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2010/01/31 on air 「日本の芸術文化は これからどうなりますか?」               (guest) 平田オリザさん


芸術立国論 (集英社新書)



芸術立国論


平田 オリザ



(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も、みなさんと一緒に、成長したいと思います。

今日のゲストは、この番組 2度目の登場となります。
劇作家で演出家、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授の 平田オリザさんです。

前回、平田さんに出演していただいたのは、2007年12月30日。
あれから、2年が過ぎましたが、
テレビや新聞などで、平田オリザさんを見かける機会が増えましたよね。
平田オリザさんは、昨年10月、鳩山由紀夫内閣の内閣官房参与に任命され、
また、鳩山総理の所信表明演説への助言を行ったことが、大きな話題となりましたよね。
鳩山内閣の ブレインということですからね。

前回、この番組のゲストに来ていただいたときは、
“コミュニケーション” をテーマに お話をいただきましたが、
今回は、ズバリ “日本の芸術文化は これからどうなりますか?” をテーマに、
お話を お聞きしたいと思います。

というのも、民主党内閣に替わって、平田さんが 内閣官房参与に任命され、
これから、日本の政治は、芸術文化の振興に 力を入れて行くのかと思いきや、
その矢先に、事業仕分けで、
芸術文化に関わる予算が、大幅に削減されることが 提言されました。
いったい、日本の芸術文化の未来は、どうなってしまうのか。
今日は、じっくり、お話を お聞きしたいと思います。

