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2010/04/25 on air  「サッカーを語る魅力って何ですか?」                  (guest) 山本浩さん

続・実況席のサッカー論


続・実況席のサッカー論


山本 浩 倉敷 保雄



(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も、みなさんと一緒に、成長したいと思います。

今夜のゲストは、法政大学スポーツ健康学部教授の 山本浩さんです。
山本さんは、元NHKエグゼクティブアナウンサーで、解説委員。
“サッカー実況のカリスマ” と呼ばれた方です。
Jリーグの発足以前からサッカー中継を担当。
1986年から、ワールドカップ の実況も 担当しているという、
まさに、日本サッカーの 生き字引 のような方なんですよね。

もう、ほんとにですねえ、山本さんのセリフ。 セリフ と言っていいんでしょうかね、実況。
これが、ほんとに 詩的なんですよね。
なんていうのかな、観てる 僕たちを、そこにいるような というか、
まあ、例えば、こういう言葉があります。

『このピッチの上、円陣を組んで、今、散った日本代表は、
私達にとっては “彼ら” ではありません。 これは、私達そのものです』
これ、1997年に、ワールドカップのですね、フランス大会 アジア第三代表決定戦 日本対イラン、
延長開始直前の発言 ということで、これ、本番中に 言ってますからね。
こういう言葉をねえ、たくさん残してるんですよ。
で、やっぱり こう、アナウンサーの方に お聞きしますと、山本浩さん、もう 神だ と。
サッカー、これに憧れて、
いまの、僕たちは アナウンサーをやってるんだ みたいな方も、たくさんいらっしゃる、
ほんとに、時代を作って来たと言っても、おかしくはない方です。

そんな 山本さんに、今日はですね、南アフリカ ワールドカップを中心に、
“サッカーを語る魅力って何ですか?” というテーマで、お話を お伺いします。
なぜ 人は、サッカーを 熱く語るのか。
そして、語りたくなる サッカーの魅力とは、何なのか。

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒にお付き合いください。」



(曲)
SARAH BRIGHTMAN 『A QUESTION OF HONOUR』
テレビ朝日 サッカー・アンセム


岡田くん
  「山本さんは、もう、数々の 名言を残して来てらっしゃいますけども、
  それは、あの、考えて言ったりとか するんですか?」
山本さん
  「これね、実は、直前に考えるんですよ。」
岡田くん
  「直前に。」
山本さん
  「直前に っていいましょうかね、そこに行って、そのときに、
  周りの空気や、周りの人の反応が、
  お前、こう喋ってみろ! って、言うんですよ。」
岡田くん
  「アハハ! 喋ってみろ と言う 感じですか。」
山本さん
  「そうなんです。」
岡田くん
  「ほんとに、僕はもう、
  詩的なのか、惹きつけられる セリフ って言った方が いいんですかね、
  実況だと思うんですけども、それはもう、言わされてる っていう感覚なんですか。」
山本さん
  「そこに行って、この言葉しかないだろう って、人が言うんです。」
岡田くん
  「アハハハハ。 人が、言うんですか。」
山本さん
  「ええ。 だから、僕が言ってるフレーズって、結構、言葉 短いと思うんですよ。」
岡田くん
  「短いですねえ。」
山本さん
  「放送席に、30分前ぐらいに 座りますかねえ。
  30分ぐらい前に座って、だんだん だんだん 本番が近付いて来ると、
  たぶん、血圧 上がって来るんですよ。心拍数が、上がって来るんです。
  そうすると、言葉が ボロボロ 出て来るんですよ。」
岡田くん
  「もう、聴いてる 僕達にとっては、
  そこにいるかのような気持ちにさしてもらえる セリフが多いんですよね。 例えば、あの、
  『振り返らずに歩く道です。スタンドの波打つ音が聞こえてきます・・・
  芝の匂いがしてきます・・・ そこに広がるのは、私達の20世紀を締めくくる 戦場です。』
  これ もう、芝の香りが、もう(笑)そこから して来るというか。
  きれいですよね、この、文章が。」
山本さん
  「全然、覚えてないんですよ。」
岡田くん
  「あ、ほんとですか(笑) その場の ノリ で、やっぱり・・・」
山本さん
  「その場の ノリ、なんですよね。
  たぶん その、スタジアムに行くときにですね、
  たくさんの 日本のサポーターに、肩 叩かれて行ってんですよ。
  スタジアムに、入って行くときに。」
岡田くん
  「あー。」
山本さん
  「ずいぶん早く 入るんですね。 本番の 2時間ぐらい前に、入るんです。
  それで、まだ、人が あんまり 入って来ない。
  地元の、フランスの テレビ局の職員が、
  『マイクの調子は いいか? 耳は聴こえるか? ヘッドセット 大丈夫か?』
  とか、いろんなこと やってるんですよ。
  そのときには、ずうっと 低いところ 飛んでるんですね。」
岡田くん
  「はい。」
山本さん
  「で、次第に、キックオフの時間が近づいて、ザワザワして来る。
  選手達が、トレーニングを始める。 最初に、ゴールキーパーが出て来る。
  スタッフが、いろいろ チェックをする。 レフェリー達が、ゴールのネットを 触ったりする。
  だんだん だんだん、こう、上がって来るんですよ。
  そして、選手達が いったん 引っこんで、もう一度 出て来る頃に、
  ガー! っと、急に上がって来て、そこで、
  これを喋ってみろ! これを言ってみろ! ってのが、頭ん中に出て来て、
  それを、ポッポッ ポッポッ って置いて、
  で、テーマ音楽が 鳴ってる間に、最後の組み合わせをして、
  これ! って言って、喋るんです。」
岡田くん
  「はぁー! 元々、でも、山本さん 以前て、そういうスタイル ってのは、あったんですか?」
山本さん
  「うーん、それは・・・」
岡田くん
  「実況という、スタイルで。」
山本さん
  「どうでしょうね。 無くはなかったでしょうけど、
  サッカー っていうスポーツの、特殊性 ってのが あると思うんですね。」
岡田くん
  「うーん。 というのは。」
山本さん
  「例えば、野球のときはですね、試合が始まる直前に、大体 放送が始まる。
  ところが、ワールドカップ サッカー っていうのは、
  始まる ずいぶん前から、あるんですよ、時間が。
  そうすると、そこで、なんらかの 手続きをすることが出来るんですよね。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「と、中立じゃなくて、どちらかというと そういう、
  感情的なものが 多くなって行く可能性が、あるんですね。
  しかも、みなさんが、強く 印象に残ってると言われるものは、
  大体、日本代表に絡んでる 試合なんですよ。」
岡田くん
  「うんうん。」
山本さん 
  「で、これ、多くの人がね、水を飲みたがってる状態なんです。」
岡田くん
  「というのは。 水を飲みたがってる・・・飢えてる。」
山本さん
  「つまり、日本は どうなるんだ と。
  日本と 自分達との間に、血管が繋がってるんですよ。 目に見えない 血管が。
  その血管の中に 血を通す作業を、僕は コメントで、してるにすぎないんです。
  ちょうど なんていうんでしょうか、点滴を打つときに、針を 血管に入れますよね。
  そして、看護師の人が、こう、コックを ねじりますよね。 そうすると、点滴の液体が入って行く。
  あの 点滴のコックをひねる、そういう仕事をしてるような気がするんですよね。」
岡田くん
  「はぁー。
   なんか、あの、ご自身で、これ ハマった! っていう(笑)セリフとか って、ないんですか?」
山本さん 
  「うーん、どうですかねえ・・・」
岡田くん
  「なんか こう・・・わかんない、こう、たぶん もう、
  言葉の プロフェッショナルな方なので、なんか あると思うんですよ。 タイミングと、
  このセリフは、一番 自分の中で、気持ちいいとか、わかんないですけど、
  『ま・げ・て・きた~!』 っていう言葉も、作られた方じゃないですか。」
山本さん 
  「(笑)」
岡田くん
  「あの(笑)カーブさせるのにも。
  なんか そういう、自分で、気持ちいい っていう、
  これはもう、実況やって来た中で、一番 ハマったんだ っていうセリフというか。」
山本さん
  「うん。 ハマったという、言葉はね、 一つ一つ 覚えてないんですけど、
  そのプレーが、余韻が残ってる間に、生きてるかどうか なんですよね。
  そのプレーの余韻がある間に、上手く 言い切ってしまってるかどうか。
  しっかり、フタを閉めてるかどうか なんですよ。」
岡田くん
  「はい。」
山本さん
  「それ、こぼれてると、お客さんは うるさい って感じるし、
  短すぎちゃうと、余韻だけが残って、物足りないんですね。 水が足りないんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「そういうものが あったとき っていうのは、たぶん、何試合か あったと思いますね。」


