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2010/03/28 on air  「日本は工業で復活できますか?」                  (guest) 山根一眞さん

メタルカラー烈伝 鉄



メタルカラー烈伝 鉄


山根 一眞



(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も、みなさんと一緒に、成長したいと思います。

今夜のゲストは、ノンフィクション作家で 獨協大学特任教授の 山根一眞さんです。
山根さんは、1947年生まれ。
日本の工業に携わる もの作りの現場の 貴重な証言記録をした 週刊誌連載、
『メタルカラーの時代』 は、2007年まで 約17年間、およそ 800回も続きました。

この番組では、日本の農業や環境問題については、テーマとして 取り上げて来ましたが、
そういえば、工業は 取り上げてなかったですね。
また、伝統工芸とか あるいは デザインといった分野も、確かに、日本の もの作りなんですが、
工業や工場だって、日本の もの作りの現場なんですよね。
で、思ったんですが、いまの日本は、工業を忘れてないかと。
だって、30年前、日本は “工業国” って呼ばれてたんですよね。

今の日本は、サービス産業、情報産業 ばかりの印象ですが、
かつては、第一次産業である 農業や林業、漁業 が盛んで、
戦後の復興を支えたのは、第二次産業である 工業でした。
第一次産業の見直しは、最近、起きてるように感じますが、工業は どうなのか。
戦後日本の 復興を支えたはずの工業。
その工業は、いま、どうなっているのか。
そして、日本の未来に向けての 工業の可能性とは何かを お聞きします。

“日本は工業で復活できますか?”

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒にお付き合いください。」



(曲)
DAFT PUNK 『HARDER,BETTER FASTER,STRONGER』
Harder Better Faster Stronger [12 inch Analog]


