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2009/04/26 on air 「書き続けられる原動力は、何ですか?」                  (guest) 石田衣良さん

再生



再生


石田 衣良



(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も皆さんと一緒に成長したいなぁと思っています。

えー、今日は、人気作家の石田衣良さんを、ゲストにお迎えします。
石田さんは、1960年、東京生まれ。
成蹊大学卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。
1997年 『池袋ウエストパーク』 で第36回オール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。
『4TEEN フォーティーン』 で第129回直木賞、
2006年に 『眠れぬ真珠』 で島清恋愛文学賞を、それぞれ受賞されています。

えー、僕もですね、まー、読んでますね。
結構、読んでんじゃないかなぁとも思ってしまうんですけど、
石田衣良さんは、恋愛小説の名手として、若い人達に人気があります。
恋愛小説だけではなく、非常に “多作” というイメージもあるんですよね。
例えば、去年一年間に出版された単行本のリストがありますけども、
ザーっといきますよ!
1月には、『5年3組リョウタ組』 『親指の恋人』
2月 『夜を守る』
3月 『石田衣良の白黒つけます!!』 『逝年―Call boyⅡ』
5月 『恋のトビラ』 『夜の桃』
6月 『こどものころにみた夢』
7月 『光の国の姫』 『石田衣良の人生相談室』
  『非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパークⅧ』
10月 『シューカツ!』 『あなたに大切な香りの記憶はありますか? 』

共著の作品も含めると、13冊以上の単行本が、昨年 出版されています。
平均すると、1か月に1冊以上。
しかも、これに、文庫本の出版も加わるわけですから、
本屋さんの平積みで、石田さんの名前を見ないことはない と言っても、過言ではありません。
一時期の、赤川次郎さんレベルですよね。
ちなみに、赤川さんは 昨年、オリジナルの著作が、500冊に到達したそうです。
これもまた、すごいですねえ。
ま、それに、追い付け追い越せの石田衣良さんに、
『書き続けられる原動力は、何ですか?』 をテーマに、お話をお伺いしたいと思います。

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒にお付き合いください。」


(岡田くんの、曲紹介)
「僕の混乱を利用するのは、やめてくれ。
待てよ! 待てったら! 外に世界がある。 僕を拒まないでくれ。
最後の望みをくれ。 外に世界があるんだ。
FOO FIGHTERS 『CHEER UP,BOYS(YOUR MAKE UP IS RUNNING)』」
Echoes, Silence, Patience & Grace






