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2009/12/13 on air 「アニメとゲームにおける音楽の魅力って何ですか?」           (guest) 田中公平さん


ONE PIECE FILM STRONG WORLD オリジナル・サウンドトラック




ONE PIECE FILM STRONG WORLD オリジナル・サウンドトラック






(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も、みなさんと一緒に、成長したいと思います。

今日のゲストは、作曲家の 田中公平さんです。
田中さんの代表作を、ご紹介しましょう。
『ドラゴンボール』  えー、 『サクラ大戦』  あと  『パトレイバー』
えー、あと なんでしょうね、『ONE PIECE』
『ONE PIECE』 も やってるるんですねー。
 
ほんとにね、もう たくさん やられてるので、これは すごいですけども、
スタッフの知り合いによると、田中さんは どういう人なんだ って聞くと、
“神だ!” と言ってる方もね いらっしゃるそうです。
田中さんは、いま聞いてる みなさんの中にも、ファンが多いと思うんですけども、
アニメやゲームの音楽を作るのを 主な仕事にされてる方なんですね。

田中さんは、1954年2月14日 大阪府生まれ。
小学生の頃から、ピアノを習い、作曲家を志して、東京芸大音楽学部作曲家に入学。
卒業後は、ビクター音楽産業に入社し、ピンクレディーの宣伝等を担当。
3年後に退社し、アメリカ ボストンのバークリー音楽学院に2年間留学。
帰国後、プロ作曲家として、活動を開始しました。
2002年、新世紀東京国際アニメフェア21で、
アニメーション オブ ザ イヤー 音楽賞 テレビ番組部門 を受賞。
2008年からは、歌手としても 活動を開始。
11月1日に、作曲家生活30周年コンサートを 行いました。