岡田くん
  「まずですね、最初に お聞きしたいことがありまして、
  日本は工業で復活できますか?」
山根さん
  「という質問を 岡田さんがするということはですね、
  復活できるか ってことは、いま、ダメ だっていう(笑)
  全く ダメだから、復活するか っていう・・・」
岡田くん
  「いや、あの・・・ダメだ ではないんですけど、印象的に、
  工業 って言われてた時代とは違って、
  いまは 言われなくて、サービス産業とか 農業とかも、だいぶ こう、なんとかしようとか、
  第一次産業は、言われてるけども・・・」
山根さん
  「第二次産業は、どうなったの? と(笑)」
岡田くん
  「工業 っていうのを 聞かなくなったな・・・」
山根さん
  「あのね、工業 っていう言葉は、堅いじゃないですか 言葉が。」
岡田くん
  「まあ、そうですね。
  もう、カ~ン! カ~ン! カ~ン! カ~ン! てイメージが ありますね。」
山根さん
  「今日は ちょっと、みなさんに、工業について お話をしたいんです って言ったら、
  もう、みんな 逃げちゃいますからね。
  だから、最近 “もの作り” って 言うんですよ。」
岡田くん
  「それも、どうなんですか?」
山根さん
  「ちょっと、僕はね、あんまり好きじゃない、実は。
  なんかねえ “もの作り” って、なんかこう、
  うちで 大根 刻んで 料理作ってるのも、もの作り じゃないですか。
  だから、ちょっと、軽い言葉かなと 思うんですよ。
  だから、今回ね、岡田さんが “工業” だ って言われて、僕はね、非常に嬉しい。」
岡田くん
  「ほんとですか。」
山根さん
  「嬉しい。」
岡田くん
  「ありがとうございます。」
山根さん
  「工業の “工” って 字を見ると、
  棒が 上と下に 二本あって、真ん中に 縦棒じゃないですか。」
岡田くん
  「はい。」
山根さん
  「この字、すごく 重要な字 なんですよ。」
岡田くん
  「どういうのを、表すんですか。」
山根さん
  「天と地 をね、人が 結ぶんですよ。」
岡田くん
  「ほぉー! それで “工” っていう字に、なってるんですね。」
山根さん
  「そういうことを携わるの人が、工業に携わる人達なんだね。
  つまり、天の法則や、天から与えられた資源、そういうもの。
  それから、地面。 地 ですよね。
  地に足の付いたもの。 そういうものを、天と地の理を、原理をね、
  合わせて、人がね、一つにして 何かを作ってくっていう、そういう意味なんですよ。」
岡田くん
  「 “繋げる” っていうことですよね。」
山根さん
  「ああ。 だから、すごいことなんだ、工業っていうのはね。」
岡田くん
  「なんか でも、工業 っていうと、やっぱり、ちょっと 昔で、
  いま、見えなくなってるじゃないですか。」
山根さん
  「でもね、例えば、日本が どうやって食べてるかっていうこと、そのものを、
  若い人達、特に、若い世代の人達は、よく わかってない。
  なんか、金融でね、上手く やって行けるとか、
  情報産業でいいとか、サービス産業でいいと言いますけれども、
  ようく考えると、食べて行くっていう、つまり お金を稼ぐというのは、何かと言えば、
  何かのものに 付加価値を付けて、
  原料や 材料があるよね、情報でも そうなんですよ。 音楽でも そう。
  そういうものを、自分が 付加価値を付けて、他の人に 売ることによって、
  その利益を得るわけじゃないですか。」
岡田くん
  「うん。」
山根さん
  「日本は、元々、土地って ほんとに無いですよ。
  日本の国土って、こんな狭いんだけれども、
  だいたい、ロシアの 50分の1 ぐらいしかないですよ。」
岡田くん
  「はい。」
山根さん
  「それでいて、そのうちの 6割がね、山なんですよ。
  ほんのわずかしが、平野が無いでしょ。 平地が。 人の住めるところが。
  それで、資源は、っていったら、ほとんど 何も無いです。
  エネルギーは、石油も石炭も、全然 無いじゃないですか。」
岡田くん  
  「無いですね。」
山根さん
  「何にも無いんですよ! この国は。 元々。」
岡田くん
  「(笑)」
山根さん
  「だから、日本は、世界2位の GDP、国力が 2位だった。
  ま、最近、中国が伸びて来て、3位になりましたから。」
岡田くん
  「なりましたね。」
山根さん
  「まだ、それでも 3位ですよ、世界 180カ国もあるのにね。
  それは、ものを作って来たから。 工業だから。」
岡田くん
  「それは、技術力 ってことですか? それとも、生産力 ってことですか?」
山根さん
  「全部です。」
岡田くん
  「トータルで。」
山根さん
  「だから、簡単に言えば、例えば 鉄。 鉄鉱石 って ありますよね。」
岡田くん
  「はい。」
山根さん
  「それは、日本には ほとんど無い。 だから それは、輸入するんですよ。
  それで、まず そこから、ものすごく 純度の高い、
  鉄鉱石 って、錆 なんですよ。 酸化鉄 ってやつだよね。 酸 ていうのは、錆 なんです。
  そこから、純粋な鉄を 取り出す。 これだけでも、ものすごく 大変なことなの。
  そういう技術を 持っていて、これは、製鉄所、あるいは 製鉄会社。
  その鉄を使って、今度、例えば、ものすごく薄くて、ものすごく強い、薄い板を作る。
  鋼の板をね。
  それで、何を作るかといったら、車のボディーを 作るんですよ。」
岡田くん
  「うん。」
山根さん
  「そして 作った車を、今度は、輸出する と。
  そうすると、最初、まあ 例えば、ものすごく 石っころみたいな 鉄鉱石がね、
  ものすごい高い 付加価値を持って、海外に売れる と。
  それで、日本人は、知恵と 努力と 工業力で、まあ、お金が、海外から入って来て、
  日本ていう国が 豊かになってったっていうのが、工業立国 日本 なんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
山根さん
  「それが、時代によって、最初はね、おもちゃとかね、軽工業 って 言われたんですけども、
  おもちゃ みたいなものから始まって、やがて、鉄鋼製品とか、それから、自動車。
  それから 今度、半導体とか、デジタル系のものに 変わって行くとかね。
  時代によって、製品は変わって行きます。
  でも、いつの時代も、日本人は、まあ、メーカーの人達 というのは、
  次の時代を考えて、世界に売れるもの、世界で最先端のものを作って来て、輸出して来た と。
  これが、日本の工業 っていうものなんですよ。」
岡田くん
  「昔から、付加価値を付ける って言ったら 変ですけど、刀の時代からだと思うんですけど、
  何かを、付加価値を付けて やって行くっていうのは、日本人、得意だったと思うんですよ。」
山根さん
  「付加価値 っていう それは、どこにも負けない、ものすごい、
  最先端の、最高のものを作ることは 得意ですね。」
岡田くん
  「いまは、どうなんですか? いま、すいません、あんまり・・・」
山根さん
  「間違いなく。」
岡田くん
  「いま、すごいですか?」
山根さん
  「先端部分では、圧倒的ですよ。」
岡田くん
  「ほぉ。」
山根さん
  「そのことは、自信を持ってもらいたい。」
岡田くん
  「日本の 技術力。」
山根さん
  「もちろんね、中国や 台湾とか 韓国、ものすごい 追い上げて来てますから、
  そういう部分では、例えば 液晶とか、やられてる部分ていうかね、  
  ただ、値段で勝負されると 負けてしまうとか、そういうことは ありますけど、
  全ての分野じゃないけれども、ようく 尋ねて行くと、
  これは すごい! っていうものはね、あるんですよ、それは。」
岡田くん
  「それ、知りたいですよね。 例えば、どういうものが あるのか。」
山根さん
  「例えばね、コンピュータって チップ って、半導体 っていうのは、
  どんなものにも、入ってるでしょ。」
岡田くん
  「緑の上に、いっぱい、その・・・機械が付いて。」
山根さん
  「まあ、簡単に言えば、心臓部。 ゲジゲジの頭みたいなね。 ま、そういうものですよ。
  ああいうものを作るには、いま、どうやって作るかっていうと、
  いま、写真で作ってるんですね。 写真の焼き付けと 同じなんです。」
岡田くん
  「うーん、どういう・・・」
山根さん
  「つまり、ものすごく複雑な回路がありますよね。
  その図面を書くと、例えば、何百メートル四方ぐらいの 大きな紙に書いても、
  その線が、びっちり詰まってるぐらいな、そういう回路図を、まず 作りますよね。
  それを、フイルムを作って、言ってみればね、
  ある光で、あるものに 当てるんですよ。
  昔のフイルム写真と同じで、露出するわけ、露光するわけ。
  そして 現像すると、光の当たってないとこは、溶けて流れますよね。
  そうすると、残った部分が、いわば、配線とか 部品になる っていう、そういう技術なのね。
  こういう形で、半導体 って、作ってるんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
山根さん
  「そういう部分の技術。 これ、世界の ほとんど。 全てが 日本製だっていう。
  日本の技術力だって 言っていい。
  だから、日本の そういう技術が無かったら、全世界で、半導体 作れない。」


