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2009/10/25 on air「日本のアニメについて、いま思っていることを聞かせて下さい」     (guest) 富野由悠季さん


機動戦士ガンダムDVD-BOX 1 特典フィギュア付(完全初回限定生産)





機動戦士ガンダムDVD-BOX 1





(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も、みなさんと一緒に、成長したいと思います。

えー、ところで 急ですが、みなさん “ガンダム” は、お好きですか?
今年は、ガンダム誕生30周年ということで、日本各地で、様々なイベントが行われましたよね。
ていうか、もう 30年前なんですね。
もう、すごいですよね、30年も経ってんだっていうのと、
お台場に、等身大の、ね、ガンダムが来ましたけど、あれ、ちょっと燃えましたよね。
みんな、写真 撮りに行きました、僕の周りも。
やっぱり、そのぐらい影響力があるものが、30年前に出来ていて、
それを まだ 大事にされている。
時代を作ったといっても、過言ではないでしょうし、
ガンダムの影響を受けたクリエーター ってのも、ものすごく多いと思います。
アニメの歴史だけではなく、日本の文化史に、大きく名を残す作品ではないでしょうか。

そんな、ガンダムの生みの親、富野由悠季さんが、本日のゲストです。
すごいですねえ。 来てくれるとは思いませんでした。 聞きたいことが 山ほどありますよね。

富野さんは、1941年生まれ。
日本大学芸術学部 映画学科 卒業。
1964年、手塚治虫さんの 虫プロ に入社し 『鉄腕アトム』 の演出を担当。
虫プロ を退社後、数々のアニメ作品に係わり、宮崎駿監督の 『未来少年コナン』 の他、
様々な絵コンテに参加しています。
そして、1979年 『機動戦士ガンダム』 の監督を担当。
その後、多くの ガンダムシリーズ や、人気ロボットアニメを制作。
また、作詞家や小説家としても、活躍してらっしゃいます。

日本アニメの初期の頃から、現在に至るまで、最前線で戦い続ける 富野さんに、今日は、
“日本のアニメについて、いま思っていることを聞かせて下さい” というテーマで、
いろいろ、お話を お伺いしたいと思います。

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒にお付き合いください。」



(曲)
ANDREW W.K. 『FLY,GUNDAM』
ガンダム・ロック


岡田くん
  「いやあ、富野さん。 来ていただけるなんて、ありがとうございます。」
富野さん
  「とんでもない。 こちらこそ、呼んでいただいて、ありがとうございます。」
岡田くん
  「いえ、いえ(笑)富野さん、もう、イメージが ちょっと、僕、違いました。」
富野さん
  「はい。」
岡田くん
  「もっと、あの、怖い人かと思ってました(笑)」
富野さん
  「あ、怖い人ですよ。」
岡田くん
  「怖い(笑)いや・・・」
富野さん
  「フフ(笑)」
岡田くん
  「いま、優しい感じがしたので。
  いや、でも、はじめに 僕、聞きたかったことがあるんですが。」
富野さん
  「はい、どうぞ。」
岡田くん
  「富野さんは、あの・・・やっぱ、時代を作って来た方だと思うんですよ、僕は。」
富野さん
  「そう言ってくれて、ありがとうございます。」
岡田くん
  「時代を変えたりとか、時代自体を作って来た方だと思うんですけど、
  ご自分のことを、なんて言われてますか?
  例えば、クリエーターなのか、アニメーターの 監督なのか。」
富野さん
  「あ、僕は 職人です。
  要するに、僕なんて、テレビ屋だと思ってるし、
  テレビ屋の中でも、いろんなテレビ屋がいるわけだけども、そん中でも、
  アニメ屋っていう言い方が あるんだけども、そうじゃないんです。
  要するに、テレビマンガ屋だった。 それで 凌いで来たから っていうと、
  まあ、言えて、職人なんだけど、ほんとの職人から、
  自分みたいな者を、よく 職人だって言うなあ・・・
  やっぱり、怒られてしまうかもしれない とも思ってるくらいで。」
岡田くん
  「へえー、なんでですか?」
富野さん
  「ほんとの職人て、もっと スキル高いもん。」
岡田くん
  「いやいや、いやいや。いやいや、いやいや・・・富野さん、ガンダム 作った人ですよ?
  だって、30年経っても、
  僕と同じぐらいですよ、だから。
  30年経っても、忘れられないというか、残って行くものって、すごいじゃないですか。」
富野さん
  「ガンダム に関しては そうです。
  が、何十本か、何百本かの仕事のうちの一本でしかないのが ガンダム で、
  それしかないっていうのは やっぱり、かなり情けない話ですよ。」
岡田くん
  「いやいやいや・・・いやいや、それ、カッコいいですけど。 カッコいいですけど(笑)
  それ一本作るだけでも すごいっていうこと、あるじゃないですか。」
富野さん
  「ほんとに、そう思うの。 ほんとに そう思うから、ありがたいとは思う。
  ただ、ファーストガンダム 作り終わった瞬間にあったのは、
  やっぱり、プロだから、職人だから、テレビマンガ屋だから、
  次も 同じレベルのものを作らなければいけないっていうふうに、当然 思いました。」
岡田くん
  「うんうん、うんうん。」
富野さん
  「だから それを、何度か試したつもりではあるんだけれども、やっぱり、惨敗ですもん。
  ガンダム 抜けないんだもん。 やっぱり、それは 悔しい。」
岡田くん
  「あー・・・一個、凄いの作っちゃったから、それを超えられないっていう。」
富野さん
  「そう、超えれない。 そして、ガンダムが、思った以上に 大きく化けたから、
  それは、超えられないでしょう、あんなもの作っちゃったら。
  っていう言い方があるんだけども、いや、テレビマンガ だもん。」
岡田くん
  「うーん。」
富野さん
  「一本 作ったぐらいで、何で 悦に入ってるの っていう大人には なりたくなかった、
  年寄りには なりたくなかったから、
  やっぱり それは、頑張ったつもりだったんだけども、全部 掠るんだもん。」
岡田くん
  「いやいや、やっぱ でも、戦ってますよね。 相当、戦ってますよね。」
富野さん
  「そういう意味では、遊んではいませんでしたね。 遊んでる暇は無かった。」
岡田くん
  「すごいなぁ・・・
  “戦ってる男” ってイメージが あるんですよ。 時代と戦ってる感じがするんですよ。
  勝手な あれかもしんないですけど。」
富野さん
  「(笑)」
岡田くん
  「30年前に、アニメの流れとして、主人公が、ああいう こう、悩んでたりとか、
  両方、善悪じゃなくて とかっていう話は、なかなか なかったと思うんですよね。」
富野さん
  「それは、アニメだけを考えるから そうなんです。
  僕は、アニメ作ろうなんて思ってなかった。」
岡田くん
  「おっ! 名言ですよ。 何 作ってんですか。」
富野さん
  「いや、映画にすることしか考えてなかった。」
岡田くん
  「うーん、うん、うん。」
富野さん
  「映画っていうのがあって、要するに、みんなが見て わかるようなものだし、
  巨大ロボットが出て来れば済むようなもんじゃないから、
  だから、映画にする努力だけをしただけで。」
岡田くん
  「どこ、目標の映画にしようと思ってたんですか? 世界基準なのか、日本で・・・」
富野さん
  「世界基準です。
  『2001年』 は、超えなくちゃいけないと思った。 当時から 思った。」
2001年宇宙の旅




