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2012/01/15 on air  「明るい未来を考えるために・経済編」        (guest)  吉川良三さん


サムスンの決定はなぜ世界一速いのか (角川oneテーマ21)



サムスンの決定はなぜ世界一速いのか


吉川 良三




(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週 一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も、みなさんと一緒に、成長したいと思います。

今年、第二回目の放送 ということで、先週と今週は、
“明るい未来を考える” をテーマに お送りします。
先週は “明るい未来を考えるために・文化編” と題して、
作家で 演出家の、鴻上尚史さんを お迎えしましたが、
今日は “明るい未来を考えるために・経済編” と題して、
東京大学大学院 ものづくり経営研究センター特任研究員の、
吉川良三さん に お話しをお伺いします。

実は ですね、吉川さんは、昨年の 3月に、一度、ゲストとして お迎えをしました。
しかし、震災によって、放送を見送ることに なってしまいました。
日本の経済の問題点が、震災前と以降では、大きく変わってしまったからですね。
そして、今日 再び、震災から これまでの 10か月を踏まえて、
日本経済の これからについて、お話しをお聞きしたいと思います。

吉川さんは、1940年生まれ。
日立製作所から 日本鋼管を経て、
1994年から、韓国の サムスン電子で、およそ 10年、常務を務められました。
日本、韓国、そして アジアの ものづくり や 産業に詳しい、吉川さんの考える、
“日本の明るい未来” とは。

