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2012/02/19 on air  「オーケストラの指揮者ってどんな仕事なんですか?」 (guest) 山田和樹さん


ムソルグスキー(ストコフスキー編):組曲「展覧会の絵」/他


ムソルグスキー(ストコフスキー編)
組曲「展覧会の絵」/他


山田和樹、日本フィルハーモニー交響楽団




(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週 一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も、みなさんと一緒に、成長したいと思います。

今日のゲストは、オーケストラ指揮者の、山田和樹さん です。
山田さんは、1979年 生まれ。
僕より 一つ年上なので、指揮者としては まだ若いと思うんですけども、
世界を股にかけて活躍をしている方なんです。

東京藝術大学 在学中に、有志と、フィルハーモニー管弦楽団を結成し、
音楽監督に 就任されました。
そして、2009年、若手の登竜門といわれる、
フランスでの、ブザンソン国際指揮者コンクールで 優勝。
さらに、聴衆が 最も良い として選ぶ、聴衆賞も獲得しました。
審査員からも 観客からも 認められた、ということですよね。

そして なんと、2010年 夏には、世界的指揮者の 小澤征爾さんが総監督を務める、
サイトウ・キネン・フェスティバル松本 の、オーケストラコンサートで、
病気療養中の小澤さんに 推薦を受けて、指揮者に抜擢されました。
この時、小澤さんは 山田さんと、まだ面識が無かったそうなんですけども、
ブザンソンのコンクールの演奏を聴いて、指名されたそうです。
まさに、クラシック界の シンデレラストーリー という感じがしますけども。

今年の 9月から、スイスの ロマンド管弦楽団の主席客演指揮者に就任する 山田和樹さんに、
“オーケストラの指揮者ってどんな仕事なんですか?” をテーマに、
お話を お伺いしたいと思います。

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒に お付き合いください」



(曲)
『ROXANNE』STING
シンフォニシティ


岡田くん
  「今日は、あの、一人で来られたんですね」
山田さん
  「はい(笑)一人で参りました」
岡田くん
  「なんか、もっと いっぱいで来られるのかなぁ と・・・」
山田さん
  「いっぱい・・・いっぱい、って その、例えば マネージャー とかですか?」
岡田くん
  「マネージャーとか、なんか こう、取り巻き・・・」
山田さん
  「取り巻き?(笑)」
岡田くん
  「アハハハ(笑)」
山田さん
  「けど 大体、僕に限らず、日本人の指揮者の方って、
  一人で行動される方が、多いと思います」
岡田くん
  「フラ~ っと来て・・・(笑)」
山田さん
  「フラっと 来て、フラ っと 帰って行く(笑)
  オーケストラの リハーサルにも、一人で現れることも。
  もちろん、マネージャーさんが ついて来られる場合も あるでしょうけど、
  やっぱり、マネージャーさんも、お忙しかったりしますから、
  たいてい、本人だけ っていう場合が多いと思います」
岡田くん
  「海外では、どうなんですか?」
山田さん
  「海外も、基本は 一人で、フラっと行って フラっと帰りますけど、
  例えば、本番の日に 来てもらったり、そういうことは ありますね」
岡田くん
  「へぇ~」
山田さん
  「やっぱり、事務局と やり取りして、
  例えば、次の仕事の 段取りとか いろいろ、ま、戦略的なこと っていうんですかねぇ」
岡田くん
  「ほぉ~」
山田さん
  「そういうことは やっぱり、本人には出来ない部分があるので・・・」
岡田くん
  「すごいですよね。 山田さんは いま、32ですか?」
山田さん
  「つい この間、33に なりました」
岡田くん
  「33」
山田さん
  「はい」
岡田くん
  「33で・・・今年の 9月から、スイス・ロマンド管弦楽団の 主席客演指揮者」
山田さん
  「はい」
岡田くん
  「これ、主席客演指揮者 って、どういうことですか?(笑)シュセキ・・・」
山田さん
  「(笑)舌、噛みそうな感じですよね」
岡田くん
  「シュ、シュセ・・・」
山田さん
  「英語で言うと 、プリンシパル・ゲスト・コンダクター、って なるんですけど、
  いわゆる 客演指揮者、つまり、ゲスト・コンダクターなので、
  普通に、ゲストとして呼ばれる指揮者の中では、一番 回数が多い っていう」
岡田くん
  「ほぉ~」
山田さん
  「一番 よく、ゲストとして呼ばれる指揮者 という 言い方になると思うんですけれど、  
  僕の場合は 年間に 5回、ご一緒する ということですね」
岡田くん
  「へぇ~、5回」
山田さん
  「5回、ですね」
岡田くん
  「5回 つっても、プログラム っていうのは、どういう あれなんですか?」
山田さん
  「5回だから、プログラムを 5つです。
  一つの演奏会が 大体 2時間なので、2時間で。
  クラシックの演奏会の場合、最初に 小品・・・序曲があって、
  それで、ソリストを招いて 協奏曲・・・コンチェルト っていうものですね」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「そういうのをやって、休憩を入れて、
  後半に、1時間弱ぐらいの シンフォニー という、一番、メイン的なものを やって、
  それで、一つの プログラムをやるんですけど、
  それを 5つ用意する、ってことですね、年間に」
岡田くん
  「これは、元々、どういう経緯で・・・スイスに」
山田さん
  「別に、スイスで 僕は、仕事したこと、それまで無くてですね」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「で、急に・・・あれは、2010年の6月10日が 本番だったんですけれど、
  最初に、スイスで やったのは。
  で、急な代役だったんですよね」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「僕は その前、ロシアに たまたま行ってまして、
  6月1日に、ファックスが ホテルに届いて、
  代役、やりませんか? と。
  10日間ぐらいですね。
  1日に ファックスが届いて、7日ぐらいから もう、リハーサルが始まりますから。
  で、ギリギリ・・・指揮者、誰かいないか、という状況ですよね、
  もう、10日、迫ってますから」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「それで、スイス・ロマンド管弦楽団 って、やっぱり、この業界だと、
  すごく有名で、すごく伝統のある オーケストラでして、
  僕も、すごい憧れていて、ぜひ やりたいな と思って。
  で、なんとか 準備期間はね、もちろん、ほとんど短いですけれど、やってみようと思って、
  で、行って、リハーサルをして、6月10日の本番をして、
  その時に すごく、お互いに、なんていうんですか、
  一目惚れ、という感じかなぁ・・・なんか、すごく いいものができて」
岡田くん
  「うん」
山田さん
  「すごく いい演奏会で、
  僕も、指揮台に立って 指揮をするわけですけど、
  自分の体重が 無くなる感じですかね。 こう、音に包まれて・・・
  そんな体験って、なかなか、普通ないんですけれど、そういうことを」
岡田くん
  「ピタッ! と来たわけですね」
山田さん
  「ピタッと来た。そう。
  ほんとに マッチして、すごく感激的で。  
  で、たまたま その時に、次の音楽監督、次の任せる指揮者、
  それ、主席客演指揮者とは 関係ないんですけれど・・・を探してる時期だったんですね」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「で、一回しか、演奏会 やってないんですけれど、
  もちろん、経験も無いんですけれど、
  音楽監督をやってくれないか、っていう お話を その後に いただいて」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「その演奏会の直後だったんですけれど、
  ですけど、自分としては やっぱり、経験も無いですし・・・
  スイス・ロマンド楽団は、ジュネーブが本拠地なんですけど、フランス語圏なんですね。
  で、フランス語も そんなに、僕、喋れるわけじゃありませんし、いろんなことから、
  まだ お受けするわけには いきません と言って、お断りする形に したんですけれど、
  それでも、って言って、主席客演指揮者 っていうポストを 特別に作って下さったんです」
岡田くん
  「へぇ~」
山田さん
  「いままで、スイス・ロマンド管弦楽団には 無かったんです」
岡田くん
  「それだけ、欲しかった っていうことですよね」
山田さん
  「ほんとに、ありがたい お話なんですけれど、身に余る というか」
岡田くん
  「なんか やっぱ、そんだけ、合った っていうのが・・・」
山田さん
  「そうですね、あれは ほんとに、なんか・・・すごく嬉しい というか、
  幸せな 本番でした」