2001年宇宙の旅



岡田くん
  「 『宇宙の旅』 を。 当時から。」
富野さん
  「はい。」
岡田くん
  「あー・・・」
富野さん
  「巨大ロボットっていうハンディキャップがあってとか、
  マンガ絵を使って 『2001』 を超えられるわけがないって、当然 思うわけです。」
岡田くん
  「みんな、言って・・・」
富野さん
  「自分も思う。」
岡田くん
  「自分も思うんですか。」
富野さん
  「だから、目標になるんじゃないですか。」
岡田くん 
  「うーん・・・」
富野さん
  「自分が超えられる程度のものを目標にしてて、なんで 目標になります?」
岡田くん
  「いま、どうですか? いまの時代、そう思える人達が。
  僕は、なんかこう、少なくなってんのかな? っていうかんじは するんですよ。」
富野さん
  「いや、昔から そんなに多くはないです。」
岡田くん
  「あ、ほんとですか? そうかぁ・・・」
富野さん
  「はい、そうです。」
岡田くん
  「そうかぁ。 でも、昔の方が いたのかなあっていうか、
  イメージですよ、勝手に、あるんですよ、なんか あの(笑)」
富野さん
  「いや、そんなには いなかった。」
岡田くん
  「ほんとですか?」
富野さん
  「やっぱり、そんなには いなかった。」
岡田くん
  「でも なんか、マンガ家の・・・マンガ家って言っていいのか、
  マンガとか そっちの世界に行った人は、
  その世代の? 富野さん世代の人は、もう、なんだろう、
  いろんなこと変えたくて マンガ家になったとか、よく言われるじゃないですか。
  家で、庭で 六法全書 焼いてたみたいな人が(笑)いっぱい いるみたいな、
  すごい、イメージですけど。」
富野さん
  「だから、イメージです。」
岡田くん
  「あ、イメージですか。 あ、そうか・・・」
富野さん
  「現に そういう人も いたでしょうし、いるでしょう。」
岡田くん
  「はい。」
富野さん
  「けれども、岡田さんのような年代が です、信じているほどには いませんでしたね。」
岡田くん
  「あー、そうかぁ・・・」
富野さん
  「いれば、だって、もう少し、なんていうのかなぁ・・・
  いい作品とか、世界的に有名になれる作家とか 監督とか、役者でもいいんです、
  出るはずなんだけども、日本から それほど出てないじゃないですか、この 30~40年。
  ていうことは、みんな たかが知れたことしか やってないんですよ。」
岡田くん
  「うーん・・・そうなんですよ・・・ビジネスモデルを変えないと。
  本当に(笑)一本 出て来れば変わるんですけどね。」
富野さん
  「いま、岡田くんが言った、まさにその “ビジネスモデル” っていう言葉を使った瞬間に、
  それは、突破できませんよ。」
岡田くん
  「あぁ、そっか・・・どうすれば いいですか。」
富野さん
  「つまり、どうしてかって言うと、
  いま みんなが考えているレベルの言葉使いをしてるわけじゃないですか、
  ビジネスモデル っていう言い方。
  それでは、明日なのか、1年後なのか、ン10年後? っていう、
  全く想像がつかないところでの成功する形を作れるものになんか、なるわけないんだもん。」
  いまの、地付きの言葉だけを使ってた。」
岡田くん
  「うん、うん。」
富野さん
  「それを もう一つ、半歩とか、
  『えー? オマエの言ってること わかんねー』 っていう言葉使いをしてる者でないと、
  おそらく、10年後も形になってるものっていうのは、構築できないと思うから。」
岡田くん
  「うーん。」
富野さん
  「だから、流行り言葉を使うっていうのは、
  基本的に、僕は しない努力を ものすごくした。」