(曲)
DONAVON FRANKENREITER 『TOO MUCH WATER』
パス・イット・アラウンド


岡田くん
  「最初は、アナウンサー志望だったわけでは ないんですか。」
山本さん
  「私が 大学を出た頃は、一つの大学に対して、NHK っていう会社はですね、
  応募用紙の枚数が 限られていて、
  応募したがっている人が多かったんで、じゃんけんをしたんですね。
  チョキを出して、負けちゃったわけですよ、最初に。 隣の人と、じゃんけんをして。」
岡田くん
  「はい。」
山本さん
  「その時に希望してたのが、記者を希望してたんですよ、放送記者ですね。
  いろんなところに行って、いろんなものを取材して、原稿 書こう っていう気持ちでいたんです。
  ところが、それで 落ちてしまいましたから、仕方がなく、いろんな 別の会社を受けて、
  最後に もう一度、何か後から、一番上に、
  アナウンサー って印刷された申し込み用紙が回って来て、
  とりあえず、アナウンサーにならなきゃいけないらしいけど、一年後ぐらいには、別の、
  希望の職種に移ることが出来るらしいぞ って言われて、じゃあ、これ受けようか、って言って、
  最終的に、そういう形で、アナウンサーに なったんですね。
岡田くん
  「うーん。」
山本さん 
  「だから、希望して アナウンサーになったわけでもないし、
  それから、希望して スポーツの世界に入ったわけでも ないんですよ(笑)」
岡田くん
  「しかも、サッカーは 経験されてなかったっていう・・・」
山本さん
  「プレーヤーとしては、無いんですね。
  ただ、子供の頃、浜松 っていうところで暮らしてるんです。」
岡田くん
  「はいはい。」
山本さん 
  「小学校の3年生から 中学の2年生まで、いたんですね。
  かなり 長いこといた。 ま、父親が転勤族だったんで、あちこち 回ってたんですけど、
  でも、そこの、浜松 っていうところにいると、水泳、陸上、そして サッカー なんですね。
  でも その頃、サッカーのブームが 起こってた頃だと思うんですよ。
  サッカーをやってないものは 人間じゃないみたいな、
  そういう扱いを受ける 風潮がありましたよね。
  ですから もちろん、遊びとしては、サッカー しましたけど、
  上手くないと、部活動にも 当然、入れないような環境ですよね。
  でも、友達の中には、もう、サッカーをやる人間ばっかりでしたから、 
  サッカーの話の方が、野球よりも うんと多かった、そういう時代なんですよね。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「そのあと、引越しをして 千葉に行った。 さらに、埼玉 行きましたから、
  どこへ行っても、常に、周りに サッカーがあったっていう状況だったんですね。」
岡田くん
  「一応、あったことは あったんですね。」
山本さん
  「あったんです。」
岡田くん
  「それで、何で、実況を担当することに なったんですか?」
山本さん
  「私の、放送局に入った時代はですね、プロのスポーツ っていうと、
  野球と相撲しか なかったんですね。 で、プロっていうのは、
  1年間のうち、その仕事だけを中心的にやってれば 給料もらえる っていう仕事ですから、
  じゃあ、サッカーを 1年間、その仕事だけでやれるか っていうと、
  そんなに、放送数が無いわけですね。」
岡田くん
  「はい。」
山本さん 
  「と、年に 4回、サッカーの放送して、それで 給料もらうってことは、
  とんでもない ってことになりますから、じゃあ、何か スポーツを もし やるんだったら、
  コンスタントに っていうと、野球を選択するか、相撲を選択するか。
  ところが、私が、東京に行ったときには、先輩達がたくさんいてですね、
  プロ野球やらして下さい、と言っても、
  じゃあ 今日、雨が降った時に、あそこで試合を放送するから、
  その横で スコアラーをやんなさい、っていうような仕事なんですね。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「そうすると、先輩たちは、野球や大相撲で 忙しい。
  そんなときに 突然、サッカーの試合があっても、先輩たちは、
  いや、明後日、オールスターがあるから、その サッカーの仕事 かんべんしてくれよ。  
  じゃあ、誰か 若いので、やらせんの いないのか? って言ったら、
  あ、山本いるから、アイツ やらしとけ、っていう、
  そういう、どちらかというと、雰囲気の時代ですよね。
  それで、サッカーに 入ってるわけです。」
岡田くん
  「まだ、サッカーが こう、実況として、あんまり 放送もされてないし、
  っていう時代だった ってうことなんですね。」
山本さん
  「そうなんです。 ま、商品として、価値が低かった っていうよりも、
  スポーツアナウンサー として、一人立ちしてる人達にとっては、
  野球以外に、そういうことを 一から調べてやるのは、
  面倒くさいなっていう感じだったと思うんですね。」
岡田くん
  「それ、最初って、どういうことを探す・・・
  どういうふうに 実況をやって行こう っていうふうに思われていったんですか?」
山本さん
  「最初は、先輩の真似ですよね。
  自分よりも、何十年も早く 放送局に入った先輩が サッカーをやってる、
  その横で、スコアラーをするんですよ。
  そうすることによって、その やり方を見て行くわけですね。
  取材と称して、一緒に付いて行くわけです。 どんな取材をするのか。
  何を聞いてるのか、どんなことを書いてるのか。
  それから、帰ってから、どんな資料ってのを 作ってるのか。
  で、本番のとき、どんなものを やってるのか。
  経験のある人は、あんまり 作んないんですね。 参考になんないんですよ。」
岡田くん
  「はい(笑)」
山本さん
  「で、しょうがないから 自分で作ると、
  選手の名前を書いて、身長 体重を書いて、誕生日 書いたりしますよね。