岡田くん
  「いやあ、今日も、爽やかで!(笑)石田衣良さーん。 爽やかじゃないですか!」
石田さん
  「いや、全然、そんなことないんですよ。
  今日いま、実は、もうホントに大変失礼なんですけど、
  ものすごく眠いときで・・・(笑)」
岡田くん
  「いや、てゆうか、寝てないんじゃないですか。ほんと。」
石田さん
  「いや、寝てますよ。  
  僕は、あの、8時間か9時間寝ないと駄目なんです。」
岡田くん
  「てゆうか、やたら出てますよね。 いろんなとこに。」
石田さん
  「いや、やってますけど、
  でも、声が掛かると、やらないといけないんですよ。 そういう仕事なんですよ。」
岡田くん
  「いや(笑)やたら出て、やたら 本 出して、
  いつ、この人は寝てんだろうな、みたいな。」
石田さん
  「いやいや、毎晩、うちの子供達と、
  昨日だって、8時間ぐらい寝てますよ。」
岡田くん
  「寝れてるんですか?」
石田さん
  「寝れてます。
  だから、小説も書き、まあボツボツ、テレビなんか行きますけど、
  でも、ちゃんと寝てますし、ボーっとする時間も、結構ありますよ。」
岡田くん
  「ほんとですか?」
石田さん
  「ええ。」
岡田くん
  「全然、なんか、してないし、なんか、
  いや、テレビとかで観てても、かなり爽やかだなぁと。」
石田さん
  「頑張らないですから、僕。」
岡田くん
  「今日もピンクの、ロンTシャツ・・・(笑)
  頑張らないって、どういうことですか?」
石田さん
  「いや、だからあのう、なんでしょうねえ。 フラットで行くんですよね。
  テレビとか呼ばれても、もう、無理やり頭良く見せないとか。
  なるべく楽して、自分のままで行くというか。
  小説も、そうなんですよ。」
岡田くん
  「へーぇ。」
石田さん
  「もう、立派なこと書くの、やめようと思って。」
岡田くん
  「その、聞いてみたかったんですけど、
  その、恋愛相談みたいなもの、受けるじゃないですか。」
石田さん
  「受けますねえ。」
岡田くん
  「ああいうのは、ご自分で、やりたいと思ってやってるんですか?
  それとも、作品の延長ですか?」
石田さん
  「いや、恋愛相談ですか?
  でも、恋愛相談て、女の子と普通に話していると、必ず されませんか?」
岡田くん  
  「されます。されます。」
石田さん
  「なので、それを やっているうちに、
  それが仕事にもなり、人生相談にもなりってかんじなんですかね。」
岡田くん
  「はじめは、どうだったんですか?
  番宣の流れで呼ばれて、コメンテーターとかを やるようになったんですか?」
石田さん
  「そうですね。 はい。
  ですから、最初は、コメンテーターは、何故か知らないけど、呼ばれたんですよ。
  全然、自分でもわからなくて、でもまあ、行っても続かないから いいよな、
  とか思って、軽く行ってたら、何故か、ポツポツと続いて。」
岡田くん
  「うーん。」
石田さん
  「それが、よくわからないんですよね。」
岡田くん
  「(笑)いま、だから、いろんな顔を持たれてるから。」
石田さん
  「そうなんですけど。
  外から見ると、すごく頑張っているように見えるかもしれませんが、
  当人は、ほんとに、もう なるべく頑張らずに、
  リラックスして 力を抜いて行こうというぐらいですね。」
岡田くん
  「へーえ、リラックスして。
  でも、昨年でしたっけ、昨年13本? 13作品 出されてましたけど。」
石田さん
  「そんなに出たんですか?」
岡田くん
  「『そんなに出たんですか?』って(笑) 出してますよ!」
石田さん
  「いやぁ、これはね、ほんとに恥ずかしい話で。
  やっぱり、どう考えても3冊か4冊ぐらいがね、マックスなんですよ。
  なので、それ以上 出すのは、ほんとに良くないんですけど、
  でも なんか、たまたまちょっとね、あれやこれやと重なってしまって。」
岡田くん
  「こういうのって、貯められるんですか?
  その、新しいネタとか・・・」
石田さん
  「あっ、それはもうね、ほんとに、取って出しです。
  こんど、新しい短編集 出るんですけど、その中の一本はですね、
  J-WAVEに来る。 渋谷から、ここに来るまでのタクシーの中で聞いた話が、
  そのまま 小説になりましたね。」
岡田くん
  「えっ? そこで書いたっていうことですか? 聞いてて?」
石田さん
  「いや、運転手さんが『いやあ、大変ですよ、タクシーも』って。
  『私、40年間、清掃のゴミ収集のトラックの運転をやっていて、辞めて、
  趣味が将棋だったんで、ずうっと毎日毎日 将棋、区民センターで指してたら飽きちゃって、
  で、しょうがないから、また仕事始めることにしたんです。
  でも、なかなか、地理が覚えられないんです』って。
  タクシーの運転手さんて、最後に地理試験があるんで、
  その地理試験で、記録を作りそうになって、7回か8回 落ちて。
  で、その最後に受けに行った時に、
  『うちの妻が、試験会場まで来て、
  もう、駄目だったら、二人で泣いて帰ろうって言った時に、合格した』って言うんですよ。
  で、試験官の人が、『いや、奥さんが、一緒に見に来たのなんて、初めてだよ』
  って言って、その会場を、案内してくれるんです。ご夫婦のことを。 60過ぎた。
  で、そういうのを聞いて、
  『あっ、それいい話ですね。 一本書いていいですか?』って言って、
  次の日に書いてるっていうかんじです。」
岡田くん
  「はぁー! じゃ、ネタは いろんなとこに転がっているっていう感覚なんですか?」
石田さん
  「あのう、岡田くんがもし、ものすごい どぎつい失恋をしたんであれば、
  それは、来月 書きますよ(笑)」
岡田くん
  「ウハハハ! 書かれちゃう。 書かれちゃうじゃないですか!」
石田さん
  「でも、だいじょぶです。 名前は全部、変えますから。」
岡田くん
  「アハハハ!」
石田さん
  「『こんな変態がー!』みたいなかんじに書きますから(笑)」
岡田くん
  「(笑)そうなんだあ。 でも、こんなに出せるって、何を。
  そういうとこから全部、引っ張って来るんですか?」
石田さん
  「だからね、最初の・・・」
岡田くん
  「ものすごい、じゃ、敏感ですか? 石田衣良さんは。」
石田さん
  「あの、なんか “面白い” ってことに関しては、ほんとに敏感になりましたね。
  最初の何年かは、自分のことが書けるんですよ。
  でも、自分のことは、すぐ無くなっちゃうんで、
  後はもう、目の前にあることを、じいっと見て、
  あっ、面白い人、面白いこと、面白い場所とか、なんでも。
  何か、きっかけがあれば大丈夫なんで。」
岡田くん
  「はーぁ、きっかけを探して。」
石田さん
  「そうですね、はい。」
岡田くん
  「きっかけを。」
石田さん
  「なんとか探して。」
岡田くん
  「膨らまして。」
石田さん
  「で、なんとか、技で、お終いまで持ってって、
  『あー、締め切りが終わった、ラッキー』みたいなかんじです。」
岡田くん
  「それは、どうなんですか? こう、なんだろう、
  始めたときと、全然 変わってきちゃってるかんじはある・・・」
石田さん
  「変わってますよ。デビューした頃は、」
岡田くん
  「『池袋』んときは。」
石田さん
  「そうです。 3か月に一本ぐらい、のんびり書いて。 原稿料。
  その頃、別な仕事してましたから、僕は。」
岡田くん
  「コピーライター。」
石田さん
  「はい。 原稿料は、全部お小遣いで、3か月に一本ぐらいやってたから、
  ネタは全然、困らないですし、
  これは、いい趣味だなぁと思って、最初は2,3年、やってたんですよね。」
岡田くん
  「うーん。」
石田さん
  「でも、それが、どんどん忙しくなってしまって、気がつけばもう、
  明日のお昼までに 2本締め切りがある、みたいなことがあるんですよね。」
岡田くん
  「だいじょぶですか?」
石田さん
  「ええ。 ですから、今晩なんとか書いて、
  明日のネタが無いので、寝ている間に、自分に お願いするんです。無意識に。
  『何か一本、お話を下さい』とかって言うと、
  次の日の朝 起きると、お話があったりするんです。」