そんな 田中さんに、今日は、
“アニメとゲームにおける音楽の魅力って何ですか?” をテーマに、お話を お聞きします。

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒にお付き合いください。」



(曲)
GORILLAZ 『19 2000(SOULCHILD REMIX)』
G-Sides



岡田くん
  「もう、田中公平さんは、30周年。」
田中さん
  「はい、はい。 30年も、やらしてもらっていますね。」
岡田くん
  「もう、僕の知り合いに聞くと 『田中さんは神だ』 と。」
田中さん
  「アハハハ! どんな神か わからない。」
岡田くん
  「いやいや(笑) 『田中さん、すごい人なんだぞ』 と、そう言ってますけども。」
田中さん
  「いえいえ、私の場合は 面白くてですね、局部的にね すごい人で、
  普通の人は、あんまり知らないという。」
岡田くん
  「いや、いや、いや、いや いや! でも まあ、ぜんぜん違うんじゃないですか?」
田中さん
  「例えば、秋葉原 行くと、ものすごい勢いで 指さされて、
  『あっ、先生!』 とか言って 『握手して下さい』 とか 言うんですけど、
  一つ 駅 乗って、御徒町 着くとね、誰も知らんの(笑)」
岡田くん
  「アハハハ! メッチャめちゃ コテコテの関西人。」
田中さん
  「しゃあないわ! そんな(笑)」
岡田くん
  「アハハハハ! 関西人です。」
田中さん
  「岡田くんもね 関西人やから、二人でね、大阪弁で しゃべっててるけどもね。」
岡田くん
  「そうなんですけどね。」
田中さん
  「ちょっと、普通に 戻しましょうか(笑)」
岡田くん
  「いやいや、大丈夫ですよ。
  どういう、あれだったんですか? 田中先生は。」
田中さん
  「作曲家に なろうっていうの?」
岡田くん
  「はい。」
田中さん
  「家がね、医者だったんですよ。」
岡田くん
  「医者だったんですね。」
田中さん
  「でもね、開業医の医者だったから、2代継いだ 医者だったんで、ま、絶対に、
  男は一人だし、継がなきゃいかん。」
岡田くん
  「継がなきゃいけないのに。」
田中さん
  「ねぇ、継がなきゃいかんのに、ずーっと ピアノをやってたという、一人でね。
  ま でもね、親は、ピアノをやらしてたらば、情操教育のようなもんだったんだけど、
  途中で、ピアノをやめてしまいましてね、先生の。
  勝手に、自分一人で弾くように なったんですよ。」
岡田くん
  「へぇー。」
田中さん
  「いろんなことも、いろんな音楽を、耳コピーと、
  今で言う 耳コピーですか。
  もう いっぱい、耳コピーして、自分で弾くようになって、
  それで、やってるうちに、作曲をやりたくなったんですね。」
岡田くん
  「すごい。 それは もう、自然に作って行ってたっていうことですか。」
田中さん  
  「そうですね。 それで まあ、先生にも ちょっと、付かしていただいたりしてたんですが、
  親としては、まあ、作曲家になるとは思ってなくて(笑)
  ちょっと、先生かなんか見つけて来てね、
  『じゃあ、作曲習いたいなら習え』 と、いい あれだ と思ったら、大きな間違いで。」
岡田くん
  「でも、大学まで。」
田中さん
  「いや、だって 高三の夏ですよ。
  親に、作曲家になりたいんだけど、って言ったら、
  まあ、椅子から ずり落ちてましたけどね(笑)」
岡田くん
  「そうですよね。 医大に 行ってくれって思ってるんですもんね。」
田中さん
  「でも、うちの親はね 偉くて、その辺は。
  『あ、そうか。 お前は ひょとしたら、医者に向いてないかもしれないな』 と。
  『医者、辛いんだって、いま。 医者は、これからは ほんとに辛い時代になるし、
  じゃ、好きなことやったらいいんじゃないか』 って。」
岡田くん
  「へぇー。」
田中さん
  「そのとき、言われたとき、
  こっちが 逆に、椅子から すべったけどね。 アハハハ!」
岡田くん
  「マジか? みたいな。」
田中さん  
  「(笑)マジか って。
  でも その代わり、なるんだったら、まあ、日本一の作曲家に なれ、と。
  そりゃあ、ものすごいこと言われたなと思ったけど。」
岡田くん
  「うーん。」
田中さん
  「そのためには、日本で最高の大学に行かないと許さん、と。」
岡田くん
  「それで・・・」
田中さん
  「それで、そっからですよ。」
岡田くん
  「芸大の。 東京芸大の。」
田中さん
  「そっから、芸大の方を 目指しまして。 高校3年の夏から 目指しまして。」
岡田くん
  「ギリギリですよね(笑)」
田中さん
  「ギリギリですよ。 まあ、一浪しましたけどね。」
岡田くん
  「あー。 でも、芸大の作曲に。」
田中さん
  「ええ、とりあえず 入れていただいて。」
岡田くん
  「入学して。」
田中さん
  「いや、入ったら ビックリしましたよ。」
岡田くん
  「すごい人ばっかりじゃないですか。」
田中さん
  「いや もう、キラ星ですよね、才能。」
岡田くん
  「アハハハ!」
田中さん
  「2年上には、坂本龍一さんが いらっしゃるしね。」
岡田くん
  「あー。」
田中さん
  「で、私の年は、すっごい人が いま、
  まあ、みなさん ご存知かどうか わからないですけど、
  現代音楽の巨匠の 西村朗 とかね、それから、
  『題名のない音楽会』 で よくやっている、青島広志くんとか、
  あと、作曲家協議会副会長の松下功くんとかね、
  ピアノじゃ、ものすごい有名な 藤井一興くんとか、ものすごいメンバーなんですよ。」
岡田くん 
  「はあー!」
田中さん 
  「いま、全員 残ってて、全員 一線級ですよ。」
岡田くん
  「うーん。 そのメンツで。」
田中さん
  「そんなメンツ・・・」
岡田くん
  「田中さんも、すごいじゃないですか。」
田中さん
  「いや、入った時は 劣等生よ。」
岡田くん
  「アッハハハハ!」
田中さん
  「出る時、もっと劣等生。 下から2番だったんだから。」
岡田くん
  「あ、そうなんですか。」
田中さん
  「そう、そう、そう。 ブービー賞。」
岡田くん
  「ハッハハ!」
田中さん
  「(笑)」
岡田くん
  「そうなんですね。」
田中さん  
  「そうです。 だから、大学院なんか行けずに。」
岡田くん
  「うーん。」
田中さん
  「しょうがなくてですね。」
岡田くん
  「でも まあ、大学を卒業されてからは、ちょっと違う方に 進んでますよね。
  ビクターに入社して。」
田中さん
  「ビクターですよ。」
岡田くん
  「2年間は。」
田中さん
  「そう。 新卒、新卒。」
岡田くん
  「新卒で。」
田中さん
  「一年間は、レコード工場で、レコード運び。 大変よ、朝の6時半から。」
岡田くん
  「えー、ずっと、あれじゃないんですね。
  作曲家で、ずっーと やって来たわけじゃなくて。」
田中さん
  「いや、作曲家になりたかったんですけど、まあ 自分としてはもう そんな、
  キラ星のごとくの人達の中で、たいしたこと なかったからですね、
  このまんま 作曲家になってもね、
  たいした者には なんないんじゃないかという気持ちがあって、
  それでまあ とりあえず、この音楽業界って、どういうものか わからないので、
  レコード会社に 入社してみようと、
  で まあ、受けたら通っちゃったんですけど。
  それで、普通だったら、制作に行かされるじゃないですか、ディレクターとかね。」
岡田くん
  「行きますよね。」
田中さん
  「ここで やっぱりね、V6 さんみたいなこう、人をね、
  歌手に、あーでもない こーでもない、言ってみたかったわけです。」
岡田くん
  「はい、はい。」
田中さん
  「そんならですね、ぜんぜん違う、まず、レコード運び やらされて、
  そのあと、宣伝に行け って言われて。」
岡田くん
  「フフフ(笑)」
田中さん
  「アララララ。」
岡田くん
  「違う方向に・・・」
田中さん
  「うん。」
岡田くん
  「ピンクレディーの宣伝も、そうですか。」
田中さん
  「ピンクレディーも そうだったんですけど、あの頃は、ビクターって すごくてね、
  岩崎宏美さん、それから 桜田淳子さんね、それから 松崎しげるさん、
  『カナダからの手紙』 の 平尾先生とかね、
  キラ星のごとく、また そのときも いらっしゃって、
  それを全部 こう、やらしていただいたんです、宣伝を。」
岡田くん
  「へぇー。」
田中さん
  「面白かったですよ! 逆に、宣伝の方が よかったですよ。
  だってまず、日本中をね 宣伝で回ったり。」
岡田くん
  「回って。」
田中さん
  「それから、制作に顔を出しても、あの、レコーディングに立ち会っても、
  営業に行って、CD が どのように売れて行くか、ま あの頃、レコードですけど。
  そういうことに対しても、 全部 勉強できて、もう、宣伝て 最高だったですね。」
岡田くん
  「へえー。 でも、それを辞めて。」
田中さん
  「そう。 それを辞める きっかけがですね、
  親が、うちの父親が、許してくれた父親がですね、亡くなるんですよ。」
岡田くん
  「あー・・・」
田中さん
  「それが、亡くなる前に、
  私が ちょっと、会社員になってたでしょ 3年間も。
  そんなで 亡くなる前、うちの父親がね、
  『お前を 会社員にさせるために、医者を やめさせたんじゃない』 と、
  言われたんですよ。」
岡田くん
  「そのあとの、決断 すごいですよね。」
田中さん
  「いや それで、亡くなったんですけど、
  亡くなって 3日後には、辞表を出してましたからね。」