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒に お付き合いください」



(曲)
『夢中人』 FAYE WONG
恋する惑星 ― オリジナル・サウンドトラック


岡田くん
  「前回は・・・すいません、地震の影響で、ちょっと、
  聞いてたことと ちょっと、状況が変わってしまって、
  放送ができなくなって・・・」
吉川さん
  「ええ」
岡田くん
  「前回、経済ので、韓国とか 日本が どういう関係で」
吉川さん
  「はい」
岡田くん
  「サムスン で、常務をやられてたんですよね?」
吉川さん
  「ええ」
岡田くん
  「それの関係で、お聞きしてたんですけど」
吉川さん
  「そうですね」
岡田くん
  「今回、日本の経済について、
  まず ちょっと、お聞きしたいんですけど、
  日本の経済は・・・じゃあ、はっきり聞きます。
  明るいですか? 暗いですか?」
吉川さん
  「はっきり言うと、今は 明るいとは言えないですよね」
岡田くん
  「そうですよね」
吉川さん
  「ええ。 真っ暗闇に なってるんじゃないかな、と思いますね」
岡田くん
  「もう、真っ暗ですか? どこぐらい、暗いですか?」
吉川さん
  「日にちで言うと、夜12時ぐらいから 1時ですから・・・」
岡田くん
  「(笑)一番 悪い、っていうことですか?」
吉川さん
  「そうですね。 だから、これから・・・」
岡田くん
  「深夜、ってことですよね?」
吉川さん
  「深夜ですよ。 夜明けまでには、まだまだ 時間がかかる」
岡田くん
  「6時間ぐらいかかる、ってことですね」
吉川さん
  「かかるでしょうね。 だから それも、時間は 6時間かかるけど、
  何もしないと、時間が止まりますからね」
岡田くん
  「あー・・・」
吉川さん
  「だから、まぁ 状況としては、そうですね。
  だから、危機意識を ほんとにね、
  国民とかね、政治家とか 経営者がやっぱり、持つべきなんですね」
岡田くん
  「うーん。 それは、震災によって起こった、経済的な問題 っていうのも あるんですか?」
吉川さん
  「それとは、あんまり関係なくて ですね」
岡田くん
  「元々・・・」
吉川さん
  「元々は、どんどん どんどん 総体的にね、
  やはり、新興国だとか、韓国、中国、台湾が 伸びていったわけですよね。
  だから、総体的に、日本が落ち込んでいってるわけです」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「いつかは、気がつくんでしょうけども、今なら まだ、挽回することができるわけです」
岡田くん
  「そんな体力、ありますか? 今の日本に。
  気づいて直せる 体力は・・・」
吉川さん
  「いや、体力は、あるんです。」
岡田くん
  「体力は ある・・・」
吉川さん
  「体力・・・知恵が無いだけで」
岡田くん
  「それ、大問題じゃないですか(笑)」
吉川さん
  「(笑)」
岡田くん
  「でも 元々、日本ていうのは、知恵を売りにしてきた・・・」
吉川さん
  「そうそう」
岡田くん
  「ものじゃないですか」
吉川さん
  「ものなんですけども・・・」
岡田くん
  「その・・・技術にしても、やっぱり 元々、
  例えば、テレビを作ったのが アメリカだとしたら、
  すごい いい中身の テレビを作ってきて、
  知恵で、なんとかして いいもの作る 作る、つって やってきたのが、
  日本じゃないですか」
吉川さん
  「そう。 だから、それはね、20世紀の日本 であったんですよ」
岡田くん
  「うん」
吉川さん
  「一番 問題は・・・“ものづくり” というと、
  日本人は、ものづくりが 世界 冠たるものだ ということを、
  今でも 信じてる人が いるんですね」
岡田くん
  「はい」
吉川さん
  「で、ものづくり とは 何か、というと、大体、生産現場 とか、匠の世界 とかね、
  放送も よく、そういう テレビ放送、やるでしょ?
  これが そもそも、間違いなんです」
岡田くん
  「うん。 というと・・・」
吉川さん