(曲)
TAYLOR SWIFT 『LOVE STORY』
Fearless





石田さん
  「僕、いま思うんですけど。
  いま、日本はね、圧倒的にね、変態とかエロが足んないですよ。」
岡田くん
  「いやいやいや(笑) なんて発言するんですか(笑)
  十分、エロいと思いますよ。」
石田さん
  「僕が そう、じゃなくて、社会全体で。
  やっぱり、草食男子みたいなの、良くないですから。」
岡田くん
  「あぁー。」
石田さん
  「草食男子よりは、肉食変態男子の方が、いいじゃないですか。」
岡田くん
  「それは、なに、イタリア人みたいになれっていうことですか?」
石田さん
  「あのねぇ、だから、僕は ほんとにね、
  不景気を一発で改善する方法は、あると思うんですよね。」
岡田くん
  「エロ(笑) エロですか? 何?」
石田さん
  「要するに、残業 一切禁止です。」
岡田くん
  「ああ、残業禁止。」
石田さん
  「みんな、5時に帰って、家に帰って、シャワー浴びて着替えて、夜遊びに行け! と。
  その代り、週に3回くらい、夜遊びに行かないといけない法律なんですよ。」
岡田くん
  「あー。」
石田さん
  「そうすると、外に出れば必ず、お金も使うし、誰かと出会うし、
  それを、日本中の若い子がやったら、景気なんてね、3か月で改善すると思うけど。」
岡田くん
  「ね、お金は、結構いろんなとこで使うことに なりますよね。」
石田さん
  「はい。 使わざるを得ないですからね。」
岡田くん
  「家に帰るな!っていうのがあればね。」
石田さん
  「うん。」
岡田くん
  「あっ、じゃ、そういうとこも、ちょっと思ったりもするんですね。
  草食的だなぁみたいな。」
石田さん
  「うん。 だって、最近、恋愛相談は、それ系が一番多いですよ。
  『温泉旅行に、誘われて行った。 彼は、手も握らなかった。
  ほんとに、私のこと、好きなんでしょうか?』 って言われて、
  『いやあ、わかんない・・・』みたいなかんじに なるんで。」
岡田くん
  「アハハハ! わかんない。
  それは、恋愛相談は、ネタを探してるんですか?」
石田さん
  「違いますね。」
岡田くん
  「普通の相談を受けてるかんじ じゃないですか?」
石田さん
  「はい。 普通の相談を受けてるかんじ。」
岡田くん
  「恋愛相談て、聞いてはあげるけど、
  ぶっちゃけ 『知らねーよ!』みたいなこと ばっかりじゃないですか、もう。」
石田さん
  「あのねえ、そこは・・・」
岡田くん
  「『お前の恋愛なんか、知らねーよ!』 みたいなのを・・・」
石田さん
  「それは、ダメなんです。」
岡田くん
  「アハハ(笑) ダメなんですか。」
石田さん
  「小説家って、誰の どんな悩みでも、自分の問題なんですよ。」
岡田くん
  「あー。」
石田さん
  「なので、例えば、今回の、派遣切り みたいな話も、不景気もそうだし、
  その、誰かのエロネタとか、悩みとか、全部 自分のネタだと思って、
  一緒に考えないといけないんです。」
岡田くん
  「あー、それが探せるんですね。」
石田さん
  「だから逆に、楽しい仕事なんですよね。」
岡田くん
  「あー。 苦しくないですか? そうなると。
  例えば、自分の人生のように悩むわけじゃないですか。(って)とこまで行かないと、
  書けないわけですよね?」
石田さん
  「いや、そうなんですけど、割とあの、楽天的で、ちゃらんぽらんなので、
  なんか、こんな解決がつくかなぁみたいなのを書くんです(笑)」
岡田くん
  「(笑)わっかんないけど・・・」
石田さん
  「もう、文学する!(笑)」
岡田くん
  「文学、行っちゃいますか。」
石田さん
  「いや、しない。」
岡田くん
  「自分の、その、
  他人の、起きてることを、自分に置き換えて、
  一回 苦しまないと書けないわけじゃないですか。 たぶん、掘り下げて行かないと。」
石田さん
  「はいはいはい。」
岡田くん
  「掘り下げる作業って、ものすごく しんどいし、
  ゼロを1にする作業って、ものすごく しんどいから、
  書ける人 すごいなぁと思うんですけど、
  自分を通して行くってことは、すごく大変じゃないですか。
  経験っていうか・・・」
石田さん
  「そうなんですけど、そういうことも、ダーっと やっているうちに、
  なんか慣れちゃうんですよね。
  だから、辛いのも、しんどいのも ありますけれど、
  それに、こんなこと書いたら バカだと思われるんじゃないかみたいなこと、
  当然あるんですよ。 そういうのも全部、なんか、過ぎて行っちゃうんですよ。」
岡田くん
  「へーぇ。 過ぎて行っちゃう。
  経験として、流せるっていうことですか?」
石田さん
  「そうですし、人間て、辛いことは忘れますよね。 楽しいことは覚えてるけど。
  なので、割と大丈夫です。」
岡田くん
  「どんな頭の中なんだろうなぁと思って。」
石田さん
  「はー。頭の中、自分でも、よくわからないですね。 もう、酷いとき ありますからね。」
岡田くん
  「どうなったりするんですか?」
石田さん
  「いや、だからもう、ワーって笑って、次の瞬間、もう10秒ぐらいで泣いてて。」
岡田くん
  「ハハハ!」
石田さん
  「で、原稿書いて、セリフ一個で。
  例えば、5秒前までは、こうやって普通に笑って書いてたんですけど、
  あるセリフ一個 書いた瞬間に、ホロっと泣いたりしますね。
  女優か! みたいなかんじです。」
岡田くん
  「わぁー。 なんだろう、振れ幅が広くなった・・・」
石田さん
  「振れ幅は、広くなりました。」
岡田くん
  「昔と、変わりましたか?」
石田さん
  「そういう点では、ものすごく敏感になったし、振れ幅は広くなりましたね。」
岡田くん
  「フリーライターやってるときより、小説家になって、だいぶ変わりましたか?」