(曲)
DANIEL MERRIWEATHER FEAT.WALE 『CHANGE』
Change


富野さん
  「ファーストガンダム、放送が終わったときに、なんて言われたか わかりますか?」
岡田くん
  「なんて 言われたんですか?」
富野さん
  「『モビルスーツ って言ってるんだもんな、視聴率 取れるわけねーよね、
  打ち切りだ、当たり前だろ』 と。」
岡田くん
  「あー・・・」
富野さん
  「あぁ、やっぱりそうかと。 モビルスーツ っていう名前にしたことによって、
  何をしたかっていうことを、見てる人っていうのは、ほとんどいなかった。」
岡田くん
  「うーん・・・」
富野さん
  「まして、テレビ版を 映画版にしたときにも、今度は、男の子達のファンが付いたときに、
  男の子達のファンは、ファーストガンダムの 一番はじめのファンが、
  女の子達だってこと、誰も気が付いてないもん。」
岡田くん
  「うーん。」
富野さん
  「今度は、その、一番はじめにファンになってくれた女の子達が、
  じゃあ、ガンダムっていうのは、こういう話なんですよ ってことを、
  男の子達に伝えてくれたかっていうと、やっぱり そういう言葉使いは してくれなくて、
  自分達だけで 囲い込んで、同人誌を作り始めて、
  ガンダムの頃の女の子達が、一番 その、いまでいう “ファンジン” を、
  ウワッとしてった子達なんですけどね。
  だけど、ガンプラ で入って来た子達は、そういうことも わかってない。」
岡田くん
  「うーん。」
富野さん
  「だから、みんなで バラバラだし、
  それが 相対として、まとまってく なんていうことは、誰も想像してなかったから、
  だから 30年後に、お台場に 1/1 ヘエー! って建ったときに、
  なんで出来たのとかっていうの、おそらく、作った人も わかってないでしょう。」
岡田くん
  「うーん。」
富野さん
  「観に来た人達も、ウワァと思って、スゴイとは言ってくれるんだけれども、
  自分達が、あっちこっちでやったものが、
  相対として、こういうふうな形になって来たっていうことを、
  きちんと想像している人は、そんなに いないと思う。
  だから、30年前から、そんなに 賢い人は いませんよ。」
岡田くん
  「フフフフフ(笑)
  大変じゃなかったですか? 引っ張って行くとか。」
富野さん
  「引っ張るつもりなんか ないもん。
  結局 そういうものが・・・わかりやすく言っときます、
  人気が発行するのを待つしかないわけです。」
岡田くん
  「うん、うん。」
富野さん
  「だから、それこそ この2~3年みたいに “ガンダムの富野” ということで、
  こういうところにも 声を掛けられるようになるまで、30年間 じいっと我慢してたんだもん。
  それは、情けなかったですよ、 悔しいですよ。
  だけど、悔しいけども、テレビマンガ から始めるときは、そりゃ こうだよね って。」
岡田くん
  「うーん・・・」
富野さん
  「はじめから、実写映画で、スターだって言われてれば、
  1年もしないで 人気者になるじゃないですか。
  30年かからないと 人気者にならないっていうのは、そりゃ 悔しいよ。」
岡田くん
  「うーん、すごいなあ・・・
  富野さんは、元々、映画学科出身ですよね、日芸の。」
富野さん
  「うん。」
岡田くん
  「元々は、監督志望だったっていう話・・・」
富野さん
  「それも、嘘です。」
岡田くん
  「えっ、嘘なんですか?(笑) ほんとは、なんですか?」
富野さん
  「日芸にしか 入れなかったから。」
岡田くん
  「ほんとですか? (笑)日芸に入って、で・・・」
富野さん
  「日芸にしか 入れなかった。」
岡田くん
  「ほんとは、何やりたかったんですか。」
富野さん
  「ほんとは、ロケット打ち上げたかった。 本物の。」
岡田くん
  「あー!」
富野さん
  「理科系が、勉強 全部 中二のときから滑っちゃったから(笑)巻き返しが利かなくって。」
岡田くん
  「なんか、どっかの記事で読んだんですけど、12から11?
  11から12ぐらいのときのことを忘れるな! みたいな。 それ以前のこととか、
  子供のときのあれを忘れるな! っていうのを、富野さん、おっしゃって・・・」
富野さん
  「ほんとはね、10歳か11歳が限界だと思う。 つまり、小学校5年生が限界だと思う。
  その頃までに、一番やりたいこととか、一番 自分が こう思ってることを、大事にしなさい、
  っていうことは、どういうことかっていうと、
  それこそ、流行り言葉に汚染されてなくって、
  大人の方向性みたいなことにも 汚染されてなくって。
  ほんとは、私は オレは、こういうものが好きなんだとか、
  ほんとは、こういうことを 不思議に思ってるんだよっていう話?
  そういうところに、実は、その人の特性を発揮できるものが あるんじゃないのかな。」