(曲)
『ISN'T LIFE STRANGE』MOODY BLUES
セヴンス・ソジャーン+4


岡田くん
  「そもそも、指揮者 って・・・」
山田さん
  「はい」
岡田くん
  「いつ、目指されたんですか?」
山田さん
  「目指したのは、結構 僕は、ギリギリというか 遅かったんですけれど、
  ずっと、憧れては いたんですね。  
  例えば、小学生ぐらいの時から、
  指揮者 って カッコいいな とか、やってみたいな とか・・・」
岡田くん
  「元々は、楽器は 何をされていたんですか?」
山田さん
  「ピアノ ですね」
岡田くん
  「あ、ピアノをされてて」
山田さん
  「ピアノを 5歳ぐらいから やっていて、それで、たまたま 合唱団に入ってたりして。
  児童合唱団で。 中学生ぐらいに、声変わりで」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「声が変わって、ちょっと こう、歌で戦力に ならないところに、
  じゃ ちょっと、指揮してみないか とかって、先生が言って下さって、
  で、中学生で指揮を・・・合唱の指揮をして。
  高校に入って、高校は 普通高校なんですけれど。
  で、吹奏楽部、ブラスバンドで、これも学生指揮者をやっていて。
  だけども、音楽家になろう とか、指揮者を目指そうと思ってたわけではなくて」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「で、ず~っと こう、進路 どうしようかなぁ って 悩んでたんですけど、
  高校2年の終わりですよね。 だから、ほんとの ギリギリなんですけど」
岡田くん
  「ギリギリ ですよね。 進路、決めなきゃいけない・・・」
山田さん
  「そう(笑)
  もう、文系か理系かの選択は 済んでる頃ですから」
岡田くん
  「(笑)」
山田さん
  「それで、高校2年の終わりに、たまたま、オーケストラを指揮する機会があって」
岡田くん
  「はい・・・たまたま ですか(笑)」
山田さん
  「たまたま なんです(笑)
  それも、その時の合唱の先生が 用意して下さったんですけれど」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「その時の体験、ていうのが やっぱり、
  僕の人生を変えることに なったんだと思うんですけれど・・・
  だから、決めたのは、高校2年の終わりですね。  
  だから、大学 入るまで 1年ぐらいしか、準備 なかったですけれど」
岡田くん
  「へぇ・・・その時は、何を演奏されたんですか?」
山田さん
  「ちゃんとした オーケストラの曲を演奏する、っていう感じでは なかったんですね。
  ずっと 僕が、音感教育法を受けていたことがありまして、
  そこの団体で、全国に、その教育法をやっている幼稚園がありまして、
  それが 年に 一回 集まって、演奏するんですけど」
岡田くん
  「おんかん教育法 っていうのは、なんですか?」
山田さん
  「音感教育法 っていうのはですね(笑)僕の場合・・・」
岡田くん
  「音の・・・」
山田さん
  「 “音を感ずる” と書きます。 “音の感じ” っていうのかな」
岡田くん
  「あっ、音感・・・」
山田さん
  「音を感ずる」
岡田くん
  「感ずる・・・」
山田さん
  「うんうん。 音感ですね。
  いわゆる、絶対音感とか 相対音感 って、お聞きになったことは ありますか?」
岡田くん
  「はいはい」
山田さん
  「そういう “音感” ですね」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「音感教育法ですから、その教育法で 音感が身につく という」
岡田くん
  「はいはい。 ドミソ~、シレファ~、とかっていうのを押して、
  ドミソだ~、って言うやつですか?」
山田さん
  「そうです」
岡田くん
  「あ、そうですか(笑)」
山田さん
  「(笑)まさしく。 まさしく、そういうことです。  
  で、その教育法をやってる幼稚園があって、その発表会が年に 一回あって、
  その伴奏が、オーケストラなんですね」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「だから、曲目としては 童謡であったりとか、 
  そういうものを オーケストラの伴奏で、ずっと やるんですけれど、
  ほんとの指揮者の方は、いらっしゃるんですけれど、
  最後の カーテンコールの時に、出てかなきゃいけないわけですから、最後の曲を、
  『蛍の光』とか、そういうものだったと思いますけれど」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「それをさせていただいて。
  けど それ、『蛍の光』か、と思うんですけどね、
  その時の体験 というのが、僕の人生を変えましたね」
岡田くん
  「すごいですね・・・その後、大学に進んで」
山田さん
  「はい」
岡田くん
  「大学は、音大ですか?」
山田さん
  「そうですね、はい。 東京藝術大学 というんですけれども」
岡田くん
  「お~・・・そん時に こう、タクトを振る。
  タクトを振る って、言うじゃないですか」
山田さん
  「はい、そうですね」
岡田くん
  「正しい 言い方 って、あるんですかね。 音楽家とか 指揮者ん中で」
山田さん
  「・・・指揮をする」
岡田くん