石田さん
  「うん。 素材を自分で探して、自分で作るっていうのが ありますから、
  その分は やっぱり、小説家の方が、
  大変だけど、楽しいですよね。」
岡田くん
  「あの、例えば、目が、書いてると赤くなるとか、目つきが変わるとか、その なんだろう、
  何故か 筋トレしたくなるとか、たくさん、いろんな作家さんているじゃないですか。」
石田さん
  「ええ。」
岡田くん
  「作家さんて、いろんな。 僕は、何かを抱えてない人は、見たことがないんですよ。
  書いてるときに・・・」
石田さん
  「ああ、それはね。 僕の場合は、抱えてるものは ないんです。」
岡田くん
  「ないですか。 急に 筋肉トレしたくなるとか、ないですか。」
石田さん
  「ないです。
  笑ったり泣いたりしながらですが、そのときに、
  ドアをバーンと開けて、子供達が、ワーッて、走って入って来るじゃないですか。
  そうすると、普通に こうやって おしゃべりをしながら、小説書いて、
  チョコレートを食わして、帰らせる、みたいなのが、大丈夫です。」
岡田くん
  「アハハハ! 出来るんですか?」
石田さん
  「はい、出来ます。
  書いてる間も、いまとあんまり、テンションは変わらないですね。 フラットなままです。」
岡田くん
  「あー。 書いてるうちは入って来んな、みたいには ならないんですね。」
石田さん
  「ならないですね。
  調子がいいときには、誰が来ても大丈夫だし、にこやかに出来ますよ。
  ただ、調子が悪いときの方が かえってね、ああ うるさいなと思うけど、
  でも、それも、うるさいって言ったらね、面倒くさいので。」
岡田くん
  「はあー。 その、何なんでしょうね。
  その世界と、書いてる世界と、現実の、こう、振れ幅っていうか・・・」
石田さん
  「隣にある部屋みたいな、かんじですね。
  だから、僕は、なるべくそこで 段差を付けないでおいて、
  ドアをパタッと開けて中に入ったら、仕事になる。 小説を書く。
  出たら、元に戻るっていうのを、ドアを開けるぐらいの時間で変えられる、
  なんか、癖があるんですよね。」
岡田くん
  「はぁー。」
石田さん
  「なので、あんまり しんどい感じは、ないんですよね。」
岡田くん
  「同時進行で書けるんですよね。」
石田さん
  「えーっとねえ、もうほんとに、しんどいですけど、
  例えば、1年がかりで書いていた新聞連載が終わって、  
  で、その日のうちに、短編を もう1個 書かないといけないみたいな、
  酷い同時進行も、ありますね。」
岡田くん
  「すごいなあ。
  なんで、なんでその道を選んだんですか?」
石田さん
  「いやあ、だから・・・」
岡田くん
  「たくさん、オファーがあるのか。 死ぬほど生み出している。 赤川次郎・・・」
石田さん
  「ああ、赤川さんね、はいはい。」
岡田くん
  「・・・さんを。ぐらい書くっていうのは。」
石田さん
  「いや、赤川さんほど、さすがに書いてないんですけど。」
岡田くん
  「いや、このまま行くと、書いちゃうじゃないですか、たぶん。」
石田さん
  「いや、書かないですよ。 僕は、たぶん一応・・・」
岡田くん
  「絶対、抜かしますよ! そのうち。」
石田さん
  「抜かさないです。
   一生 書けて、いまの計算で行くと、100冊行かないぐらいで終わるはずなんですよ。」
岡田くん
  「いやいやいや・・・」
石田さん
  「それが目標なんで、小説に関しては。」
岡田くん
  「その次が、なんか、ありそうなかんじがするんですよね。」
石田さん
  「小説 書いたあとですか?
  ない! だって、これが一番 大変で、楽しいですから。
  テレビとか行って、面白いなとは思いますけど、
  自分にとっては やっぱり、一番大事な仕事では、全くないんですよね。
  なので やっぱり、小説をちゃんと書いて行くのが、はい。」
岡田くん
  「そこまでの、小説に対する思いっていうのは、いまも全然、切れてないですか?」
石田さん
  「はい。」
岡田くん
  「書きたくねーなーとか、ないんですか?」
石田さん
  「そりゃあ、もちろん、くたくたに疲れてるときは ありますけど、
  でも、ちょっと回復すれば、また、書きたいなって思うんですよ。
  あの話は面白かったな、こういうふうにしたいな、とかって。」
岡田くん
  「ほー。」
石田さん
  「で、こう言うとね、すごく大袈裟ですけど、
  本の世界に係わってる人って、みんなね、一回は、小説で 命を救われてるんですよね。」
岡田くん
  「うーん。」
石田さん
  「例えば、もうほんとに、しんどい、死にたい。 あるいは、もうどうしても、
  明日からもう、ちゃんと まともに外に出られないみたいなときに、
  本に救われてるはずなので、
  やっぱり、力が強いですね。 本の持ってる力。」
岡田くん
  「石田さんは、どこで救われたんですか?」
石田さん
  「僕はね、実は、
  中学高校の頃って、やっぱり、だんだんと学校とかがね、嫌んなって、
  ドロップアウトしてしまって、
  大学生の頃んなると、引きこもりに近い状態になったんですよ。」
岡田くん
  「うん。」
石田さん
  「そのころ やっぱり、なんていうんでしょうかね、
  自分の生き方を決める 一番の指針は、学校の先生でも、親でもなくて、
  子供の頃から、ずうっと読んで来た小説の、
  『あ、コイツはカッコいいな!』っていう主人公だったんですよね。」
岡田くん
  「うんうん。うんうん。」
石田さん
  「ここの局面、ほんとにツライ局面になったときに、そういうことは やんない。
  そういうズルはしない みたいなのを学んだのが、小説だったので、
  やっぱり、いま書いているもので、
  若い子が、一人でも、そんなふうになってもらえたら いいですよね。」