  ほとんど 役に立たないんです、これね。 全く 意味が無いんですよ。
  とういのは、170センチの選手で、40センチ 飛べる人と、
  175センチで、35センチ 飛べる人 って、同じ高さを 飛ぶじゃないですか。」
岡田くん
  「うん、そうですね。」
山本さん
  「そこで、身長を言っただけじゃ、意味が はっきり伝わらないんですね。
  ましてや 体重、そうですよね。
  しかも、選手によっては、背の低い選手って、大きく言いたがりますから、
  例えば、かつての ゴールキーパーの 川口選手なんかね、大きな身長に 言いたがりましたよね。
  そうすることによって、相手が、
  おっ、このゴールキーパー、背が高いな って、思うわけですから、
  そういった、数字が信用できない というところがあって、
  でも、最初の頃は わかんなくて、数字を 一生懸命 調べたんですね。
  試合の さなかに、そういうこと言ったりしてるんです。
  いまから考えると 随分、妙な放送してることに なるんですけど(笑)
  なにしろ わからない、手探りですから、なんとなく、
  データー イコール 数字、イコール ニュートラル、イコール 情報として価値がある
  みたいなですね、短絡的な考え方で、そっから入ったんです。」
岡田くん
  「それが、気づいて行ったのは、どのぐらいで、気づかれたんですか?」
山本さん
  「Jリーグが始まる前ですね、やっぱり、ワールドカップですよね。
  ワールドカップに行って、世界中のコメンテーターが、放送席に座ってますよね。
  で、我々 座ってる放送席は、いつも、一番 見えにくいとこだったんです。
  なんでかっていうと、日本 出てないだろう と。
  キミら、何しに来たんだ? っていうわけですね。
  キミらのチーム、いないじゃないか と。」
岡田くん
  「端っこ 行っとけよ、と。」
山本さん
  「端っこ 行っとけ っていうんで、端っこ にいる。
  それで、周りを こう、見てくと、
  ドイツのコメンテーターは、こんなことを書いてる。
  その中に、身長なんか書いてる人、ほとんど いないんですね(笑)」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「その 芝生の上、ピッチ っていいますけど、そこに こう、フォーメーションを書いて、
  そこに 名前が書いてあって、なんか、小さなコメントが書いてあるだけなんです。
  世界は、こんなに シンプルに やるのか と。 なんでだろうと、いろいろ 話を聞いて行くと、
  そうか、数字なんていうものに、それほどの意味は 無いのか、っていうことに、
  だんだん、気が付いて行くんです。」
岡田くん
  「数字に、意味が無い と思って。」
山本さん
  「ええ。」
岡田くん
  「サッカーの・・・」
山本さん
  「サッカーの場合は、ですよ。」
岡田くん
  「場合は。」
山本さん
  「野球の場合は、一つのプレーが、すごく 短い瞬間で 終わるんですね。
  大体、10秒以内に終わるんですよ。 そういうものの 積み重ねなんです。
  野球っていうのは ですね、ちょうどね、イエスとノーを 繰り返していく スポーツなんです。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「例えば、ピッチャーが、一球 投げますね。
  このボールが、ボールだったらば、バッターにとっては、これは イエスなんですね。
  ピッチャーにとっては、ノー なんですよ。
  で、二球目を投げた。 これが、ボールだったら、また、バッターにとって イエスなんです。
  イエス、イエス、なんです。 ピッチャーにとっては、ノー、ノー、なんです。
  で、三球目、ストライクを投げたところ、カーンと打った。 これが、ヒットになったらば、
  これは、バッターにとって イエス。 ピッチャーにとっては、ノー なんです。
  少し おっきな、イエス と ノー に変わって行く。 それが、だんだん おっきなのになって、
  最後、買ったか 負けたかが、おっきな イエス か ノー かに なるんです。
  そういうものを 争ってく スポーツなんですね、野球 って。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「ですから、その イエス と ノー を 数値化して、データとして出して、
  その数字を表現することで、なんらかの 傾向を伝えることが出来るんですよ。
  ところが、サッカーには、そういうものが無いんです。」
岡田くん
  「難しくなかったですか? 最初、それは。」
山本さん
  「難しいんですよ。 どこの 何を喋っていいか、わかんないんです。
  おまけに、喋り始めた頃の 日本のサッカー って、レベルが低いから、
  なかなか、魅力的なプレーが 無いんですよ。
  よくね、ボールの奪い合い って言うんですけど。」
岡田くん
  「はいはい。」
山本さん
  「そうじゃなくて、ボールの失い合い なんですよ。
  取りに行って、取ってるんじゃないんですよ。
  誰かが来ちゃったために、ミスをしてるんですよね。
  ミスをしたものを、上手く表現する って 出来ないんですよ。
  放送してるうちに、あ~、なんとかしてくださいよ・・・みたいに なるわけですね(笑)」
岡田くん
  「(笑)そうですよね。」
山本さん
  「だから、やり慣れてないと、その 一筆書きを、どこで止めるのか っていう感じですよね。」
岡田くん
  「一筆書き な、イメージなんですか?」
山本さん
  「一筆書き ですよね、一筆書きのイメージで、どこで、いったん 決着させて、結論を出すのか。
  サッカーの場合は、ずうっと 書きっぱなしですから、
  どっかで止めて 言わないといけないんですけど、  
  日本の場合は、なかなか シュートしてくれないので、
  いつまでも、言うタイミングが無いんですよ、ずるずると。
  それを、どこで切るのか ってことが わかるようになると、
  なんとなく、放送が 出来るようになって来るんですね。」
岡田くん
  「あー・・・」