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒にお付き合いください。」



(曲)
PET SHOP BOYS 『ALL OVER THE WORLD』
イエス


岡田くん
  「オリザさん!」
平田さん
  「はい。」
岡田くん
  「 2年振りなんですよ。 2年振りの登場なんですけども、なんか・・・すごい ご活躍を。」
平田さん
  「(笑)いやいや・・・」
岡田くん
  「アハハハ!」
平田さん
  「活躍かどうかはね。」
岡田くん
  「ご活躍というか、なんか、ポストが変わったかんじが するんですけども。」
平田さん
  「そうですね。」
岡田くん
  「内閣官房参与に。」
平田さん
  「はい。」
岡田くん
  「任命されて。」
平田さん
  「はい。」
岡田くん
  「任命というか、そのポジションに入られて、これ どういうポジションなんですか?」
平田さん
  「あのですね、大久保彦左衛門 て、わかりますか?」
岡田くん  
  「はいはい。」
平田さん
  「名前ぐらい 聞いたことある?」
岡田くん
  「はい、聞いたことあります。」
平田さん
  「あの人は、徳川幕府が出来たときの、ま、功労者なんだけど、
  家禄とかは いらないから、その代り、自分一代限りで、
  いつでも 将軍に会えて、意見が言える立場にしてくれっていうふうにして、
  あのポジションを得たんですけど、参与っていうのは、そういうポジションなんですね。」
岡田くん
  「ま、好き勝手 言える・・・」
平田さん
  「(笑)いや、好き勝手は 言えないんだけど。」
岡田くん
  「アハハハ!」
平田さん
  「一応、いま、参与は 僕だけなので、まあ、総理の側にいて、
  なんか いろいろ、提言をするっていうポジション。」
岡田くん
  「あー 『それだったらいいよ~』 って、言ったんですか。 どういう経緯だったんですか。
  お願いされて 『あ、うーん、彦左衛門みたいだったら いいけど』 って。」
平田さん
  「アハハハ! そんなことは 言ってないけど。」
岡田くん
  「そんな感じじゃないんですか。」
平田さん
  「やっぱり、そうですね。 一番 言われたのは、
  国民と政治の距離を近づけたい っていうことですね。」
岡田くん
  「うーん。 前も お話 聞いたときに、そういう なんだろう、政治家の方 集めて、
  コミュニケーションていうのをレクチャーしてるよ っていうのは、聞いていたんですけど。」
平田さん
  「そうですね。 だからもう、民主党の 野党時代から 議員会館で、
  ワークショップ やったりとか、そういうことは してたんですけど、
  その延長線上にあるんですけどね。 この仕事自体はね。」
岡田くん
  「昔は だって、そんときは まだ、どうなってんだ! つって、国に言ってた立場から・・・」
平田さん
  「そうね・・・」
岡田くん
  「なんか、官房参与って聞くと、
  どっぷり、そのポストに入ってるってイメージに なっちゃうんですけど、
  そういう、国側?(笑)国側 って言ったら、あれですけど。」
平田さん  
  「僕は、あ、いや、国側なんですけど、
  僕は、選挙で選ばれた議員でもないし、試験に受かった 官僚でもないんで、
  アドバイスを するだけなんですよ。」
岡田くん
  「あー・・・」
平田さん
  「それが 一番。 後は、所信表明演説とか。」
岡田くん
  「はい、あれは結構・・・なんですっけ、夏のアレを思い出して下さい、っていう。」
平田さん
  「はい、はい。」
岡田くん
  「夏の、なんでしたっけ?」
平田さん
  「 あの夏の、選挙の日々を 思い出ましょう。」
岡田くん
  「 『あの夏の、選挙の日々を 思い出しましょう』 みたいなのを、オリザさんが。」
平田さん
  「そうでうすね。 あれを 書いたっていう・・・(笑)」
岡田くん
  「書いて。 これ 言え! つって。」
平田さん
  「(笑)いや、言え、とは 言ってない。 一緒に書くの!」
岡田くん
  「あ、一緒に書くんですか。」
平田さん
  「鳩山さんと 話して! 書くんですけどね。」
岡田くん
  「オリザさん、なんか、2年前より こう、顔が ツルッと、お元気に。」
平田さん
  「あ、そうですか? でも、白髪 増えたっていう・・・(笑)」
岡田くん
  「アハハハ! 元気になってってる感じがしますけど。」
平田さん
  「うーん、どうかなあ・・・まあ、やっぱり 引き受けたのはね、
  僕は 劇作家で、言葉の仕事してて、
  やっぱり、60年ぶりの政権交代の最初の所信表明演説を書くなんてことは、
  どんなに 運のいい劇作家でも、やりたいと思って出来るわけじゃないじゃないですか、
  タイミングとかあって。」
岡田くん
  「はい。」
平田さん
  「で、そこに関われるっていうチャンスは、ちょっと 逃す手はないだろうっていう、
  やっぱ、好奇心が 一つと。
  それから、やっぱり そういうことで、どんなものにも シナリオがあるし、
  どんなものにも 演出があって。
  やっぱり、あれ、僕が書いたり 演出をしていたっていうのが、
  別に 僕、隠してなかったんだけど、後で、新聞報道で出たときに、当然、なんか、
  鳩山総理は 自分の言葉で言ったはずなのに、やっぱり、演出があったのか っていう、
  批判をした人も いるんですよ。」
岡田くん
  「うん。」
平田さん
  「だけどね、自分らしさを出す ってのは、とても難しいじゃないですか、
  俳優とか やってても。」
岡田くん
  「はい。」
平田さん
  「僕達の仕事は、その俳優の個性を引き出すのが、演出家の仕事でしょ。
  だから そういう、演出とかシナリオっていうのは、どんなものにもあって、
  それを、ちゃんと 読み解くのが、逆に、国民の理知なんで、
  そういうものが、少しでも 公になることでね、認められたりとか、
  そういう、劇作家とか 演出家とか 演劇の地位も 上がるといいなと思って(笑)」
岡田くん
  「どういう感覚なんですか? アメリカとか、まあ、フランスか、
  どこの国でも、シナリオを書いてる人が、絶対に いるじゃないですか、
  オバマでも、僕と同じ年ぐらいの男の子が。」
平田さん
  「スピーチライターね。」
岡田くん
  「スピーチライターが 書いてるし、そういう感覚なんですか?」
平田さん
  「あのね、国会の所信表明演説とか 施政方針演説 っていうのは、
  オバマ大統領の 就任演説みたいなものとは、全然 性格が違うんですよ。
  やっぱり、国会で喋ることだから、喋んなきゃいけないことっていうのは決まってて、
  だから、鳩山さんも、就任演説とか そういうものだったらば、自由に喋れるんだけど、
  喋らなきゃいけないことが 結構 決まってて、その制約の中で書くんですね。
  だから、そんなに 名演説は書けないんです、元々。
  ま、その中で、いままでよりは 全然 良くなったっていうことだと思うんですけどね。」
岡田くん
  「これ、ゆっちゃえよ! みたいな。」
平田さん
  「あ、それはある、それはある。」
岡田くん
  「これ もう、言っちゃえ! 大丈夫だよ! みたいな。」
平田さん
  「あと、カットされたとこも、たくさんある。」
岡田くん
  「あ、これダメ~だ って言われて。」
平田さん
  「いろんな部署で、カットが入るんですけど。」
岡田くん
  「あー、そういうのが あるんですね。」
平田さん
  「何が カットされたか、ここでは絶対 言えない。」
岡田くん
  「アハハハハ! そうですよね。 言えない・・・」
平田さん
  「言えない。」
岡田くん
  「難しいですね。」
平田さん
  「これ、30年 黙っててくれ って言われてるんで。」
岡田くん
  「あ、30年後は いいんですか。 その基準は、何ですか。」
平田さん
  「30年後は、呼んでくれれば 言いますよ。」
岡田くん
  「あ、ほんとですか。 あんとき どうだったんですか? つって。」
平田さん
  「実はね・・・って。」
岡田くん
  「アハハハ!」


