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2012/01/22 on air  「僕が幸村誠さんを好きな理由」            (guest)  幸村誠さん


プラネテス(1) (モーニングKC (735))



プラネテス(1)


幸村 誠




(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週 一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も、みなさんと一緒に、成長したいと思います。

今日のゲストは、僕がですね、この方の漫画の方が好きで、どうしても 会いたかった人です。
漫画家の、幸村誠さん です。
みなさん、ご存知でしょうか。
僕が 初めて 幸村さんの作品に触れたのは『プラネテス』という作品で ですね、
言うても、その後の『ヴィンランド・サガ』って、2作なんですけども、
ぜひ、読んでもらいたいんですよね(笑)

あのね、どういうのが好きな って言われたら、僕は、
1日1回か、2日に1回、3日に1回は、ペラペラめくるほど好きですね。
もうね、寝る・・・寝室の横に置いてあるんですよ。 手の届くとこに。
で、寝る前に 本 読んでて、ちょっと疲れたら、
幸村さんの取って、ペラペラペラ~って めくったりとか、
それぐらいね、見ちゃうんですよね。

現在は ですね、雑誌の『月刊アフタヌーン』で、
北欧のヴァイキングを描いた『ヴィンランド・サガ』を連載されております。
この作品は、2005年から連載開始され、
2009年に、文化庁メディア芸術祭漫画部門 大賞を受賞されました。
そして 今年の1月23日に、最新刊 11巻が発売予定です。

今日は みなさんに、ぜひ 幸村誠さんを知ってもらいたいという意味も込めまして、
“僕が幸村誠さんを好きな理由” という、いままでに ない テーマで・・・(笑)だいじょぶかな?
お送りしたいと思います。

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒に お付き合いください」



(曲)
『BEAUTIFUL FUTURE』PRIMAL SCREAM
ビューティフル・フューチャー


岡田くん
  「ありがとうございます、こういう番組に来ていただきまして」
幸村さん
  「あっ、いえ ほんとに、お呼びいただきまして 光栄です」
岡田くん
  「ラジオとか、こういうのは よく、出られたりしますか?」
幸村さん
  「いや、あの、もう ほんとに、これが初めてです、もう・・・」
岡田くん
  「なんで 出ないんですか?」
幸村さん
  「お呼びが、かかりませんから(笑)」
岡田くん
  「ほんとですか?」
幸村さん
  「はい。 ええ」
岡田くん
  「なんか、思ってたより 爽やかな人で・・・」
幸村さん
  「アハハ、ええ、漫画界では、かなり イケメンな方だと」
岡田くん
  「(笑)」
幸村さん
  「ラジオだと思ってね(笑)」
岡田くん
  「アハハハ」
幸村さん
  「ラジオですから・・・」
岡田くん
  「好きに、言って下さい」
幸村さん
  「いや、イケメンかもしれないですよね」
岡田くん
  「僕ね、幸村さんがね・・・わからないんですよ」
幸村さん
  「はい? はい・・・」
岡田くん
  「本当の幸村誠は、どういう人なのか っていうのを知りたいな と思って、
  今日は、来ていただいてるんですけど」
幸村さん
  「ええ」
岡田くん
  「作品は どっちかというと、なんかこう、なんだろう 本当に、僕 大好きで、
  なんだろう、宮沢賢治さんとかの匂いもするし」
幸村さん
  「そうですね」
岡田くん
  「なんか、成長もあるし、人物も こう ドラマチックで、こう、なんだろう、
  ちゃんとしてて、絵も すっごく 力強くて、しっかり描かれてて、
  愛情を持って 丁寧に描かれてる、っていう イメージが すごくあるのに、
  ツイッターでは、エロい言葉をボンボン言ってるような・・・」
幸村さん
  「(笑)」
岡田くん
  「(笑)人だし・・・今日 見たら、思ってたより爽やかだし」
幸村さん
  「アハハハ」
岡田くん
  「たまに出てる写真とか見たら、なんか、角みたいな 生やしてんのを・・・」
幸村さん
  「(笑)えっ?」
岡田くん
  「あ、ヴァイキングの恰好してるんですね」
幸村さん
  「あ~! ろくでもないですね(笑)」
岡田くん
  「(笑)ろくでもない恰好してたり。
  でも なんか、家族を大事にしてたりとか、絵も好きな感じですし、 
  なんかな、どういう人なんだろうな? っていうのが、正直あるんですよね」
幸村さん
  「ありがとうござい・・・ます?」
岡田くん
  「(笑)」
幸村さん
  「(笑)あの・・・」
岡田くん
  「どういう人なんでしょうね。 どういう生き方、してこられたんですか?
  いつから 漫画家に・・・」
幸村さん
  「僕は・・・子供の頃から、漫画家に なりたくて」
岡田くん
  「うんうん」
幸村さん
  「ええ。 なりたいな~とは思っているけれど、
  進路相談なんかで、漫画家なんて言った日には、ねえ、
  現実 見なさい、と言われるのがオチ というようなことを思ってるような、
  もうちょっと しっかりしなきゃ、なんて ずっと思ってるような子供でしたね」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「それが ある時ね、
  しょうがない、漫画家に なるか! っていう日が ありましたね」
岡田くん
  「それは、どういう感じで・・・」
幸村さん
  「16ですね」
岡田くん
  「16歳のときに・・・」
幸村さん
  「16、よく覚えてます。
  ほんとに成績が悪くて ですね、高校生で。
  学年で300人くらい 同級生がいたはずなんですけど、
  ビリから2番目、っていう成績を・・・(笑)取るような子でした」
岡田くん
  「はい」
幸村さん
  「学校 って、どっか こう、社会の縮図なんだろうな っていうことを思っては いたんですよね。  縮図で この有り様じゃ、社会に出ても 絶対こう、
  ちゃんとした会社に入って、ちゃんと スーツを着て、
  勤めに行く っていうことは、まず無理だ、っていうふうに・・・思ったんですね」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「ええ。 友達も いなく、何やらせてもダメで」
岡田くん
  「で、漫画家なら なれる、っていう・・・」
幸村さん
  「絵だけは 少し描ける、という自信があって」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「もう・・・他には無いなぁと、マイナス選択ですね」
岡田くん
  「どういうふうに勉強・・・マイナス選択していったのが、
  どういう勉強して、ストーリーとか 構図とか、そういうの勉強していったんですか?」
幸村さん
  「それは もう、ほとんど独学でしたけど、二十歳になって、
  守村 大(もりむら しん)先生という、僕の お師匠さんですね・・・の ところに、
  アシスタントで雇っていただいて」
岡田くん
  「守村 大さんて、何 描かれて・・・」
幸村さん
  「 『考える犬』 『あいしてる』 などでございます。
  いま『新白河原人』という、半コラム、半イラスト みたいな、
  そういう連載を『週刊モーニング』で されていらして。
新白河原人 遊んで暮らす究極DIY生活