  「“ものづくり” っていうのは、造語ですから、
  “もの” と “つくり” とに、分けて考えな いかんのですね」
岡田くん
  「はい」
吉川さん
  「ほんとの生産現場の匠の世界は、これ 濁っちゃいけないんですよ、
  “ものつくり” なんです。
  これが日本は、すごかったんです」
岡田くん
  「うん」
吉川さん
  「ところが、ものづくり の中の “もの” というのは、
  お客さんにとっての付加価値を生み出す 想像力なんですよね。
  これが 日本が ずっと失われてきた、この 20年だったんですね。
  作り、という技術は 発達したけど、
  想像力の、ものを考える力は失った、と」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「なぜならば、いままでは 先進国 相手に、ものを作って 輸出すれば 喜ばれたけども、
  最近、新興国 といって、いわゆる・・・」
岡田くん
  「これから・・・」
吉川さん
  「ええ。 ロシアとか 中国だとか インドとか、ブラジルとか インドネシア。
  新興国は、30億人の市場が出てきたんですね。
  そうすると 彼らは、日本が作ったものを そのまま受け入れないわけですよ。
  その文化によって、欲しいものは 違う要求仕様で来るわけですね。
  例えば、インドで冷蔵庫は、カギがないと売れないんですから。
  中国では 洗濯機は、半分は ジャガイモを洗えないと ダメでしょ」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「日本の洗濯機で、
  私も 韓国から帰って来て やったんですけど、
  すぐ壊れましたよね、じゃがいも 洗ったら」
岡田くん
  「じゃがいもを洗ったら・・・」
吉川さん
  「ええ。 やらないでくださいね、私 やりましたから。 壊れましたからね(笑)」
岡田くん
  「はい(笑) これ、やるように できてないですもんね」
吉川さん
  「イモを洗いたい人から見たら、品質が悪いんですよ、すぐ壊れるんですから」
岡田くん
  「うんうん。 じゃ 向こうのは、イモを洗うように できてるんですか?」
吉川さん
  「そうですよ」
岡田くん
  「イモ、洗えますよ、っていう・・・」
吉川さん
  「洗えます」
岡田くん
  「あっ、そうなんだ」
吉川さん
  「サムソンのやつでも 洗えましたよ、私が しょっちゅう」
岡田くん
  「あ、サムソン、そんな機能も 入れてるんですか(笑)」
吉川さん
  「いや、そういう機能というか(笑) 回転機というか、
  脱水のところに、水を入れて 5分 回したら、
  元々、回転機と言ったわけですからね、洗濯機は。
  今でも 回転して 皮を剥くわけでしょ」
岡田くん
  「はいはい」
吉川さん
  「それをやればいいんです。
  日本は、精密にやるから、皮が詰まると 動かないようになってるだけですよね」
岡田くん
  「あー・・・」
吉川さん
  「余計なことをするから(笑)」
岡田くん
  「でも、考えようによっては、技術が素晴らしい、っていうことでもある・・・」
吉川さん
  「それは、技術というのは、売れた・・・
  ビジネスになって はじめて、技術が素晴らしい、っていうわけで、
  ノーベル賞 とってるわけじゃないんですから、
  だから それは、別な角度から見ると、技術が無い ということでしょ?」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「例えば、インド人が 日本の冷蔵庫を見て ですよ、
  カギも付けられないのか、と。
  日本は 技術が無いね、と こう言うわけですよ」
岡田くん
  「うーん・・・」
吉川さん
  「だから 見方が、いわゆる 多種多様に なってきたんですよ」
岡田くん
  「ほぉ~」
吉川さん
  「今、グローバル化 っていうのが。
  だから、ものづくりの考え方を変えなきゃいけないんですよ」
岡田くん
  「それに対応できてない・・・」
吉川さん
  「ないんです。 だから “ものづくり” と “ものつくり” を、
  日本人は、間違えてる」