(曲)
COLDPLAY 『IN MY PLACE』 
A Rush of Blood to the Head





岡田くん
  「いま、自分が、生み出せるっていう立場になったときに、どうなんですか?」 
石田さん
  「だから・・・『だいじょぶ? みんな』とか思いますけどね、僕の本で、とか(笑)」
岡田くん
  「不安は あったり、するんですか?」
石田さん
  「書く上で ですか?」
岡田くん
  「どっちなのかなぁと思って。
  自分の生み出した子供じゃないですか、ゼロから1を生むから。
  自分達の場合は、僕達とかって、その、1から、じゃあ ナンボにするか とか、
  100にするのか、ナンボにするんかっていう仕事なので、
  ゼロから1は、やってないんですよ。
  だから、ゼロから1までやれる人って、すごいなと思うんですけど、
  そうなるともう、自分の子供じゃないですか。」
石田さん
  「はいはいはい。」
岡田くん
  「それが、誇れるのか。
  それとも、さっき言った、こんなんでいいのかなっていう不安と・・・」
石田さん
  「それはもうね、その時その時なんですよね。
  あー、なるほど、こんなに頑張ったんだ、すごいなって時もあれば、
  イカンな、まだまだだな みたいなのも、こういうのもありますなんていうのも。」
岡田くん
  「じゃ、これは頑張った! っていう作品を、教えて下さいよ。
  これ、オレの中で、自信作だ、と。」
石田さん
  「あのねえ、そういうことを、大人は言わないものなんですよ。」
岡田くん
  「(笑)教えて下さいよ!」
石田さん
  「そりゃ、何本か挙げられますけど。」
岡田くん
  「じゃあ、あの、これ! っていうの。
  これ! これは読んどけ! オレの、 えーと、なんだ!みたいな。」
石田さん
  「え~?」
岡田くん
  「オレの、いまんとこ、こういうのが好きで、
  こういうのが やりたいことなんだよ、みたいの。」
石田さん
  「いや、だからさあ・・・」
岡田くん
  「たくさん求められて、書くと思うんです。」
石田さん
  「はいはい、あるけど~。 でも、それは なんかさあ。
  なんて言うんでしょう、あの、AV男優のテクニック自慢みたいなかんじしません?(笑)」
岡田くん
  「アハハハハ! そんなことないス(笑) そんなことないスよ。
  知りたいと思いますよ。 こんだけ出てて。」
石田さん
  「ああ、はいはい。」
岡田くん
  「じゃあ、石田衣良さん、見てるけど。」
石田さん
  「はい、わかりました。」
岡田くん
  「『4TEEN フォーティーン』 とか、ねえ、いっぱいあるけど、
  じゃあ、どれから読もうかな、みたいな。 いま聴いてる人が。」
石田さん
  「この番組だと、女性が多いと思うんで、そうすると、
  『娼年』 ていう、1時間1万円で体を売る男の子の話か、
  『眠れぬ真珠』 という、中年女性の恋愛の話か、そのへんですかね。
  まあ、あと、男の子が好きだったら、
  『4TEEN フォーティーン』 みたいなのも、いいと思いますけど。」

娼年




眠れぬ真珠




4TEEN




石田さん
  「でも、小説はねえ、なんか。 うーん、一作で どうっていうんじゃないんですよね。」
岡田くん
  「えっ、そうなんですか。」
石田さん
  「ずっと書いている、その人の、山脈みたいなものなんで、
  山が連なって、その人の存在感が出るようになるっていうのが大事なんで。」
岡田くん
  「うーん。 じゃあ、一冊一冊よりも、その人を 見て行った方がいいっていう・・・」
石田さん
  「うん。 だから、ライブありますよね。
  ライブ、例えば、収録した後で、
  ちょっと 音が外れてるからって、差し替えたりするパターンもあれば、
  そういうふうに完璧なのは いいから、
  ライブ録りっ放しで出しちゃえっていうのも、あるじゃないですか。」
岡田くん
  「あー。」
石田さん
  「僕は、どっちかっていうと、
  演奏会の生で、まあミスっても、間違えてもいいやっていうかんじで、
  そのまま、ライブ感を大事に、出してしまう方なんですよね。」
岡田くん
  「なんて、思われたいですか?」
石田さん
  「え? 何が?
   人に?」
岡田くん
  「いや、作家さんて、いっぱい思われると思うんですよ。」
石田さん
  「いっぱい思われますが・・・」
岡田くん
  「それ、出てるので、結構なんだろう、想像は無いかもしれないですけど、 
  例えば、ま、読んでて『この作者、絶対、変態だなー』とか、
  たくさんこう。 フフ、わかんない(笑)
  物語だけじゃない、書いてる人の性格とか、
  『この人、絶対、子供の頃 苦労してるよな』とか、
  なんか、読んでて思うんですよ、僕たちこう、読者は。」
石田さん
  「なるほどね。はい。」
岡田くん
  「でも、石田さんの場合、ちょっと出られたりしてるから、なんかこう、
  どういうふうに思っていいのか、わかんないっていうか。」
石田さん
  「あー、だからね、
  誰かに、どう思われたい みたいなことを、完全に捨てないと、小説は難しいんです。
  要するに、自分がどう見られてるか みたいなことを気にしてるようだと、
  小説って、その人の地が出ないんですよ。」
岡田くん
  「はー。」
石田さん
  「要するに、どう見られたいかっていうのは余計なもので、着てる洋服の部分なんで。」
岡田くん
  「あー、本質的じゃない。」
石田さん
  「やっぱり、いい作家は、裸にならなきゃいけないので、
  どう見られるか みたいなことを、気にしてる ゆとりもないです。」
岡田くん
  「ゆとりもない。」
石田さん
  「はい。」
岡田くん
  「“作家は裸”って面白いですね。」
石田さん
  「うん。 だって、地の強さ以外ないんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
石田さん
  「で、人間て、不思議なことなんですけど、
  自分が得意なものではなくて、自分が苦手で弱点としているところだけで、
  よく見られたいんですよね。
  モテない人は、モテるっていう。 お金がない人は、お金があるっていう。
  なので、そういうところは、もう一切 捨てた方がいいと思います。
  誰かに、どう思われても、関係ないもんね。」
岡田くん
  「うーん。
  じゃあ、どういうふうに作られたりしますか?」
石田さん
  「小説ですか?」
岡田くん
  「 小説は、
  これは、狙って書く人もいるじゃないですか。
  これは、ウケるように、こういうふうに書いた方がいいとか。」
石田さん
  「あのね、小説って、狙って書くのは、無理なもんなんですよ。」
岡田くん
  「へぇー。」
石田さん
  「どんなに頭のいい人が、ある程度その、なんていうんでしょうねえ、
  レベルを落として、これが大衆のレベルだって言って 書いたものっていうのは、
  絶対にコケるんです。」
岡田くん
  「うーん。」
石田さん
  「狙って書いた部分に関しては、みんな、
  この人が正直かどうか、信頼できるかどうかっていうところは、
  どういう、知的レベルの人でも、受け取る力があるんですよね。」
岡田くん
  「うーん。」
石田さん
  「なので、はっきり言って、どの作家も、いっぱいいっぱいで書いてると思います。」
岡田くん
  「なんか、好きな作家さんとか、いらっしゃるんですか? 尊敬するとか。」
石田さん
  「いや、たくさんいますけど、作家は同業者なので、尊敬なんかしないですよ。
  それは、僕は、小学校の頃から、たくさん読んでますけど、
  3冊ぐらい読めば、この作家は、こういうかんじのこうだな、
  これだったらパクれるな、ぐらいのかんじで やめて、他の作家を読んでいたので、
  それはもう、子供の頃からのクセですから。」
岡田くん
  「じゃ、全然、作家じゃなくて、尊敬する人とかって誰ですか? います?」
石田さん
  「いないね。
  だってさ、そんなに立派なことばかっり、してるはずないもん。」
岡田くん
  「ほんとですか。」
石田さん
  「みんな、簡単に人を尊敬しすぎるよ。」
岡田くん
  「アハハハ!」
石田さん
  「マザーテレサみたなの見て、ガンジーとか見て、それは、立派かもしれないけど、
  ガンジーだって、エッチはしてるはずだし。」
岡田くん
  「(笑)わっかんないですよ。 してないかもしれない。」
石田さん
  「マザーテレサだって、ものすごい寄付を集めるために、
  いろいろ政治的なことを やってますから。
  どんな人も、そうなんです。」
岡田くん
  「そうですね。 一面だけ見ると、そうかもしんないですよね。」
石田さん  
  「そう。 だから僕は、若い子がよく “リスペクトする” とかね言うけど、
  そんなに簡単に、リスペクトしちゃダメだよね、人間のことを。
  もっともっと、見る目を持たないと。」
岡田くん
  「てか、知らないと いけないっていうことですね。」
石田さん
  「そう。 だから、いいことをして悪いことをする、その両方 見た上で、
  その人が、好きだな嫌いだなっていうのは いいけど。」
岡田くん
  「それは、でも、小説書くときにも、当てはまりますよね。」
石田さん
  「当てはまります。」
岡田くん
  「そういう感情っていうのは。 両方からこう、来るというのは。」
石田さん
  「どっか、作らないと いけませんね。」
岡田くん
  「なんか、えっと、小説書くのって、視点が必要じゃないですか。
  こっちからの目線、あっちからの目線。
  じゃあ、こういう人が読んだら、こう見えるかもしんないとか、
  その視点の区別っていうのは、どうやってやってるんですか。」
石田さん
  「うーんとね、その視点の区別に関しては、
  実は僕は、あんまり考えない方なんですよね。」
岡田くん
  「うーん。」
石田さん
  「作品の中。 その主人公の、人物の流れみたいなので書いてしまうので、
  思わぬ人から、思わぬ視点で見られたら『へー!そうだったんだ』
  と思ったりすることは ありますね。」
岡田くん
  「うーん・・・」
石田さん
  「だから例えば、ベッドシーンなんかを書いていて『こういうのが好きなんですね』
  とかって言われると、いや、好きではないけど、まあ楽しいから、
  そういうね、ハードなセックスシーンに なるんだけどな、
  みたいなかんじでは ありますね。」
岡田くん
  「その時の状況によって、変わるっていうことですね。」
石田さん
  「作品の中で、必要とされているポジションになるというかね。」
岡田くん
   「うーん。」