新白河原人 遊んで暮らす究極DIY生活


守村 大

  すごい方なんですよ、もう、バイタリティーの塊 っていうか、
  ある日、思い立って、あ~ そうだ、俺は もう、都会生活は やめだ! って言って・・・(笑)
  それから、チェーンソーと丸太で、自分の家を作る方法を修業しに行って、
  それを始めたのが 40代半ばで いらしたのかな?」
岡田くん
  「うんうん」
幸村さん
  「そこで もう、福島県に その後、土地をお買いになって、
  野球場 何面分ていう 広大な土地。
  自分の お山の 自分の木を切り出して、自分の家を建てて(笑)」
岡田くん
  「へぇ~」
幸村さん
  「薪を割って ストーブで暖を取り、っていう、
  そういう生活をしてらっしゃる、ものすごい方です。
  多くを学ぶことのできる方です」
岡田くん
  「なぜ、守村さんのところに行かれたんですか?」
幸村さん
  「すごい正直に言いますと、全然 違う方に、
  アシスタント募集に こう、手紙を出して(笑)」
岡田くん
  「それは言えますか? 誰か っていうのは・・・」
幸村さん
  「かわぐち かいじ 先生です」
岡田くん
  「おぉ~」
幸村さん
  「はい、『沈黙の艦隊』他の」
岡田くん
  「はい」
幸村さん
  「まだかなぁ? お返事まだかなぁ? と思ってたら、
  守村 大 先生のところで、アシスタントをしないか、って お声が掛かってきて、
  あれっ? っと(笑)」
岡田くん
  「(笑)あれ、ちょっと違うけど、っていう」
幸村さん
  「ちょっと・・・あれっ? うーん、でも いいや、っていう感じでしたね(笑)」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「これが ほんとに、素晴らしい めぐり合わせでした。
  とても素敵な方のところに行けて・・・」
岡田くん
  「どういうことを学ばれたんですか?」
幸村さん
  「一から十まで、ですね。
  僕は ほんとに、絵が描けると自惚れていた 二十歳の子供でしたけれど、
  プロの仕事場に行ったら、驚くべきことに、線一本 引けない っていう」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「まるで違うんですね。 道具の使い方も、仕事のスピードも質も。
  一から全部、教えていただきました」