(曲)
PET SHOP BOYS 『ALL OVER THE WORLD』
イエス


岡田くん
  「そういうのを、なんですか、
  “メタルカラー” って おっしゃってたのは、そういうのですか?」
山根さん
  「そうそうそう。」
岡田くん
  「メタルカラー のテーマは、なんて・・・」
山根さん
  「それは、1990年の 初め頃に、週刊誌で 連載をやってほしいって言われて、
  僕は、こういう、工業。 岡田さんの言う “工業” が好きだからね。
  やっぱり、そういう 担当者に会うとね、
  これほど ワクワクして 興奮する話は ないんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
山根さん
  「おー、開発者の話。 よく、そんなこと考えたましたね。 素晴らしい~!
  みたいなかんじに なるわけですよ。」
岡田くん
  「アハハハ(笑) うん。」
山根さん
  「こういう感動をね、人に 伝えたい。
  できるだけ、たくさんの人に伝えたいと 考えたわけ。
  そのときに、じゃあ、その人達のことを、何と呼べばいいんだろうか。」
岡田くん
  「うん。」
山根さん
  「創造的な・・・ま、頭 使ってね。 日本を支える すごいことをやってる 技術者ですよね。
  でも “技術者” とか言うとね、なんか すごくね、こう、ほら、重いし。」
岡田くん
  「堅いというか。」
山根さん
  「なんか、取っつき難い。」
岡田くん
  「はい。」
山根さん
  「 “匠” とかいう言葉が あるんですよね。
  匠 っていうのはね、必ず、作ったものに 銘 が入るんですよ。 刀鍛冶 とか。
  そういう人を、匠 というのであって、大量生産してる人じゃない。
  じゃあ、メーカーで作ってる人達は、なぜ 名前が無いのかっていうと、
  チームで作ってるんですよね。 個人が 作ってるんじゃない。 だから、匠 じゃないんです。
  チームの力 なの。 そうすると、そういう、チーム っていうのは、
  企業の中で どういう人がいるかな っていったら、
  “ホワイトカラー” っていうのがあるの。
  ホワイトカラー っていうのは、事務職の人達、営業職の人達をいうわけですね。
  それはね、襟 なんですよ “カラー” 」
岡田くん
  「うん。」
山根さん
  「高校生の 詰め襟の、学生服で これ、カラー っていうじゃないですか。 襟 ですよ。
  白いカラー。 つまり、ワイシャツ 着てる人達だね。
  それに対して、よし、この人達をね、違う色の襟をしてる人 って 名付けようと思った。
  何色がいいかな? 何色がいいかな? って、考えたんだけどね、
  オレンジとか イエローとか ブラックとか、いろいろ 考えたんだけどね、
  ある日、フッとね “メタル” 金属の輝きを持ってる。」
岡田くん
  「うーん。」
山根さん
  「ものを作る ってことは、全て、機械で作りますから、よし! と。
  材料も、金属が多い。 で “メタルカラー” って言葉を 作ったんです。
  だから、ホワイトカラー とか、ブルーカラー と並ぶ意味で、メタルカラー って言葉になって。
  これはね、作ってすぐ 『現代用語の基礎知識』 に入ったんですよ。」
岡田くん
  「うーん。 すごいですね。」
山根さん
  「だから いま、もの作り の人達は “メタルカラー” って、わかってくれるのね。」
岡田くん
  「あの、連載をされて、反響は すごかったですか?」
山根さん
  「これは もうね・・・いままで、そういう方達は、いつも 表に出ないですよ。
  例えば、ものすごい 新製品が出ました。
  大体ね、その企業の 広報担当者が、発表するじゃないですか。
  取材に行っても、広報の人が 話すんですよ。
  でも、はっきり言って、広報の人、何も 知らないんだよ。 大体、わかってない(笑)」
岡田くん
  「そうですね。 細かいことは、わかってないですね。」
山根さん
  「技術でもなくて、そんな、わかるわけないじゃないですか、文化系の人が 多いんですから。
  で、私達は、大体、一人について、3時間から4時間 聞きますから、
  それで、はじめて わかるんですよ。
  だから、広報の人が 『いやぁ、勉強になりました』 って、必ず 言うのね。
  ていうぐらい、まあ、面白いというかね。
  だから、広報の人は、すごく喜びますよね。
  それからね、いままで 世の中に、自分達が、ものすごい、
  血の滲むような努力をして、あるものを作る。
  でも、それが、あの お父さんが やったって、誰も 言ってくれないわけですよ。」
岡田くん
  「うん。」
山根さん
  「で、うちに帰れば ゴロゴロしてるから、
  なんか、うちのオヤジは ただ寝てるばっかしで、何やってんだか わかんないね、って、
  奥さんも、そう 思ってるわけですよね。
  で 『何やってんの?』 って、
  『いや、半導体の、今度、こうこう こうこう こういうのが開発できて、
  これが、クリアできた』
  なんて 言ったって、子供も お母さんも、わかんないじゃないですか。」
岡田くん
  「うん。」
山根さん
  「で、僕の その週刊誌はね、ものすごく わかりやすく、ずっと 書いて来たわけですよ。
  800回 近く。 それでね、まず 喜んだのは、そういう 同僚たち。