(曲)
『HELLO HELLO』 ASIAN KUNG FU GENERATION
藤沢ルーザー


岡田くん
  「元々、あれですよね、日本が 技術提供とかしてきたじゃないですか、いろんな国に。
  例えば、サムスンとかも、韓国とかも そうだと思いますし」
吉川さん
  「そうですね」
岡田くん
  「で、抜かれちゃったわけじゃないですか、中身の技術が」
吉川さん
  「技術が抜かれたわけじゃないんですよ」
岡田くん
  「技術が抜かれたわけじゃない・・・何がですか?」
吉川さん
  「日本の ものづくり、っていうのはね」
岡田くん
  「うん」
吉川さん
  「ちょっと 専門用語で言うと、アナログ的な ものづくり だったんですよね。
  それが 今、コンピューターが発達して、デジタルな もの作りに なった」
岡田くん
  「はい」
吉川さん
  「これは もっと、違う方向でいうと、
  アナログものづくり、っていうのは、すり合わせ技術だったんですよ。
  だから、例えば 自動車でいうと、乗り心地 とかね、静かさ とか、燃費の良さ とか、
  日本語で言うと、後ろに ひらがなの “さ” が付くものが、すごく発達したんですね」
岡田くん
  「はいはい」
吉川さん
  「あとは、男性 女性の “性” が付くやつね。
  例えば、安全性 とか、長持ちするから 経年性 とか、壊れたら すぐ直すから 保守性 とか、
  これは全部、アナログ的なものでしょ? デジタル じゃないですよね。
  だから、そいういうふうに、ものすごく こう、お互いに、
  企業同士が競争していったわけですね、日本は」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「と、高コスト構造に なったけども、今デジタル化になると ですね、
  そういう すり合わせた、日本が持ってる技術が、チップ化されちゃったわけですよね」
岡田くん
  「うんうん」
吉川さん
  「その チップを買って来ると、いわゆる 日本が ハイテク製品といわれたものが、
  どこでも 誰でも、作れるように なっちゃった。
  一番いいのは、携帯電話が そうですね。 携帯電話は、チップを買ってきたら・・・」
岡田くん
  「チップで作れるようになった・・・」
吉川さん
  「もう・・・電話という機能と メールだけであれば できちゃう、という、
  洗濯機でも 何でも、もう、何でも どこでも できちゃう、
  新興国で作れるように なっちゃった」
岡田くん
  「じゃあ あれですか、その・・・売る とか、
  そういう 技術が どうのこうの、っていうのでは なくて、
  売る とか、販売する とか、購入する とか、
  そういう こう・・・のが弱くなった っていうことですか?」
吉川さん
  「そうですね。 結果的には、マレーシアだとか ベトナムだとか、インドネシアとか 中国は、
  日本にとってみたら、賃金が安いから、工場を移転して、
  いわゆる、生産拠点としか 捉えてなかったわけですね」
岡田くん
  「うん、日本は・・・」
吉川さん
  「日本はね、今まで」
岡田くん
  「生産拠点」
吉川さん
  「拠点。 賃金が安いから。
  ただ そこで、インドで作っても、中国で作っても、マレーシアで作っても、
  その人達に売る製品を 作ってるわけじゃないんですよ」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「そこで作ったものを輸出基地にして、欧米とか日本に 売ってたわけですよ。
  これが 2000年以降ですね、グローバリゼーションの波が押し寄せて、
  やっぱり 経済が発展して、消費国へと変化したわけですね」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「ところが、消費国へ変化しても、まだ 高いものは買えないですから、
  だから、日本の経営者は、もうちょっと やるまで、
  日本の製品は 使わせるのは やめよう、ということになった、その間隙に、
  韓国や中国勢が ドッと 出て行ったわけですよ」
岡田くん
  「安くて ワー って 売れるものを・・・」
吉川さん
  「ええ。 そこまでは、まだ良かった。
  ところが、さっき言った モジュール化されたから、
  そういった、インドとか 中国とかで、自動車も出来るわ、携帯電話も出来るわ、
  自分達が 今度は、消費国から生産国へと変わっていったわけですね」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「そうすると もう、日本の出番が無くなっちゃったわけです。
  総体的に、売れなくなっちゃった」
岡田くん
  「まぁ、もう シェア率で 結構 取られてたら、横から入れない状態に・・・」
吉川さん
  「そうですね。 だから、まだ、もの というものを考えて、現地で作ればいいわけですよ。