(曲)
『Only Human』THOMAS TANTRUM
マッド・バイ・ムーンライト


岡田くん
  「アシスタントは、何人ぐらい いらっしゃるんですか?」
幸村さん
  「アシスタントは、今は 2人で、今度 3人に なるという感じです」
岡田くん
  「うんうん」
幸村さん
  「まぁ~上手い!」
岡田くん
  「(笑)アシスタントの人、上手いですか。
  自分がアシスタントの時は、どうだったですか?」
幸村さん
  「あー、及びもつきません、僕より上手いですから。
  今の僕より、僕のアシスタントさんの方が上手い ぐらいです」
岡田くん
  「へぇ~・・・なんか その、ご自身がアシスタントの時に、
  言われて ビックリしたようなこととか あるんですか?
  これは大事にしなさい と言われて、あぁ そうだ と思った とか」
幸村さん
  「そうですね・・・まず、絵 一枚に かける時間というものが、
  僕は、先生のところに入って初めて、
  こんなに、一枚に時間かけるの? って 驚いたんです。 長時間だったんです。
  で、守村先生に “漫画は我慢だ” と・・・言われました。 とにかく 根気だ、と」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「先生は、とても そうは思えないんですが、ご自身、
  俺は才能ないから、というのが口癖の方で、
  でも、才能がなくても 描けるんだよ、漫画は。
  根気と我慢で描けるんだよ、っていうことを最初に教わりまして、
  それっきり、あんまり 何も教わってないんですけど・・・(笑)」
岡田くん
  「(笑)ま、それが大事なことだと」
幸村さん
  「それが・・・それだけを覚えてりゃ いいんだ、って」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「その通りですね。
  十数年 なりますけど、根気と我慢があれば、
  僕も、たいした 力は持ってませんけど、
  普通の 週刊の漫画家さんが描く 4倍の時間を、一個の漫画に注いでるわけですね、
  僕、月刊誌ですから」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「そのぐらい、一個に 力を集めれば、
  まぁ 取りあえず 体裁は保てるだろう、っていう仕事ができるのだ、
  ということだけは知りました」
岡田くん
  「うーん。 一時期、週刊でやられてて、月刊に替わったじゃないですか」
幸村さん
  「はい」
岡田くん
  「そん時は、どうだったんですか? まず、週刊で、
  『ヴィンランド・サガ』 1~2巻ぐらい そうですよね?」
幸村さん
  「そうですね」
岡田くん
  「1~2巻ぐらい・・・」
幸村さん
  「絵がスッカスカの頃ですね」
岡田くん
  「(笑)」
幸村さん
  「アハハハハ!」
岡田くん
  「やってて・・・」
幸村さん
  「はい」
岡田くん
  「月刊に、途中で替えたじゃないですか。
  それは、理由が やっぱ あったんですか?」
幸村さん
  「もう・・・無理だったんですね。
  とても こんなスピードで 漫画描けない、っていう」
岡田くん
  「うーん。 僕は、相当な こだわりの人なんだろうな、と思ってたんですよ」
幸村さん
  「あー」
岡田くん
  「安彦さんでしたっけ、ガンダムの キャラクターデザインの 安彦さん」
幸村さん
  「はい、面識ございます」
岡田くん
  「帯、書かれてますよね?」
幸村さん
  「あぁ、そうですね。 はい、新しい ガンダムに」
愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN (8)オデッサ編 (単行本コミックス)


愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN (8)
オデッサ編


安彦 良和

岡田くん
  「 “幸村誠 咆哮” って、書かれてますよね」
幸村さん
  「(笑)はい」
岡田くん
  「なんか その・・・安彦さんが言ってた時に、すごく こう、なんか 今、
  大事に、全部 描いていった方がいいとか いうことをおっしゃってて」
幸村さん
  「あー・・・」
岡田くん
  「それをやっぱり、受け継いでいる人なんだろうなぁ っていうの、
  すごく、幸村さんがね、大事に すごく大事に描かれている感じがするんですけど」
幸村さん
  「はい・・・」
岡田くん
  「それ、こだわりですよね? 丁寧に、一個 一個 描いていく」
幸村さん
  「うーん・・・アシスタントさんのせいじゃないのかなぁ~」
岡田くん
  「(笑)どういうことですか?」
幸村さん
  「いや あのね、僕、遅筆っていうことでは、かなり有名なんですけれど(笑)
  他は、有名ではないですけど・・・(笑)」
岡田くん
  「なかなかねぇ、読みたくても、次が なかなか来ないんですよね(笑)」
幸村さん
  「申し訳ございません、もう・・・」
岡田くん
  「なかなか・・・次 いつ発売なんだよ みたいなので、待ってますけど」
幸村さん
  「えっと ですね・・・」
岡田くん
  「家族サービス、してんですか?」
幸村さん
  「ま、それもあるんですけど、
  絵に時間が かかる っていうのは、」
岡田くん
  「そうですよねぇ」
幸村さん
  「これはね、言い訳させて下さい、違うんです。 僕は 悪くない!
  あの・・・(笑)あのね、アシスタントさんが上手いんですよ。
  アシスタントさんが すごい いい絵を、どんどん描いて来るんですね。
  僕は人物を描いて、背景をアシスタントさんが描いて、
  どんどん、背景が仕上がって来るんです。
  で、人物ばっかり、描いてない部分が残ってって、
  『先生、次の仕事、ま~だ ですか~?』 って、
  『ちょっと待って! ちょっと待って!』 って、こう。
  だから、時間を稼ごうかなと思って、
  『この B4 一枚 全部に、ヴァイキングの兵隊 びっしり描いて』 って、
  『一人一人、武装も全部 違うんだよ!』 って、
  『個性 ちゃんとつけて、アクションも ちゃんとつけて! 一人一人。わかった?はい!』
  って、渡すじゃないですか。
  もう これで一日は、これで かかりっきりだ と思うじゃないですか」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「半日くらいで 返って来るんですよ・・・(笑)」
岡田くん
  「へぇー、優秀な・・・」
幸村さん
  「この野郎! と思うんですよ(笑)
  文句の つけようもないんですよ。 ちゃんと描いてあるから」
岡田くん
  「あー」
幸村さん
  「なんだ、バッカ野郎と思って、
  『じゃあもう これ、もう一面、森だからね!』 って、
  『もうビッシリ、葉っぱ一枚一枚 描いてよ』って言って、
  また次、すごいのをお願いして 渡すじゃないですか。
  やっぱり、まもなく返って来るんですね」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「で(笑)そんなこと やってるうちに、アシスタントさん、
  どんどん早く、上手くなってくるんですよ。 元々、上手い方なんですけど」
岡田くん
  「はい」
幸村さん
  「そうなると僕は、背景が上手いのに、その・・・
  キャラクターが しょぼいと、ダメじゃないですか」
岡田くん
  「(笑)」
幸村さん
  「だから、僕も こう・・・」
岡田くん
  「丁寧に」
幸村さん
  「つり合うように、一生懸命 描かなくちゃ いけないじゃないですか」
岡田くん
  「アハハハ!」
幸村さん
  「で、時間が かかるじゃないですか。
  そうすると 『まだですか~』 って、
  『あ~ ちょっと待って』 っていう・・・悪循環ですね~ これはね~」
岡田くん
  「今の話 聞いてると、なんか、幸村さんが悪い感じが しますよね?」
幸村さん
  「あ、僕・・・あれっ? えぇ~!」
岡田くん
  「ハハハハ!」
幸村さん
  「(笑)」