  『オレ達も、次 出たい!』 っていう、
  いつ、番が回って来るだろうか っていう感じですよね。」
岡田くん
  「ほぉー。」
山根さん
  「だから、電話するじゃないですか、アポイントメントの。
  『実は “メタルカラーの時代” で』 って言うと、
  『ちょっと 待って下さい』 って、
  『来た来た! 来たぞ、メタルカラー!』 とかね、そういうね(笑)
  ものすごく 偉い人でもね、
  『いや、実は、一度 出たかった』 とかね。」
岡田くん
  「うーん。」
山根さん
  「田中耕一さんて、ノーベル賞 取った、あの ね。」
岡田くん
  「島津・・・」
山根さん
  「島津のね。
  田中耕一さんのインタビューを、みんながね、
  ノーベル賞 取った! って、殺到するじゃないですか。
  みんなね、15分だけとか 10分だけとかなんですよ。
  僕だけね 『2時間 いいです』 みたいに なるわけ。」
岡田くん
  「うーん。」
山根さん
  「 『一度、出たかったんです』 っていうね、話。」
岡田くん
  「それは、その技術が、日本 支えて来たんだ っていうのが 聞きたかったんですか。」
山根さん
  「彼らが、そういう 誇りを持ってるからですよ、当然ながら。
  世界に勝った、っていうね。
  で、これだけ 努力したってことは、やっぱし、その、知ってほしいじゃないですか。」
岡田くん
  「ま、そうですよね。」
山根さん
  「それと、奥さん。 それから、子供。
  これは、象徴的な話なんですけどね、
  “ユーロトンネル” って、この前 ほら、
  英仏海峡の下を通ってる ユーロスター っていう電車、通ってるじゃないですか。
  あれの トンネルはね、半分以上、日本が掘ったんですよ。」
岡田くん
  「日本の 掘る技術、すごい って言いますもんね。」
山根さん
  「シールド マシン っていう、いわば、トンネル堀の、モグラみたいな機械。
  これの技術は、日本、世界一だ。
  で、反対側から、イギリス側は、イギリスの機械だった。 フランス側は、日本だった。
  真ん中まで、ちょうど 真ん中の線まで、両方が掘って、出会うことに なったんだけど、
  結局、イギリスが遅れたの。 だから、フランス側が 最後の岩石を ドカンと、
  フランス、日本 連合軍がね、破ったというので、日本の勝利だったんだね。」
岡田くん
  「(笑)そこでも、戦いみたいなのが あるってことですね。」
山根さん
  「そりゃあ、そうですよ!」
岡田くん
  「どっちが、速えんだと。」
山根さん
  「そりゃ、そうですよ!」
岡田くん
  「どっちの技術が、すごいんだ っていうね。」
山根さん
  「だって、元々、そういう原理を考えたのは、イギリスなんですから。」
岡田くん
  「そうですよね。」
山根さん
  「負けちゃいられない。」
岡田くん 
  「ま、現場は、そうでしょうね。 オレら、負けられるか! つって、
  イギリスよりも速く 抜くぞ! って。」
山根さん
  「そのときのね、ビデオがあるの。
  『見てろ、トンネルの中を』 って、するとね、トンネルの壁が、上の方からね、
  ゴドッ、ゴロゴロゴロ、バキッ、バリッ! とかね、岩石が落ち出してね、
  ものすごい、ガリガリの トンネルマシンの先端がね、
  バカバカバカッ って、出て来るんですよ、映画みたいに。」
岡田くん
  「うーん。」
山根さん
  「オオッ! って、みんな、ウワーッ! って、拍手するじゃないですか。
  そこのとき、なんとなく 元気が無いのが、イギリス側。
  ウワー! ってやってるのは、フランス側でね。」
岡田くん
  「アハハ(笑)」
山根さん
  「それほどのこと やった人が、いるわけですね。
  途中には、苦労して、もう、機械は止まる、
  ものすごく 偉い人だけど、泥まみれになって 修復したり、
  そもそも、その トンネルを掘るために、その地下の部分の 岩石とか土砂を、
  日本に、何十トンと 輸入してですよ、
  で、どういう刃を作るかと 研究して、やってるわけですからね。
  それで、この後ですね 『メタルカラーの時代』 に その方が登場して、
  全部、話をして下さった。」
岡田くん
  「はい。」
山根さん
  「もう、時効だから 言いますけどね、奥さんから 手紙が来た。
  『うちの主人は、いつも 忙しい とかって言ってますけど。
  なにしてるか わかんなかったんですけど、
  こんなに素晴らしい仕事を 主人が してたってことを、初めて知りました。』 」
岡田くん
  「(笑)家族に、知ってもらえるんですね。」
山根さん
  「奥さんから。」
岡田くん
  「はい。」
山根さん
  「 『もう、ほんとに感謝してます』
  ていうことは よ、こういう記事が出なかったら、彼は 生涯、亡くなるまで、奥さんに、
  すごい仕事したって 認めてもらえないことになる(笑)」
岡田くん
  「まあ でも、わからない ってのは、ありますよね。」
山根さん
  「そこで 思った。 僕は、通訳にならなくちゃいけない。」
岡田くん
  「ほぉ。」
山根さん
  「そういう、全くもって わけわかんないんだけど、日本にとって 欠かせない、
  日本の、なんていうかな、もの作り、世界一。 我々の生活も、支えてくれる。
  彼らの言葉を、一般の人達に 伝えようと。」