(曲)
BRUCE SPRINGSTEEN 『BORN TO RUN』
Born to Run


岡田くん
  「で、24で バークリーに。」
田中さん
  「バークリーに。 そこで、作曲家になろうと思ったんですけど、
  やっぱり 3年間の会社員生活で、ちょっと 染みついて(笑)いろんなことが。」
岡田くん
  「あぁ、はいはい。」
田中さん
  「だから やっぱりね、これは もう一回、鍛え直さないといけない と。」
岡田くん
  「作曲科で 行ったんですか。」
田中さん
  「作曲科で 行きました。」
岡田くん
  「ピアノ科とかじゃなくて。」
田中さん
  「ピアノ科じゃなくて、作曲科。 ジャズ作曲科って あるんですよ。」
岡田くん
  「ほぉー。」
田中さん
  「また、バークリーもね、おもしろくてね。
  あすこは、実力次第なんです。」
岡田くん
  「そうですよね。」
田中さん
  「だから、実力があれば、いいクラスに ポンと こう、ステップアップ出来るんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
田中さん
  「で、入ったら、いろんなオーティションがあって、それを どんどん受けて行ってね。
  そして、普通の人が 4年かかるとこを、ほんと、1年半ぐらいで 取って、お金も無かったし、
  で、だいだい 2年ぐらいで帰って来たんですね。」
岡田くん
  「2年間もブランクがある中。」
田中さん
  「うん、まあ ちょっと鍛え直す意味だったんで、とりあえずは あそこへ。
  アメリカ行かなかったら、私は きっと、ここにいないと思いますね。」
岡田くん
  「うーん。」
田中さん
  「やっぱり、アメリカ行って、いろんなこと学びましたからね。
  ミュージシャンたるは、どういうものかとか。
  あと、ミュージックビジネスについてとか。」
岡田くん
  「あー。 ぜんぜん違いました?」
田中さん
  「違いますね。 やっぱり、ミュージックビジネスなんかね、
  例えば 『音楽で儲けて 何が悪い!』 って言うのよ、先生が。」
岡田くん
  「うん、うん。」
田中さん
  「いまはね、そういう考え方は あるけど、僕らの頃は、ものすごい昔は、
  クラシック業界なんか もっと、
  『そんなこと考えるヤツは、音楽家じゃない!』 みたいなとこ、あったりして。」
岡田くん
  「あー。 もっとこう なんだろう、違う言い方すると、なんか 神聖なものだ! みたいな。」
田中さん
  「そうそう、そんなことが、いまでも まあ、クラシック業界の人は、
  ひょっとしたら、あるかもしれないですけどね。」
岡田くん
  「うーん。」
田中さん
  「まあ、そんなこともあって・・・」
岡田くん
  「(笑)『何が悪いんだ!』 みたいな。」
田中さん
  「そうそう。」
岡田くん
  「へぇー。」
田中さん
  「目から鱗だったりしてね。」
岡田くん
  「うーん。 で、向こう 行って、帰って来て、作曲家としても。」
田中さん
  「作曲家にねぇ、すぐね なれたら良かったんですけどね。」
岡田くん
  「なんで、アニメとか、音楽の方に 行ったんですか。」
田中さん
  「まあ、はじめはですね、私あの、別に アニメファンでも オタクでもなくてですね、
  子供の頃は 『エイトマン』 とか 『鉄人28号』 が大好きだったぐらいの、
  ただ普通の 子供だったんですよ。
  で、だいたい 子供というのは、アニメは 一回、卒業するんですよね。」
岡田くん
  「うん、うん。」
田中さん
  「ま、この頃は、卒業しない人は いっぱいいますけども(笑)」
岡田くん
  「たくさんね。」
田中さん
  「たくさん、いらっしゃいます。
  もう、ずうっと やってらっしゃる方も いますけど、いまも。 でもまあ、そこは そこで。
  で まあ、帰って来て、アニメに行ったのはね、
  いろいろ はじめはね、なんでも、まあ 作曲家だから、来る仕事は しなきゃいけないです。
  だから、CM、それから、テレビの 土曜ワイド劇場みたいなのとか、
  それとか いっぱいやってたんですよ。
  ポピュラーの編曲も 少し、やらさしていただいたんです。
  その中で、一つ アニメの仕事が来て、コロンビアさんていうところから来てですね、
  それが ちょっと、目に止まったんですね。」
岡田くん
  「それ、なんだったんですか? 作品。」
田中さん  
  「それはね 『わが青春のアルカディア』 っていう。」
岡田くん
  「あー・・・」
田中さん
  「 『星の涙』 という、菊池俊輔さんの。」
岡田くん
  「うん、うん。」
田中さん
  「編曲だったのね。
  それを 『おぉ、お前 いいじゃないか』 と、コロンビアの人が。
  で、コロンビアっていうのは 面白くてね、ディレクターさんが 4人ぐらいいるんですけど、
  一人 いいのが出ると、みんなで使ってくれるんですよね(笑)」
岡田くん
  「へぇー。」
田中さん
  「 『おぉ、オレもやる、オレもやる』 って。
  それで 『ドラゴンボール』 の編曲とか。」
岡田くん
  「すごいっスねえー。」
田中さん
  「 『フラッシュマン』 とか、そういうところが、劇伴で 来たり。」
岡田くん
  「すごいこと やってますよね。 すごいことっていうか、だって もう 山ほど!
  何曲ぐらい 作曲したとかって、あります?」
田中さん
  「えっと、7500までは とりあえず、去年 計算したんですけど。」
岡田くん
  「7500ですよね。」
田中さん
  「ええ、今年から やめたんです、計算するの。 もう いいって(笑)」
岡田くん
  「でも、そんなに作曲される方って、いますか?」
田中さん
  「あ、いらっしゃいますよ。 1万曲、作曲された方とかも いらっしゃいますけども、
  私の場合 ちょっと、あの、やっぱり なんていうかな、すごく 濃い というか。」
岡田くん
  「濃いですよね。」
田中さん
  「アニメに限っての 7500ですからね。 アニメ・ゲームに 限ってのね。」
岡田くん
  「でも、その頃の アニメやゲームと、今の アニメやゲームの、
  だんだん 変わって来てるんじゃないですか。」
田中さん
  「どんどん 変わってますねぇ。」 
岡田くん
  「その なんだろう、マーケットも そうだし、たくさんのことが変わって来て、
  大変だったんじゃないですか?」
田中さん
  「いや、その 変遷期に、どんどん変わって行くところに、私は ど真ん中にいたので、
  すごく、面白かった。」
岡田くん
  「だって、ま、変なこと言うと “アニメなんて” っていう、
  大人からすると、アニメ “なんて” って言われてた時代から、
  いまはもう 輸出産業で、すごい、ゲームもアニメも すごい・・・」
田中さん
  「(聞き取れず)」
岡田くん
  「アハハハハ! すごかったんじゃないですか、激動っていうのは。」
田中さん
  「まず 一番最初は、偏見とか、それとか、馬鹿にされたりすることに対して、まず・・・」
岡田くん
  「あったと思うんですよ。」
田中さん
  「いっぱい ありましたね。」
岡田くん
  「作曲家ん中でも 『お前、アニメかよ』 みたいな・・・」
田中さん
  「そう、そう。」
岡田くん
  「ことも・・・」
田中さん
  「私が、アニメ専門にやろうとしたのは、どうしてかというとですね、
  アニメをやってたときに、他から、
  例えば、ポピュラーとか 劇伴の世界で有名だった方がですね、
  アニメのビックタイトルを、さらって行くんですよ。 あの(笑)映画とか。
  すごい ビックタイトルがあると、他から 他の作曲家さんが来て、
  アニメ 知らないのに、その仕事を担当して、ビュっと、
  それでまた 違うとこ行っちゃうんです。
  それを見てて すごくね、アニメの人が、逆に かわいそうになって来てね、
  おいしいとこ全部 取られちゃうじゃない。 それは、よくないぞと。
  だから、私が 一番最初に、アニメ専門の作曲家としてね、
  ここで 旗を立てるから、みんな ここに集まれ! みたいなかんじに したかったの。」
岡田くん
  「うーん。」
田中さん
  「で、私は もう、他で やりません! て決めてから、他の仕事 全部 断ったんですね。」
岡田くん
  「へぇー。」
田中さん
  「その代り、なんでも こちら やりますから、こちらに。
  よろず相談所じゃないですけど(笑)どんな仕事でも、私がやります って。
  やってるうちにですね、まあ あの、作曲家だけに絞るとですね、
  もう ほんとに、どんどん素晴らしい人が育って来て、
  菅野よう子さん であるとかね、和田薫くん であるとか、佐橋くん であるとか、
  ものすごい人が、どんどん どんどん 来るようになって。」
岡田くん
  「育って来て。」
田中さん
  「育って来たの。
  はじめは、ほんとに 私の世代。
  上の世代は 2~3人、素晴らしい先生が いらっしゃるんですけど、
  ほんとに、あんまりいなくて。」
岡田くん
  「そうなんでしょうねえ。」
田中さん
  「なんでかっていうと やっぱり、世間が “アニメなんて” という、
  先ほど 岡田さんが おっしゃったような、偏見が。」
岡田くん
  「30年前っていったら・・・」
田中さん
  「ありました。」
岡田くん
  「そういう時代ですもんね。」
田中さん
  「すごかったですね。
  それで まあ、私 いつも言ってるんですけど、私がね、自分のこと いつも、
  “アニメ屯田兵” って、言ってるんですよ。」
岡田くん
  「(笑)」
田中さん
  「アニメの畑を、どんどん耕してね。 あぁ、耕した つって。
  フー 良かった、いい畑が出来たぞ って そしたら、
  おー、こんなとこに、いい畑があるぞ! って、いっぱい入って来っちゃって(笑)
  みんな、その辺で 勝手に耕かされてね(笑)
  でも いいや、みんなで一緒に耕かそうね っていう、そんな、いま 自分の心境。」
岡田くん
  「やっぱり、アニメとか ゲームが、こう、そういう産業的にも そういうふうになったのは、
  たぶん そういう ね、田中さんみたいな人が、たくさん いたんでしょうね。」
田中さん
  「まあ、音楽の方は私。」
岡田くん
  「音楽部門だったり。」
田中さん
  「他は、やっぱり ジブリのね、宮崎監督とか、いろんな方がいらっしゃるわけで、
  逆にいうと、その 偏見があったお陰でですね、わりと 放っといてくれてるんです。
  つまり、世間の目に晒されなかったのね。」
岡田くん
  「うん、うん。」
田中さん
  「アニメは アニメなりのね、そこでね、進化を遂げるんですよ、勝手に。
  これをね、ガラパゴス諸島 って言ってるんですけど、日本の(笑)」
岡田くん
  「はい、はい(笑)」
田中さん
  「誰も知らない間に・・・」
岡田くん
  「独自な。」
田中さん
  「独自の文化を、ここで築くんですよ。
  それが、どんどん どんどん 大きくなって来たら、これに 一番最初に気がついたのは、
  日本人ではなく、外国の方。」
岡田くん
  「うーん。」