(曲)
『MR.BRIGHTSIDE』KILLERS
ホット・ファス デラックス・ツアー・エディション


岡田くん
  「どういう人物が好きなんですか?」
幸村さん
  「人物・・・」
岡田くん
  「人物像。 ご自身がキャラクターとして描く時に、
  大事にされてることって、ありますか?」
幸村さん
  「誠実で、物事に一生懸命 取り組む人が、やっぱり 好感が持てますね」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「その・・・余力を残さない」
岡田くん
  「うん。 こういうのを描いていきたい、っていう人物像は あるんですか?
  こういう人物を描いていきたい、というか・・・」
幸村さん
  「いま描いてる漫画の主人公 っていうのは、
  まぁ どうしようもない、グレちゃった少年期を送って、  
  で、最近どうやら 反抗期が終わった みたいなんですけど、
  成長する人間ですね」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「成長するっていうのは、なんていうか、 
  希望が持てますね」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「出だしが悪きゃ 悪いほど・・・嬉しいというか、
  成長していくことができるんだ、っていうことを みんな知ることができる。
  僕が子供の頃に読んだ ヒーロー漫画とか、超人のような主人公達っていうのは、
  みんな、最初から 力も あるし、人間も出来てるんですよ」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「すごいなぁ~っていう・・・最初なんですよ、もう。
  だから ちょっと、僕らとは違う人種なんだって、どっかで、
  僕は子供の頃、思ってました。 『北斗の拳』の ケンシロウでも」
岡田くん
  「最初っから強いですもんね」
幸村さん
  「最初っから強いです。
  で、人間も、素晴らしい人格を備えています。
  どうせ僕は・・・って思うじゃないですか」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「だから僕は、最初、なんでもない 普通の子供、出来が悪いぐらいの子供が、
  ちゃんと、いろんなことを経験して、成長して、
  やがて、漫画の主人公たるべき資質を備えたものに育っていくっていう、
  過程が描ければな、と思います」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「僕でも 誰でも みんな、学んで努力して、
  立派になることができる、っていうことを 説得力を持って 描けるんだったら、
  嬉しいなぁと思ったりします」
岡田くん
  「うーん。
  それは やっぱり、ご自身が持たれていた 経験というか、ご自身の、なんだろう・・・」
幸村さん
  「うーん、出来は相当よくない子供でしたけど(笑)」
岡田くん
  「成長を見たい、っていうのが あるんですかね」
幸村さん
  「うーん・・・子供が3人おりまして、全員 男の子で」
岡田くん
  「はい」
幸村さん
  「もう ほんとに、血を継いでしまって、
  しょうもないのが3匹、生まれまして・・・(笑)」
岡田くん
  「元気な・・・元気な子供ですね」
幸村さん
  「元気な・・・はい(笑)言いようによっては」
岡田くん
  「(笑)」
幸村さん
  「破壊の限りを尽くす子供達が生まれまして、
  まぁ このまま行けば、ろくでもない(笑)
  少年期 青年期を迎えるんだろうな、というのが予想される彼らなんで、
  彼らが もし大人になって、僕の漫画 読んでくれたら・・・うーん、ちょっとは、
  お父さん どう思ってるか っていうことが わかってもらえるのかな~? っていう」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「自分というよりは、今は、
  子供が いつか読むだろう っていうのを少し気にして、描いたりしています」
岡田くん
  「『プラネテス』も『ヴィンランド・サガ』も、成長ですもんね。
  主人公が こう、完璧じゃない というか・・・
  『ヴィンランド・サガ』の場合は ね、父親の復讐のために、ずっと こう・・・いるっていう」
ヴィンランド・サガ(1) (アフタヌーンKC)
幸村さん
  「まぁー、無意味な、
  無意味な少年期を過ごしてきましたね、主人公はね。
  復讐して、復讐が成って、何を得るか ったら、
  あ~スッキリしたぁ、だけですもんね」
岡田くん
  「うん。 『ヴィンランド・サガ』をね・・・リスナーに伝えるために、
  どういう説明をしたらいいですかね(笑) ヴァイキングで・・・
  これ、女の人が多いんですよ」
幸村さん
  「そうですね・・・あっ、そうですか。 あっ、女の人が。
  あの・・・ええ。 漫画界きってのイケメン、幸村誠です」
岡田くん
  「アハハハハ!」
幸村さん
  「このたびは ほんとに、岡田准一さんが招いていただいて」
岡田くん
  「いやいや(笑)」
幸村さん
  「ほんとに・・・ええ」
岡田くん
  「(笑)」
幸村さん
  「好きだと言ってくださっていて」
岡田くん
  「そうなんです」
幸村さん
  「僕も岡田さんが好きなんで、相思相愛ということなんで」
岡田くん
  「(笑)」
幸村さん
 「もう ほんとに・・・
  殺されかねませんね~(笑)岡田さんのファンにね」
岡田くん
  「なんで・・・あ、じゃあ、なんで北欧の、ヴァイキングを描こうと思われたんですか?」
幸村さん
  「あっ はい、そうなんです。
  『ヴィンランド・サガ』という漫画を いま、このイケメンは描いておりまして、
  北欧、北ヨーロッパの 千年前の民族、ヴァイキング。
  乱暴者で、ま、海賊です、はっきり言って。
  民族的 海賊で、体が大きくて 白人で金髪、碧眼が多い。
  その民族で、ある程度の年齢に達すると、
  男は大抵、船に乗って 外国へ行って、
  なんでも 物を奪って、人を殺して帰って来る っていう、
  そういう、これが文化なんです、民族的な・・・どうでしょう?」
岡田くん
  「(笑)」
幸村さん
  「かつて、民族として、成人の証みたいな感じで当たり前のように、
  お前、もう そろそろ大きくなったから、よそへ行って略奪して来い、っていう、
  男なら、って、お父さんが勧めたりする。
  こんな民族、ちょっと無いですよね」
岡田くん
  「うんうん」
幸村さん
  「有名ではあるが調べると、やっぱり面白い。
  僕は、もう ほんとに その、暴力性。
  それも 彼らが その暴力に、なんら悪びれることがない。
  これは 自分たちの種族の、当たり前の文化なんだと思っている。
  よその国の人を殺したって、それが何なの? と思ってる。
  そこまで暴力に馴染んでいる民族っていうものが やっぱり、すごく興味がありました」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「で、彼らをテーマに、いま漫画を描いてるんですけれど、
  彼らをというか、ま、暴力ですね」
岡田くん
  「うーん。 なんか、でも、ストーリーが結構 しっかりしていて、
  人物像の描き方が・・・中間の感情っていうのが、結構ちゃんと描かれるじゃないですか。
  複雑な感情だったりとか」
幸村さん
  「ありがとうございます」
岡田くん
  「漫画では、飛ばしがちな・・・飛ばしがち、つったら変だけど、
  そういう感情をきっちり描かれているし、いやらしい表現もされるし、
  でも、その人物が いやらしいように見えるか っていうと、そう見えない、こう、なんだろう、
  全体に 人間味がある、魅力的な人物に仕上げていく っていう手法もあるし・・・」
幸村さん
  「はい。 あっ、ありがとうございます」
岡田くん
  「いい人に見せたいなら、いい人に こう、
  描いていけばいい、っていうのでもないじゃないですか」
幸村さん
  「うーん」
岡田くん
  「いやらしい部分だったり、策略家の部分があったり、いろんなものがありながらも、
  魅力的な人物に こう、ダメでも すごく良く見えるし」
幸村さん
  「あれは・・・まぁ、どうしようもない ド悪党ですけれど、
  それでも、人間として魅力があるかどうか というのは、
  また別のところに あったらいいなぁ、と思って、
  その辺、努力してみましたけれど」
岡田くん
  「うーん」