(曲)
ALAIN CLARK 『FATHER AND FRIEND』
Live It Out


岡田くん
  「日本が、ナンバーワン だっていう分野っていうのは、結構 あるんですか?」
山根さん
  「ありますよ! 例えば、鉄。
  鉄の話ばっかりする って、怒られるんだけど、
  ほんとに 鉄なんだから、しょうがないよ。 原子力も、そうだけど。」
岡田くん
  「(笑)鉄、好きそうですね。」
山根さん
  「鉄は、すごいですよ~!」
岡田くん
  「アハハハ。 鉄、好きそう・・・(笑)」
山根さん
  「いや、ちょっと話すとね・・・いい?」
岡田くん
  「大丈夫です。 ぜんぜん、聞いてます。」
山根さん
  「嫌かなあ・・・」
岡田くん
  「いや、ぜんぜん だいじょぶです。」
山根さん
  「今度ね、製鉄所、案内してあげますよ。」
岡田くん
  「ほんとですか。」
山根さん
  「行ったらね、人生観、変わりますよ。」
岡田くん
  「子供の頃、行った覚えは ありますけどね。 あの、社会見学。」
山根さん
  「普通の子供が行くとこは、あんまり 危ないとこ、見せてくれないから。」
岡田くん
  「あ、ほんとですか。」
山根さん
  「例えば、1400度の鉄がね、ドー! っと、一日 一万トン 流れてるんですよ。
  作った 鉄が。」
岡田くん
  「はい。」
山根さん
  「川のように。
  鉄って、ドロドロに出て来んですか? って言ったら、バカもん! て言われた。」
岡田くん
  「うん。」
山根さん
  「何だと 思う?」
岡田くん
  「え、もう、ほぼ 溶けてる、真っ赤なもので 出て来んじゃないですか?」
山根さん
  「 “湯” って いうんですよ。」
岡田くん
  「湯。」
山根さん
  「あれを。 溶けて出て来る 鉄を。」
岡田くん
  「 “湯” って いうんですか。」
山根さん
  「高炉 っていう、140メーター ぐらいの、魔法瓶 みたいの中で、
  コークス と、鉄鉱石 と、1200度の風、ポー と吹き込むと、
  下から ポタポ ポタポタ、溶けた鉄が 降って来て、下に溜まって、
  ある時間になって、ドーン! と、そこを破くと、ドー! っと、出て来るわけですよ。
  その量が、一日 一万トン なの。
  “湯”というのは、もう、水と同じ。」
岡田くん
  「水ぐらい なんですか? もっと、ドロドロ してる・・・」
山根さん
  「水と おんなじ。 あのね、渓流。 ドー!
  だけど、1400度。」
岡田くん
  「ハハハ。」
山根さん
  「(笑)」
岡田くん
  「でも、面白いですよね。 この鉄鉱石と この鉄鉱石を、何割で混ぜると こうなる とか。」
山根さん
  「コークス が。 それは、難しいんだよ! これが。」
岡田くん
  「ていうのは、その、いままでの知恵と 技術力と、っていうことですね。」
山根さん
  「その、高炉 っていうね、炉 って、140メーター ぐらい あるんですけど、
  中、見えないじゃないですか。 熱くて、人、入れないじゃないですか。
  中で、どんな反応が起きてるかって、わかんないんですよ。
  そうすると、そこに、いまは 名前が変わったけど、
  “宿老(しゅくろう)” っていう人が いるんですよ。 宿屋の老人 て書くの。」
岡田くん
  「はい。」
山根さん
  「その人は、わかるの。 音、聞いたりするの。 バチャバチャバチャ。
  それから、小さな中、覗いてるの。
  で、彼らが見ると 『オッ、いま 1360度』 」
岡田くん
  「ほー。」
山根さん
  「パッと見て、わかんの、温度が。 パッと、もう。
  私も、通ううちにね、100度単位まで わかるようになりましたよ。」
岡田くん
  「(笑)わかるんですか。」
山根さん
  「今日、1200 ぐらいですねえ、とかって。
  あっ、今日、ちょっと低くて、1100 ぐらいじゃないですか? って。」
岡田くん
  「いまも、おられるんですね、そういう、なんか、昔とか、
  映画とか わかんないけど、そういうのでは、そういう こう・・・なられてる 技術者。」
山根さん
  「宿老の役割をする、やっぱし、神様のような人 いますよ。」
岡田くん
  「いまは そんだけ、技術力とか ナンバーワン ていうのも ありますけど、
  いまの時代 っつっても変ですけど、
  一般でいう リストラだったり、人員削減 だったりみたいな問題は、
  工業の方にも 直面してる・・・」
山根さん
  「それはもう、一番、直面してますよね。
  なぜかと言えば、ものが売れないからじゃないですか、いま、景気 悪くなれば。
  ものを作ってるんですから、売れなきゃ 作ってる人達は、仕事が無くなると。」
岡田くん
  「これはもう、深刻ですか? いま。」
山根さん
  「そりゃ、深刻ですよ。」
岡田くん
  「その波は、乗り越えられますか。」
山根さん
  「何度も、こういう経験 してるんですね。
  そりゃもう、過去の不況 って、ありましたからね。
  ま、今回、特に 酷いですけども、でもね、分野によるんですね。
  ものすごく、いいとこもある。
  一方で、ほんとに 辛いところも あるっていう、その差は、大きいですね。」
岡田くん
  「うーん。」
山根さん
  「で、やはりね、中国 韓国 台湾 の、元気いいですから、
  競合してるようなとこね、日本の もの作りと、彼らの、競合してるようなところではね、
  人件費、安いですからね。 で、彼らも、技術力、確実に上がって来てますからね。
  日本に、もう とにかく、学べ学べで やって来たものを、
  いまも それ、いろいろ続けてますからね。
  僕の本なんか、ずいぶん 彼らに読まれた。」
岡田くん
  「(笑)」
山根さん
  「そういう意味じゃ、まずかったなぁ と。」
岡田くん
  「アハハ! でも、あの、なんだろう、日本の企業も、
  向こうで作って、も一回 持って来い みたいなことも、するじゃないですか。」
山根さん
  「だから、向こうで 作るじゃないですか。 すると、ノウハウ 覚えちゃうじゃないですか。
  その ノウハウを覚えて、後は、それを作る機械 って 売ってますから。
  ものを作るための機械も、日本は、たくさん 輸出してるから。
  ノウハウ を得て、そういう機械を 輸入すれば、自分で 会社 始められちゃうわけですよね。
  これは、辛いとこだよね。」
岡田くん
  「うーん。」
山根さん
  「だから、何すればいいか っていったら、彼らが そうやった時には、
  その先を やるっていう。 いつも、常にね。」
岡田くん
  「技術の進化 って、どのぐらいで 進んで行ってるんですか?」
山根さん
  「それは、凄まじい。」
岡田くん
  「ですよね。」
山根さん
  「例えば、僕のパソコンに使ってる ハードディスク。
  これがね、1990年頃、89年ぐらいに、
  20メガバイト っていう ハードディスクを、僕、買ったんですよ。」
岡田くん
  「はい。」
山根さん
  「20ギガ じゃないですよ。 20メガですよ。」
岡田くん
  「 “メガ” ですよね。」
山根さん
  「フロッピーの・・・もう、なんか、フロッピーも無くなって来たけど、
  まあ、15枚分か 20枚分です。」
岡田くん  
  「フロッピー、懐かしいですね。」
山根さん
  「その、ハードディスクがね、当時、15万円か 20万円 したんですよ。」
岡田くん
  「結構、しましたね。」
山根さん
  「で、カタカタ カタカタいって、すぐ壊れるんだよな。
  で、いま、私のノートパソコンに、500ギガ 入ってるわけ。 500ギガバイト。」
岡田くん
  「はい。」
山根さん
  「これ、何倍かっていうのは、計算するのも 大変ですけどね。
  当時の値段で 換算してみるとね、僕のパソコンには、当時の値段でいくと、
  だいたい、30億円分ぐらいの値段の、ハードディスクが入ってることになるわけ。」
岡田くん
  「(笑)」
山根さん
  「あの当時の値段で、計算すると。」
岡田くん
  「まあ、そうですよね。 技術が、そんだけ進化した っていうことですね。」
山根さん
  「30億円が、じゃ、いくらか っていうとね、9800円ぐらいで 買えるわけよね。
  これを、技術の進化 っていうんです。」
岡田くん
  「うーん。 いま もう “テラ” まで、行ってますからね。」
山根さん
  「10数テラですよ、私の持ってるのは。 テーブルの周り。
  ハードディスク、30台ぐらい ありますよ、私なんか。」
岡田くん
  「(笑)」
山根さん
  「何してるか って言われても、困るけどね。」
岡田くん
  「(笑)すごいですね、10数テラも、何をされてるのか、気になるとこですけど。」
山根さん
  「それは もう、あらゆる、テレビのニュースから 何から、全部 クリップしてますからね。
  何万本に なりますよね。 自動的に、全部 切り分けて、
  新聞のスクラップと同じように、テレビニュースや番組も、クリッピングする っていう。
  そういうこと やってるわけですよ。」
岡田くん
  「あー。」
山根さん
  「僕は、大学で 講義やってますから、そういうものとか。
  大学の講義は、写真とムービー しか使わないんですよ。
  で、自分自身で、ものすごい 撮ってますから、現場で。
  そういうのも、全部 そこへ入ってるわけですよね。 ハードディスクの お陰ですよ。」
岡田くん
  「進歩の。 それも、工業の進歩の お陰っていう・・・」
山根さん
  「それは、そうですよ! すごいもんですね。」
岡田くん
  「その “日本は、工業で復活できますか?” っていうのが、今回のテーマなんですけど、
  どうなんですか?」
山根さん
  「このまま、この国がですね、今の政権みたいに ダラダラしてね、
  将来にビジョンが無いことを やってると、何になるかっていうとね、
  もうね、衰退し始めてるね。
  発展途上国 って あるじゃないですか。 いま、日本は “衰退途上国”なの。
  もう、逆に、落ち始めてるの。
  そうすると 後は、最後は 底辺に来るのは、これは、あんまり使わなくなったけど、
  “低開発国” ですね。 なあんにも やらない。  
  だから 『二番じゃ いけないんですか?』 みたいなことを言ってたら、
  何にも やらない、ってことに なっちゃう。 何にも やってないから、低開発国ですね。
  これは もう、日本中が、餓死者が 続出に なりますよね。」