  「指揮をすること」
山田さん
  「棒を振る、とかも 言いますね。 指揮をすることの・・・
  タクトを振る・・・」
岡田くん
  「その、棒を振る って、なんですか?」
山田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「ちょっと(笑)抽象的で、すみません」
山田さん
  「はい。 わかります、わかります(笑)
  僕も、すごく・・・未だに、指揮 って すごい、謎なことが多くって、  
  自分でも、よくわかってない部分って多いんですけれど、
  一般的に、ごく単純に言うと、
  棒を振ってる ということは、拍を示してる、ってことですね」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「拍を示す、ってことは、
  テンポを示す、ってことだと思うんですね」
岡田くん
  「左手ですよね? でも、それは」
山田さん
  「棒を持ってるのは、右手ですね」
岡田くん
  「指揮 って、左で、拍 っていうか 拍子で、
  右で感情、じゃなかったでしたっけ?」
山田さん
  「あ~、おっしゃったこと・・・」
岡田くん
  「基本・・・」
山田さん
  「基本、逆ですね、それはね」
岡田くん
  「逆でしたっけ」
山田さん
  「アハハ(笑)すいません。 右が 拍で、左が表情だ、とか言いますね」
岡田くん
  「あぁ、そっか・・・」
山田さん
  「たまたま、左利きの方の場合は、
  左で指揮棒を持って 拍で、右手で表情、っていう場合は あると思いますけれど、
  基本は、右手に棒を持つんですけれど」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「で、テンポを示して、要するに、曲の始まる時に 必要とされるのが 指揮者」
岡田くん
  「途中、いらない、ってことですか?」
山田さん
  「(笑)あの・・・オーケストラの性能というか、オーケストラが、  
  上手い オーケストラに なればなるほど、
  拍を示す必要 っていうのは、無くなってくるんですね」
岡田くん
  「うーん・・・って言いますよね。
  なんか もう、上手く ピッチリ合ってると、もう、
  拳 握って、前に突き出してるだけで・・・」
山田さん
  「うん、大丈夫です」
岡田くん
  「こう・・・うわっ~! って、一つに なれる って」
山田さん
  「(笑)大丈夫です」
岡田くん
  「そんなもん、動き いらないんだ、つって、
  拳、うわっ~ つって 前に出してると、
  みんなが集中して いい音が出るんだ、って・・・」
山田さん
  「そうです。 もう、いるだけで いいですね」
岡田くん
  「あ~・・・」
山田さん
  「いいオケに、なれば なるほど」
岡田くん
  「いいオケに、なれば なるほど・・・
  これ、どういう感じで見てるんですか? 
  例えば、なんか こう・・・なんだろうな。
  うちの家族、ピアノ家系なんですね」
山田さん
  「あぁ・・・」
岡田くん
  「で、うちの お姉ちゃんとか・・・姉ちゃんとかは、
  自分に合う ピアノ、合わない ピアノとかで、こう、違うとこで弾いたりとか、
  コンクール とかで弾いたりとかしたら、
  空間だったり、その・・・ピアノを 上手く、自分と 一つになれるかどうか、っていうのが、
  相性があるから 難しかったりするんだよね、みたいなことを言っていて」
山田さん
  「はい」
岡田くん
  「その場所だったり、その ピアノ自身だったりとか、
  なんか、そういう レベルまで来ちゃうと・・・
  いろんなとこで、指揮をされるわけじゃないですか」
山田さん  
  「はい」
岡田くん
  「合う 合わない、っていうの 出て来ちゃいますよね?」
山田さん
  「(笑)もう、合う 合わない っていうのは、すごく ストレートに あると思いますよ」
岡田くん
  「あの・・・そういう時、どうするんですか?」
山田さん  
  「(笑)」
岡田くん
  「どうする っていうか、オーケストラの人 って、すごい面白いな って思うのは、
  全部の音、聞き分けられるわけじゃないですか、大体」
山田さん  
  「うーん、どうなんでしょうね。
  すごく 耳の良い方・・・」
岡田くん 
  「はい」
山田さん
  「すごく耳の良い方は、全部の楽器を聞き分けることが出来ると思うんですけれど、
  僕なんかの場合、そこまで すごく、
  耳の才能が 物凄い、っていうことではなくって、
  音を 一つに、なろうと させてるところが あるんですよね」
岡田くん
  「あ~・・・」
山田さん  
  「いろんな楽器があって、
  いろんな タイミングの違う楽器があって、いろんな 違う音を出してる楽器があって、
  だけども、サウンドとしては、いま出してる音が 一つになるように、
  一つの音として 聞こえるように」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「一つの 響きに なるように」
岡田くん
  「ちゃんと まとめる、っていうことですか?
  まとめる、っていう言葉では ないですよね、きっと」
山田さん
  「うーん。 まとめるとか・・・ハーモニー、っていうんですかね。
  ハーモニー が・・・こう、一つになる」
岡田くん
  「うん」
山田さん
  「うーん(笑)・・・ことが あるんですよ、上手く いくと」
岡田くん
  「上手く いくとですね」
山田さん
  「はい」