(曲)
JIM NOIR 『EANIE MEANY』
Eanie Meany [7 inch Analog]


岡田くん
  「サッカーファンだけじゃなくても、スポーツのファンて、
  すごく 熱く語る人が 多いと思うんですけど、
  スポーツって、こう、何が そうさせるんだと思っていますか?」
山本さん
  「一つはですね、一番 大事なことなんですけど、そこでプレーをしてる、
  あるいは、動き回ってる人達が、自分の分身であるかどうか なんですよね。」
岡田くん
  「うーん・・・」
山本さん
  「自分が そこに、全精力を打ち込んでいる仲間だと信じているものが、
  そこで、勝利のために 動いてるかどうか なんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「もし、そうでなければ、どちらが勝ってもいいや となると、
  そこで行われる プレー や、あるいは、その、アクションがですね、
  ものすごく、人が出来ないことだったり、大変 スリルがあったり、
  そういうことじゃないと、みんな、ついて来ないんですよね。」
岡田くん
  「あー。」
山本さん
  「分身がいないと、スポーツは、面白味が たぶん半減するんですね。
  例えば、岡田さんが じゃあ、運動会 観に行ったとする。
  そこに、自分の知り合い、だれも やってないとなったら、
  運動会 観てても、すぐ飽きてしまうんですよ。」
岡田くん
  「そうですね。」
山本さん
  「ところが、自分の姪っ子が、いま ここで、50メートルの パン食い競争に出て来るとなったら、
  もう、違うんです。 目が どこを見てるかっていうと、
  3レーンにいる、自分の姪っ子の、ひとみちゃんを ずうっと見ていて、
  ひとみちゃん ガンバレ~! とかって言って、
  ひとみちゃんが、最後のところで 転びそうになりながら、先頭でゴールインすると、
  すっごく嬉しい。 やった~! って、感動も ずっと、引っ張れるんですよね。」
岡田くん
  「うーん。 アナウンスでも、そうだ っていうことですよね。」
山本さん
  「アナウンスは、してはいけないときが あるんです。」
岡田くん
  「しては いけない・・・」
山本さん
  「というのは、両方のクラブが、共に それぞれの、サポーターや ファンを持っている。
  なんで、伝える側が、どちらかに肩入れをしなきゃいけないのか ってなりますよね。」
岡田くん
  「うんうん。」
山本さん
  「日本代表の試合だったら、簡単なんです。
  日本代表の方に 向かって行けば いいんですから、放送席もですね、日本代表だと、
  ちょうど、日本代表のサポーター席、ゴール裏から放送してる感じになるんですよ。
  それ行けー! に なるんです。 ボールを捕らえたら、しっかり守れ、になるんです。
  しっかり ディフェンスしろ! と。 危ないぞ! と。
  気をつけろ! 危ない! って、なるんです。
  ところが これが、イーブンに、
  例えば、鹿島アントラーズと、横浜F・マリノス だとしますよね、
  そうすると、そういうふうには 行きませんよね。」
岡田くん
  「両方、ですもんね。」
山本さん
  「そうですよね。 そうすると、アントラーズが 攻撃をしたときには、いい攻撃だ って褒める。
  これを、ディフェンスが しっかり止めたときは、いいディフェンスだ って、褒めるんですよね。
  でも、アントラーズのファンだとしたら、
  なんだよ、あんなディフェンスしやがって! みたいなことに なるかもしれませんね。
  それが、代表のときと 他のゲームでは、ずいぶん違うんです。」
岡田くん
  「でも、スポーツブームになるために、メディアの言葉というか、
  メディアが果たす役割っていうのは、大きいと思うんですけど、
  それを 担ってるってう感じは、おありでしたか?」
山本さん
  「うーん・・・あんまり それは、感じなかったんですね。 後から言われて、
  自分で、そんな 大仰なことを してるつもりは なかったもんですからね。
  あくまでも、水を飲みたがってる みんなのところに、
  水を運んでったぐらいの気持ちしか ないんですよ。」
岡田くん
  「はぁー。」
山本さん
  「しかも、ちょうど 日本が、まだ、ワールドカップに出られない時期、
  ようやく、世界の中に 入って行ける時期で、みんな、一喜一憂してましたよね。
  選手達も、もう、必死に戦ってた。 我を忘れて 戦ってたっていうんでしょうか、
  そういう時代だったために、
  余計に、その印象が 強く残っているんじゃないかって気がするんですね。」
岡田くん
  「うーん。
  でも、僕は、山本さんが果たした役割は、大きかったんじゃないかなと思いますけどねえ。」
山本さん
  「ありがたいことです。」
岡田くん
  「いま、現状 見られて、どうですか?
  サッカーの人気が、ちょっと 低迷して来てる っていことは、こう、
  たぶん あると思うんですけども、サッカー好きからすると、
  ちょっと、最近 人気ないのかなあ っていう。
  ゴールデンタイムでも、試合が放送されなくなったりとか。」
山本さん
  「うん、ありますね。」
岡田くん
  「あれ? テレビで サッカー、放送してない とかって。
  うわ、観たかったのに! みたいなとかも、あり始めるじゃないですか。」
山本さん
  「そうですね。 これ、何度かね、
  例えば、山に チャレンジするでしょ。」
岡田くん
  「はい。」
山本さん
  「で、頂き近くまで 行きたいと思って、大体 3合目ぐらいで、一回 落ちるんですね、
  ズルズルっと。 で、少し 痛手を負って、帰って来るわけです。