岡田くん
  「ほほぉー・・・」
富野さん
  「だから、それを大事にしなさい。 だから、僕の場合は、ほんとに偶然だったんです。
  つまり、本物のロケットを打ち上げたい、宇宙旅行オタクなんですよ。
  そういう気性があったから、理科系に行けなくて、文科系にしか行けなかったんだけれども、
  マンガだったんですよ、やる仕事が。 マンガ映画だったんですよ。」
岡田くん
  「はい、はい。」
富野さん
  「それで、本気で宇宙ものが やれると思ったときに、
  中二ぐらいまでに 僕が 一番 勉強してた、宇宙旅行と、宇宙の話と、
  月世界と地球との距離みたいなもの、生理的に知ってる僕にとって、
  ガンダムワールドっていうのは、ごく普通の日常だったから作れたっていうところ。」
岡田くん
  「あー、そうなんだ・・・僕、もっと 富野さんは、変な話ですけど、
  庭で憲法 焼いてたりとか(笑)そういう人かと思ってました(笑)
  ちょっと、あの、国に憂いでたりとか(笑)」
富野さん
  「かなり おバカに、ロケットとか ドーッ・・・」
岡田くん
  「ほんとですか? もうちょっと 革命的な、なんかこう、
  『オレが日本を変えなきゃいけないんだ』 とか(笑)思ってるのと思ってました。
  で、ガンダム生み出して、虫プロで やられてた時から、
  『オレは ちょっと違うんだ』 っつって・・・」
富野さん
  「だから、ちょっと違うんだっていう、そういうイメージっていうは、実を言うと、
  映画を作るしかないと思ったときから、身に付けて行ったことなんです。」
岡田くん
  「あー。」
富野さん
  「つまり、宇宙旅行好きのオタクが、実際に、アニメの仕事で、
  物語を作るっていうことを始めて来たときに、あれ? って思ったし。
  それで、アニメ っていうのは 元々 映画だろう。
  そうすると、映画的に物語を作るっていうことは、どういうことかっていったときに、
  巨大ロボットっていうギミックも、道具として使えるとか。
  それから、宇宙空間の劇というものを ちゃんと作ったやつは、誰もいないと思ってた。  
  だけど、その数年前に 『2001年』 を観たときに、ワー ついに出来ちゃったよね。
  だったら、これを 黙らせるには どうするか。
  つまり 『2001年』 を黙らせるには どうするかっていう・・・(笑)」
岡田くん
  「“黙らせるには” ですね。」
富野さん
  「そう。」
岡田くん
  「スゲーなあ。 カッコいいなあ。」
富野さん
  「そういうのを、アニメで出来るわけねえんだけども、
  やっぱり それを目指す とかっていうのは・・・」
岡田くん
  「途中から、出て来たかんじなんですか?」
富野さん
  「うん。 そのことが、映画を作るときに、
  物語を どう組んで行くかみたいなことを考えて行くと、どうしても、特に その、
  戦争物にしないと、巨大ロボットが動かせないわけだから って考えたときに、
  嫌でも、戦争論とか 政治論を考えざるを得なくなって、
  とりあえず、わかりやすく 敵を作ろうとすると、
  ギレンに ああいう、演説をさせないと、敵に見えないわけ。 それだけのことなんです。
  だから、あの主義主張が、全部が全部 僕の主義主張でもないし、 
  だからといって、宇宙人じゃないわけだからとなると、
  ああいうセリフを作らざるを得なかったりっていうのは、
  それは むしろ、三十過ぎてから学習しましたよね。
  いつか、オリジナルストーリーを作れるようになったときに、
  例えば その、戦争論 一つについても、どう考えていたかみたいなことは、
  学生時代からのことの・・・まあ、少しは勉強しました。  
  そういうことを やっぱり、意識して行くと、わかりやすく言うと、
  右翼にも左翼にもならない戦争論だって あるのか無いのか みたいなとこまで考えるように・・・
  簡単に、イケイケドンドンではないっていう。」
岡田くん
  「まあ、そうですよね。 ストーリー 考えると。」
富野さん
  「そう、ストーリー 考えるっていうことで、
  作家として、ニュートラルに いなければいけないっていうことは、
  ものすごく気を付けてやったんで。
  ガンダムが、当時の大人達に わかりにくかったのは、
  『えっ? おもちゃを売る番組で戦争の話 してくれるなよ』 っていうことだと思う。
  そういう抵抗感は、ものすごくあったから、
  『モビルスーツだもんなぁ。 そりゃ、視聴率 上がんねえよな。 打ち切りだよな。
  テメエのおかげだよ』 っていうセリフが出てくるのも わかる。
  ただ その時にあったのは、映画っていうのは、最低、子供が観るものでも、
  この程度の話は、なくちゃいけなくって、
  右にも左にも行ってないよ っていう戦争論になってるはずだ、っていうような、
  そういう気をつけ方は、すごくしましたね。」