(曲)
『永遠のSHANGRI LA』杉真理
SYMPHONY #10(紙ジャケット仕様)


岡田くん
  「練習中とか・・・
  ちょっと チェロ、速ぇよ~、とかっていうことは、あるわけじゃないですか」
山田さん
  「あ、それは、あります あります」
岡田くん
  「いろいろ聴き分けて・・・
  合わねぇな、なんだよなんだ あの チェロ! とかって思って(笑)」
山田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「あるわけですよね」
山田さん
  「ありますよ、ありますよ」
岡田くん
  「コントラバスは、ちょっとなぁ~ とか」
山田さん
  「ちょっとねぇ~ って、ありますよ。
  だから、それは どんどん・・・」
岡田くん
  「どうやって、直して行くんですか?」
山田さん
  「リハーサルで・・・」
岡田くん
  「はい!はい!はい!はい~! つって。 ストッ~プ! つって・・・」
山田さん
  「そうですね。 ストップして」
岡田くん
  「厳しい タイプですか? それとも、なんか・・・」
山田さん
  「僕は、厳しくはないと思いますよ。  
  けど、厳しくはないんだけれど、結局 その、
  自分の中の線引きは、あるんだと思いますね。
  ここまでは譲れない、とか(笑)」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「ここは絶対、みたいなことが あって、
  ここを押さえておけば 他は自由でいいや、ってこともあるでしょうし。
  けど、指揮者の方によっては、全部、自分の思い通りにすることによって、
  良い演奏に導く指揮者の方も いますし」
岡田くん
  「そうですね、いろんな やり方が・・・」
山田さん
  「そう。 全部、オーケストラに任せてしまう タイプの方も いるでしょうし」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「だから やっぱり、指摘して・・・
  チェロは、例えば・・・(笑)チェロ、チェロ って言ってますけど」
岡田くん
  「(笑)」
山田さん
  「チェロが遅かったりしたら、チェロの方 もっと早く、とか、
  ストレートでいいと思いますけどね」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「そういうのが随所にあるわけですよね」
岡田くん
  「そうですね」
山田さん
  「それが、さっき言った、上手い オケに なればなるほど、
  オーケストラに なればなるほど、そういう、
  例えば、チェロが遅れたりだとか、音程が違ったりである ってことが、
  すごい 少なく なってくるわけですね。
  そうすると、もっと こう、なんか、奥に進める というか」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「ことがあると思いますね」
岡田くん
  「どっちを大事にされるんですか? 低音、高音・・・」
山田さん
  「全部、大事です」
岡田くん
  「全部、大事か・・・」
山田さん
  「オーケストラの要素は 全部です」
岡田くん
  「どこの バランスとるんですか?」
山田さん
  「作曲家によって、変わってきますよね」
岡田くん
  「あー、そっか~・・・そうですよね」
山田さん
  「作曲家によって、変わってきますし、例えば ベートーベンでも、
  20代の頃に書いた、最初の シンフォニー と、
  60代で書いた、例えば『第9』
  50~60代で書いた、後半の シンフォニーは、
  やっぱり違いますし、響きが」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「求める響きも、変わりますし。
  曲によって変わってくる、っていうことは あると思います」
岡田くん
  「うーん。 自分だから こうなる、っていうのって、説明できたりしますか?」
山田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「(笑)」
山田さん
  「説明は難しいんですけど・・・ただ、
  この音は ひょっとしたら、僕だけにしか出ない音かな? っていうのが・・・」
岡田くん
  「聴きたいですね」
山田さん
  「うん」
岡田くん
  「一緒に聴いて、これ オレ・・・(笑)」
山田さん
  「(笑)言えるかなぁ・・・」
岡田くん
  「あるじゃないですか。 ピアノとか、音楽系の人とかって・・・
  うちの家族で悪いんですけど、うちの姉ちゃん 上手いんですよ」
山田さん
  「ほぉ~ 素晴らしい」
岡田くん
  「プロで やってたりも するんですけど・・・」
山田さん
  「はい」
岡田くん
  「あの(笑)自分の身内だから ちょっと、あれなんですけど、
  音の流れが すごい上手い人だと、僕は思っていて、ピアノで・・・