(曲)
ARRESTED DEVELOPMENT 『THE WORLD IS CHANGING』
STRONG


岡田くん
  「海外行ったら、すごいですよね。」
田中さん
  「いま 大変ですよ、海外。」
岡田くん
  「あの(笑)・・・ウワァー! ってなりますよね。」
田中さん
  「例えば 『ONE PIECE』 の 『ウィアー』 を歌っていた きただにくん なんて、
  スペイン行くと 2万人ですよ。」
岡田くん
  「集めちゃう。」
田中さん
  「で、全員 日本語ですよ。」
岡田くん
  「アハハ。」
田中さん
  「それで、きただに が、日本語の歌詞 間違えたら、
  スペイン人に つっこまれるんだって。」
岡田くん
  「 『ふざけんなよー!』 つって(笑)」
田中さん
  「 『間違えてるー!』 って。 アハハハハ!」
岡田くん
  「 『ちゃんと 聴きたいんだよー!』 つって。」
田中さん
  「(笑)」
岡田くん
  「すごいって、言いますもんね。」
田中さん
  「うん。」
岡田くん
  「特に、アニメも そうだし、ゲームも、環境も変わって来たんじゃないですか。」
田中さん
  「そうですね、ゲームは もう、ほんとに 『ドラクエ』 も そうだけど、
  やっぱり 『FF』 が、すごい、やっぱり 世界的に ものすごい認められてですね。」
岡田くん
  「うん、うん、うん。」
田中さん
  「 『FF』 のコスプレが、世界中で こう、蔓延してるの見てると。」
岡田くん
  「すごいですね。」
田中さん
  「ほんとに、すごいですね。
  こんなことになるとは、思っていなかったな、自分としては。
  ま、はじめ乗った船は、ちっこい船だったんですけど、
  それが、豪華客船になっちゃって、さあ どうしよう、みたいな話ですね、いまは(笑)」