  いわゆる、今まで 海外に行くと、空洞化と言ったけど、
  これは、前向きな 積極的な空洞化と、消極的な空洞化が 二つ あってね、
  一つは、日本が円高だから、外へ行かなきゃいかん、と 出て行った企業は、
  たぶん、完膚無きまでに 負けて 帰って来るでしょう」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「そうじゃなくて、現地へ行って、現地の ニーズに合わせて、いわゆる 地産池消ですかね。
  それで、そのために出て行く、という企業は 戦えますね」
岡田くん
  「うーん。 そこでの いいもの、っていうのを・・・」
吉川さん
  「そうです」
岡田くん
  「そこに合うもの・・・」
吉川さん
  「合うものです」
岡田くん
  「技術の レベルを下げようが、そこに合うものを提示して・・・」
吉川さん
  「提示してあげれば いいわけです。
  それが、技術が下がったかどうか っていうのは、
  ある意味じゃ、技術が上がるかもしれませんよ」
岡田くん
  「まぁ、向こうにとっては そうですよね。
  カギ付いてれば・・・技術があれば、ってことですよね」
吉川さん
  「ええ。 カギだって、後から付けるわけじゃないですからね。
  彼らが喜ぶような カギの技術が。 今、日本にいては 作れないかもしれないです。  
  だけど、向こうに行って どんどん競争して行けば、
  今と違うような カギがね、できるかもしれない」
岡田くん
  「うーん・・・それ、中小企業とかも そうですか?」
中川さん
  「中小企業も」
岡田くん
  「出てった方がいい・・・」
吉川さん
  「出てった方がいいですね。
  中小企業が いま、親方日の丸でしょう」
岡田くん
  「親方日の丸 というのは、親会社がいて・・・」
吉川さん
  「親がいて、セットメーカー がいて、言いなりに作ってきたわけですよ」
岡田くん
  「はい」
吉川さん
  「それなりに 面倒 見てもらったから、我慢してね、
  まぁ、セットメーカーから見たら、生かさず殺さず というのか。
  ところが、グローバルになったら ですね、
  いま、日本のセットメーカー そのものが危ないですから、
  そこだけ見てると 仕事も無くなるから、やはり 外へ出て行く。
  いわゆる、日本の 親みたいなのが、外に いっぱい あるんですから。
  だから、そこへ出て行って 供給してあげる、というようなことが いいと思うんですけども、
  それには やはり、私が言う、秘伝のタレが無いと、ダメなんですよ」
岡田くん
  「どういうことですか? 秘伝のタレ、とは」
吉川さん
  「秘伝のタレ、っつうのは、食べ物でいえば、レシピを教えない というかな、
  いわゆる、例えば 秘伝のタレと、よく言うでしょ? 焼き鳥のタレとかね、」
岡田くん
  「はい」
吉川さん
  「そのタレが命であって、それは、レシピを教えない ということに なるんだけども、
  それが今、日本は、出て行きたくとも 出て行かないのは、
  レシピを取られちゃうと、技術が移転されて 取られる、ということで、嫌がってるんだけど、
  私はね、それは 秘伝のタレじゃない と思ってる。
  秘伝のタレ、っていうのは、ちゃんと レシピを教えていいんですよ。
  お酒 何グラム、お塩 何グラム・・・その 作り方 を教えなきゃ いいんです、順番も」
岡田くん
  「そんなこと 出来るんですか?」
吉川さん
  「出来ますよ、それは もう。 だから、どうぞ作って下さい と。
  自分達が出て行って やれば、それは教えなければ 生き残れるわけですよね」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「だから、いわゆる 企業内分業 っていうことを考えるんですよ。
  いま、韓国なんかと、例えば テレビとかね、携帯電話、競争してるわけですよ。
  ほんとは、競争すると、お互い 力尽きて 刀折れるわけね。
  いま、見てください、液晶テレビ。
  サムスンと LGと 戦って、サムスン、LG も 赤字、日本も全部 赤字、
  もう、どんどん 価格が破壊されて、お互い もう ダメージを受けてるわけでしょ?」
岡田くん
  「うん」
吉川さん
  「こういう競争じゃなくて、例えば、液晶テレビが サムスンやるなら、
  テレビの重要な部品は 日本がやります、と。
  その、出来たテレビは、日本が買ってあげます、というのを私の言葉では 産業内需化。
  産業内の分業、といいますかね。 産業内で貿易をする、という やり方でやれば、
  お互い WIN-WIN でしょう」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「だから、韓国とか中国はね、WIN-WIN の関係を作っていかなきゃ と思いますね。
  これからは、競争するんじゃなくて」