  この音がこだわってるとか、その音に入るための流れとか、
  その音から 次の音に繋がるための、こう、流れとかって、
  上に行けば行くほど、あるじゃないですか」
山田さん
  「ありますね」
岡田くん
  「だから もう、一緒に聴いて、この音 こだわってるの わかる? って、
  聴いたら・・・(笑)」
山田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「相当、面白いと思うんですけど、それがなかなか出来ないですからねえ」
山田さん
  「そうですね・・・」
岡田くん
  「そしたら今度、プログラムとかに書いといてもらえますか?(笑)」
山田さん
  「(笑)この音が、って・・・この音」
岡田くん
  「ここ! つって。 第9章の、ここ! つって。
  ここの音、スッゲエ いい音、鳴らしますから とかって・・・(笑)」
山田さん
  「(笑)けどね、これは 本番になるまで わかんないんです。 予告が出来ない」
岡田くん
  「その時の、流れによって ですよね」
山田さん
  「うん。 リハーサルは 上手くいってるんだけど、
  そのところが、本番では上手くいかない場合もありますし、
  逆に、リハーサルでは 一回も上手くいかないところが、本番で ピタッ てことも ありますし」
岡田くん
  「この旋律とか、これは もう 神のような旋律だ、って思うものって ありますか?」
山田さん
  「うん。 昔の ドイツの指揮者で、フルトヴェングラー っていう指揮者がいるんですけど、
  カラヤンの前に、ベルリンフィルの音楽監督をされてた人なんですけれど、
  彼なんかは、神懸かり的ですね。
  いまだに、どんな録音 聴いても・・・」
岡田くん
  「どういうとこが、神懸かり的ですか?」
山田さん
  「空気感、っていうんですかね。
  CD をかけますでしょう?」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「それだけで、異様な空気感が伝わってくる というか」
岡田くん
  「ちょっと、教えてもらって・・・も一回 教えてもらって いいですか?」
山田さん
  「(笑)フルトヴェングラー と言います」
岡田くん
  「フルトヴェングラー ・・・」
山田さん
  「うん」
岡田くん
  「知らないなぁ、フルトヴェングラー ・・・」
山田さん
  「これは結構、指揮者・・・指揮 自体は、すごく わかりにくい人なので、
  日本語では “振ると 面食らう” とか言うんですけどね」
岡田くん
  「あぁ・・・面食らう(笑)」
山田さん
  「フルト面食らう・・・ “フルトヴェングラー 、振ると 面食らう” って言うんですけどね」
岡田くん
  「へぇ・・・」
山田さん
  「そういう・・・その方の演奏は、CD いっぱい、いま出てますけども、
  その どれを取ってもね、なんか こう、
  もちろん 録音状態はね、今みたいな技術じゃないので、  
  1950年代とかなので、遅くても」
岡田くん
  「空気が違うんですか?」
山田さん
  「空気が違います。
  だから、僕が最初に買った CDも、フルトヴェングラーの『運命』
  ベートーベンの 『運命』 だったんですけれど」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「1947年の録音で、47年 ってことは、戦争が終わって・・・」
岡田くん  
  「もう、あれですよね」
山田さん
  「もう、間もなくですよね。 2年して」
岡田くん
  「ちゃんと録れてるんですか? 音は・・・」
山田さん
  「音は、録れてます。 いまみたいに 高技術じゃないですけど。
  そうすると、ベルリンは まだ、廃墟同然でしたから」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「そうすると、お客さんは満席に なるんですけれど、
  切符を買うために、靴を売ったりとか、靴下を売ったりして、
  その お金で チケットを手に入れて、集まってくるわけですね」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「それと、フルトヴェングラー は ナチスとの関係で、
  しばらく 演奏活動が禁止に なっていて、
  それが解かれた、最初の演奏会 っていう録音なんですね、それが」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「それは ほんとに、こう、ずーっと最初から最後まで、なんか こう」
岡田くん  
  「思い、と」
山田さん  
  「思い と、なんか こう、そういうのが 音として、というかね、
  音だけじゃないんですね、ああいうのは。 空気感として。
  会場の 空気感」
岡田くん
  「うーん・・・」