(曲)
NELLY FURTADO 『POWERLESS(SAY WHAT YOU WANT)』
Folklore


岡田くん
  「いまは、どんなことを 取り組まれてますか?」
平田さん
  「いまはですね、一つは、官邸からの情報発信 ということで、
  ツイッターを 始めてもらったりとか。」
岡田くん
  「はい。」
平田さん
  「それから、ブログとか そういうのを、いま 整理してて。 それから・・・
  僕は、デザイナーとか クリエーターではないから、その部分での、
  コンセプトを作るのが 僕の仕事で、
  いままでも、大体の政治家は、国民と対話したい っていうふうに言って来たじゃないですか。
  でも、そうじゃなくって、
  要するに、インターネットみたいな ソーシャルメディア っていうのは、
  対話してる国民の中に、政治家が 入って行くんですよね。」
岡田くん
  「うん。」
平田さん
  「これが、一番の違いなわけ。
  今までも、対話集会とか タウンミーティングとか してたでしょ?
  政治家 こっちにいて、いろいろな質問をして、
  政治家が答える みたいなことはあったでしょ。 でも、そうじゃなくって、
  いま やろうとしてるのは、国民が議論をしてる横に 鳩山さんがいて、
  時々、その議論に参加する みたいな形を作って行きたいんですね。
  議論するのは、あくまで 国民なんです。
  その議論を盛り上げるようなものを 作って行きたいと思ってるんですよね。
  それが まあ、この1月から始まった 改革。」
岡田くん
  「上手く行ってますか? 徐々に。」
平田さん
  「まあ、少しずつ。」
岡田くん
  「うーん、徐々に。 見せてない部分も、山ほど あるじゃないですか。」
平田さん
  「でも、前の政権に比べたら、格段に 見せるようになったでしょ?
  例えば、事業仕分けとか。」
岡田くん
  「あー、まあ そうですね。」
平田さん
  「あのことで、みんな 議論するように なったでしょ?
  『あの蓮舫さん、ちょっと 言い過ぎだよね』 とか、
  『いや、あのぐらい やんなきゃダメだよ』 とか、
  みんな、それぞれの家で 議論するようになったでしょ?」
岡田くん
  「うん。」
平田さん
  「ほら、だって いま、朝のワイドショーでさ、家計の事業仕分けとかでさ、
  お父さんが、お小遣い もうちょっと増やして、とかって、明確な根拠は? とかって、
  奥さんが言ったりする番組とか、あるんですよ。
  それはもう、あらゆることが 仕分けられて、明確になるようになったんですよ。」
岡田くん
  「いま “事業仕分け” っていうの、出て来ましたけども、
  芸術文化予算っていうのが、大幅に削減されたっていう問題があるんですけど、
  これは まあ・・・」
平田さん
  「これはね、間違って伝わってて、最終的には、まだ 予算案の段階で、
  これから 国会審議ですけど、えー、予算は 増えたんです。」
岡田くん 
  「おっ!」
平田さん
  「はい。」
岡田くん
  「全体的には、増えてる・・・」
平田さん
  「大体ね、日本の文化予算て、いま、1000億なんですけど、
  これがですね、全体で 5億円ぐらい 増えたんです。 0.5パーセントですけど。
  それでも、他 ずいぶん減ったところもある中で、増えたんですね。」
岡田くん
  「でも、減った っていう認識が、すごく出てますけど。」
平田さん
  「それはね、事業仕分け のときにですね、非常に厳しく、削減とか 廃止とか、
  抜本的に見直し って、全部 言われちゃったんで、
  これ、減るんじゃないかって噂が、すごく流れたんです。 芸術の世界に。
  で、そこから いろいろ交渉して、要するに、事業仕分け っていうのは、
  決定権を持ってるわけではなくって・・・」
岡田くん
  「議論の場 っていう。」
平田さん 
  「無駄を洗い出す っていうこと。
  無駄は、確かに あったんです、いろいろ。 いまも あるんです。
  まだまだ これからも、やんなきゃいけないんだけど、
  無駄なところは 省いて、でも、文化予算全体は 必要だから、
  無駄だったものの代わりに、新しい、もっと 無駄にならない予算を付けてもらって、
  全体は、増えたんです。 という構図に なってるんですね。」
岡田くん
  「それ、知らなかったですね。」
平田さん
  「まだ、あんまり。 まだ、予算案の段階だからね。
  でも もうだんだん、内容も公表されると思うんですけど。」
岡田くん
  「じゃ、民主党は、日本の芸術文化を応援してる ってことですか?」
平田さん
  「うん。 少なくとも 鳩山政権は、
  鳩山さん自身も、文化とか 非常に関心が高いし、映画とか すごく好きなんで、
  そういうことは、やって行こうということは あります。
  ただね、文化政策が強いかっていうと、民主党は、元々 そんなに強くはないです。
  なんでかって言うと、民主党の議員さん達っていうのは、すごく頭がいい、
  要するに、勉強の出来るタイプの人で、あんまり 演劇とか観に行かない人達なの。
  で、前の自民党の人達は、いい おじさん達で、芸術のこと わかんないんだけど、
  なんか、頑張ってるから 観に行ってみようか、っていうような人達だったの。」
岡田くん
  「うーん。」
平田さん
  「どっちを選ぶかっていうとね、難しいんですね。 どっちも、わかってないんだけど。」
岡田くん
  「アハハハハ(笑)」
平田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「まあ、そうですね。」
平田さん
  「この 頭のいい人達に、芸術文化の大切さを教えて行くのが 僕の仕事なんで。」
岡田くん
  「あー。 みんなが、だってこう、削減だ! って なったときに、
  オリザさん 何とかして下さいよ~ って、やたら 言われたんじゃないですか?」
平田さん
  「そうねえ、僕のせいじゃないんでね、困るんですけどねえ。
  文科省にね、10何万通かの投書っていうか あって、やっぱり、
  文化 削減するな! っていう声が あってですね、
  やっぱり、文化 削減しない方が いいんじゃないの? ってことに なったんですね。」
岡田くん
  「うーん。 それは でも、良かったですけど、まあ なんか、でも、  
  僕らとか、芸術文化に携わってる人は、
  芸術文化 残した方がいい! って言って、動くと思うんですけども、
  興味ない人にとっては、芸術文化が 無駄だと思われてしまうっていうことは、もう、
  しょうがないんですかね?」
平田さん
  「やっぱり きちんと。 その、事業仕分けで わかって来たことは、
  文化庁のお役人さんが、非常に 説明が下手だってことですね。
  これ、しょうがないことが いくつかあって、一番かわいそうだったのは、
  あれ、初日だったんですよ、文化関連が。 だから あれ、全然、練習できてなくって、
  他の省庁は、すごい後の人達は、ほんとに 直前まで練習して 臨んだんですけど、
  いきなり やられちゃったってことありますね。
  それから、やっぱり 切りやすいところから切る っていうとこがあって、
  例えば、アニメの殿堂 っていうのを、母子加算ていう、母子家庭の補助と比べたでしょ?
  これ、民主党、僕、これは やめて下さいって、何度も 選挙前から言ってたんだけど、
  あんなもの比べるの、卑怯ですよね。
  そしたら、誰でも、母子家庭かわいそうだ って話になるじゃないですか。
  でも それ、比べられないでしょ、どっちが大事って。
  じゃ、ミサイルの予算と アニメの殿堂は、どっちが大事なの? とか、
  よくわかんなくなっちゃうじゃないですか。 それ、比べるものではないんですけど、
  でも そういうの、ちょっと 血祭りに上げるみたいなとこは、やっぱり あったんですよね。
  わかりやすくね。」
岡田くん
  「うんうん。」
平田さん
  「で、やっぱり、だから きちんと、説明して行かなきゃいけない。
  でね、いくつか説明があると思うんですけど、まず、一番 大事なのは、
  芸術文化 っていうのの、普遍的な大事さね。
  例えば、文化予算 いらないっていう人でも、じゃ、文化財ね。
  例えば 法隆寺。 あんなもん 保存しとくの、お金がかかるから潰してしまえ って言う人、
  あんまりいないと思うんです。 よっぽど、極端な人じゃないとね。
  それ、タリバン政権みたいなことでしょ。 あの、仏像 壊してるの。
  で、文化行政っていうのは、私達 人類が、過去から受け継いだ財産を 発展させて、
  次の世代に引き継ぐのが、私達の責務なんですね。
  そのときに、フランスは、全予算の 1パーセントを使っています と。
  韓国は、0.5パーセントを使っています。
  日本は、0.1パーセントしか使ってない。
  てことは、これ、国際的な責務を果たしてない ってことでしょ。」
岡田くん
  「うん。」
平田さん
  「環境問題と一緒ですよ。 みんなが 15パーセント削減て言ってるのに、
  日本だけ、3パーセントぐらいしか やってないっていうことじゃない。
  これで、世界における日本の役割 果たしてるんですか?
  芸術文化ね、作ったり 生み出したり 育てたりするのは、日本だけのことではないでしょ。
  だって、私達は、ドストエフスキー を読んで感動したり、
  シェークスピアを観て感動したりする、あれ 全部、文化遺産でしょ?
  それは、世界の共有の遺産を、みんなで作って行ってるんですよ。
  環境問題と一緒なんですよ。 みんなの幸せのために、みんなが ちょっとずつ、
  国が分担して、負担しなきゃいけないんです。」
岡田くん
  「うん。」
平田さん
  「それを 日本だけが、世界の標準より 極端に低くて、
  0.1パーセントで いいんですか? っていうことですね。 これは まず、言って行かなきゃ。」


