真実だと 思い込みがちなところが あるんですね。
  もちろん、新聞も そうだけど、新聞は まだね、 
  編集者という過程を経て、文字が 紙に印刷されて、配布されるわけですよね。
  でも、インターネット っていうのは、誰でも、勝手に書いたものを ブログに出したり、
  あるいは、ウィキペディアも、結局 誰でも編集できるもので、
  いま、それが 問題になって来てるから、少しは 修正の方向に いま 行ってるんですけどね。
  インターネットで見た情報が、本当かどうか、ほんとに わかんないんですよね。
  じゃあ、そういうときに どうするか。
  これは、自分以外に信頼できるものって、あんまり無いと思うんですよね。
  まあ、合理的に考えればね、この情報 面白いけど、どうなのかな? と思った時に、
  他に検索して、裏付けが取れるかどうか っていうのは、
  ジャーナリスト と同じような やり方になると思うんですよね。
  例えば 僕、音楽の紹介をしてて、
  誰か 好きなミュージシャンが 死んだ っていう、情報が入って来ます。
  それで、いい死亡記事を見つけて、放送で紹介しようと思うと、
  大体ね、通信社が出したものだったら、ある程度 信用できると思うんですけど、
  でも、勝手に 誰々、ファンが、ちょっと 間違いのある情報を出したとしても、
  それがね、何百回もコピーされて、一人歩きしてしまう可能性もあるし。」
岡田くん
  「あのー、ピーターさんが、いろんな選択をして、選曲をして行くわけじゃないですか。」
バラカンさん
  「はい。」
岡田くん
  「それは、何を信じて、選曲して来てんのかなあ って。」
バラカンさん 
  「ものすごく、単純なんですよ。
  自分の心に 響くもの。 それだけ。
  ジャンルは、どうでもいい。 時代は、どうでもいい。
  曲が、長いとか 短いとか、明るいとか 暗いとか、どうでもいい。
  自分が 聴いて、あっ これは いいな、これは 人に聴かせたいな、と思えば、
  番組の 選曲に入れる。」
岡田くん
  「うん、うん、うん。」
バラカンさん
  「ほんとに 音楽はね、ほんとに もう、主観ですからね、いろんなものを聴いて、
  自分が いいと思うものがあれば、CD でも買って、あるいは ダウンロードして、
  とことん 聴けばいい。 でも、自分の好み っていうのはね、
  ある程度、いろんなものを聴いてみないとね、好みが 定まらないものですからね、
  ま、お金を掛けられないのはね、若者の、
  いつの時代でも どこの国でも、共通する問題だと思うんですね。
  おこづかいが、大体 限られてるものだから。
  僕も、ティーンエージャーの時はね、小さい シングル盤しか、大体、買えなかったんですから。
  でも、あの時代はね、ラジオのスイッチを入れれば、ガンガン いろんな音楽が流れたんです。
  好きなものもあれば 嫌いなものも、あったんだけど、いっぱい聴いてるとね、
  あっ これいいね!っていうものは、やっぱり 出て来ます。  
  ま、友達も みんな、音楽好きだったからね、僕が持ってないものでも 友達が持ってれば、
  あっ これいいね! って言って。
  ラジオは タダですから、お金 全く掛けなくてもいいわけで、
  で、最近ね、東京近辺では 少なくとも、
  “IPサイマル” っていう、インターネットで番組が聴けるよね。 J-WAVE も、そうです。 
  だから、そういうふうに聴いてみて、いいと思うものが あればいい。
  もう、そのぐらい 単純なことです。」
岡田くん
  「そうか、結構、自由・・・自由 っていうか、自分を信じて。」
バラカンさん
  「もちろん。 自分以外に、何が 信じられますか。
  ジョン・レノン は、言ってましたよ。
  “ビートルズは、信じない。 神は、信じない。 何も、信じない。
  信じるものは、オレとヨーコ だけだ”
  って 言って。 いや、所詮、そういうもんですよ。」
岡田くん
  「(笑)そうですね。」
バラカンさん
  「自分以外に、一人でもね、とことん 信用できる人がいれば、
  ラッキー だというものだと 思いますよ。」


(曲)
JOHN LENNON 『GOD』
ジョンの魂 ~ミレニアム・エディション~



(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、ピーターさんと お話をさせていただきましたが、
いやあ、ね、真っ直ぐな・・・真っ直ぐな方でした!(笑)って言ったら、変ですけど。
ほんとに、素直に、やられているんだなあ っていう感じがするし、
優しいよね、って すごく思いました。
あの、言葉の節々に、いろんなことを考えられて、
日本の教育問題 だったり、日本の文化だったりとか、あんまり そういうことは、
自分で、語りたくは ないんだけど、でも、すごく 考えてらっしゃるし。

うーん。 なんか ほんとに、ものを作って行くとかって、
リスナー の方も、何かを作るとかね、会社で 何かを働くとか、こうって、なんか ちょっとこう、
自分とは違う自分の、こう、演出をしながらも、作り上げて行くわけじゃないですか、きっとね。
ぼくだって こう、普通の自分でいてくれ って言われたら、
あっ、そう。 うん、うん・・・
って、ラジオが成立しないですから(笑)
ああ、そうなんだ、フン フン フン て。 え、これは? みたいな こととかって、なんかこう、
やっぱ、どっかで こう 演出をしながら、
自分のことを 演出だったり、いろんなことを 演出だったり、
この、ねえ、演出 ってものがあって、進んで行くんですけど、
ピーターさん、その においが しないんですよね。
ほんとに 自由に、自分の好きなように やってますよ~ つって、
それで、なんか まあ、紹介できたら、ちょっと幸せだし。
まあ、選ぶのは みなさんですから、っていう、その 潔さと、あの、なんだろう、
NO 演出 っていう感じが すごいして、気持ちいいですよね。
気持ちいいし、すごく 全部、なんだろう、いい言い方かどうか わかんないですけど、その、
嫌味がない っていうのもね、すごく それは、すごい 力 だな と思いましたし。

なんか、いろんな時に、ピーターさんの選曲 っていうの、聴いてみたいなぁ とは思いますし、
『Growing Reed』 も、そういう番組に なりたいなぁと、すごく 思いました。」


(曲)
BEATLES 『TWIST AND SHOUT』
プリーズ・プリーズ・ミー






(バラカンさんからの コメント)

「ビートルズの 『Twist and Shout』
僕、11歳の時ですけども、あの曲を聴いた時の衝撃が、ものすごかったですね。
ビートルズは もう、名曲だらけですけどね、
その中でも、あの わりと単純な 『Twist and Shout』 が、
いまだに 僕は、ビートルズで 一番 好きな曲です。
ジョン・レノン のボーカルがね、ヒステリーに近いぐらいの 情感がこもった、
あの、シャウトする 歌い方が、ものすごく 興奮しますよ、今 聴いても。」

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Growing Reed

J-WAVE
every Sunday
  24:00~25:00
Navigator
  Junichi Okada
  ・・・・・・・・・・・・・・・・

J-WAVEとは関係のない
一般のリスナーですが、
素晴らしい番組内容を残したくて
『Growing Reed』を
文字にしています。


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