(曲)
『運命』ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第6番「田園」


岡田くん
  「演奏中、指揮 やられてる時に、大変だった時 って、あるんですか?」
山田さん
  「あー・・・本番中ですか?」
岡田くん
  「本番中 とか」
山田さん
  「コンサート で」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「ありますよね(笑)」
岡田くん
  「どういうことが起こるんですか?」
山田さん
  「え~っとね、予期しないことが起きる時。 不測の事態が発生する時 って、あるんです」
岡田くん
  「どういう不測が 起きるんですか?」
山田さん
  「リハーサルまでは 何にも 問題なかったのに、例えば、
  単純な例で言うと、落っこちる、って 言うんですけれど、そこで、楽譜に書いてある音が、
  鳴らなきゃいけない音が鳴らない場合、っていうのが出てきちゃうんです」
岡田くん
  「あー・・・」
山田さん
  「カウント、皆さん してるんだけど、その カウントが どっかで、
  何の拍子にか ズレちゃって、上手くいかなくなっちゃう場合」
岡田くん
  「はい。 間違えちゃったとか・・・」
山田さん
  「間違えた、ってことですね。 出なきゃいけない場所で、出なかった。
  その 一小節後に、弾き出しちゃった とか、一小節 先に出ちゃった とか」
岡田くん
  「うん」
山田さん
  「それは いわゆる、事故 っぽいことなんですけれど、
  そんときに こう、パパッと、こっちは 修正作業に すぐ移らなきゃいけないわけですね」
岡田くん
  「どうするんですか? その時、その流れを変えてしまったら、
  後半の流れまで変わってしまうみたいなことも、下手したら あるかもしれない」
山田さん
  「うん、ありますでしょうね」
岡田くん
  「こうなっちゃたら、流れ、気持ち悪いな とかって、
  弾きながら 思ったりもする場合も、あるわけですよね」
山田さん
  「うん、そうなんですけど・・・緊急事態ですから、そういう時は(笑)
  もう、一刻も早く、この事態を普通に戻そう っていう作業になるわけですよ、普通は」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「後のことは、後で考える。 とりあえず、この場を どうするかですよね」
岡田くん
  「どう戻すか、っていう・・・
  チェロ ばっかり出しますけど」
山田さん
  「(笑)チェロ ばっかり」
岡田くん
  「チェロ、この野郎~! とかって 怒って・・・(笑)」
山田さん
  「いや、この野郎 じゃなく(笑)けどね、人間なんです」
岡田くん
  「まぁ、間違えることは たくさん ありますよね」
山田さん
  「人間集団ですから、絶対に、そういうこと あるんですよ」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「絶対に そういうこと あるので。
  それを直せるのも、人間しか いないわけですから、なるべく その、
  一番 いいのは、何かがこう、予感があるんですよ。
  おかしくなる前兆、っていうのが あるんで、
  おかしい事故が起きる前に、修正できるのが 一番いいですよね。
  要するに、事故が起きなかった、に なるわけですから」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「それを察知できるか っていうのも、大事なんです」
岡田くん
  「そんなこと、出来るんですか?」
山田さん
  「なんとなくね、怪しい雰囲気 って 漂うんですよ」
岡田くん
  「それは、演奏前からの雰囲気だったり・・・」
山田さん
  「いやいや、もう その箇所ですから、1秒前とか、0.5秒前とか、0.3秒前とか、
  そういう世界ですけど」
岡田くん
  「あー、なんか そこまで行くと、そういうのが わかるんですね。 なんか・・・」
山田さん
  「何かが ある」
岡田くん
  「武士 みたいですね」
山田さん
  「(笑)そうかもしれない」
岡田くん
  「斬られる前に、なんかこう、
  後ろから斬られる前、わかる みたいなもんですよね」
山田さん
  「まぁ、そんな感じですよね」
岡田くん
  「そういう予感が・・・」
山田さん
  「予感がね、そう。 で、それで気づけて、修正することが出来れば、
  事故は起きない、ってなるのが 一番いいんですけど、
  残念ながら、それをわかってても キャッチできない場合も ありますし、
  元々、気づけない場合も、こっちも あるんですよ。
  こっちも、熱中しちゃったり してたりして。
  で、結果的に、事故が起こってしまった。
  そしたら それを いち早く、元の状態に戻そうって、一生懸命 やるんですけど、
  やっぱり それは・・・時間ていうのは、同じ、1秒は 1秒の はずなんですけど、
  そういう時の 1秒 って、ものすごい延びるんですよ」
岡田くん
  「うん」
山田さん
  「すっご~い 延びて、その中で、自分の頭の中で パァ~ って、いろんなこと考えて、
  どうしたら、この状況を戻せるか。
  そういう、危機管理 っていうのも、本番の 大事な仕事ですね、指揮者 って」
岡田くん
  「うーん。 あの・・・ヨーロッパで、活躍されてると思うんですけど、
  ヨーロッパで活躍する 日本人の指揮者 って、多いですか?」
山田さん
  「多い・・・多いのか どうか、数の割合は わからないんですけれど、
  例えば、小澤征爾さんが筆頭に いらっしゃって、
  それで、僕の師匠であります 小林研一郎先生もいらっしゃって、
  その後に、佐渡裕さん はじめ、大野和士さん。
  他の方々も、いっぱい いらっしゃいますけど、
  やっぱり、日本人の指揮者の方 って、才能ある方が多いので」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「多い、ということに なるんだと思います」
岡田くん
  「指揮者をやる上で、国籍とかは 関係ないですか?」
山田さん
  「国籍は、関係ないですね」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「ないですね。 どこの国の方も、いらっしゃいますし」
岡田くん
  「なんか、いま 日本では、オーケストラが こう、財政赤字の問題・・・」
山田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「すいません、急に こういう(笑)話に なって」
山田さん
  「いやいや、深刻なね・・・」
岡田くん
  「深刻な問題にも なってる、っていうことですけども、
  これは、どうして こうなって いってるのか、っていうの ありますか?」
山田さん
  「元々、オーケストラの演奏会 っていうもの自体が、効率的なものでは ないんですね」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「一つの演奏会をするのに、100人規模の オーケストラが必要なんです。
  100人、なんですよ」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「で、100人いて、それで、そこの コンサートホールに、
  何万人て お客さんが来れないんですよね。
  大きくても、2000人規模ですね。 多くても、2000人規模。
  それで 例えば、じゃあ 同じ プログラムを、  
  例えば ミュージカルみたいに、一か月だ 二ヶ月だ って、毎日できるわけでは なくて、
  その回ごとに、その回ごとに、練習をして 本番して、
  次の本番、また違う曲、また違う曲に なって、準備をし直すわけですね」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「ということは、元々、クラシックの、
  オーケストラの演奏会 自体が、黒字には ならないような感じなんですね」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「ですから 例えば、国から というんですか、公共団体 っていうんですか、
  その 援助が・・・」
岡田くん
  「なければ・・・」
山田さん
  「なければ、なかなか難しい状況なんですね。
  で、そういう中で、例えば、国なら 国の 財政が、
  いま ちょっと傾いてる、というふうに なった時に、
  その予算が ちょっと削られてしまいますよ、って なると、
  途端に、オーケストラは厳しくなるわけですよね」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「あと もう 一つは、いつも どの演奏会も、満席の状態であれば、
  お客さんが いっぱい いらしていただければ、
  まだ、いい可能性 っていうのは、あるかもしれないんですけれど、
  全ての演奏会が満席になる、っていうことでもないんですね」
岡田くん
  「うーん」
山田さん
  「例えば、有名な曲だと 満席になるけれども、
  ちょっと こう、普段 演奏されないような曲だと、お客さんの入りが悪くなるとか。
  だから、我々にできること っていうのは、やっぱり、
  一回 一回の演奏会を 本当に いいもので、
  感動体験、っていうんですかね」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「そういうものを お客さんと共有できるようなものをして、お客さんに、また来ていただく、
  リピートっていうのを どんどん していただくように なっていけば、
  良くは なるんではないかと思いますけど」