(曲)
BRIAN ENO 『THIS』
Another Day On Earth


平田さん
  「ウイーンのオペラ座、ウイーン国立歌劇場 っていうのは、
  法律で、毎日 違う演目をやるっていうのが決まってるんです。
  オペラを、毎日 違う演目をやるなんていうのは、大変なことですよね、労力からすれば。
  でもね これ、なんで そうなってるかっていうと、
  ウイーンてさ、世界中から音楽好きが 集まって来るじゃないですか。
  で、ウイーンオペラ座 観るよね、一晩ね。 で、観て 満足して、
  で、私達が 芝居やるときみたいに、毎日 同じ演目だったら、
  翌日は、パリとか ローマに行っちゃうでしょ。
  でも、音楽好きの人だったら、毎日 違う演目が観られるんだったら、
  世界最高峰だから、毎日 違う演目を観られるんだったら、1週間でも 滞在するでしょ?
  で、昼間は、ザルツブルグ 行ったり、チロルの森に 行ったり、
  ミュンヘンぐらいまで、足 延ばせるわけですよ。 でも、夜は必ず 泊まるわけ。
  そうすると、ウイーンに 全部、お金 落とすでしょ? ホテル代も、食事も。
  で、ウイーンのオペラ座、2000人ぐらいですね。
  そうすると、チケット代は 1万ぐらいだろうけど、
  オペラ観るような金持ちだから ホテル代や食事を入れれば 最低でも 5万ぐらい使うでしょ。
  そうすると これ、2000人で、1億円 なわけですよ、売り上げが。」
岡田くん
  「トータルで見ると、1億・・・」
平田さん
  「年間、250日 250ステージやってれば、250億円。
  二次波及効果ぐらいまで入れると、7~8千億円の 雇用とかね。
  レストランに勤めてる人とか ホテルに勤めてる人が、雇われて、
  その人が また、消費するわけでしょ? だから、ものすごい経済効果。
  これで ウイーンは、観光都市として 潤ってるわけです。
  だから、法律で、行政が お金を出して、毎日 違うオペラをやっても、全然OKなわけです。
  こういうのを、ナイトカルチャー って。 夜の文化 ね。
  こういうもので競って、観光客を誘致するんですよ。
  交通網が 発達すればするほど、もう 1時間で、ヨーロッパ内なんて どこでも移動できるから
  どこに泊まるかが 大事なんですね。
  だから、昼間、凱旋門 見てても、ローマで コロッセオ 見てても、
  それじゃ、お金 落ちないんです。 どこに泊まるか だから。
  てことは、文化が、観光の競争力を決定するんです。」
岡田くん
  「うーん。」
平田さん
  「だから、文化やらないと、いくら 観光 観光 って言っても、これ、栄えないんですね。
  そうすると やっぱり、文化 やってかないと、競争力 無くなっちゃいますよ。
  これ、一つの例ね。
  それは 例えば、教育においても、
  2年前に話したように、これからは 付加価値とかが 大事になって行くから、
  そういうときに、芸術とか文化みたいな、人との違いを大切にして、
  自分が、どう、人と違うか、ちゃんと説明して、
  他人の違いも ちゃんと許容できるような体験ていうのは、芸術からしか学べないから、
  芸術教育やらないと、
  これから 国際社会で生きて行く子ども達は、育って行きませんよと。
  だから、芸術、大事なんですよと。
  芸術教育だけがあるってことは あり得ないので、
  スポーツでも そうだけど、裾野を広げるのと、トップアスリートの要請でしょ?
  だから、こっちも やらないと、教育は育ちませんよ っていうようなことを、
  やっぱり、きちんと説明して行かないと。」
岡田くん
  「うーん。」
平田さん
  「要するにね、芸術文化って なんとなくさ、いいじゃない。
  で、情操教育とかさ、心を豊かにとか、いままで そう言ってきたわけ。
  それじゃ ダメなんですね。」
岡田くん
  「そこだけに とらわれて・・・」
平田さん
  「そうそう。 もう、やんなかったら 死んじゃうよ!」
岡田くん
  「アハハハ。」
平田さん
  「やんなかったら、日本 滅びますよ、って言わないとだめ。」
岡田くん
  「うーん。 その 説明責任が、あまり まだ、民主党 出来てないというか。」
平田さん
  「うーん。 ていうかね、文化庁・・・」
岡田くん
  「もっと、教えて下さいよ!」
平田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「だから、出てくれてるんだと思いますけど(笑)」
平田さん
  「文化庁の お役人に、そういうのが無い ってことですね。」
岡田くん
  「そういう価値観とか、そういうのって 無いんじゃないですか?」
平田さん
  「無いよ! だって・・・」
岡田くん
  「お偉いさんというか、
  お偉いさんていう言葉は、好きじゃないんですけど。 そういう、なんだろう、人達は。」
平田さん
  「だって それは、いまの、その、政府の人達っていうのは、
  いい受験校を出て、東大 出て・・・」
岡田くん
  「勉強ばっかり やってた・・・」
平田さん
  「その、試験の成績で、勝って来た人だけが 生き残ってる。」
岡田くん