(曲)
MACY GRAY FEAT.ERYKAH BADU 『SWEET BABY』
The Id





岡田くん
  「まあ、今回 “書き続けられる原動力”っていうことなんですけど。」
石田さん
  「はい。」
岡田くん
  「たぶん、モチベーション 維持することだと思うんですよ。」
石田さん
  「はいはい、はいはい。」
岡田くん
  「もう、何年 書かれてるんでしたっけ?」
石田さん
  「でも、僕はまだ 10年ですよ。」
岡田くん
  「いや、でも10年、区切りじゃないですか。 よく言われるのは、10年で・・・」
石田さん
  「そうなんだけど、でも、小説の場合は、やたら難しいんですよね。
  例えば、調整卓ありますよね。 ラジオの。」
岡田くん
  「はいはい。」
石田さん
  「メーターが、もう びっちりある。」
岡田くん
  「はい。」
石田さん
  「で、書いて行くと、
  書けば書くほど、チャンネルが増えて、メータが増えて行くんですよ。」
岡田くん
  「小説は。」
石田さん
  「はい。
  なので、10年ぐらい経って ようやく、
  あー、自分の調整卓は、これぐらいのかんじなんだなって見えて来るぐらいなんで、
  やっぱり、20年30年とかかるんでね。」
岡田くん
  「うーん。」
石田さん
  「どの作家も、晩年に いいんですよね。 世界中。」
岡田くん
  「そうですよね。
  ま、書く作業は、尽きないっていうことですかね。
  何をモチベーションに、持っているんですか?」
石田さん
  「一つは、やっぱり、書いて行くうちに、自分が広がって行くかんじがあるんですよね。
  自分のわからなかった自分が見えるし、世界も広がって行く。
  しかも、あの、バカみたいなんですけど、毎回 笑ったり泣いたり感動したりするんですよ。
  それをこう、飽きずに繰り返せるので。」
岡田くん
  「まだ、やっぱ、ご自分で、読んで、泣いたり笑ったりとか出来ますか?」
石田さん
  「いやいや! もう、頭 痛くなりますよ。
  長編のピークの、悲しいシーンなんかは、3日ぐらいずっと泣いてるんで、
  頭がもう、クタクタになります。」
岡田くん
  「はあー!
  そこまでの感受性なんですよね。やっぱり。」
石田さん
  「でもねぇ、バカみたいだと思いますけどね。」
岡田くん
  「なんで? なんでそんな、バカみたいだと思うんですか?」
石田さん
  「いや、大泣きしながら書いてるところに、うちの子供がバーッて入って来るんですよ。
  『あれ父、何で泣いてんの?』って言うわけですよ。」
岡田くん
  「うん。」
石田さん
  「で、また、悲しいシーンだってわかると、
  『ほんとにね・・・』とか言われますよ、10歳の子に(笑)」
岡田くん
  「(笑)へぇー。
  なんかぁ、すごいなあ、でも。
  ずーっと、モチベーション切れたことないですか?」
石田さん
  「いやいや、切れることはありますけど、それはまた、復活しますから。
  それにやっぱり、本が好きなんですよね。 小説 楽しいので。 うん。」
岡田くん
  「好きっていうのがね、一番強い。」
石田さん
  「だって、楽しいもん。 他に得意なこと ないじゃない。
  作家なんてさあ、大体あの、ろくでなしばっかりなので。 書いてなければ。
  だからねえ、せめて仕事ぐらい一生懸命やろうかなってかんじなんですよ。」
岡田くん
  「本 以外で、影響受けたことってありますか?」
石田さん
  「本ですか? 音楽は すごくありますね。」
岡田くん
  「音楽。 例えば。」
石田さん
  「それはもう、あらゆるもの。
  だって、僕 若い頃、ブルース・スプリングステイーンとかはもう、
  持ち歌、何十曲もありましたからね。」
岡田くん
  「フフ(笑) 持ち歌で。」
石田さん
  「はい。 『明日なき暴走』とか、AB面全部、空で歌えますし。」
岡田くん
  「ほーぉ。」
石田さん
  「はい。」
岡田くん
  「音楽は、やっぱ多いですか?」
石田さん 
  「音楽、結構多いですね。」
岡田くん
  「でも、作家さん、多いですよね。
  シーンとかでも、音楽決めて、書いたりしますか?」
石田さん
  「うん、する。 ロックもそうだし、クラシックもジャズも、全部。」
岡田くん
  「そうなんですよね。 小説家の人って、音楽 詳しいんですよね。」
石田さん
  「ていうかね、小説家って、やたら机に向かってる時間が長いんで、
  その間、DVDで映画を観たりは、書けないんですよ。
  でも、音楽は、かけっぱなしでOKなの。 邪魔にならないんで。
  そうこうしてるうちに、1日4,5枚聴けば、
  気がつけば、5000枚あるみたいなことになるんですよ。」
岡田くん
  「うーん。 だから詳しいのかー。
  みんな、詳しいんですよね。」
石田さん
  「あとはねえ。 なんかねえ、作家って、あの、バカなので、
  なんでも知ろうと思っちゃうんです。
  この世界のことを知り切ることは出来ないのに、
  音楽も勉強して、なんか、ファッションなんかもちょっとやって、お芝居も映画も見て、
  で、なんでも使えると思ってるんで。
  ただ、あんまり、なんだろうな、物知り自慢みたいなフレーズって、よくあるんだけど、
  そういうのは、面白いとは思わないですけどね。」
岡田くん
  「うーん。
  作家とは、こういう生き物だっていうのって、ありますか?」
石田さん
  「あの よく、サメとかマグロみたいな回遊魚だって言いますよね。
  泳ぎ続けていないと・・・」
岡田くん
  「止まると、死んじゃう。」
石田さん
  「死んじゃうという。
  作家も、それは ありますね。