  2回目のアタックして、また 3合目ぐらいで落ちる っていうこと、
  ここのところ、繰り返してるんですよ。 そうすると、それを応援してる人達も、
  もう そろそろ、山は無理じゃないか、みたいな気持になってる。
  それが 一つ、あるんだろうと思うんですね。
  で、それを どういうふうにするのか、っていうことだろうと思うんですけども、
  それに対して、明快な答えを、誰も 持ち合わせてないんですね。
  そこが、非常に 苦しいだろうと思うんですね。
  野球も、同じように、厳しかったんです。
  ところが 野球は、WBC っていう 世界の戦いで、頂点 取りましたよね。
  あの時の 選手達の働きぶり。 それから、そのときの、日本の人達の 共感した思い。
  これ、非常に強い印象で、プロ野球のところへ 引っ張って来てるんですよね。」
岡田くん
  「うん。」
山本さん 
  「でも、ジャイアンツ戦も、例えば、ナイトゲームの放送が無くなったりですね、
  スポーツ界 全体が、数字 っていう意味では、非常に 苦しんでるんですよ。
  そういう時代に、入って来てる。
  つまり、数字だけが、昔の 30パーセントとか 20パーセントには、とても取れなくなってる。
  じゃあ、どうするのか っていうのが、いまの経済状態でいうと、
  コマーシャルを出す、あるいは、スポンサーになれる人達も、
  ある意味でいったら、少し こう、逡巡してる。
  テレビで、ほんとに効果があるのか っていうことをですね、疑ってかかってる。
  そういう、経済的に苦しい時代にも、ちょうど重なってしまったっていう気もするんですね。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「今度、例えば、ワールドカップの 南アフリカの大会で、日本が オランダを 3対0 で破って、
  最初に、カメルーンに、1対1 で 引き分けて、3対0 で破って、
  最後、デンマークに 2対1 で勝ったりすると、全然 また、変わって来るんです。
  全く、変わって来る。」
岡田くん
  「難しいですよねえ。」
山本さん 
  「全く 変わって来てですね、私も 実は、日本代表のファンだったのよ! っていう人が、
  ガー! っと出て来る 可能性があるんですね。」
岡田くん
  「(笑)まあ、そうですね。 そこは こう、変わって来ますよね。」
山本さん
  「変わって来るんだと 思うんですよね。」
岡田くん
  「なんか、ご自身が やっておられたときに、
  選手たちに、心掛けて表現して来たことって、あるんですか?」
山本さん
  「うーん。
  勝負が かかった試合っていうのは、意外に つまんない試合 って、あるんですよね。」
岡田くん
  「あー、そうなんですね。」
山本さん
  「そうなんですよ。 勝負が かかったときには、勝つことが優先されて、
  カッコいいことが、二の次になるんですよ。」
岡田くん
  「あー、はいはい。」
山本さん
  「そういう時にも、こっちが注文する言葉 ってのは、
  プレーしてる選手には届かないんですよ、全然 届かないんです。
  でも、例えば、言ったことで 覚えてるのは、フランスのワールドカップに出る、最後のカード。
  第三代表決定戦 というのがあった時に、
  イランと日本が、ジョホールバル っていうところで戦ったんですね。
  この時に、途中から出て来た 城彰二 っていう選手が、
  前線で、ボールを蹴ろうとして プレーをして、相手の選手と交錯して 倒れたんですよ。
  で、痛がって 横になってるわけです。
  で、人が見ると、ファウルを受けたから、笛を吹いてほしいとも とれるんです。
  審判に、なんとなく プレッシャーをかけて、
  相手が悪いことしたんだから、なんとかしてくれ って言ってるように とれるんですよ。」
岡田くん
  「はい。」
山本さん
  「僕は その時に、放送で 思わず、
  『城、痛くないんだったら 立ってくれ!』 って、言ったんですね。
  時間が無い! 痛くないんだったら 立ってくれ! って、言ったんですよ。
  そんな声、聞こえるわけがないんです。 聞こえるわけが ないんですけど、なんていうか、
  自分の喋ってるものが、彼の血管に 入って行ってるような 気がしてるわけですから、
  そういう その、人に 何か見てもらいたい っていうことじゃなくて、
  がむしゃらに、とにかく やってくれ っていう思いが 非常に強い。
  そういうふうに なるんですよ。
  そういうことを 鼓舞してく、求めて行く っていうのが 多いんですよね。
  カッコよくなくてもいいから、とにかく、武骨でもいいから、
  行ってくれよ、行ってくれよ、っていう感じ。
  そういうことを、前面に出すように なってしまうんですね。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん 
  「ですから、放送の中で、あんまり カッコいいこと、言ったことないんですよ。
  始まる前と、終わった後しか ないんです(笑)」
岡田くん
  「それは もう、夢中になり過ぎて、ってことですか?
  夢中になり過ぎて、こう、ワー って言ってしまう ってことなんですかね。」
山本さん
  「放送の中で、カッコいいこと言ってくれ って、誰も 言わないんです。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん 
  「だから、そういうこと言え ということが、戦うことを言え っていうふうにしか、
  自分の耳に、聞こえて来ないんですね。」
岡田くん
  「うーん。」