  「もう、なんか ちょっとね、言うと、偏ってる感じが ありますからね。」
平田さん
  「そうそう、そうなの。 だから、それを変えて行かないと いけないですね。」
岡田くん
  「そっから、変えなきゃいけないと。」
平田さん
  「はい。」
岡田くん
  「変えて 行けれますか、オリザさん。」
平田さん
  「(笑)僕だけに言われても・・・(笑)」
岡田くん
  「アハハ! みんなそう、いま、そうなっちゃってるんじゃないですか。
  『オリザさん、頑張ってくださいよ~』 みたいな。『お前ら、頑張れよ』 みたいな。」
平田さん
  「そうねえ。 もうちょっと、みんなも、頑張ってもらいたいなあ って。」
岡田くん
  「アハハ(笑)
  まあ あの、さきほどの 劇場法 ですかね、ちょっと違う・・・」
平田さん
  「劇場法 というのは、また ちょっと違って。」
岡田くん
  「劇場法 は、どういう・・・」
平田さん
  「劇場法 は、今年の秋にでも 出来ると思うんですけど。」
岡田くん
  「なんか、制定に 力を注いでらっしゃるっていう・・・」
平田さん
  「そうですね。 図書館には、図書館法っていうのがあって、司書さんて仕事があるでしょ?」
岡田くん
  「はいはい。」
平田さん
  「それから、美術館 博物館には、博物館法っていうのがあって、
  学芸員て資格が あるでしょ?
  ところが、日本はね、世界で最も、劇場の数だけは 多い国なんですよ。
  三千近くあると 言われてるんだけれども。
  しかし、劇場とは何か って決めてる法律が無いんです。
  だから、劇場で働いてる人が、どういう資格で働いてるかっていうのも無いんですよ。
  それもあって、あんなに 天下りの人が多くて。 だから、世界中で仕事をしてると、
  あんなに、背広を来て ネクタイ締めてる人の多い劇場は、日本だけですよ。
  あんなの、見たことない。 みんな ジーパンですよ、普通。」
岡田くん
  「なんか、その道の プロフェッショナルの人達が、そこで、
  劇場とか アーティストを愛して そこにいる、っていう形ですよね。」
平田さん
  「そうなの。で、まず そういう法律を作りましょう っていうことですね。
  それから、地方の いい劇場、たくさんあるんですけど、ソフトを作る力が まだ無いんですよ。
  だから、地方で、作品を ちゃんと作って、地方の会館 同士で、お金を出し合って、
  作品を作ったり、それを回して行く ってシステムが出来れば、
  地方でも、国際レベルの作品を作れるんですね。
  それを始めてるところもあるわけ、北九州芸術劇場とかね。
  そういうものを、いくつか拠点を作って、そういうところで作って行きましょうと。」
岡田くん
  「法律を作るときの、法律にしてしまうことの あれは無いんですか?」
平田さん
  「あ、リスクみたいな?」
岡田くん
  「リスクは。」
平田さん
  「そのリスクは無いけれども、いままで 日本は、そういうものを自由に やってきたから、
  それで いろんな、面白い劇団が 出て来たわけですよね。 その、良さもあるわけ。
  ただ、どんな先進国も、基本的には、演劇を作る主体は、劇団ではなくて 劇場なんですよ。
  劇場が作るのね。 そういう意味では、日本ていうのは、
  文化政策は 後進国だったんだけれども、発展途上国だったのが、
  この20年間ぐらい、いろんな文化に お金が出るようになって、
  ま、中心国にまでは なったんですよね。
  でも これが、ちゃんとした先進国になるためには、
  演劇を作る主体を、劇団から劇場に、移していかなきゃいけないんですよ。
  例えば、岡田さんが知ってるとこでいうと、世田谷パブリックシアター とか、
  いま、野田さんが芸術監督になった、東京都芸術劇場とか、
  ああいう、きちんとした劇場を、作って行かなきゃいけないんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
平田さん
  「一般の方からすると、劇場 って、お芝居 観に行くところだから、
  紀伊國屋ホールも、世田谷パブリックシアターも、同じように見えるけど、
  作る劇場 っていうのは、全然 違うところなんですね。
  劇場 っていうのは、ただ 観るだけじゃなくって、ものを作る場所なんですよね。
  そういう場所を、たくさん作って行かなければいけない。
  そのときに 当然、いままで 劇団でやってた人達は、多少 抵抗は あるかもしれない。
  その人達は やっぱり、考え方を変えてもらって、
  よく、ヨーロッパで アソシエイト・カンパニー とか、アソシエイト・ディレクター っていう、
  フランチャイズにしていくね、そういう方向で、劇場と一緒に、ものを作って行く。
  っていうかんじに しないといけない。」
岡田くん
  「うーん。 ちょっと、変換期 ですよね。」
平田さん
  「そうです。 この 3~4年はね、非常に大きな、変換期になると思います。」
岡田くん
  「芸術の 変換期で・・・」
平田さん
  「これは 別に、演劇だけじゃなくって、音楽。
  クラシックとか、バレエダンスなんかも、同じです。」