(曲)
D'SOUND 『UNIVERSALLY』
My Today


田中さん
  「例えば いま、海外から注目されてるって 言うじゃないですか。
  そういうことになるとですね、
  海外でも タイムリーに、私の書く音楽を聴いてるわけなんですね。
  その人達は 『スターウォーズ』 とおんなじように聴いてるわけですよね。」
岡田くん
  「あー・・・そうですよね。」
田中さん
  「そうなると 『スターウォーズ』 と、タメ張んなきゃいけないんだ、結局は。
  ジョン・ウイリアムズと、タメを張るわけだよ。」
岡田くん
  「ま、おんなじクオリティーじゃないと、世界には 向いていかないってことですね。」
田中さん
  「うん。 そういうことになって、やっぱり 私達でも、
  海外のオーケストラで、レコーディングをやったりするんですね。
  私、チェコフィルでも やったことあるし、モスクワフィルとも やったことあるんですよ。」
岡田くん
  「おぉ。 はい。」
田中さん
  「やっぱり、アニメならでは。 逆に言うと、アニメの作曲家が いま、
  世界のオーケストラに どんどん出て行ってる。」
岡田くん
  「でも、だから、今のアニメやゲームも、作曲家の方は やっぱ、
  オーケストラ編成が出来ないと、なれない。」
田中さん
  「ほとんどオーケストラが書けないと、なかなか大変な状況になってますね。
  アニソン専門の人は、別ですね。 あれは、メロディーを書かなきゃいけないです。
  でも、そんなに いらっしゃらなくて、やっぱり 僕らが書いてるようなことになるのでですね。
  そういう意味では、相当 勉強しないと、アニメの。
  もう みなさん、馬鹿にしちゃダメですよ。 アニメの作曲家になりたい人。
  もう、めっちゃくちゃ勉強しないと なれないですよ(笑)」
岡田くん
  「だから まあ、だから、世界基準の作曲家じゃないと、たぶん もう、こう・・・」
田中さん
  「たぶん もう、ダメでしょうね、これから。」
岡田くん
  「海外の人が見てるから、ちゃんとしてないと 通用しないよ ということですよね。」
田中さん
  「そう思います。」
岡田くん
  「ほぉー。」
田中さん
  「(笑)」
岡田くん
  「そこまで 引き上げたんですからね。」
田中さん
  「いや、引き上げたかどうか わからないんですけど、
  自分 一人の力ではなく、屯田兵で 一緒に来てくれた人の お陰なんだけどね(笑)」
岡田くん
  「なんか、マーケットが大き過ぎて、やりずらいとかっていうことは あるんですか?」
田中さん
  「うーんと、わりに敏感になって来てますね、みんな この頃。
  つまり、パンと出したものが、すぐに帰って来るね。その、反応が。 世界中から ボカンと。
  昔は、もっと鈍感だったから、売れたのかなぁ? と思ってたら、何年か後に、
  『あれが人気になってるよ』 みたいな話に。
  『あっ、そうなんだ! これ、10年前に書いた曲の印税が入ってるよ』 みたいな、
  そんなかんじだったんですけど、
  この頃は もう、ほんとに 次の日に、You Tube に張り付けられたりしますので、
  『ONE PIECE』 が。」
岡田くん
  「うん。」
田中さん
  「(笑)スペインの You Tube に、ボンと張り付けられたりするので、
  その音楽が、ポンと もう出ちゃうわけですよね。
  はぁー、これは ちょっと、油断できないなと。」
岡田くん
  「うーん。 どういうふうに作って行かれるんですか?」
田中さん
  「あー、そうですね。 みなさんが、
  アーティストさんは だいたい同じだろうと思うんですけど、
  神様 降りて来るって 言うじゃないですか。
  私はね、降りて来ないと思っているんです。
  もう、考えに考えて ドロドロになって、
  一瞬の光が見える時を掴まえる っていう、それだけかな。」
岡田くん
  「うーん・・・それって、ちょっと お聞きしたかったんですけど、
  作品があって 作るんですか?」
田中さん
  「あっ、そうですね。 私の 作り方としては、
  田中ワールドに全てを引き込む という形じゃなくて、
  田中公平の音楽を、その作品に 寄り添わす。
  どんだけ 寄り添わさせるか ということが、テーマなんです。」
岡田くん
  「うん。」
田中さん
  「だから 例えば、新しいアニメとかゲームとか、もう、こーんなに読みますよ。」
岡田くん
  「資料 読んで。」
田中さん
  「もう 資料、あるだけ読んで、ボードからなにから全部。 美術から なにから。  
  もう全部 読んで、頭に世界観をたたき込んで、
  その中で、自分の出来ることは ないかなと探すの。」
岡田くん
  「いま “こんなに” っつって、30センチ 40センチぐらいの資料を、ダーッ つって。
  縦に長い資料を読んで、そのぐらい読んでみる。
  資料だけですか。 映像では まだ見れないうちですよね。」
田中さん  
  「映像は、あんまり見れないですよね。
  アニメという場合は、だいたい 絵コンテというのがあります。」
岡田くん
  「はい、はい。」
田中さん
  「あとは、設定資料とか そういうのがある。
  一番 困ったのはね 『ガンダム』 の富野監督と お仕事したときですよね。」
岡田くん
  「はい、この前 来ていただきました。」
田中さん
  「いやあ、すごい先生ですよね(笑)」
岡田くん
  「ハハハハ!」
田中さん
  「もう、しゃべり出したら 止まらないでしょ。
  『この作品はだねぇ 田中くん』 て言い出して、2時間ぐらい止まらなくて、  
  さっぱり わかんなかったことがあるんです。」
岡田くん
  「アハハ!」
田中さん
  「ハハハハ!」
岡田くん
  「 『何が言いたいんだろうなぁ・・・』 みたいな。」
田中さん
  「そうそう。 でも、先生だから、
  『そうですか、そうなんですか、ハァー』 って言ってるうちに、