(曲)
SHAKIRA FEAT.WYCLEF JEAN 
『HIPS DON'T LIE~BAMBOO(2006 FIFA WORLD CUP MIX)』
Voices-from the Fifa World Cup


岡田くん
  「聞こえて来る っていう表現は、すごいですね。 言え、って言われる・・・」
山本さん
  「言え、って 言われるんですよ。」
岡田くん
  「何が、言え、って言ってるっていう・・・」
山本さん
  「わかりません。 何が、言え、って言ってるのか。 とにかく、言わされちゃうんです。」
岡田くん
  「それ、ワールドカップとかでも そうですか?」
山本さん
  「日本の代表の試合だと、そうです、特に。
  あの、ジョホールバルの ハーフタイム。 延長線に入る前にですね、
  選手たちが 円陣を組んで、岡田監督も 一つになって、
  岡野 っていう選手だけが、交代要員で ダッシュを繰り返してる。
  そこに、岡田監督が 腕組みをして、グルグル グルグル 回り始めた。
  そのときにですね、
  『ここにいるのは、彼らではありません。 ここにいるのは、私達です』
  って、言ったんですけど、それも、その 円陣を組んでる選手の背中が、
  そう言え! って言ったように感じたんですね。
  前もって、準備した言葉じゃないんですよ。
  そう言え、って 言って、それに 気がついた時に、
  隣にいた 解説の松木さんが、延々と 解説をしてくれてるんです。
  松木さんとしては、その前に 僕が聞いた質問に対して、答えをしてくれてるんですけど、
  円陣を組んで、なかなか その円陣が解けない、
  もう、僕としては、選手が、早く それを言え! って言ってるから、
  松木さんの喋ってるのを制して、
  『いま ここに、ピッチに散った 11人が、彼らでは ありません』
  て、突然、脈絡もなく 言ってるんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」