(曲)
『POMP AND CIRCUMSTANCE』GRIMETHORP COLLIERY BAND
「ブラス!」オリジナル・サウンドトラック


岡田くん
  「指揮者と オケとの関係 って、どういう あれなんですか?」
山田さん
  「よく思われているのは、こう、命令じゃないですけど、指揮者がいて、
  指揮者が リーダーで、ボスで、それが指令系統で 命令をして、
  それに オーケストラが従う、という構図が 想像されがちなんですけれど」
岡田くん
  「その曲の解釈を伝えて、
  こういう流れで 弾いてほしい、っていうのを伝える イメージがありますけど」
山田さん
  「そうですね。 けど、いま 岡田さんが おっしゃった ニュアンス、そのまんま ですかね。
  命令では なくて、自分が解釈したものを こういう感じで 自分は思っています、と。
  それを伝えていく 作業ですね。
  だから 指揮者が、はい これだ! って、
  Aだ Bだ って言って、オーケストラが、はい、従います! っていうのでは なくて・・・」
岡田くん
  「それ 違うんじゃないの? って 言って来る人、いないんですか?」
山田さん
  「いや、いる・・・いるでしょうね。 いて いいんだと思います。
  もちろん、いて いいんだと思います」
岡田くん
  「ちょっと 変な見方かも しれないですけど、
  お若いじゃないですか」
山田さん
  「はい」
岡田くん
  「まだ 33ていうことは、お若いし、メインの バイオリンとかで、就かれる方とか、
  結構、上の方とかが多かったりとか・・・」
山田さん
  「はい、そうですね。 もちろん、いらっしゃいます」
岡田くん
  「しますよね」
山田さん
  「はい」
岡田くん
  「ちょっと違うよね~、とかって・・・(笑)」
山田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「言われたりとか。 そういうこと ないですか?」
山田さん
  「そういう シチュエーションも、あるんじゃないですか? あったと思いますし、
  よく あるんだと思いますけど」
岡田くん
  「よく あるんですね」
山田さん
  「うん。 やっぱり 若いですから、経験値は 少ないわけですよ」
岡田くん
  「はいはい、まぁ そうですよね」
山田さん
  「オーケストラは 指揮者に、経験値を求めてる部分も多いので、
  その時に 例えば、ベートーベンの シンフォニーをやる、
  ブラームスの シンフォニーをやる、って いったら、
  やっぱり、オーケストラの方が 断然、多い回数を弾いてるわけです」
岡田くん
  「はい。 こなしてる、って言ったら あれですけど」
山田さん
  「こなしてる、っていうか、やって来てる」
岡田くん
  「経験を積まれてる、ってことですよね」
山田さん
  「だから、その曲に関しては、ひょっとしたら、指揮者が うんと勉強して、
  僕が うんと勉強しても、それでも 追いつかないぐらい、
  オーケストラの方のほうが、その曲について知ってる、っていう状況があるわけですね」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「そういった時に、そこから学ばせてもらう とか、吸収させてもらう とか、
  その いいところを吸収して、自分の演奏に生かしていく とか、
  もう、それは その場 その場 ですよね」
岡田くん
  「勉強をしていくけど、現場で その、やっぱり、
  違う楽器を持たれてる、違う人だったりと、会っていくわけじゃないですか。
  その時 出会う、音色に会っていく・・・わけですよね」
山田さん
  「そうです」
岡田くん
  「だから・・・発見に なるんですか?
  これを絶対 やってくれ、っていうよりも、
  その 一音 一音 聴きながら、複雑な音色を混ぜていく っていう感じ なんですか?」
山田さん
  「うん・・・」
岡田くん
  「どういう意識 なんですか?」
山田さん
  「それはね、計算してるわけじゃないんですよ。
  いくら、こっから こうしようと思って、こっちで 計画を練って行っても、
  そう上手く いかなくって、その場 その場で、例えば、
  自分なりに こう、イメージがありますよね?」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「この曲は、こういう音に、
  最初の 一音は、こういう音を出して、
  それに対して、指揮をして 音が出ます」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「で、音が出た時に、自分の イメージと ピッタリ出ることも ありますし、
  違うことも あります」
岡田くん
  「はい。 出ない場合も ありますよね」
山田さん
  「で、その 違った時に・・・」
岡田くん
  「同じ音なのに 違う音、っていうことですね」
山田さん
  「うん、まぁ そういうことですね(笑)」
岡田くん
  「(笑)聴いてる皆さんにとっては、あれかもしれないので・・・」
山田さん
  「自分の イメージとは 違ったけれども、
  自分の イメージより、いい場合も ありますよね、相手の方が」
岡田くん
  「はい。 同じ ド を出すにしても、」
山田さん
  「ド を出すにしても、僕の想像以上の 素晴らしい音が出る時も あります」
岡田くん
  「同じ ド でも、違う、想像以上の ド かもしれないし・・・」
山田さん
  「そうかもしれないし、そうでもなかったりも しますし」
岡田くん
  「はい」
山田さん
  「で、僕より素晴らしかったら、それを こう、その場で 受け取っちゃう。  
  このまま行こう、ってことに なるかもしれませんし」
岡田くん
  「うわぁ~! って思う時とか あるんですか?」
山田さん
  「ありますよ。 お~! と思う時も ある。
  すごいな と思う時、いっぱい ありますよ」
岡田くん
  「それ~! っていう時も あります?」
山田さん
  「あぁ、いっぱい ありますよ。 それ以上のものですね。
  僕が想像だにしていないような音が出ると、それは すごい嬉しいですよ」
岡田くん
  「あぁ・・・」
山田さん
  「それは もう、すごく勉強になる」
岡田くん
  「ピアノを 家族がやってくれていた おかげで・・・
  同じ ド でも、いろんな ド がある、ってことを知れてる って、
  すごい、音が楽しくなる・・・じゃないですか」
山田さん
  「はい」
岡田くん
  「でも、同じ音程の ド だから、全部その ド でしょ? って言う人も いる・・・」
山田さん
  「そうですね」
岡田くん
  「違う ド に聴こえないし、
  その 流れの中の、いろんな音がする ド を気付けると、とか、
  このために、この ド を入れたのか、とかって、
  突き詰めて やってる方 って、思うじゃないですか。  
  僕、そこまで行ってないですけど、家族とかの話 聴いてると、
  この人が この時期に作っている時に、
  これが無かったから こういう価値観は無いはずだから、
  とかっていう、こう・・・」
山田さん
  「そう。 すっごく、そういうの考えるんです」
岡田くん
  「考えるじゃないですか」
山田さん
  「すっごく考える」
岡田くん
  「この人は この時期、ここに いたから、
  松の木しかないような、こういうとこに いたから、
  こういう風景で これを書いてるから、
  きっと こうなんだろうな、っていう解釈をしながら、
  音を作っていくわけじゃないですか」
山田さん
  「そうです」
岡田くん
  「それ、なんか こう、頭ん中で、
  景色とか、いろんなことを踏まえた上で、それをこう、音に変える って・・・  
  僕らが 一個の ド だと思ってても、10個、選択肢があったりとか、
  もっと言えば 100個、選択がある中での」
山田さん
  「100個、1000個・・・」
岡田くん
  「1000個、選択肢がある中での、その音を 一個、ド を出そうとして、
  それが 2時間、音をこう、作っていく 指揮者だったり、演奏家の方 って、
  すごく大変だけど・・・」
山田さん
  「(笑)」
岡田くん
  「すごく、なんか、それを形に出せる。
  物語とか歴史とかを形に出せて、音を奏でて、
  ここだ! って、聴かせれる って、
  すごい楽しいんだろうな、と思うんですよね」
山田さん
  「そうですねぇ。 だから、すごく幸せな職業 ともいえると思います」
岡田くん
  「幸せな・・・」
山田さん
  「(笑)幸せです。 幸せな職業でもあり、その分、大変さも あるかと思いますけれど、
  けど やっぱり、その たとえ 一音でも、
  自分にしか出せない音が、演奏会中に あったら、
  なんか・・・それで ホッ とできる自分が いますけどね」