  『そう、わかったね、これで お願いね』 って言われて、
  なんにも わかんなかった・・・(笑)」
岡田くん
  「(笑)そうですよね。」
田中さん
  「あのときは、ちょっと キツかったから、自分なりに とりあえず やってみたら、
  『これだよ!』 って言われて、
  ああ、OK OK、良かった 良かった・・・(笑)」
岡田くん
  「あー、でも 大変な作業じゃないですか。
  ていうか、自分のイメージと、例えば 監督もいるから、
  監督の思うイメージと・・・」
田中さん
  「うん、そう そう そう。」
岡田くん
  「摺り合わせて。
  変なこと言うと、監督なんか 適当なこと言って来るわけじゃないですか。」
田中さん
  「(笑)」
岡田くん
  「あの、ま、音楽 わかってるとは・・・」
田中さん
  「音楽 わかってない方も、いらっしゃるんですよ。」
岡田くん
  「いて、いや、イメージはこうなんだ、っていうので語るじゃないですか。
  ま、音楽的には そうじゃないんだよ とかっていうことも、出て来るじゃないですか。」
田中さん
  「よく ありますね。 でも、それを なんとか、具象化してあげないことには、
  よくないわけでしょ? こちらとしては。」
岡田くん
  「その作業は、すごい大変ですよね。」
田中さん
  「うん、だから、何を望んでいるかを、こちらが知るということね。
  それを 察する能力。 これはね ものすごい、
  そういう意味では、テレパシーに近いものがあって、
  彼が どんな 今、映像を見ているんだ とか。
  その背景に付いてる音は、どんな音なんだ っていうことを、すっごい想像するんですよ。」
岡田くん
  「想像して・・・」
田中さん
  「それで、これでいいかな? と思って書くの。 とりあえず、ちょいと(笑)」
岡田くん
  「(笑)ちょいと書いて。」
田中さん
  「ちょいと書いて。 それで、いいですか? って言って、
  『おー、いいじゃないですか!』 って言われたら、もうOK。もう、後は もう・・・」
岡田くん
  「膨らましていく。」
田中さん
  「あとは もう、変なこと 絶対 言われないですよ。
  最初に ちゃんと打ち合わせをせず、
  『あー、わかりました わかりました、じゃあ、こうでいいですね?』 ってやると、
  大変なことに なりますね、後が。」
岡田くん
  「うーん。」
田中さん
  「はじめに失敗すると、後、どんだけ 火を消すのに大変かっつう、ハハハハハ!」
岡田くん
  「(笑)そうかあ・・・」
田中さん
  「だから、打ち合わせに 命を懸けてますもん、私は(笑)」
岡田くん
  「あー。 すごいですね。
  こう、いまも、田中さんぐらいになっても、ちゃんと こう・・・」
田中さん
  「いやあ、それは、ボツ ありますよ。」
岡田くん
  「ボツ とか ありますか?」
田中さん
  「ボツ、ありますよ。 私ね、あれが弱いんですよ、コンペ。」
岡田くん
  「コンペ?」
田中さん
  「あの、V6 さんの なんか、あったときね。」
岡田くん
  「そうですね、こう、5曲ぐらい いただいて、それで なんか・・・」
田中さん
  「そん中で、選ぶじゃないですか。
  で 『じゃあ、田中くん やってみない?』 って言われて、
  『はい、わかりました』 って 出すじゃないですか。
  ほとんど、通ったことがない(笑)」
岡田くん
  「それ、なんでですか?」
田中さん
  「いろんな主題歌も、落ちてるんですよ、わりに有名な主題歌も。
  その代り 『田中さん、よろしくお願いします。 あなたしかいません!』 って言われたら、
  ものすごい いいのが書けんのよ。」
岡田くん
  「ハハハ! へぇー。」
田中さん
  「 『ONE PIECE』 の 『ウィアー』 だったり 『ガオガイガー』 だったり、
  『サクラ大戦』 の 『ゲキテイ』 だったり、もう ほんとに、
  あなたしかいません! て言われたら、日頃の 100倍ぐらい 力が出て。」
岡田くん
  「アハハ。」
田中さん
  「コンペだったら、別に 誰でもいいんだなあ っつって、いう感覚?」
岡田くん
  「あー・・・求められれば。」
田中さん
  「なんか、そういう意味では、ナルシスト的なところがあって、
  自分勝手なヤツなのかもしれないけど。」
岡田くん
  「いや、いや。」
田中さん
  「でも、アーティストって、その言葉に弱いじゃないですか。」
岡田くん
  「そうですよね。」
田中さん
  「 『岡田さん しかいません!!』 て。」
岡田くん
  「そう。 もう・・・」
田中さん
  「ねえ。  ディレクター、聞いてます?(笑)」
岡田くん
  「『あなたしか、この役は出来ません』 て言われたら、
  ちょっと、やる気が ありますよね(笑)」
田中さん
  「ねえ、そうですよ。
  それだから、その辺を やっぱり上手く、私を使ってくれる人が、やっぱり、
  周りに いたってことかもしれないな。」
岡田くん
  「そっかあ。 もう、ポンと出て来るわけじゃないんですね。 もう、ドロドロな・・・」
田中さん
  「ドロドロですよ。 ドロドロ。」
岡田くん
  「生み出す苦労は、どうなんですか? 大丈夫なんですか。」
田中さん
  「いや、面白いですよ。」
岡田くん
  「面白いんだ。」
田中さん
  「出来た後。 例えば それが、夜中だったり するじゃないですか。
  で、出来たー! と思うじゃないですか。 で、もう一回 弾いてみたときに、
  ほぉー これ、世の中の 誰も、まだ知らないんだ・・・って。
  これ出たとき、すっごい反響になるぞ! と思う、手ごたえの曲も あるわけですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
田中さん
  「で、それが その通りになったときは、ほんとに なんていうかな、
  ものすごく嬉しいもんですね。」