(曲)
『DIRTY DAVEY』LEVELLERS
Levellers


岡田くん
  「漫画の 何が好きですか?」
幸村さん
  「はい」
岡田くん
  「どういうとこが好きですか?」
幸村さん
  「今、いろんな楽しみが ありますからね。
  子供たちは、ずいぶん 漫画を読まなくなったと聞きます」
岡田くん
  「そうなんですね」
幸村さん
  「ま、ぶっちゃけた話、市場規模は 縮小こそすれ、大きくなっては いないはず」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「はい。 みんな 結構、厳しいです」
岡田くん
  「うーん・・・」
幸村さん
  「不況のせいなのか、それとも 漫画文化が もはや、
  他の いろんなエンターテイメントに埋没しつつあるのか。
  でも・・・それでもね、たぶん、
  うんと面白いものを描けば、きっと読んでくださるという、そこだけ、
  そこだけ信じて、描くのみです。
  まぁ・・・ね、斜陽の、どんどん太陽の、こう(笑)沈んでいく業界で、
  心中しようかなぁ という・・・ハハハハハハ!」
岡田くん
  「どういうものが 質のいいものだ、っていうふうに思われて、作品を作られてるんですか?」
幸村さん
  「描き手の人間が 持てる 力の全てを出したんなら、それでいいと思っています。
  ただ、そういうことを もう、
  頑張ったんだから いいんだよ! っていう、
  ある種の綺麗事を ほったらかしにして言うんだとすれば、やっぱり、
  何か普遍的な テーマについて、強く挑んでいるものが 僕は好きですね」
岡田くん
  「例えば、この人の この作品、とかって 言えますか?」
幸村さん
  「守村 大 先生の作品からは もう、多くを学んだので、
  それは まぁ、殿堂入り として、置いておくとして」
岡田くん
  「はい」
幸村さん
  「えー・・・」
岡田くん
  「僕らが 今、手に取って 見れる、
  幸村誠さんが考える、上質な漫画 っていうのは・・・」
幸村さん
  「ちょっと昔の漫画になりますけど、坂口 尚 先生 という方がいらっしゃいます。
  『VERSION』 『石の花』 『あっかんべェ一休』等々、ですね」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「この方は・・・まぁ、なんていうんでしょう、
  僕が学生の頃に、亡くなられたんですけれど。
  ほんとに、まだ中学 高校生だった僕は ですね、
  漫画といえば 『北斗の拳』だったり『ドラゴンボール』だったり」
岡田くん
  「全盛期で、ワーっと流行ってる時ですよね」
幸村さん
  「そうですよね。 もちろん それは、僕 大好きだし、何も悪いことは ありませんけれど、 
  ただ、漫画には 全く別の切り口があるんだ、ということを 初めて思い知らせてくれたのが、
  坂口 尚 先生ですね」
岡田くん
  「うーん。 坂口 尚 先生・・・」
幸村さん
  「はい。 元アニメーターで、惜しまれて亡くなられましたけど、
  遺作となったのが『あっかんべェ一休』ですけれど、
  漫画が人を喜ばせる 楽しませる という、大事な仕事 以外に、
  人間は なんで生きているのか、とか、
  どこから来て どこへ行くのか、とか、そういうこと・・・」
岡田くん
  「学べる漫画ですか?」
幸村さん
  「はい。 もう ほんとに、
  そういうことって 漫画の領域じゃないだろう って、どっか思ってましたけど、
  領域だったんですね。
  漫画では、何でも描けるんだということを・・・」
岡田くん
  「思った・・・」
幸村さん
  「思いました」
岡田くん
  「漫画では、何でも描ける・・・」
幸村さん
  「うん。ちょうど そのぐらいの頃に、僕は 漫画家になろうと決めました。
  坂口先生の漫画を 熱心に読んでる頃」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「何でも描ける。 何一つ、残らず伝えられると思っています」


(曲)
『COLOURS』FRANK AND WALTERS
The Frank & Walters


岡田くん
  「いま 一番 伝えたいことは、何ですか?」
幸村さん
  「すごい正直に言いますね」
岡田くん
  「はい」
幸村さん
  「歌の歌詞とか、ものの本とか、映画とか、いろんなものに、
  “愛” って出てくるじゃないですか」
岡田くん
  「はい」
幸村さん
  「大概、ウソっぱちだと・・・(笑)
  ウソだぞ~!っていう。 気をつけろ、みんな~! っていうのを・・・」
岡田くん