(曲)
COMMON FEAT.MUHSINAH 『CHANGES』
Universal Mind Control


平田さん
  「特にね、ここで やっぱり、気をつけなきゃいけないのは、
  やっぱり、若い人達の力を どんどん使って、
  いま 日本でも、20代後半から30代前半ぐらいの、優秀なプロデューサーとか、
  特に 女性の方とかね、育って来てるんですけど、職場が まだ無いんです。
  そういう人達が、本当に 思い切って 力を発揮できるような、
  職場を作って行くってことですね。 フェスティバル東京 なんかは、
  この間、33歳の女性のディレクターになって、画期的に変わったんですよ。
  国際競争力を持つフェスティバルに なったんです。 そういうことを やってかないとダメ。
  いまはさ、芸術監督 っていうと、偉い人がなる職業じゃん。」
岡田くん
  「そうですね。」
平田さん
  「芸術監督って、ヨーロッパでは、20代後半で なるからね。
  二億円ぐらいの予算 もらって、やるんだから。」
岡田くん
  「(笑)規模が違いますね。」
平田さん
  「岡田さんも、なったらいい、どっか。」
岡田くん
  「芸術監督ですか?」
平田さん
  「うん(笑)」
岡田くん
  「ま、中身をキチンと 作らないといけないとは思いますけど、
  そうか、みんな でも、変わらなきゃいけない時代なんですよね。」
平田さん
  「そう。 で、変われる土壌は、すごく あるわけですよ、日本はね。
  優秀な演劇人とか プロデューサーとかも、育って来てるから、 
  そういう人が 活躍できる場を作る。」