(曲)
RAZORLIGHT 『I CAN'T STOP THIE FEEING I'VE GOT』
Razorlight


岡田くん
  「中身が、もし その・・・うーん、よく わかんないときとかって、どうするんですか。
  わかるまで? その、だから、これを・・・」
田中さん
  「うーん、中身・・・おまかせが一番 怖い。」
岡田くん
  「あー。」
田中さん
  「 『田中さん、ヨロシク!』 あの、おまかせっていうのは、なにも、
  ほんとは、監督の中に なんかあるに違いないんだけど、その(笑)
  ちょっと言えないので、田中さんだったら、なんか いいの書いてくれるだろう、おまかせ!
  っていうのが、これが 怖いよ(笑)」
岡田くん
  「いや だから、これ、興味あるんですよ。 どういう打ち合わせを すんのかなって。
  こうなんだ こうなんだ っつって、例えば 色でいうと こういう色で、みたいな こう。」
田中さん
  「だから、岡田さんが もし、自分の原作で、何か 小説かなんかを お書きになって、
  それが 映画化になって、私が音楽。 そしたら、どういうふうに 言います?」
岡田くん
  「あ、まず、作品を 全部 説明しますよね。」
田中さん
  「でしょ?」
岡田くん
  「はい。」
田中さん
  「聞くんです、それ ちゃんと。」
岡田くん
  「あー。 共有して。」
田中さん
  「そう。 おんなし土俵に いるんですよ。 上からでも 下からでもなく。横からでもなく。
  おんなしとこに いるのよ。」
岡田くん
  「あー。」
田中さん
  「で、横に 寄り添うようにするのよ。」
岡田くん
  「そうかあ・・・」
田中さん
  「そうすると、わかるんですよ、なんか。 なんか、伝わって来るのよ。
  私はね、完成品を出したいと思っている人 なんですよ。」
岡田くん
  「あー。」
田中さん
  「つまり 『デモテープみたいな、パイロット作ってよ』 っていうのが、一番 嫌いな人で。
  そうじゃなくて、アーティストとアーティストの戦いなんだから、そういう意味では、
  あなたの伝えたいこと 伝えなさいと。 私は、やる。
  で、やったもんが、ひょっとしたら イメージと違うかもしれないけど、
  私は、そこまで計算して出してるんだよ、だから、この変更は したくないよ っていうのが、
  変更するんだったら、降ります、っていうのが、私のタイプなのよ。」
岡田くん
  「うーん。」
田中さん
  「だから、ちょっと ちょっと ちょっとずつ歩み寄って行くっていうのは、
  嫌だな、なんか。
  それだったら、はじめに やっておけばいいじゃん て(笑)」
岡田くん
  「あー。 もう、アーティストとアーティストの ぶつかり合いってことですよね。」
田中さん
  「です。 そんな いい加減なことでは、ダメですよ、仕事は。 ハハハハ!」
岡田くん
  「さすがぁ。」
田中さん
  「いえ、いえ。」
岡田くん
  「なんかこう、仕事をする上での、
  仕事するっていうか、ポリシーとか、これだけは譲らないみたいなことは あるんですか?」
田中さん
  「ポリシー・・・ 譲らない譲るの問題では、ちょっと ないとは思うんですけどね。
  やっぱり、自分というものを まず表現したいと思って、この世界に入ったんだけど、
  自分を表現しすぎると、作品とは また、合わなくなったり するじゃないですか。」
岡田くん
  「うーん。」
田中さん
  「でも、ほんっとに 一つだけ、ワンポイントでもね、
  ここだけは表現したいというところを、必ず 作るようにしてるんですよ。
  長い 劇伴があったとしても。
  この曲だけは、ぜったい文句は言わせないぞ っていう。」
岡田くん
  「うん、うん。」
田中さん
  「ちょっと、趣味で書くようなときもあるんですけどね。
  そこに対しては、すごい プライドを持ってる。
  全部、プライドは持ってるんですが、向こうの世界に合わせた中でも、
  自分の世界に、一つは、一曲は ちゃんと、それを書こうと、いつも思ってる。」
岡田くん
  「うん。」
田中さん
  「劇伴が 50曲あったら、その中の 一曲。
  今回 『ONE PIECE』 の映画があるんですけど、
  その中で M19 という番号の、一つあるんですよ。
  ルフィーが ずっと、まあ、みなさん 知らないかもしれないけど、
  海賊軍団が どんどん どんどん こう 歩いて来て。」
岡田くん
  「はい、はい。」
田中さん
  「みんなが勢ぞろいして、パッと並ぶところが あるんですけど、
  これは 書いてやろう! と(笑)」
岡田くん
  「(笑)いや、聴きますよ、そこ。
  田中さんの、ここ こだわりは、これかー! と思いたいですね。」
田中さん
  「ここが、田中節だぜ! っていうとこ。」
岡田くん
  「みんな、あの、集まるとこですよね。」
田中さん
  「そうです。 どんどん どんどん集まって、最後の方です。」
岡田くん
  「最後の方に、ドーン! と。 大事なシーンでも あるとこですよね、たぶんね。」
田中さん
  「そう、大事なシーンです。 そこにね、そこだけは ちょっと。 あとはね、ちょっと
  『ONE PIECE』 の尾田くんのセンスに合わしたっていうのはありますけどね。」
岡田くん
  「じゃあ、言っていいですか 僕 『ここは 田中節だよ』 って(笑)」
田中さん
  「うん。 どうぞ どうぞ、言って下さい。」
岡田くん
  「『ここは こだわって書いてるらしいよ』 って。 」
田中さん
  「これは もう、私のファンだったら、聴くだに 『あー、田中さん やったね!』 って、
  みんな 『OK!』 って、やると思います(笑)」
岡田くん
  「 『キター!』 と。」
田中さん
  「 『キター!』 って。
  これが 例えば、
  アニメの いま 仕事してますよね、ずっと、アニメの仕事しか しなかったんだけど、
  これから なんでも受けようかなと、そろそろ思ってるんですけども、
  それが もし、実写の ぜんぜん違うものでも、
  “田中節 一個あるぞ!” みたいなの、やりたいなと思ってるんだけどね(笑)」
岡田くん
  「あー。 そこが あれば、ぜんぜん違いますもんね。」
田中さん
  「うん、なんか。」
岡田くん
  「じゃあ、最後に、
  30年、続けて来られた、続けることが出来た 秘訣は。」
田中さん
  「うーん、難しいですねぇ。
  ほとんど、みなさまの お陰なんですけども、
  私は、自分のブログにも書いたんですが、
  才能が無いぞと、自分には。
  そう、ずっと思い続けてた人なんです。」
岡田くん
  「うん。」
田中さん
  「才能というのはね、結果、才能 あるか無いかの問題であって、
  自分で判断することではない。
  『才能 あの人あるよ』 っていうのは、人が決めることだと、あるとき気が付いて。
  才能の無いことは、別に 自分で そう思っててもいいけど、最終的には、
  『あの人 才能あったね』 っていわれるような 生き方を出来たらいいなと思ってます。
  その、才能が ある無しを決めるのは 人だけど、
  でも、じゃ 出来ることは何か? っていったら、簡単に言ったら まあ、
  努力 しかないということですね。
  でも、好きなことだから、あんまり 努力と思わなかったんですけどね、それは。
  だから ま、とりあえずは それだけかなぁ。
  自分が やり続けて来れたのは、みなさんの お陰だけど、
  自分は 大したことない人間だから、
  やらなきゃいけない、勉強しなきゃいけないっていう気持ちを、
  毎日 思ってたからかもしれないですね。」