  「(笑)」
幸村さん
  「言いたいです・・・(笑)」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「あ~! いいのかな? こんなこと言っても」
岡田くん
  「大丈夫です」
幸村さん
  「どれ、とは 言いません」
岡田くん
  「本当の愛、って なんですか?」
幸村さん
  「 『雨ニモマケズ』っていう、有名な宮沢賢治の詩があるじゃないですか」
岡田くん
  「はい」
幸村さん
  「あれは まぁ、謙虚な人間の・・・」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「一つの心得というか、覚悟というか・・・ね。
  一日に ちょっとの ご飯と、贅沢しない家に住み、
  どんなことでも 自分を計算には入れず、
  みんなに でくのぼう と呼ばれ、人を励ましながら、っていう、 
  褒められもせず 苦にもされず、っていう、
  あれは・・・人間の心得、宮沢賢治 自身の、自分への戒めみたいなものを、
  詩に書いたんだろうと思います」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「公開していないんで、たぶん ほんとに、プライベートな詩だったんでしょうけれど、
  お構いなしに、みんな読んじゃって。 あれは なんか(笑)かわいそうですよね」
岡田くん
  「(笑)プライベートな詩を みんな・・・ねぇ。 読んでるってことですね」
幸村さん
  「わかんないですけど、こう、
  アンニュイな朝は、ダージリンティーが 私の友達・・・みたいな(笑)」
岡田くん
  「(笑)」
幸村さん
  「誰にも見せたくない詩が インターネットとかに流れてたら、すごい嫌ですよね」
岡田くん
  「(笑)」
幸村さん
  「かわいそうに・・・(笑)」
岡田くん
  「自分の戒め というか、大事にしたいということを書かれてるんですよね、宮沢賢治・・・
  公開してる っていうよりも、自分で こうしたい・・・」
幸村さん
  「と、思われます。 でも、あの通りに 日々を送るというのは、大変に厳しい・・・」
岡田くん
  「大変ですよね」
幸村さん
  「とても無理です、と 僕は思いますよね。
  誰にでも無理だと思うんですよ。 だから 目標なんだと思うんです」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「だって 大概、よく生きようとすると、やっぱ、ちょっと苦しいですよね。
  辛いなぁ~ って」
岡田くん
  「修業みたいな生活に なりますよね」
幸村さん
  「昔、強制収容所みたいなところの、そういう本を読んだことがあって、
  みんな、ちょっとの ご飯、ちょっとのラードと ちょっとのパン ていう、
  毎日 ほんの少し、とても腹いっぱいになんか ならないよ、っていう ご飯で、
  一日、重労働させられるんです。 みんな、体の弱い人から 死んでいってしまうんです」
岡田くん
  「うん・・・」
幸村さん
  「当然、同じ部屋に閉じ込められている人達の中には、病気も流行って、
  病気の仲間を それでも励まして、元気をつけてもらおうと思って、
  その、たった ちょっとの ご飯を その人にあげるような人が、中には いるんです。
  自分だって お腹ペコペコなのに」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「そういう人も いるかと思えば、
  あの人、悪口 言ってましたよ、なんてことを看守に密告したりして、
  看守から、少し余計に ご飯 もらったり、人をいじめたり 裏切ったりして、
  でも そういう人は、たくさん ご飯が食えて、生き延びられたりするんです。
  収容所を出てしまえば、もう そんなことは わかんなくなっちゃいますからね。
  いい人が みんな、残念ながら召されて行って っていう、
  よく生きる、っていうのは、なんか こう、ちょっと、プチ自殺みたいな・・・(笑)」
岡田くん
  「うーん」
幸村さん
  「 “よく生きる” は “生きる” とは真逆方向の ベクトルを持っているような気がします。
  漫画にも描いたんですけれど、
  よく生きる、ということを突き詰めていくと、それは もう、ほぼ 死に近い っていう」
岡田くん
  「うん」
幸村さん
  「まず、生身の人間には耐えられない。 
  宮沢賢治の詩のように・・・それを おそらく、漫画で描くと、
  生身の人間にとっての、主人公が もう 今後も、死ぬほど苦労しろ と・・・(笑)
  そういう話に なるんじゃないかなぁ」