  書き続けていないと、その瞬間、もう、これから書かないと言った段階で、
  作家じゃなくなっちゃうので、ずっと書き続けるっていう、
  寝てる間も書くっていうかんじじゃないと、なかなか、
  仕事としては、上手く行かないんじゃないかな。」
岡田くん
  「大変ですよね。」
石田さん
  「でも、そんなことないですよ。」
岡田くん
  「いやいや! だって、生み出すことって、大変ですよ。」
石田さん
  「でも、だって例えば、たこ焼き 焼くのが得意な人が、たこ焼き 焼きますよね。
  それを30年やった。
  でも、『たこ焼き屋さんて、ほんとに大変だよね』って、言わないじゃないですか。
  小説家だって、たこ焼きと変わんないですよ。」
岡田くん
  「うーん・・・」
石田さん
  「と、ほんとに思います。 というより、
  たこ焼き 焼くぐらい簡単に、小説 書きたいよね。
  あの、クルクル、クルクルって回して(笑)」
岡田くん
  「どのぐらいのペースで書けるんですか?
  だって、明日まで2本あるっつったら。」
石田さん
  「うん、だから、それは例えば、今日中に、40枚とか50枚あって、
  明日のお昼、午後一 ぐらいまでに、30枚から40枚の短編が一本あるみたいな。
  そうすると、24時間で、7,80枚書くっていうかんじになりますね。」
岡田くん
  「大丈夫なのかなあ・・・」
石田さん
  「いや。」
岡田くん
  「なんか、削ってるかんじ しないですか? 自分の・・・」
石田さん
  「いや、頭は、ほんとに削れますね。」
岡田くん
  「頭、削って。 それをこう、補修したりするんですか?」
石田さん
  「ですから、徹夜で書いてると、頭が、乾いたスポンジみたいに なるんですよ。
  水分が足んないし、エネルギーが無いので、
  なので、チョコレートを食べて、カフェオレを飲んで、延々と書くんですけど、
  それで、書き上がった、次の日の朝、
  ストレス性の難聴で、左耳が聴こえなくなったりしますよね。
  そういうとき、テレビに行くと、
  こちら側から聞かれると、『なんですか?』って聞かないといけないんですよ。」
岡田くん
  「はあー!
  そこまでして・・・」
石田さん
  「でも、一晩 寝れば、きれいに治って、耳も聴こえるし、肩こりもないので。」
岡田くん
  「やっぱ、どっか おかしいですね。」
石田さん
  「そんなこと、ないですけどね。」
岡田くん
  「(笑)おかしいですよ。
  難聴になっちゃうのは、みんな、僕の知り合いもそうですけど、
  難聴になってまで やるんですよ。」
石田さん
  「うん。」
岡田くん
  「なかなか、ないですよね。」
石田さん
  「でも、ねえ。 だって、いい仕事ですよー。」
岡田くん
  「でも、いま、言うとおかしいですけど、
  売れない時代が 続いてるじゃないですか、出版。 小説も。 本も。」
石田さん
  「はいはいはい。」
岡田くん
  「難しい時代だと。 それについては、どう思いますか?」
石田さん
  「あのね、正直言って、確かに 難しいのは難しいです。
  でも、音楽CDとか、雑誌ありますね。 は、全盛期の頃に比べて、もう、半分近くでしょ。
  でも、小説みたいなものって、意外と強いんです。」
岡田くん
  「うーん。」
石田さん
  「だらだら、ずっと落ちてますけど、せいぜい10数パーセントダウンぐらいで、
  だから、難しく考えないで、こうやって、どんどんどんどん今 物が流れて行きますよね、
  次から次へと、新しい物が出て、
  でも、そういう、なんか表面から、誰かの心に針を、ちょっと刺せばいいんですよね。」
岡田くん
  「うーん。」
石田さん
  「誰かの心に刺さったものっていうのは、必ず覚えてくれるので、
  そのちょっと刺す、一つのフックさえ持っていれば、
  どんな時代でも、あんまり関係ないと思いますね。」
岡田くん
  「うーん。」
石田さん
  「そのフックを、自分なりに、どう作るのかっていうのが、
  作家の、生き延びる力なんですけど。」
岡田くん
  「フックを、どう作るか。」
石田さん
  「そう。 要するに、誰かの心に、どこまで刺さるか。
  その刺さり方も、いろいろで いいんですよ。」
岡田くん
  「じゃ、今後、今年、どんな作品 出版される予定ですか?」
石田さん
  「あー、えーとですね。 実は この春、4冊ぐらい一気に終わったので、
  それが順次、ポツポツと出ます。」
岡田くん
  「(笑)出し過ぎですよ。」
石田さん
  「いや、だからねー。 だって、終わるんだもん。」
岡田くん
  「アハハ(笑) 出し過ぎ。 出し過ぎ。」
石田さん
  「出したくないって言いたいんですけど。」
岡田くん
  「4冊ですか!」
石田さん
  「うん。 たまたま終わったんです。 はい。」
岡田くん
  「平積みになってないとき、ないじゃないですか。 石田衣良さんの。」
石田さん
  「うーん。 だからねえ。 本屋さんに行くの、ほんとに恥ずかしいですね。」
岡田くん
  「なんで。 なんで恥ずかしいんですか?」
石田さん
  「ああ、いやあ、だからこれ、女子高生だったら、
  自分の使用済みパンツが売ってあるようなかんじですよ(笑)」
岡田くん
  「へーえ。 そうなんだ。」
石田さん
  「『また、パンツが売ってる。 今度、柄が違う』(笑)」
岡田くん
  「4冊!」
石田さん
  「でも、それは、1か月とか 2か月 置いて、出て行くので。」
岡田くん
  「たくさん。 いろんなバージョンの。」
石田さん
  「はい。 いろんなバージョンの。」
岡田くん
  「じゃそれ、楽しみに待ってます。」
石田さん
  「ありがとうございます。 はい。」