(曲)
『CAN YOU SEE ME SHINE』 SUGAR CRISIS
Sunshine Kids


岡田くん
  「なんか、前回 お聞きした時に、サムスンでも働いてらっしゃった ということで、
  韓国の・・・全然 違いますよ、って お聞きしたのを覚えてるんですよ。
  国民性というか・・・」
吉川さん
  「やる気、というかね」
岡田くん
  「国のためというか、やる気が もう・・・」
吉川さん
  「全然 違う」
岡田くん
  「全然 違うから」
吉川さん
  「うん。 これが今、日本が失われてるわけね」
岡田くん
  「相手にならないと思いますよ、ぐらいまで 聞いた覚えが・・・」
吉川さん
  「ええ。 私も、言った覚えがあるんですけど」
岡田くん
  「あるんですよね」
吉川さん
  「はい。 それは もう、変わってないですよ。
  いま、日本が どんどん どんどん落ち込んでるから、やる気が無いでしょ?」
岡田くん
  「やる気が無い(笑) やる気が無い ですかね」
吉川さん
  「やる気が無い、っていうかね、精神的な、
  まぁ、精神的に参っちゃってるんですね、もうね」
岡田くん
  「うーん・・・」
吉川さん
  「もう、経営者も含めてね。 なんか こう・・・」
岡田くん
  「12時、ですもんね」
吉川さん
  「うーん。 だから、もうちょっと やる気を出してね、
  その時に、私が言いたいのは、
  ある製品でもって、ゼロ戦みたいに 戦うんじゃなくて、
  上手く パートナーを組んで、お互いが頑張れるような仕組みをね、日本が作ってあげる、と。
  僕は、ハードと サービスをやった ソリューションで、
  ソリューション・ビジネス、っていうのは、日本がこれから 一番 得意な分野なんですね。
  ハードの強いの持ってるし、サービスは サービス、
  これは 今まで、ハードとサービスが 別々に別れてたから ダメなんで、
  これからは、ハードとビジネスを ちゃんと繋げて、ソリューションという形で行く。
  ソリューション というのは、お客様が、一番 こうしてほしい というものを解決する。
  これは、サービスだけじゃ ダメなんですよ」
岡田くん
  「うーん、合わさんないと いけないんですね」
吉川さん
  「うん。 ハードに対して、サービスを付けていく。 特に、アフターサービスね」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「日本は、アフターサービス 悪いでしょ。 お客をないがしろにしてるでしょ、日本は」
岡田くん
  「ほんとですか?」
吉川さん
  「だって、エレクトロニクス メーカーの お客 って聞いてください。
  みんな、量販店を言いますよ。
  消費者を見えなくなっているわけですね。
  自動車も そうですよ。 販売店がお客だと思ってるんですよ」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「でも、販売店に買いに来る ほんとの お客さんが どういうふうに使ってるか、ということを、
  ちゃんと、知る必要がありますよね」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「だから、顧客の客の要求を ちゃんと聞きなさい、と。
  部品メーカーだったら、客の 客の 客ですよね。
  この部品が、例えば 自動車メーカーによって、ある自動車が出来たら、
  その自動車を 誰が買って行って、どういう乗り方をしてるか、ということをすれば・・・」
岡田くん
  「それって でも、昔からあった思想では ないんですか? 日本人・・・」
吉川さん
  「あったんですよ! それ、いつしか忘れたんだと思います」
岡田くん
  「忘れてたんですか。 なんか、昔から そういう思想で作ってきてた、っていう・・・」
吉川さん
  「そうです」
岡田くん
  「日本人とは そういうものだっていう、
  そういうものづくりを・・・」
吉川さん
  「そうなんです」
岡田くん
  「してきたんだ、っていう 国だ、っていう意識が 僕らの中に・・・」
吉川さん
  「いや、私も そう思うけども、それが いつ壊れたか 思い起こせば、
  やっぱり、バブルでね」
岡田くん
  「あー・・・」
吉川さん
  「バブルの時に、そうなったんでしょう。
  例えば、私が子供の頃 というか、学生の頃でもね、家電屋さん、って、あんなの無かった。
  町にね、電器屋さんは ありましたよ。
  そこから買うと、ヒューズが飛んでも、飛んで来てくれたりね、
  サービス良くて、ちゃんと、お客と接してましたよね」
岡田くん
  「うんうん」
吉川さん
  「それが いつの間にか、量販店になって。
  それは もう、情けないことに メーカーが価格まで決められなくなって、
  オープン プライスとか なんかね、カタログを見ても なんの意味も無いような(笑)」
岡田くん
  「そうですよね、オープン価格、多いですよね」
吉川さん
  「ねえ。 あれは、力 が無くなった、ってことですよ。
  量販店に 力 があるから、価格は オレ達に任せろ、と。
  変わっちゃったんですね、この バブルによってね」