(曲)
DEEP FOREST 『DEEP WEATHER』
コンパルサ


山根さん
  「いま、中国や韓国 みんな、目指してるのは、
  日本や ヨーロッパや アメリカ型の 先進国像を、目指してるわけですよ、彼らは。
  でも それはね、二酸化炭素の排出で、温暖化が起きるとか、
  世界中の道路が、渋滞だらけになるとか、
  いろんな矛盾をはらんだ 文明を作って来た、先進国ですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
山根さん
  「そうじゃない、新しい “環境” ってことを考えた、あるいは、温暖化に対応した、
  低炭素化の先進国を、作って行く必要があると。
  それを 僕はね、そういう 新しい産業、工業を “環業革命” と呼んでるんですよ。」
岡田くん
  「うん。 環業・・・」
山根さん
  「環境の “環” 産業の “業”
  なぜかって言えば、今 われわれが享受してる、この大文明 っていうのは、
  19世紀の、産業革命によって もたらされた。 産業革命 っていったら、鉄ですよ。
  鉄が出来て、そして、蒸気機関、エネルギー内燃機関が出来て、化石燃料 使って、
  大量に ものを作って っていうことが、この 産業革命の やり方でしょ?
  それが、こんな破たんを起こしたわけですよね。 地球温暖化 っていう。
  であれば、この文明の大本の 産業革命 って、人間が起こしたんじゃないですか。
  150年ぐらいで、ここまで 来ちゃったんだけど。」
岡田くん
  「うん。」
山根さん
  「だったら 次の、そうではない ね、問題の無い 理想的な、新しい文明は、
  人間て、僕は、起こせるはずだと思ってるわけ。
  だから それは、新しい 産業革命になる。
  それは、環境を考えた 産業革命だから “環業革命” って言葉を 作ったんです。」