(曲)
VELVET REVOLVER 『THE LAST FIGHT』
リベルタド


岡田くん
  「なんか すごく思うのが、いまよりは、たぶんですけど、30年前とかっていうと、
  もっと、アニメとかっていうのは、子供のためにって なってるじゃないですか。」
富野さん
  「もちろん、そうです。」
岡田くん
  「いまは、大人も読むし、大人向けの作るけど、でも、ガンダムとかって、
  子供向けに作ってる ってかんじは しないじゃないですか。」
富野さん
  「だけど、それは違います。」
岡田くん
  「でも、子供向けですか?」
富野さん
  「子供向けとは言わない。 けれども・・・」
岡田くん
  「子供をナメてない感じがするんですよね。」
富野さん
  「もちろんです。 つまり、子供というのは、一番 大事な お客で、
  子供に向かっての映画づくりっていうのは、
  大人向けよりも 用心して作らなくちゃいけないって、ほんとに思ってるのは、
  どっちにも行かせない、
  みんな キミ達、こういうことを、つまり 10年後 20年後には 考えてくれよ、っていう、
  テーマを置きたいというふうに思ってるから、
  まず、自分の主義主張を言わないで、物語を作ってみせるっていうことは したい。
  そして、善悪のことは、あなた達が考えなさい、だけど、こういう事実があるんだよって、
  こいう現実っていうのがあるのを、フィクションからでも わかってほしい っていう、
  そういう作り方を、ガンダムの場合には、明確にしました。」
岡田くん
  「だから もう、例えば、いまの時代は ですけど、
  ここの人達が消費してくれるとか、ここの人達が消費してるから、
  そこの人達が買ってくれるようなものを作りましょうっていうのが、
  多かったりするじゃないですか。」
富野さん
  「多いです。 それは、ビジネスなんです。」
岡田くん
  「フン、フン、フン」
富野さん
  「ビジネスは、言ってしまえば、二の次です。
  まず、何を語るべきか っていうのが、きちんと なければいけない。
  そういうものが無くって、作品を作っても、
  つまり 駄作は、作っても売れないかもしれないし、
  一過性の作品でビジネスになるかっていう考え方も、僕には あります。」
岡田くん
  「うーん。」
富野さん
  「そして、ビジネスモデルの、一番危険な・・・危険というよりも、ヤバイのは、
  半期ごとの決算が黒だったらいいんですよ。
  それで、10年持つか? っていったとき、僕は、先に10年持つコンセプトを獲得したい。
  50・・・僕は、もっと ずうずうしいんです。 100年 生き延びなければ 嫌だ。作品的に。
  100年持つタイトルだったら、100年でツーペイ出来るだろうっていう。
  フィクションを作るとか、作品を作るっていうのは、それが出来る。
  これが、実は、芸能の仕事が 一番ヤバいのは、一見 流行り仕事に見えるんだけども、
  いい作品て、一過性のものじゃないでしょ。
  だから、僕、いま目指してるのは。 わかりやすく言います。
  いま、ミュージカルって、5年 10年て、みんなロングランでやってるじゃないですか。」
岡田くん
  「やってますね。」
富野さん
  「ああいうふうにしたら、半期ごとの動員だけで、グタグタ言うような興行師、
  私は 一緒に仕事したくないね っていう論法が、あっていいような気がする。」
岡田くん
  「うーん・・・」
富野さん
  「ただ、とっても辛いよ。」
岡田くん
  「フフフ(笑)」
富野さん
  「これ、言ったら。」
岡田くん
  「いえ、でも、もう ほんとに、みんなに言ってほしいです。
  ビジネスは・・・“作品はビジネスではない” って。 二の次だ って、
  みんなに言ってほしいんですねー(笑)」
富野さん
  「ただ、問題がありまして。 だけど、とりあえず、人気が出る作品であったり、
  タイトルであったり、それから、役者であったりでなくちゃいけないんですよ、やっぱり。
  芸能とか、ビジネスとか、エンタの世界っていうのは。
  だから、最近 気をつけてることもあります。」
岡田くん
  「なんですか。」
富野さん
  「売れなかったり、痩せ我慢してる 芸人とか ライターとかはさ、芸術を言うよね。
  そういう 逃げ口上もいるじゃない。
  芸術を言うことによって、
  人気が出ない自分ていうものを 我慢するとか努力しない奴って、大っ嫌い。」
岡田くん
  「うーん。」
富野さん
  「やっぱり 僕は、人気がでなくちゃいけないと思う。
  それで、ある分、一過性を凌がなくちゃいけないと思ってる。 だから、僕が、ほんとに、