(曲)
『COME TALK TO ME』PETER GABRIEL
US



(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、幸村誠さんと お話をさせていただきました。
うん・・・とねぇ、あの、僕が幸村誠さんを好きな理由 っていうのをね、こう・・・
出せたかな? どうなんだろう、わかんないですけど。

でも ほんとに、シャイな方だと思いますけど。
なんかねぇ、漫画で描けないことは ない、って おっしゃってましたけど、
すごく、なんか、漫画だから、
愛、勇気、希望 とか、そういう こう・・・のではなくて、
考えさせられることも あるし、
人物の作り方とかも、ほんとに いっぱい、いろいろ考えてね、描かれて、愛情 持って、
身、削って描いてる感じが するんですよね。
うーん・・・なんか、実写とか、でも やってほしいなぁ と思うし。 企画とかね。
やればいいのになぁ、って思いますし。

手に取って 読んでみてもらいたいですね。
『プラネテス』でも 『ヴィンランド・サガ』でも。 読んでもらえると・・・

何回か 読んでみてください(笑) 味わいが出てくる感じだし。
あっ、こういう顔するんだ! とか(笑)わかんないけど、そういう感じが するんですよ。
井上雄彦さんとかとは、また ちょっと違う。 なんだろうなぁ・・・なんかねぇ・・・
勉強になる?・・・わかんない(笑)
すごい勉強になるな、と思ったりするんですよね。 芝居の勉強になる・・・

何回か読んでください(笑) 一回じゃなくて、何回も読んでくれると、
たぶん、幸村誠さんが言っていた "愛” とかが、決して こう、
綺麗なだけが 愛 っていうわけじゃない、っていうことが言いたかったんだと思うんですけど、
いろんな形の愛があって、深さがあって。
綺麗なものだけが 愛ではないかもしれないんですよ、みたいなことが言いたいのかな と、
僕は思ってたんですけど、
そういうことが ちゃんと描けている 漫画だと思いますので、
ぜひ、見てもらいたいなと思います」


(曲)
『EMMA'S SONG』SINEAD O'CONNOR
Faith & Courage



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