(曲)
『世界を抱いて』 YO KING
サンキュー 世界


岡田くん
  「中小企業のみなさんは、海外に進出・・・するのって、すごい難しいですよね」
吉川さん
  「難しいですよ。 まずはね、資金の面で 難しさがある」
岡田くん
  「はい」
吉川さん
  「それから、出て行った時の 仲間がいない、ということで 難しいんですけど、
  資金の面は、日本もですね、いま 政府も 非常に気がついてますから、
  出て行く、っていうことであればね、資金は、
  例えば 国際協力銀行とかね、国際金融公社とかね、
  そういうのを支援するように、いま 出来てるんですよ。
  ただ、相手とね。 パートナーを どうやって見つけるか」
岡田くん
  「はいはい」
吉川さん
  「やっぱり、部品メーカーであれば、
  その部品を ちゃんと買ってくれる お客さん、売ってくれる人、っていうのは、
  自分で なんもかんも やったら、難しいですよね。
  だから、そういう パートナーを どうやって見つけてくるか、というのを、
  サポートするような 仕組みを作ればいい。
  一番 肝心なのは、出て行く勇気がない、っていうことですよね、中小企業は」
岡田くん
  「勇気 なんですかねぇ・・・」
吉川さん
  「そりゃあ・・・」
岡田くん
  「現実的な あれ、も ありますよね。
  お金の問題とか、パートナー の・・・」
吉川さん
  「いや、だから それは 政府も、中小企業庁なんかがね やって、
  ちゃんと ビジネスプランを立ててやれば、ある程度は 出すようになってきてるんですよね」
岡田くん
  「うーん。 そういう こう、政府の補助とか、いろいろ無いと こう、難しいですよね」
吉川さん
  「今は もう出来てますよ。 日本だってちゃんと・・・」
岡田くん
  「変わったんですか?」
吉川さん
  「変わってきてますよ。 どんどん出て行ってください、と。
  ただ、空洞化 空洞化 と言うから、恐れてるけど、
  空洞化を恐れたら、日本が沈没しますから、
  どんどん出て行って、空洞化をしても いいんですけども、
  ただ、出て行く時に、私が言ってるのは、
  賃金が安い とかね、日本の円高だ とか、
  税率が高いから、ということで出て行ったら やられる、と。
  日本の中は リーグ戦だから、負けても 何勝何敗で いいんだけど、
  行けば トーナメントだから、負けたら ダメですよね」
岡田くん
  「うーん。 そうかぁ、そういう感じ・・・」
吉川さん
  「空洞化しても、産業構造は変わるんだから、これから。
  日本の 経済産業省が出した、新成長戦略、読んだら わかりますよね。
  もう、個々の テレビで負けた、携帯電話で負けた、それは もういい、と。
  一本足打法は やめて、八ヶ岳戦法で行こう、と言ってるわけだから、
  いわゆる、新興国で 一番 足りないのは、生活インフラ とか、
  電気が無い、水が無い、交通網が無い」
岡田くん
  「はい」
吉川さん
  「それを システム的に、全総力をあげて、
  技術をやって 賄えないといけないでしょう、インフラ っていうのは。
  それは 日本しかないんですよ、今」
岡田くん
  「それが出来るのは・・・」
吉川さん
  「出来るのは」
岡田くん
  「パッケージにして、インフラを」
吉川さん
  「それは例えば、水処理で フランスに負けてるのは、
  フランスは、運用まで一体になって 来てるわけですね。
  日本は、運用は 地方自治体に任せてるから、電気でも ガスでも 水道でも」
岡田くん
  「うん」
吉川さん
  「だから、技術で持って行くわけですよね。
  技術だけだと 相手の国は困るから、水処理とか ダムを作る とかいっても、
  どうやって発電するか とかね・・・」
岡田くん
  「とりあえず、運用の」
吉川さん
  「そうそう、運用まで面倒見て下さい と、しばらくは。
  セットにして、パッケージにして やれば」
岡田くん
  「日本も いけると・・・」
吉川さん
  「ええ。 だって、フランスが水処理で強い、って いっても、
  ほとんど、重要な 濾過をするための フィルターとかね、ああいう細かい技術は、
  バルブだとか、全部 日本に発注してるわけだからね」
岡田くん
  「うーん。 日本は 今、経済大国、って言っても いいんですか?」
吉川さん
  「いやぁ、経済大国と、今、言えないでしょう」
岡田くん
  「あ・・・そうなんだ。 なんか、でも、僕らん中では、やっぱ まだあるんですよね。
  それが、ダメなんですかね」
吉川さん
  「いわゆるね、総合的な GDPで、日経なんかが言うから、そういうふうに なるんですけど、
  この間、中国に負けて、まだ3位だ、と。 まだ 3位だ、と思うから、
  一人頭のGDP、っていうのはね、もう 23位ぐらいまで下がってるんですから、2008年で」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「一人頭のGDP、っていったら、豊かさを示すわけですね、物質的な。
  そんな もう、豊かじゃないんですよ、日本は」
岡田くん
  「ちゃんと、知らなきゃ いけないですね。
  僕は、申し訳ないですけど、
  日本の ものづくりは負けてない、って、まだ、思ってますし(笑)
  どこにも負けない・・・たぶん、みんな そうだと思うんですよ」
吉川さん
  「(笑)負けてますよ、完全に」
岡田くん
  「日本人て、やっぱり 日本の ものづくり、最高だと思ってきて 育っているし。
  知らなきゃ いけないってことですね」
吉川さん
  「そうです。 だって いま、世界的な国際競争力、って、何位だか ご存知ですか? 日本は」
岡田くん
  「何位ぐらい・・・」
吉川さん
  「28位ですよ、もう。 新興国、30ヶ国ぐらい ありますね、OECDに加盟した。
  その、ビリから数えて 2番目ですよ」
岡田くん
  「あー・・・」
吉川さん
  「それで 経済大国とは、言えないでしょう」
岡田くん
  「そうですよねぇ」
吉川さん
  「だから、昔のイメージを持ってるから、
  そういうのは イノベーションのジレンマ、って、
  日本語で言うと “成功の復讐” に、陥ってるんですよ」
岡田くん
  「うーん。 現実を ちゃんと わかんないと・・・」
吉川さん
  「そうです。 成功を 一回 体験すると、なかなか忘れられない」


(曲)
『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』 サンボマスター
世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
 