岡田くん
  「でも、政治家の人達は、そういう感覚 持ってますか?」
平田さん
  「持ってないです。」
岡田くん
  「若いヤツらに 『お前らが、変えなきゃ いけないんだよ』 っていう。
  『そのための道を、オレら、いま 作ってんだよ』 っていう感覚で、
  政治を動かしてるとは 思えないんですね、僕は。」
平田さん
  「うん。 ただね、民主党政権になってね、大臣は、まあ 結構 年寄りなんだけれども、
  実際に 政治を動かしてる副大臣、政務官ていうのは、ほぼ 僕と同い年ですよ。
  40代、僕より若い人も、たくさんいる。
  それはね、画期的にね、20歳 若返ったんですよ。
  あんまり、外には 見えないかもしれないけど、でも、すごい 働いてるのは わかるでしょ、
  副大臣とか、政務官が、いままでと違って。」
岡田くん
  「はい。」
平田さん
  「あんなの、60代の おじいさんに、出来ないですよ。
  だって 彼ら、徹夜で働いてるんだもん、ほんとに。」
岡田くん
  「そうですよね。 最近 もう、走り回ってるのを、ニュースとかで 見ますよね。」
平田さん
  「そうそうそう。 あれ、40代だから出来るんで、それはね、変わりつつ あるんですよ。
  ただ やっぱり、まだね、成果として表れるのは あと半年、1年かかるかなと。
  次の予算ですね。 次の予算が、大事ですよね。」
岡田くん
  「うーん。 平田さん 自ら、政治家になる気は・・・」
平田さん
  「アハハハ! それは 無いです。 全く 無い。」
岡田くん
  「(笑)平田さんて、ご自身のことを、
  やっぱり、劇作家 なんですか? 劇作家、演出家 って・・・」
平田さん
  「うん、劇作家 演出家 ですか。 ま、劇作家ですね、感覚的にはね。」
岡田くん
  「あー・・・劇作家ですか。」
平田さん
  「うん。」
岡田くん
  「なんか、でも、劇作家を飛び越えた なんかをやってるっていう感覚は、無いんですか。」
平田さん
  「無いね。」
岡田くん
  「無いスか。」
平田さん
  「劇作家として、いろんなことを楽しんでるんで。」
岡田くん
  「あー。 劇作家の中で、こう、楽しんで、いろいろとしてる・・・」
平田さん
  「そうね やっぱり、言葉に、一番 関心があるんで。」
岡田くん
  「でも まあ、なんだろう、芸術家。
  “政治家は 芸術家でなくてはいけない” みたいな言葉って、なかったでしたっけ?」
平田さん
  「あぁ、そうね。」
岡田くん
  「それと 一緒で、やっぱり こう、芸術家は 政治家に向いてると思うんですよ。」
平田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「(笑)そういう・・・」
平田さん
  「僕は、やらないからね。」
岡田くん
  「アハハハ! ね、まあ。」
平田さん
  「向いてる人も、いると思います。」
岡田くん
  「うーん。 でも、政治の方が、平田さんを必要としてるっていうのは 無いですか? いま。」
平田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「だって、こんなに説明してくれる人、いないですよ。」
平田さん
  「そうですね。」
岡田くん
  「リーダーとか、トップの人達とかは、みんな ほんとに、
  ちゃんと説明しなきゃいけないんだ って言ってる時代で、
  ちゃんと 納得のいく説明を、みんな 出来てるかっていうと、出来てないじゃないですか。
  それは まあ、大きな国にしても、小さいところでの あれにしても。」
平田さん
  「そうですね。 でも、僕は、政治家が、より 説明が上手くなるような仕事をした方が、
  役に立つと思うので。 僕が やるよりね。」
岡田くん
  「いいなあ・・・」
平田さん
  「(笑)何が言いたい(笑)」
岡田くん
  「いや、自分が 役に立つ っていうことを、思えるって、
  いいなあ って、思ったんですけどね。」
平田さん
  「あぁ、そうねぇ、まあ 逆に、言葉のことでしか、どうせ 役に立てないからね。」
岡田くん
  「言葉のことで。」
平田さん
  「うん。」
岡田くん
  「でも、言葉が 大事ですよね。」
平田さん
  「そう。 だから、僕より 文化行政に詳しい学者は たくさんいますよ。
  もちろん、観光なんて、もちろん そうだし。
  もちろん、僕より 政治に詳しい人は、たくさんいるし。
  ある意味、僕より 文章の上手い人も、いるかもしれないですね。
  しかし、それを 結び付ける ってことが大事で。
  プロデューサー。 僕は まあ、劇場経営者であり、プロデューサー でもあるから、
  プロデューサー っていうのは、何かと何かを 結び付ける人なんですね。」
岡田くん
  「うん。」
平田さん
  「本人は、何の仕事もしないんだけど、人と人同士を 出会わせたりとか、
  ある作家と、ある演出家とか、ある俳優を 出会わせたりとか。
  人と もの。 要するに、この劇場で、この人に やらせたいとか。
  あるいは、人と お金。 この人、いまは 貧乏くさい芝居やってるけど、
  この人 、豪華なセットでやったら、もっと才能 発揮できんのに って言って、
  お金を集めて来るのが、プロデューサー の仕事でしょ。
  そういう感覚は あると思うし、それが、今の政治には 求められてるんですよね。」
岡田くん
  「うーん。」
平田さん
  「みんな、わかってるんですよ。 頭のいい人達だから。
  でも、自分のことしか わからないんだね。 自分の価値のことしかね。」
岡田くん
  「うーん。」
平田さん
  「それと、何と何を 結び付ければいいかっていうことは、
  多少、役に立てるかなと思ってる。」
岡田くん
  「じゃあ、政治と国民を 結び付けたいっていう・・・」
平田さん
  「そうですね。 もうちょっとね、特に 民主党の政治家、若いですから、
  40代の人達っていうのは、ほんとにね、政権取るまでは、
  そこら辺の 六本木で、一緒に飲んでた人達なんですよ。 赤坂とか六本木で。
  全然 料亭なんて、ほんとに 僕、一回も 料亭 連れてってもらったこと無くて、
  一回ぐらい 連れけよ って思うんだけど。」
岡田くん
  「(笑)はい。」
平田さん
  「全然 無いんですよ、そういうのは。
  ずーっと、そこら辺の居酒屋で、割り勘で飲んでる人達が、
  いきなり 大臣になったんで、ほんとは、そんなに距離は 無いんですよ。
  それが やっぱりね、あるように見えちゃっているのは、この やっぱり 60年間の、
  そういう しがらみ みたいなものがあって、そう 見えてるんで、
  それを、近づけたいっていうのは ありますね。」
岡田くん
  「うーん。 あの、日本の 若いアーティスト達に、えーと、
  政治の、どこを どう注目して行けばいい っていうふうに、お考えってありますか?
  見方ですかね、政治の。」
平田さん
  「向き 不向きがあるんで、政治に 直接 関わる、
  僕みたいにね、政治に 直接、関わらなきゃダメとか、
  そういうことは 全然 思ってないんですけど、
  でも、避けて通れないんですよ。 特に、演劇とかは。 場所を使い、人を使う仕事だから。
  で、そのときに、あんまり 昔の世代みたいに、斜に構える人は、もう 少ないんだけれども、
  自分の出来る範囲で、政治動向ではなくって、
  どんな人に見せるのか とか、どういう環境の中で お芝居やるかってことは、
  常に、意識してなきゃいけないわけだから、それって 実は、政治なんですよね、それもね。
  行政なんですよね。
  だから “公” っていう概念があるでしょ、
  それから “官” ていう概念があるでしょ。 それから “民” ていう概念があるでしょ。
  それから “私” っていう概念があるでしょ。
  いままでは、自民党政権が長かったために “公 イコール 官” だったんですよ。
  官が、公 を 全部やるって思ってたわけ。
  でも、民 が、公 を担える部分も たくさんあって、これが NPO とかですよね。」
岡田くん
  「うん。」
平田さん
  「だから、決して 公 のものってのは、官 が占有するものではないんで、
  その、公 の部分に関わるんだと。 官 の部分に関われって言ってるわけじゃないわけ。  
  僕は、官 の部分にも関われる、たまたま そういう能力があったから関わってるけど、
  官 の部分に関わらなくてもいいけど、
  公 の部分には、芸術家っていうのは、必ず、関わらなければいけないんです。
  そこが 大事なことですね。 そういう感覚を持つってことが大事、若いうちから。
  でもね それはね、さっき言ったように、
  フランスだと、20代の後半で、多くの演出家は 芸術監督になるわけですよ。
  少なくとも 30代のうちにならなかったら、もう そいつは、演出家としての生命は無いんです。
  で、いきなり、二億円 渡されるんですよ。
  二億円 渡されて、自分の演目だけで それを使う勇気のある演出家は 大抵いないんですよ。
  そうすると やっぱり、その地域の市民に、どういう演目を見せようかってことで勉強して、
  大衆性のあるものも入れたりとか、海外の作品も入れたりとかして、
  プログラムを考えるわけですよ。 それが、公 を考えるってことでしょ?」
岡田くん
  「うーん、なるほど。」
平田さん
  「で、その “公共” っていう概念が、だんだん育って行くんですよ。
  だから、公共 っていう概念は、勝手に育ったり、教室で身に付くものではなくって、
  ちゃんと、責任のあるポジションと 予算を与えられると、
  普通の人は、考えて 身に付けて行くんですよ。」
岡田くん
  「任せて、上手くやれますか?」
平田さん
  「ダメだったら、替えればいい。」
岡田くん
  「(笑)」
平田さん
  「だって、フランスの芸術監督は、3年でクビだから、ダメだったら。
  そうやって、競争と淘汰は、当然 必要ですよ。 大きな 公 のお金を使うんだから。
  ダメなら、退場。」