(曲)
ALICIA KEYS 『TRY SLEEPING WITH A BROKEN HEART』
The Element of Freedom
  


(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、田中公平さんと お話しをさせていだきました。
いやあ、ねぇ、すごい 面白かったですねぇ。
僕、ねぇ、基本的に、作曲家とか あのー、
オーケストラの指揮できる人とか、尊敬するんですよ。
(笑)尊敬するっていうか、大好きなんですよ。

なんだろうなぁ、やっぱ・・・子供の頃に、
たぶん 母親は、僕を 指揮者にしたかったんですよね。 たぶんですけど。
で・・・(笑)初めて言うな。
指揮者に したかったんだと思うんですよ。
ピアノをやらしてたんだけど、中学校 入ったら、違うことを、
違うことっていうか、管 の方に 行ってほしいとか、いろいろ 言われてて。
でも 僕は、部活を ラグビー部に選んでしまって、がっかりさせたんですけど。
そういう こう、思いは すごい感じてて、母親が こう。
母親も 音大 行ってんのかな、音大?・・・
どっかで、小澤征爾さんに 教わってたりとか してるはずなんですよ、指揮を。
だから たぶん(笑)僕を 指揮者にしたかったんだと思うんですよね。
あんまり、言わないですけど。

だから こう、なんだろう、
たまに 僕も、だから、そういう教育を なんとなく受けたので、なんだろう、
すごく気になるんですよね、音楽とかで こう、劇場音楽とか。
あー、いいタイミングで、オーボエ 鳴らしてんな とか。
こう、あっ、ここで あれ入れて来たか みたいなこととか。
なんだろうね、すごく気になるんですよ。
でも、そこの道には たぶん、行かないと思うので。 趣味程度なんですけど。

なんか でも、そういう こう、書けたりとか、
五線譜に こう、なんだろう、
構成だったりとか、感情だったりとか、流れとかっていうのを、
音楽に 込めれるっていうのって、すごいなぁと思うので。
やっぱり なんか そういうの、こだわりながら?
自分だけの 作曲だけではなくて、
誰かの思いを 受け止めて、その気持ちも 受け止めたうえで、
そこを 自分として 表現をするっていう作業をしてるっていうのは、すごいなと思いますし。

ほんとはねぇ、もっと いろんなことが あると思うんですよ。
あの(笑)いろんなこと書かれちゃうから っつって、たぶんね、
自分の ほんとの気持ちとか、あんまり 言ってないはずな 気がしたんですよね、今日は。
だから いつか、ちょっと も一回 来てもらって、
本当の 田中公平さんていうのをね、アハハハ!
ほんとのっていうか ちょっと、アーティストとしての こう、
もっと こだわり部分だったりとか、
毒のある田中公平さんていうのを、もう一回、聴いてみたいなって(笑)
ちょっと、ちょっとだけ 思いました。」


(曲)
BEN FOLDS 『LANDED』
Songs for Silverman



(田中さんからの コメント)

「みんな、あの、まず、仕事や遊び なんでもそうなんでけど、まず、
やってることを 好きになることが 一番じゃないかと思うんですよ。
好きでないことを続けることっていうのは、人間は 苦痛ですから、
まず、仕事を好きになろう。 そして、やりたいことを もっと好きになろう。
そうして やってるうちに、どんどん どんどん こう、年数が重なって行って、
もっと新しい、いろんな展開が出て来ると、私は 思うんですけども。」

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