岡田くん
  「じゃあ、企業と人との関係、っていうのを どいうふうに・・・」
吉川さん
  「やっぱりね、働く喜び というのをね、僕は こう、持った方がいいと思うんですよね。
  やっぱり、作る喜びとかね、売る喜びとか、
  人間 っていうのは、給料だけで働いてるわけじゃなくてね、
  ある程度の 標準的な生活ができれば、あとは やはり、
  作る喜び とかね、売る喜び とか、使う喜び とかっていう、
  心の豊かさを求めると思うんですね。
  だから、企業も、ただ どんどん作って、さぁ 売って来い とかいう、
  物質的な豊かさ じゃなくて、心の豊かさ みたいなものを植え付けるような、
  例えば、福利厚生とかね、教育なんかをすべきだと思うんですよ」
岡田くん
  「最後に、じゃあ、光があるとすれば、どうして いったらいいですか?」
吉川さん
  「これはね、やはり、日本 ていうのは、韓国や 中国に、負けたわけじゃないんですよ。
  企業、っていうのは、運動会じゃないから、ここがゴール ということは ないですから、
  自ら 撤退しない限りは、負けたわけじゃない」
岡田くん
  「うん」
吉川さん
  「たまたま、ある産業とか ある製品が、抜かれただけなんですよ。
  だから、抜き返せば いいんです。
  抜き返すためには、いま、産業構造が グローバルに変わったんですから、
  いま一度、ここで 自分を見つめ直し、学ぶものは学び直して、戦う体力をつけてね、
  もう一度、出て行けばね、
  夜の明けない日は無い わけですから、必ず、夜明けは来るわけですよね。
  と、私は そういう、もう一度、いま 見つめ直す時期だと思ってるんですよ」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「震災とか いろいろ、辛いけども、ここで一度、自分を見つめ直す、
  日本は 日本を もう一回、見つめ直す。 政治も 経済も 技術も」
岡田くん
  「変わる時期、だと・・・」
吉川さん
  「変わる時期だと思うんですよ。 そして、産業構造を変えていく。
  今までの、テレビを作って シェアを取った、とかね。
  電話を作って 負けたとか勝ったとか、っていうことじゃなくて、
  やっぱり もうちょっと、日本が出来るようなね、環境とか、新しいエネルギーとか。
  日本は幸いなことに、年寄りが多いでしょ。
  これは すごく有利なんですね、次の事業で。
  いわゆる、老人介護だとかいう時には、ものすごい技術がいるわけですよ、
  介護ロボットが できたり、介護のシステムが。
  いずれ、韓国も中国も、年とってきますから」
岡田くん
  「(笑)」
吉川さん
  「その時に ドーンと、システム輸出したらね、これ 大変な産業でしょう」
岡田くん
  「うーん」
吉川さん
  「こいうふうに 考え方を変えて、日本の総合力で やっていくようなね。
  そのためには まだまだ、イノベーションと、
  一番は やっぱり、規制緩和ですかね。
  もっと、TPP だとか FTA はね、どんどん どんどん参加していく、と。
  だから、小さい空洞化を恐れないで。
  空洞化、っていうのは なんか、いまの製造業の工場をイメージしてますから、ワーカーを。
  そうじゃなくて、アメリカみたいに、ドーンと産業構造、変われば、
  ものすごい雇用が生まれるわけですから」
岡田くん
  「うん」
吉川さん
  「アメリカは 80年代、日本に負けた時に、ものすごく 産業構造、変化したわけでしょ。
  その結果、マイクロソフトが生まれ、グーグルが生まれ、ヤフーが生まれ、
  インテルが生まれ、アップルが生まれて、彼らは、ものに 特化したでしょ?
  全部、作ってるのは、中国とか韓国ですから。
  それで、ものすごい産業構造を展開して、雇用を生んでるわけでしょ。
  だから、日本も こういうふうに、産業構造をやればね、
  これはもう、空洞化なんて起こるわけがない」


(曲)
『GO OUTSIDE』 CULTS
カルツ



(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、吉川さんと お話しをさせていただきました。
アイディアと勇気が大事だ、っていうことと、
いま 現実をね、ちゃんと知った方がいいよ、っていう、
経済大国 って、もう言えないよ、っていうね、ことも こう・・・
そっかあ、って思うことは(笑) たくさん、やっぱ ありましたけど。

でもね、うーん、そうなんですよねえ。
なんか でも、2012年、2発目? のラジオで、あんまり こう、ネガティブだったり、
反省とか、あんまり(笑)言いたくない、っていうのも あって。
きっとね、なんか・・・なんか あるはずなんですよ。
世界中で、日本ができること、って。
日本人だから できることも、あるだろうし。

これから 2012年、いっぱい いろんなこと、
11年、いままで あったし。 でも・・・大丈夫ですよ。
これからね、変わっていって。 みんなでね、今年、
見たかコラ、と(笑) 日本人、見たか、と言えるようなね、なんか・・・
盛り上げていくしかないですからね。
やっぱり、ここは もう、見たか! と言えるように、頑張っていきましょう」


(曲)
『SUNRISE』 PUFFY
59



(吉川さんからの コメント)

「2012年、私が考えてることは ですね、やはりね、日本が大きく、
ものづくりに対して、大きく方向転換する、最初の年だと思うんですよ。
そういう意味ではね、政府も方向転換するためにですね、
いろんな法規制とか、税金の問題とか そういうものを やはり こう、
企業が方向転換しやすくて、伸びていくような、支援をする年になるといいですね」

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