  自分がエンタメの仕事とか、この業界とか 業態に対して、能力が無いなと思うのは、
  とりあえずの視聴率を取ることが出来ないという意味では、
  ほんとに、無能な人間だなとも思いますもん。」
岡田くん
  「うーん。」
富野さん
  「そういう評価を、僕自身、捨ててない。 やっぱり、とりあえず 有名になりたい。
  とりあえず、視聴率は取りたい、製作費は回収したい。
  それが出来なくって、四の五の言うんじゃねえ、っていうのも、自分の中にあるから、
  やっぱり、ガンダム っていうタイトルで発酵させてくれたこのマーケットには、
  ほんとに ありがたいと思うけども、
  自分が 威張れないのは、自分が主導したわけじゃないから。
  僕は、一スタッフだったから。」
岡田くん
  「それは、意外ですけどね。 一スタッフと思うのは。」
富野さん
  「だから、それは 悔しい。」
岡田くん
  「生みの親ですけどね。」
富野さん
  「生みの親だと思ってます。 が、ビジネスは、主導してない。
  そういう意味では やっぱり、かなり 僕は、無能者だと思う。」
岡田くん
  「うーん。 でも、ま、変えなきゃいけないですよね。 変わんないですかね。
  その、なんだろう・・・」
富野さん
  「変えなきゃいけない、じゃないんですよ。
  一つ、大きな目線で見たときに・・・
  いま、こんな話、ほんとは 初めて。
  こういう気分で話するの、初めてだから。 ああ、そうか。
  こういうふうに、発酵したということは、その 仕掛け人。
  つまり、自分とは関係ない、サラリーマンかもしれないけども、
  みんな いろんなとこで、いろんなことやってくれているっていう人達がいてくれて、
  そして、僕という 生みの親がいて という、
  コラボレーションだったんじゃないのか。」
岡田くん
  「うん、うん。」
富野さん
  「そうすると、どういうことかというと、
  アーティストだけとか、クリエーターだけでは、
  やっぱり ビジネスっていうのは、存続させ得ないんですよ。
  それから、ビジネスシーンを確立も出来ないんです。
  すると やっぱり、プロデューサー的な人とか、プローデューシングに乗ってくれて、
  個々に ものを作ってくれる人が、順々に 出て来なくちゃいけない。」
岡田くん
  「うん。」
富野さん
  「そうすると、個人ワークでは、絶対できない、
  スタジオワークなんだ っていうことも覚悟する。
  だから、スタジオワークを成立できる “チーム” を作るっていうことが大事なことで。」
岡田くん
  「チームね。」
富野さん
  「変えることではないと思う。」
岡田くん
  「うん、うん。」
富野さん
  「チームを作って行けば、ある部分、いろいろな時代に 突破できると思う。
  わかりやすく言うと、こういうことです。
  ジブリで、宮崎監督と 鈴木敏夫というプロデューサーがいるおかげで、
  おそらく、宮崎アニメというのが、成立したんです。
  で、昔は、ちらっと、お二方も 知ってますから思うんだけど、
  個々にいたら、彼らは 絶対に、こうは ならなかった。」
岡田くん
  「うーん。 ま、駿さんも、敏夫さんに会って、今日があったってことですよね。」
富野さん
  「全くそうです。 良くなったというよりも、なんて言うのかな、
  一見、二人だけって思える中で、やっぱり、システムが構築できて行って、
  作品を固めて行くことが出来たり、出口を獲得できたんじゃないのか。」
岡田くん
  「うーん。」
富野さん
  「だから、宮崎さん一人では、絶対に出来なかったし、
  鈴木敏夫 一人だけでも、絶対に出来なかったと思う。」
岡田くん
  「まあ、二人揃ったから オスカー取れたんだって、おっしゃってますよね。」
富野さん
  「絶対、そうです。
  ガンダムの場合には、こういう はっきりした二人は いなかったんだけれども、
  僕の場合、鈴木敏夫さんに代わるものが、会社。
  いくつかのカンパニーだったかもしれないし、
  あと、もう一つだけ 僕の場合は、ガンダムの場合は、ずうずうしく言わせてもらいます。
  やっぱりね、ファンが、決定的に、
  スタジオワークを構築してくれる 素地としてあったんじゃないのか。
  だから、ミュージシャンとかっていう関係での、
  ライブを成立させている、ミュージシャンと観客の関係と、もうちょっと違う形で、
  ファンが、かなり、スタジオワークに食い込んでたんじゃないのかな っていうのが、
  今回、1/1をやってて、一番 実感するところでしたね。」
岡田くん
  「うーん・・・」
富野さん
  「関係者に いっぱい、ガンダムファンがいるんだもん。
  これ、なまじ じゃないんだ。」
岡田くん
  「(笑)」