(曲)
BRUCE SPRINGSTEEN 『HUNGRY HEART』
The River






(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、お話をお伺いさせていただきました。
ねー、石田衣良さんはねえ、たぶんねえ、今日はねえ、
えーとね、2号機ぐらいだったと思うんですよね。
3人ぐらいいると思うんですよ。
たぶん2番目ぐらいの、変態 石田衣良さんバージョンが来て(笑)
わかんないですけど(笑)

なんだろうなあ、うーん・・・
頭いいですよね。 やっぱりな、いろんなこと考えて、
たぶん、マーケティングも、そうだろうし、
ものを生み出して行ってるんだろうなあっていうのは、すごく思うんですよね。
だから、すごいニュートラルなかんじもすれば、なんだろう、
すごい奥の方で、なんか いろいろ考えてるかんじもするし。 うーん。

作家さんは、でも、面白いですよね。
なんだろうなあ、命 削ってるからかなあ。
なんかやっぱり、ちょっと変わってる人が多いから。
なんか、うーん、その、知りたがりい って言ってたのが、そうなのかなぁと思って。
本でも、映画でも、なんでもこう、調べて勉強して、こうやるとか、知識とか、
たくさんのもの調べたり、探したりとか、
自分が、何に興味があるんだとか、こういうもの書いたら ウケるんじゃないかとか、
ずうっと考えてる人達だから。

考えて 出すっていうことって、すごく大事じゃないですか。
頭ん中だけじゃなくて、書きながらこう、ねえ、考えて、それを言葉にして、
どういうふうに文章を打てば、
構築させて、流れを作って、物語を作ってっていうとって、
自分の中から出して行くのって、すごい作業だから。
やっぱ、なんかこう、何個も先に行っちゃうんですよね、たぶん作家さんて。
なんかを書く人ってね。

そうそう、あと言ってたのが “簡単に人を尊敬するな” と。
よく聞かれますからね、尊敬する人物は? みたいな。
『お父さん、お母さんです』とか『織田信長です』とかね。
なんかこう、そういう言葉とかっていうのは、聞かれますけど、
『尊敬すんな!』っていうのはね。
まあ、あ、面白いこと言うな、と思ったし。
まあ、いろんな側面を知れ、っていうね、ていうのも すごくわかりまして。

ま、僕と違ったのは、恋愛相談をね。 石田衣良さんは、する と。
僕も、受けるんですよ。
『お前ら、イチャついてんじゃねーよ!』とか思いながらも、
『あー、大変だねー』って、聞くんですよ、ちゃんと。 聞くけど(笑)
だから、やたら、相談を受けるんですけど、
でも、今度ちょっと、やっぱ親身に、なんだろう、
相談を受けてみようかなぁと、思います。
て、ゆってみたり・・・」


(曲)
JAMIE CULLUM 『EVERLASTING LOVE』
Twentysomething






(石田さんのコメント)

「僕は、なんか、欲望がね、なんか淡くなっちゃうのが嫌なんで、
ぜひ、男子には、どんどん変態になってほしいですね。
女子も、理解ありますからね、いまの変態に。
ほんと、ラジオを通して、
日本中の男の子が変態になってくれると、嬉しいですね。 はい。

ただ、岡田くんが、どういうタイプの変態なのか、ちょっと わかりにくいです。」 


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