(曲)
PET SHOP BOYS 『GO WEST』  
Very


岡田くん
  「なんか、興奮しすぎてとか、感動しすぎて、やってしまったこととかは ないんですか?
  もう、泣きながら実況してましたとか、わかんないですけど(笑)」
山本さん
  「うーん、泣きながらは無いですけど、ドーハ っていうところで・・・」
岡田くん
  「ドーハの・・・はい。」
山本さん 
  「アメリカのワールドカップの出場を逃したときなんかは、絶句して喋れない。」
岡田くん
  「あー、“ドーハの悲劇” んときですか。」
山本さん 
  「ええ、これは 辛かったですねえ。 喋れない。」
岡田くん
  「あー。」
山本さん
  「喋ろうと思って、解説・・・田中孝司さんという人が、解説をしてたんですけど、
  田中孝司さんを見たら、もう、うなだれてしまってるんですね。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「ですから、どうにもならないんですよ。 もう、プレーが 終わってしまってるんですよね。
  プレーが終わってしまって、自分達の夢も、潰えちゃってるわけです。
  そういうときに 何も喋れないっていう、この 無力感 ていうんですかね。」
岡田くん
  「うーん。 言葉が、こう、出て来ないっていうのが・・・」
山本さん
  「出て来ない。 もう、ダムに 水は貯まってない。」
岡田くん
  「アハハハ。 あー・・・」
山本さん
  「石ころが、カラカラ って 音を立てる って感じでしたよね。」
岡田くん
  「南アフリカで、ワールドカップが開催されますけども、
  この意義 っていうのは、どういうふうに 感じてらっしゃいますか?」
山本さん
  「国際サッカー連盟はですね、
  たぶん、アフリカ っていう、非常に すぐれた選手を生み出す大地に、
  もっと、サッカーが根付いてほしいと思ってると 思いますよね。
  たくさんの人達が、サッカー っていうものを大事にしてほしい と。
  そのためには、アフリカでやる このサッカーを、実際に、目で観て、
  子供達が 将来、自分も こういう選手になるんだ! みたいなことを考えてほしい と。
  そういう、政治的な考え方が、一つ あると思いますよね。
  それから、もう一つは、久しぶりに、南半球でする大会ですから、
  ちょうど、南アフリカ にとっては 冬ですよね。
  いっつも、熱いとこで やってきたわけですね、このところ。
  それが、涼しいところで やることによって、選手のパフォーマンスが、非常に良くなるだろうと。
  そうした試合をですね、北半球のヨーロッパでは、同じ時間帯で 観ることが出来るんですね。
  ちょうど、時間帯が同じなんです。 夏時間帯制度を とってますからね。」
岡田くん
  「はい。」
山本さん
  「そうすると、いい時間帯に、いいパフォーマンスの試合を、画面を通じて 観ることが出来る。
  あるいは、ラジオや FM で、聴くことが出来るわけですね。」
岡田くん
  「はい。」
山本さん
  「サッカーの価値を、もう一度 見出してほしいという、
  国際サッカー連盟の思いもあると 思うんですね。
  だから、日本は、苦しいんですよ。」
岡田くん
  「苦しいですね。 逆、なりますもんね。」
山本さん
  「そうなんです。 なぜ 苦しいかっていう 大きな理由は、
  ヨーロッパの人達が 喜ぶ試合を、本来は してもらいたいと思う人が、
  ヨーロッパには多いんですよね。
  そうすると、日本と ヨーロッパのチームが戦う試合を観たいのか、それとも、
  南米の強い国と、ヨーロッパの戦う試合を観たいのかというと、
  たぶん、ヨーロッパの人は、後者の方を 取るんですよ。
  日本のような弱いチームは、早く 解体してもらって構いません っていう、
  そういう感じになるんじゃないかと 思うんですよね。
  そのときに 日本が、そういう波を突き破って、
  南アフリカで、決勝トーナメントに出て行かれるかどうか。
  すごく重要な、ポイントなんですよね。」
岡田くん
  「うーん。 日本サッカーにとって、今回のワールドカップ っていうのは、
  どういう位置づけになると 思われてますか?」
山本さん
  「失いかけてたプライドを、そこで もう一度、示してくれるかどうかだと思うんですね。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「ブライドですよ。 プライドが あるかどうかですから、
  美しいサッカーとか、きれいなパスが通るとか っていうことじゃなくて、
  勝とうとする、自分達の持ってるもの、これまでのものを 全て出すために、
  あらゆることが出来るかどうか っていうね。
  そういうものを見せてくれる場になるべきだろうと思うんですよね。」
岡田くん
  「日本のサッカーを、海外のアナウンサーの人達 っていうのは、どう表現してるんですか?」
山本さん
  「うーん、おそらく “シュートをしない パスサッカー” だろうと思うんですよね。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「枝ぶりは いいが、花の咲かない桜、っていうとこですかね。」
岡田くん
  「(笑)」
山本さん
  「アハハハ!」
岡田くん
  「それ あんまり、良くないですよね。」
山本さん
  「良くないですよね。 良くないんですよ。」
岡田くん
  「じゃ、山本さんは いま、日本の 岡田ジャパン を、何て 表現されますか?」
山本さん
  「うーん。 理論的には 優れているが、
  がむしゃらなところが あまり見えない、っていうとこでしょうかね。
  でも、日本のサッカーファンは、がむしゃら っていうものよりも、洗練された、
  世界の水準と、いい勝負の出来る、
  論理的なサッカーを希望する人が 多いんじゃないかと思うんですよね。」
岡田くん
  「うーん。 じゃあ、岡田ジャパンの弱点。 これ、どう表現しますか?」
山本さん
  「うーん。 岡田監督が、やや 孤立してるところですかね。」
岡田くん
  「(笑)フフン。」
山本さん 
  「“我々のチーム” に なっていない。   
  そのために たぶん、岡田監督は 孤立してるんじゃないか。 精神的にですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「我々のチーム、っていうときは、みんな、こう、包んでくれるんですよ。」
岡田くん
  「そう なれてない原因は、やっぱ、岡田監督にある っていうこと・・・」
山本さん
  「いや、岡田監督 一人じゃないと思いますね。
  選手の中にも あるし、我々の ものの見方、要求の中にも あるのかもしれないし、
  オーガナイゼーション をしてる、日本サッカー協会に あるかもしれませんよね、同じように。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「サッカー ってね、あの、白い線で囲まれた芝生の 外の方が、随分 やること多いんですよ。
  芝生の中って、90分ですよね。 1日24時間あったら、残りの22時間半は、外のことですよね。
  そうすると 例えば、非常に優れた選手が、
  外で、チームと 上手くいかないケースは どうするか とかって、悩みは 多いんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「たいへん優れたプレーを するんだけど、
  芝生の外へ出ると、チームメイトと息が合わない選手が いたとするでしょ。
  そうすると、なかなか 難しかったりするんですね。
  そういう生活を、ワールドカップ って、40日ぐらい 続けなきゃいけないんですね。
  じゃあ 一体、どうして そこを、解放してあげたらいいのか っていうのを、
  我々、あんまり 気が付きませんから、白い線の外側のことは。」
岡田くん
  「はい。」
山本さん
  「その、白い線の外側に 問題があるのに、
  白い線の内側で、プレーが上手く行かないからといって、
  この、中だけを責めるので、ほんとうに いいのかどうかですよね。
  かといって、サポーターや ファンの人達が、白い線の外側まで 責任を持って 観ろ、
  っていうのは、なかなか難しいでしょ?」
岡田くん
  「うん。」
山本さん
  「ていうことは、オーガナイズ をする サッカー協会ですとか、
  あるいは、その周りで サポートをする スタッフの中に、
  いろいろな 新しいアイディアだとか、非常に優れた求心力だとか、
  そういったものが無いと、なかなか 難しいんじゃないかと思いますよね。」
岡田くん
  「うーん。
  じゃあ、いま、ちょっと難しいかも、
  その場に いないので、難しいかもしれませんが、
  もう、あの、南アフリカ ワールドカップの競技場に、
  日本代表が、ピッチに立ったということであれば、
  どういう言葉を使って、応援するというか、実況しますか?」
山本さん
  「うーん・・・申し上げたように、そこの、
  眼前に、その、風と 温度と 空気が無いと、言えないんですけど、たぶん、軸になるのは、
  選手が、プライドを持って、スックと立ってるかどうかですね。」
岡田くん
  「うーん。」
山本さん
  「その、立ちラインに、平行に並ぶんですよ。 試合の前に。 で、写真を撮りますね。
  その時に、入って来た時に、選手が、スックと こう、立ってるかどうか。
  そこの 顔から、あるいは 体から、
  プライド っていうものが、パーンと出てるかどうか っていうことを見ながら、
  その時の 風と、太陽の光と、そして、人の ざわめきを取り込みながら、
  なんかを 言わされるんじゃないかなと 思いますね。」