岡田くん
  「例えば、工業 って、僕らの 勝手なイメージですけど、
  工業 って、技術 とかって、すごい っていうのは、わかるんですけど、
  昔の、なんか、教えられてた あれからかもしんないですけど、
  環境と 工業って、相反してるかんじが するんですよ、たぶん。
  一般的に って言ったらだけど、工業 っていうものが、
  汚染とか、そういうのを 習って来ちゃってるから。
  それは たぶん、違うんだよ もう、っていうのが あるんだと思うんですよね。」
山根さん
  「それはね、1970年にね、公害国会 ってあったんですね。
  それまではね、70年代ぐらいまではね、無茶苦茶なこと やったわけですよ。」
岡田くん
  「汚染とか・・・」
山根さん
  「つまり、大量生産 どんどん やれやれでね。」
岡田くん
  「公害 っていうものですよね。」
山根さん
  「もう、公害は・・・例えば、鉄の産業の 北九州市なんてね、
  洞海湾 ていう 湾があるんですけど、そこはね、あまりにも 汚れていて、大腸菌が死んじゃう。
  外のね、外航航路でやって来た船がね、
  船の底に、フジツボ って付くじゃないですか、あれ、取るの 大変なんですよ。
  ところが、洞海湾 入ると、フジツボ みんな死んで 落ちてくれる とかね。
  それぐらい、無茶苦茶だった。」
岡田くん
  「すごい 公害だったわけですね。」
山根さん
  「それから、空はね、七色の空 って言われてね、煙突の煙が 七色。 モクモク。
  小学校の子供たち、顔 真黒、煤煙で。
  それで、一つ、小学校 無くなったぐらいですからね。
  そういうことが 起こりましたね、水俣病とかね、もう、不幸なことが 起こりました。」
岡田くん
  「そうですね。 結構、それを 習ってるイメージが強いので、工業と 環境 っていうのが、
  その、なんだろう・・・並行して 進まないというか。
  その先には、あるはずなんだろうけど。」
山根さん
  「それはね、先生が ちゃんと教えてないんだ。」
岡田くん
  「アハハハ。」
山根さん
  「(笑)」
岡田くん
  「教えて下さい!」
山根さん
  「そこで、70年に、公害国会 っていうのが起こって、公害を防止する っていう法律が出来て、
  日本は、世界で最も厳しい、法律の規制が できて来るわけですよ。
  それで、企業も、どんどん 変わって来るんです。
  今は、例えばね、自動車の排気ガスの、クリーンにする なんてもん、
  アメリカなんか、全然 追いつかないのが、
  日本が、世界で 一番先にね、クリーンな排気ガスを出すようになってね、
  こういうこと 言われましたよ、
  『ロサンゼルスの空気より、日本の自動車が出してる排気ガスの方が、クリーンだ』 って。」
岡田くん
  「フフフ(笑)」
山根さん
  「ほんとに、それぐらい、クリーンになって行ったんですね。」
岡田くん
  「それ、技術力で そうなったってことですよね。」
山根さん
  「うん。 だから、僕が言うのは そういう、排気ガスを クリーンにするような、
  それが、技術ですよ。」
岡田くん
  「うん。」
山根さん
  「それが、環境の技術 なんですよ。 環境の工業 なんですよ。 でも、まあ、
  そういうの 好きなヤツが やってればいいや、みたいなかんじが あったじゃないですか。
  環境にいい とか言う人達がいて。
  でも 今は、地球の温暖化 っていう、実は、最も大きな、
  地球が もう、破滅して、人類が 生物が、絶滅するかもしれないということが起こって来て。」
岡田くん
  「全人類の、テーマになりましたよね。 一部では なくて。」
山根さん  
  「それを やらなければ、人類、生き延びられない って なったから、
  全てのものは、それをクリアする、
  そういう問題を 出さないもので 作って行かなければいけない という時代が、
  やっと 来たんですよ。
  これがね、環境の産業 なの。」
岡田くん
  「うーん。」
山根さん
  「ものは、作んなくちゃ いけないんですから。
  だって、テーブルもいるし、食べ物もいるし、服もいるわけじゃないですか。
  でも、それを作るときに これからは、
  環境を考えて 作らなければ、通用しないし、売ることも出来ないとなりますよね。
  それは 今までの、産業革命型で、ともかく 大量に作って、
  資源 バカバカ使って、売ればいい っていうものじゃなくて、
  環境を考えながら やってく もの作り、ってなりますよね。
  そこで、日本は、世界一 なんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
山根さん
  「何故か? あまりにも酷いことを、世界で最初に やったから。 反省で。 そうなの。」
岡田くん  
  「ですよね。」
山根さん
  「それを乗り越えて来たから、
  いま、中国や インドとか、これから、新興国がね、一番ほしい、
  あるいは、日本が これから そこに、提供して行く っていうか、売って行く技術は、
  環境技術 だって 言われてるのは、そこ なんですよ。」
岡田くん
  「うん。」
山根さん
  「そういうことなんですよ。」
岡田くん
  「なんか、もっと “誇り” みたいなのを 教えてほしいです。
  日本が、こういうものを作ったんだ とか、
  それは もう、どこにも負けない技術だ とか。
  そのために、これをやりましたんだ っていうことが、その、
  企業の人に 教えてもらいたい っていうのは、ありますよね。
  その、なんだろう、売るために、目先のことを、いいことしてますよ、いいことしてますよ、
  っていう、その、なんだろう、ことは、いっぱい 聞くんですよね。
  エコマーク 入れた方が いいとかって。」
山根さん
  「あのね、そういうことを、企業は ちゃんと、広報活動として やってるんです。
  だけど・・・」
岡田くん
  「取り上げてもらえない っていうことですか?」
山根さん
  「いや、学校のね、小学生 中学生 高校生が、授業の中で、1年間に 5回はね、
  地元の工場を訪ねて 勉強しよう っていうのが、授業に入ってればいいんですよ。」
岡田くん
  「あー。 いや、もっと なんか、教えてほしいんですよね。
  ニュースとか、なんでも いいんですけど。
  これが、この技術が、こう 役に立って・・・」
山根さん
  「わかった!」
岡田くん
  「これは・・・」
山根さん
  「岡田さんの番組で、毎回(笑)一つは、最新技術を紹介する。」
岡田くん
  「アハハハ! オレが やれって、話ですよね。」
山根さん
  「ていうと、やらないでしょ、なかなか。」
岡田くん
  「そうですねえ。」
山根さん
  「なかなか 難しいよ、ってなるじゃない。
  みんな そうなんです、だから。」
岡田くん
  「あー。」
山根さん
  「やっぱ、それよりは、冬のオリンピックでね、誰々が どうした っていう方がね、
  大事なんですよ。 そりゃ、今度 半導体、こんな すごいのが出来ました、って言ってもね、
  すごいね これは! って、なかなか 思ってくれないのね。」
岡田くん
  「そうですよね。
  『なんとかの 田中さんが、これを作って、これは 未来、こうなるかもしれません!』
  みたいな(笑)」
山根さん
  「もう一つあるの、難しくなってるの。」
岡田くん
  「あー、技術。」
山根さん
  「とても、難しくなってるの。 だから、簡単には、
  例えば この前の、事業仕分け。
  去年、あったじゃないですか、スーパーコンピューター とか、
  ああいうものが、みんな削られるとかいうこと、起こったじゃないですか。」
岡田くん
  「はい。」
山根さん
  「あんなもんで、30分や 1時間でね、議論できるものじゃないんですよ。
  例えば、2時間 聴いて、やっと 入り口がわかるような世界ですよ。」
岡田くん
  「ま、そうですよね。」
山根さん
  「わかりやすく話して下さい って、お願いをしてですよ。
  それで まあ、ちょっと わかったかな? って。
  でもね、その程度の話も、あの仕分けに、なんだかんだ言った連中は、勉強してないですよ。
  難しいんですよ。」
岡田くん
  「難しいですよね。 その、なんだろう、難しい方向に 全部 行ってる っつったら変だけど。」
山根さん
  「いや、難しい って言っても、例えば、あの・・・」
岡田くん
  「細かく、細部が、広がって行ってるかんじですか。」
山根さん
  「例えば、いま、ある形のものを 作ろうって、昔だったら たぶん、
  金鋸で ゴリゴリ切って、ヤスリで仕上げて、グラインダー で作って っていう、
  イメージがあるじゃないですか。」
岡田くん
  「はい。 溶接して みたいな。」
山根さん
  「いま、ほんとの フロンティアは、
  分子と原子の配列を こういうふうにして ものを作ろう と。」
岡田くん
  「そうですよね。 溶接しろ っていう話じゃないですもんね(笑)」
山根さん
  「よし、これが、例えば 宇宙に持ってっても、絶対に壊れない、薄いシートだ、
  ということのレベルで、やってるわけですよ。
  それを 何故、ちゃんとやらないのかと 思うんだよね。
  だから、人類 っつうのはね、未知のものに挑戦するのが 人類なんです。
  これを、文化というんです。 挑戦しなくなったら、ただのね、犬か カエルなんですよ。」
岡田くん
  「フロンティア精神 ですね。」
山根さん
  「犬 って、フロンティア 挑戦しませんから。
  これが、人間なんだよね。 そういうこと やめたら、人間じゃないんだよ。
  だから、天と地を結んで、人 じゃないですか。」