(曲)
BEN FOLDS FIVE 『PHILOSOPHY』 
Ben Folds Five



(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、平田オリザさんと お話をさせていただきました。
いやあ、さすがですよね。 もう、ちゃんと こう、なんだろう、説明してくれるというか。
なんか、プロデューサー であり、やっぱ 劇場 持たれてるので、劇場経営者でもあり、  
いろんな顔を持たれてる人なので、すごく やっぱり、説得力もあるし、
話してて、やっぱり 面白いし、もっと聞きたいな って思ってしまう人ではありますよね。

事業仕分けの、芸術に関しての あれで、僕、メール打ってるんですよ、国に。
反対だ って言って。
で、住所と名前っていう、電話番号 入れて。
十万通のうちの 一通ですよ、ハハハ(笑)あの。
だから、まあ いままで知らなかったけど、
予算が、実は 上がってんだよっていうのは、すごく いいことだし、 
やっぱり、文化とか文明とかっていう オリザさんの説明も、
思っていたことではあるし、ただ、うーん、
未来のね、投資に入る部分のことだと思うので。
ま、現実に、携わってるっていうのもあるかもしれないですけど。

何年間か、個人の責任の時代が続いて、えー、なんか、歌とかも、なんか あの、
俺流のとか、俺の生き方 とか、そういうのが こう、すごく続いた時代から、
2005年とか、4年前ぐらいですね、1900何年から、2000年越えたぐらいからかな。
俺の時代 とか、歌とか 歌詞とかが、そういうの増えた時代から、
やっぱり、自分の生き方っていうのが、自分だけじゃなくて、さっき言ってた オリザさんが、
“公” の、いろんなとこに 発信をして行ったり、いろんなとことの組み合わせだったり、
自分を、えー、なんだろう、プロデュースして行くっていうやり方が、
自分自身だけじゃなくて、人との関わり、社会との関わりで、
全部をプロデュースして行かなきゃいけないんだよ っていう、
自分をプロデュースするだけじゃダメなんだよ っていう時代に差しかかってんだなっていうのは、
すごく思いますし。 アーティーストじゃなくてもね、普通に 生きてても いろいろね。
時代が変わったし、僕達も変わんなきゃいけないんだなっていうのを、すごく、
今日は、感じましたね。」


(曲)
BAND 『STAGE FRIGHT』
Stage Fright



(平田さんからの コメント)

「政治が芸術に関わることって、確かに 危険性もあるんですけど、
僕は、今は 市場経済の方が、芸術を 抑圧してると思っていて。
市場原理に敵わないものは表現できないってこと、たくさん あるんですね。
だから、公的な支援が無いと、出来ない芸術も どうしても あるので、
それから、時間のかかるものもあるので、
そういう意味ではですね、相対的なものなんですけど、
どうしても、政治は関わらざるを得ないんでね。
そっから逃げないってことは、大事だと思ってるんです。」

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