(曲)
『KILLER QUEEN』DAVID PALMER/ROYAL PHILHARMONIC
Passing Open Windows: Symphoni



(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、山田さんと お話をさせてもらいました。
いやぁ、ねぇ、あの~・・・クラシック。 そうなんですよね。
僕は あんまり、こう、言ってないんですけど、
クラシック、結構 好きで・・・(笑)

なんか、でも いけないですよね。 なんか、
なんで 言わないように してんのかな、と思っ・・・
あんま、言わないように してるんですけど、
でも、あの・・・昭和の人間は、結構、なんか こう、
気取ってるみたいに思わんのが嫌だ、みたいのが(笑)あるのか・・・
あの・・・ピアノをやってる家系なので、
普通に、クラシックは聴いたりもするし、好きなんですけどね(笑)
あんまり言わない・・・言わない ッスよね(笑)
なんか気取ってるみたいで、って。

でも、ほんとにね、クラシックは面白いと思うんですよね。
クラシックだから、この・・・だから、っていうのでも ないですけど、
やっぱり こう、音の出し方 とか、
この音色、この旋律は 輝いてる とかね、そういうのが こう、あると思うんで、
ぜひ クラシック、聴いてもらいたいなと思いますし。

あの・・・チェロ。
音が ズレてるとか、チェロ チェロ、チェロ チェロ、言ってましたけど、
嫌いなんじゃなくて、僕、実は 好きなんですよ(笑)
コントラバス とか、チェロ とか。
コントラバス は、いつか、おじいさんに なったら、
コントラバス 弾ける おじいさんに なりたいな、って、密かに思ってて。

ラグビー部か 吹奏楽部か、悩んでたんですよ。
結局、ラグビー部、入ったんですけど、中学校ん時に。
初めて、言いますけど・・・ハハハハ(笑) はい。

ぜひ、みんなで、クラシックにね、一回 行って。
生のね、音で、体験してみる っていうのも、アリ なんじゃないでしょうか」


(曲)
『TRAUMEREI(KINDERSCENEN,OP.15)』河原泰則
コントラバスの奇跡


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