(曲)
CHEMICAL BROTHERS FEAT.Q TIP 『GALVANIZE』
ガルバナイズ-来日記念EP-


岡田くん
  「ガンダムに影響を受けたクリエーターの人は、山ほどいると思うんです、
  マンガ界だけではなく。」
富野さん
  「とくに、今回の1/1なんか・・・他にも そうなんですけど、技術者、
  理科系の応援団が、ものすごく います。」
岡田くん
  「フフフフフ、そうですよね(笑)実際これ・・・」
富野さん
  「(笑)」
岡田くん
  「ほんとに、あれですよね、この・・・」
富野さん
  「とび職のメンバーにも います。」
岡田くん
  「ほんとですよね、すごいなあ。」
富野さん
  「えっ! これは、みんな、ただ 仕事だけで来てるんじゃないんだ!
  っていうのがねぇ(笑)もう・・・」
岡田くん
  「(笑)
   いろんな人が、影響受けて、
  そういう作品を作ってるっていうのは、すごいことですからね。」
富野さん
  「その まさに、影響を こちらも受けてるからこそ、まだ、
  例えば 来年、何か出来るかもしれないというふうにも思わせてくれる。
  で、思わせてくれたからです。 やはり、今回の企画が立ち上がってから、
  自分が参加させてもらったのが、かなり遅かったんですけれども、
  今度は 逆に、彼らの やってるスタジオワークだけで行くと、ヤバイ っていうものも、
  欠点も見えるわけです。 生みの親としては。
  といったときに、え? 10年持つコンセプト、20年持つコンセプト、お前らは まだ、
  きちんと、口にしてないじゃないか。
  それは 付け加えて行くっていう作業を、僕の方で やっぱり、やらせてもらいました。」
岡田くん
  「うーん。」
富野さん
  「そうしないと、それこそ、宮崎・鈴木 みたいなコンビがやってるような、
  スタジオワークにはならないっていうのも感じたし、それを、僕の場合は、まさに、
  二人でやるわけじゃないから、ある現場にまで降りて来る。
  コンセプトがあれば、どういうふうに構築して行くかとか、
  どういうふうに そういう言葉を、自分が持たなければいけないかっていうことは、
  この半年、かなり勉強しました。」



岡田くん
  「いま、じゃあ、なんていうのかなぁ、アニメ界でいいのかなぁ、
  アニメ界なのか、もの作りの世界なのか、日本の現状でも いいんですけど、こう、
  どういう状況だと思われてますか? ものを作るにあたって。」
富野さん
  「かなり、腐ってると思います。」
岡田くん
  「(笑)あの・・・僕が言えないことを、ズバッと言ってくれて、ありがとうございます。
  あの(笑)なかなか、僕の歳では、言えないことが たくさんあるので・・・」
富野さん
  「ああ・・・なるほどね。
  腐ってます。 腐ってる 一番の理由が、みんなが 個々の仕事に慣れ過ぎてるからです。」
岡田くん
  「うーん。」
富野さん
  「だから、実を言うと、タイムスケジュールを進行させたら、みんな 見事ですよ。
  すごいと思う。 今回の、ガンダムの、ビックサイトでやった進行なんか見ていて、
  これだけの人間を、よく上手に、みんな、さばくということも含めて、舌を巻きます。
  そういう意味での スタッフワークは、すごいなと思うけれども、
  この10年か 15年くらい、大きなライブや何かとか、
  イベントをやることに慣れてしまった日本人の姿しか見えなくって。
  例えば、今の若い人、コンテンツって言葉、かなり好きなんだけれども、
  コンテンツも無いのに、平気に コンテンツがあるように見せかけるという、
  芸だけがなんていうのはダメよねって、それだけの話です。」
岡田くん
  「アハハハ。」
富野さん
  「実を言うと、ものごとを創造できる人って、そんなに多くないんですよ。
  なのに、みんな 自分達で、ものが考えられる 創造できると思っている大人が多すぎるって
  それだけのことです。
  だから、タイムスケジュールをこなしていくと、
  自分が、能力があるような気がしてるんだけれども、それは、処理学でしがなくって、
  ものを作っていることではない。
  (聞き取れず) 良さにのっとった、何かをやっているだけであって、
  それが 創造的に、10年後のことになるかっていうと、ならない。」
岡田くん
  「うん。」
富野さん
  「今年の帳尻合わせ やってるだけだろう、みたいなことを、
  ビジネスと言い切っている人が、とても多い。」
岡田くん
  「うーん。」
富野さん
  「だったら、わけがわかんないけども、
  今日は、魚が獲れるのが・・・不順続きの天気なんだけども、
  来月、なんとか収穫ができるようにするか、みたいなことをやっている、
  つまり、不確定なものに向かっている、第一次産業をやってる人達の方が、
  よほど忍耐があって、よほど、業務をやってます。 これは、ビジネスじゃないんですよ。
  生きるために、必死でやってることです。
  ビジネスマンに欠けるのは、その部分が欠けてるんじゃないのかなって気がする。」
岡田くん
  「うーん・・・まあ、でも、作品とかエンターテイメントとか作るには、ちょっと、
  変えないと まずいですよね。 そうでもないですか?
  ここ何年かで、変えないと まずくないですか?」
富野さん
  「もちろん、そうなんですが、何を変えるかっていうとね・・・
  ものの見方とか、根性 変えるだけのことであって・・・(笑)」
岡田くん
  「でも、難しいんですかね、組織にいるっていうのは。
  例えば、インディペンデントで頑張る人が出て来る・・・」
富野さん
  「それも どうなのかな。 インディペンデントで頑張ってみせる、
  さっき言ったとおり、例えば、私達は アートをやってるんだから、
  わかんないヤツには わかんなくっていいんだ って、それは ダメだよね。
  だから、こういうことなんですよ。
  自分の個性を、信じちゃいけない ってことです。」
岡田くん
  「うん。 ていうのは、いろいろ・・・」
富野さん
  「どういうことかって言うと、もし本当に、人から認められるような、つまり、
  金に化けるような個性があるんだったら、30ぐらいになってれば 絶対に、
  数億っていうお金、稼いでますもん。
  30になるまで稼げなかったら、お前には 能力が無いんだ、
  自分には、能力が無いんだ っていう、覚悟しろ。」
岡田くん
  「うん。」
富野さん
  「覚悟した上で、じゃあ どうするかっていうことを考えればいいんです。
  つまり、自分の好みでやらない っていう努力をするんです。
  僕、アニメ、嫌いですもん。 大っ嫌いですもん。」
岡田くん
  「フフフ(笑) あっ、そうなんですか。」
富野さん
  「不自由だから。」
岡田くん
  「あー・・・不自由だから。」
富野さん
  「表現として。」
岡田くん
  「はい、はい。」
富野さん
  「嫌いだから、だけど、アニメの仕事しか出来ない自分だから っていったときに、
  どういうものを付け加えるか、
  どういうものを付け加えたら 映画になるかってことを考えたんです。
  そうなって来ると、アニメという性能にだけ、頼ってるわけに行かないじゃないですか。
  といったときに、映画とは いったいなんなのかっていうことを、本気で考えますもん。」
岡田くん
  「うん。」
富野さん
  「で、今度は、映画ってことが 少しは わかって来たときに、じゃあ それを、
  アニメで どういうふうに応用して行くんだっていったら、こんな面倒臭いこと、
  まして、おもちゃ屋さんの宣伝番組なんかやるなんて、とっても、面倒臭いことなんですよ。
  だけども、毎週毎週、ギャラが貰えて、勉強させてもらうんだったら、その努力をする。
  言ってしまえば、僕、それを 30年やりました ってことです。」
岡田くん
  「うーん・・・まあ、じゃあ最後に、若者に。
  若者じゃなくてもいいなぁ、若者・・・」
富野さん
  「僕にとっての若者は、40までが若者ですから。」
岡田くん
  「じゃあ、大抵 大丈夫です。
  あの、なんか メッセージを・・・頂けますか。」
富野さん
  「自分には能力があるってことだけは、信じてほしいの。」
岡田くん
  「うん。」
富野さん
  「それは、いま言った通り、処理をすることが出来る、
  理解することが出来るという能力があるってことは、信じてほしいの。
  自分の個性は、信じるな。
  自分の個性を、はじめに信じちゃったら、それで、一本線でダーッと行くじゃないですか。
  違うんですよ。 自分がやるとき、嫌でも 自分ていうフィルターが通るから、
  個性ってのは、嫌でも 滲み出るんです。
  だけど、世間に認められるとか、銭儲けをしたいとか、
  それから、もっと大きなことをやりたいと思ったときに、
  その、大きなことをやるための何か というものは、絶対 外側にあるんだから、
  そういうものを こうやって 集めて来て、自分のものにしていくという努力をしない限り、
  お前の力だけでは お前の能力だけでは、何一つ、ものは出来ないんだ っていうことを思え。
  そこの手順をね、考える手順を、みんな ほとんどね、
  自分には能力ありき、個性ありきだと思いこみ過ぎてる。 だから、何度も言います。
  30までに、それか 40までに 芽が出なかったら、個性 無いんだから、それは捨てろ。
  で、僕、ガンダム、37の時だから。」