(曲)
KILLERS 『HUMAN』
デイ&エイジ



(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、山根さんと お話をさせていただきました。
やあ もう、知らないことがね 多かったですし、やっぱりこう、
知るって 楽しいな って。(笑)単純かな。

知りたいですよね、なんか・・・ねえ、なんか そういう、技術 とかって、やっぱりこう、
知らないことが多いし、そこに懸けるロマン とかって。
ま、今の最先端て 何なんだ っていうのをね、やっぱり 知って、
それが、どういう可能性があんのか とか。
難しいですよね。 可能性。 フロンティア精神。
うーん。 でも、なんか そういう こう、ね、何かを作るとか 生み出すとか。

昔 って、そういうのって こう、次の世代の人が 決めてくれんだ って言って、
やってたりとか するじゃないですか。
今 って、でも、わかりますからね。

うーん。 やっぱ、知りたいな っていうのは、すごく 思いましたし、
なんか、もっと お聞きしたいなって、すごく 思いました。
面白いですね、工業 ってのは。

なんか でも、まとまってほしくないなって 思います。
なんか、まとまんない可能性があるのは、やっぱ、第二次産業なのかなっていう、
なんか、オラー! っていう、技術者のエゴ っつったら変だけど、
もう、ほんと、こういうもん作りたいんだとか、そういうものが やっぱり、
変える気も するんですよね。
なんか(笑)もう、なんか わかんないけど、これ 作りたいだ! とか、わかんないけど、
そういう、これは絶対 役に立つんだ! とかっていうものって、
第一次にも第三次にも、もしかしたら無い 思いかもしれないし、期待は したいですよね。

ちょっと、でも、見方は 変わったかもしれないです。 工業 っていうものに。」


(曲)
BRUCE SPRINGSTEEN 『HUNGRY HEART』
ザ・リバー



(山根さんからの コメント)

「僕はね、小さい頃ね、こりゃ すごい技術だなと思ったのは、
小学校の 1~2年生だと思いますけどね、親戚で お金持ちがいてね、
日産のセドリック、出たばっかりのを持って来たんですね。
それで、見せてもらったときに、ほんとに ビックリしたのはね、
ワイパーがね、動くだけじゃなくて、石鹸が出る。 要するに、ウォッシャー液が出る。
すごいな! と思いましたね、これ。
そういうね、あの(笑)いま、当たり前ですけどね、
ウォッシャーの、石鹸が出るなんていうのはね、
実は、後で わかりましたけれども、これ、大変なんですよ。
凍結しないようにとか、いろんな問題が ありますよね。
ああいうことの積み重ねで、今日 来たな っていうこと、今 言われて、思い出しましたね。」

 

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