(曲)
SOWETO GOSPEL CHOIR 『PRIDE(IN THE NAME OF LOVE)』
イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ:アフリカ・セレブレイツ・U2



(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、山本さんと お話をさせていただきました。
いやあ もう、ほんとにね、まもなく、ワールドカップ 始まりますからね、もう ほんとに。
僕、意外と ほんとに、サッカー 好きで、いつも 観ているので、もう ほんとに 楽しみですし。

やっぱり、実況をね、されてる方が、こういうふうに こう、いろいろ考えて 話をしていて、
山本さんが、サッカー人気を上げて来ていた っていう、こう、実感が、僕にはあるので、
ほんとに、ねえ、南アフリカ大会も、実況の方が、こういうふうに 実況していたりとか。
こういうふうに 感じてんだとか。
実況で、連れてってもらいたいですよね、そこに。
そこに いるかのように、ほんとに、日本代表を応援したいですし。
あの(笑) うん。 ほんとに 楽しみにしてます。」


(曲)
K'NAAN 『WAVIN' FLAG(CELEBRATION MIX)』
ウェイヴィン・フラッグ コカ・コーラ・セレブレイション・ミックス~世界に一つの旗 with AI



(山本さんからの コメント)

「試合を終わった後にですね、伝えきった 疲労感というのが出るんですね。
特に その、血管が こう、縮んだ、あるいは 開いた、そういうことを繰り返して、
最後の フィニッシュに入るんですね。 そうすると、心地よい疲労感が あるんですよ。
こういうものは、体を動かしてもいないのに、目と耳と口と、
それだけでもって、これだけの達成感みたいなのを感じられる。
なかなか無い 仕事だと思うんですね。

サッカーはね、後半の25分から、大きく動くんですよ。
ドラマでいうと、4幕あるとしたら 3幕ですね。 そこから、いろいろなことが起こって、
下手なヤツは 落ちて行く。 弱いヤツは 倒れて行く。 強いヤツだけが 生き残る。
そして、監督が打つ 手が、そこで、次のドラマを 生み始める。
こっから、急展開を始めるんですよ。
後半の 20分を過ぎてから、目を覚まして サッカーを見ても、
サッカー って、十分 面白いと思いますけどね。」

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