(曲)
U2 『WALK ON』
All That You Can't Leave Behind



(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、富野さんと お話をさせていただきました。
いや、ねえ、ほんとに あの、ま、カッコいい おじさんですよね。
あんまり、なんだろう、ものを作るっていう上で、クレバーにやってるし、
いまの、こう、時代を憂いでるというか、ていうか、まあ なんか、
エンターテイメントとか なんとかっていう、人に見せるものっていうものは、
それ相応に、みんなが覚悟を持って臨まなきゃいけないし、
そういう意味で、いまの現状を 、うーん、て思うことから始まるってことは、山ほどあるので。
ね。 ものを作ってる人は、今日のね、富野さんの言葉は、
『おぉ~』 って思ったりとかも したんじゃないかなと思いますし。
ねえ。 あの、気持ちいいですよね。
ズバッと言っていただけるというか、やっぱり、時代を作った方なので。

うーん、まあ 僕もね、いろいろ 言えないことも山ほどあり、あの(笑)
ねえ、まだ若いので、言うと、いろんなこと、こうね。
守りに入ってんのかな、オレ。 わかんないですけど(笑)
まあ、いつかね、自分の気持ちが、きっちりね。
自分が、なぜ プロデューサーになりたいかとかね、
ちゃんと話せる日が、来ればいいかなぁと思っております。」


(曲)
KEANE 『SOMEWHERE ONLY WE KNOW』
Somewhere Only We Know [7 inch Analog]



(富野さんからの コメント)

「おそらく、今の時代が、かなり みんなが、窮屈だと思ってる。
その、窮屈なものに向かって、息抜きが出来るものを探してると思う。
それが、いま、日本語で言われている “癒し” とかという、
そういう 甘っちょろい言葉ではないっていうを、みんなが はっきり持ってるのに、
まだ、メディアが “癒し” という言葉しか使えない。
そういうことに、そろそろ、イライラしてるということが感じられますので、
そういう フラストレーションに向かって、一息でも です、
突破できるような、そういう言葉使いなり、作品を作っている機会があれば、
それを やって行きたいと思うだけで、
自分から、押し出す気は ありません。」


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