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2011/9/25 on air  「今、ラジオができることって何ですか?」              (guest)  荻上チキさん


検証 東日本大震災の流言・デマ (光文社新書)



検証 東日本大震災の流言・デマ


荻上 チキ




(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週 一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も、みなさんと一緒に、成長したいと思います。

今日のゲストは、評論家、編集者の 荻上チキさん です。

荻上さんは、人文社会科学から、自然科学、そして、カルチャー の最前線に立つ人達による、
コラム や 連載、対談 などを掲載するメールマガジン、
『αシノドス』 の、編集長をなさっております。

著書に 『ウェブ炎上』 や 『社会的な身体』 など、
共著の 『いじめの直し方』、編著の 『経済成長ってなんで必要なんだろう』 など、
様々な角度から、現代社会を読み解いていらっしゃいます。

荻上さんは ですね、なんと、1981年 生まれ。
僕が 1980年 生まれ ですから、一つ上。
完全に、同世代の方 なんですよね。
なんか、すごい 面白い人、っていうのを聞いていますが、
どういう人なのか、すごい 気になります。

そんな方が 今、現代社会をどう見ているのか、気になりますが、
今日は、メディア論 として、ラジオについて、聞いてみたいと思います。

ネット全盛の いま、若者のラジオ離れが問われてる いま、
けれど、震災で、改めて ラジオが見直された、いま。
これからの ラジオについて、考えてみたいと思います。

“今、ラジオができることって何ですか?” 

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒にお付き合いください」



(曲)
ELVIS COSTELLO AND ATTRACTIONS 『RADIO RADIO』
ディス・イヤーズ・モデル


岡田くん
  「荻上チキさん」
荻上さん
  「はい」
岡田くん
  「これね、あの・・・なんか、すごい面白い人がいるよ、っていうのを聞いて・・・」
荻上さん
  「ほんとですか」
岡田くん
  「僕の、一個 下。 一個 下ですよね」
荻上さん
  「そうですね。 僕は、1981年 生まれですね。
  岡田さんは、1980年 生まれ」
岡田くん
  「80年 生まれ」
荻上さん
  「はい」
岡田くん
  「だから、なんか、メディア論 とか、
  いろいろな こう、社会とか 政治とか、そういうのも含めて ですけど、
  カルチャーも含め、そういうので こう、ガンガン 突っ込んでいく人で、
  同世代の人とか、下の人が、この番組に出てくれることも、初めてに近いので」
荻上さん
  「あ、ほんとですか。 光栄ですね、ありがとうございます」
岡田くん
  「なんで、荻・・・あれなんですか、これ 本名ですか?」
荻上さん
  「いえ、これは ペンネームですね、見事に」
岡田くん
  「なんで “チキ” に したんですか?」
荻上さん
  「チキ は、僕の本名を音読みにすると “チキ” になる と」
岡田くん
  「あー・・・」
荻上さん
  「元々、インターネットで ブログをやってたんですけれども、
  ブログでは みなさん、ハンドルネーム とか ペンネームを名乗るのが、
  わりと、当たり前のように 行われていたので、
  何か、適当に 名乗ろうかな、と思って “チキ” と付けた。
  そしたら、単に ブログだけにとどまらず、いろいろ、ものを書くように なったので、
  その名前を 一生 背負い続けることになった、という・・・」
岡田くん
  「(笑)」
荻上さん
  「たぶんね、30代後半ぐらいで、後悔しだす名前だと思うんですね、これは(笑)」
岡田くん
  「(笑) いつから・・・大学ん時から、なんか やってますよね。
  ブログで、ガー って、こういうこと やったりとか」
荻上さん
  「そうですね。 大学4年生の時ですか。
  他の大学の授業とか、受けるのが好きだったんですよね」
岡田くん
  「はいはい」
荻上さん
  「他の大学の授業を 他の人も 受けてくれればいいのに、って思ってたんですよ」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「で、自分が 他の大学の授業とか受けて、
  その授業の模様を レポートという形で書いて、共有する と。
  だから、他の人も書いてくれ、っていうことで、何人かに書いてもらって 投稿する と。
  そういった サイトを 最初に作ったのが、
  インターネットで情報発信をする、一つの きっかけでしたね」
岡田くん
  「あの、ここにね “気鋭の論客” って 書いてあります」
荻上さん
  「(笑) 便利な言葉ですね」
岡田くん
  「アハハハ! 自分で、何て 表しますか?」
荻上さん
  「自分で ですか?」
岡田くん
  「はい。 何だと 思ってるんですか? 本当は」
荻上さん
  「うーん・・・いや、自分は、やっぱり 評論家 って そんなに、
  何人も、ポコポコ出てくるような人では ないと思うんですよね、職業として」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「だから、若い、というだけで アドバンテージ に なって、
  ある 一定の期間、発言することができてしまう業界でも あるわけですよ。
  ただし、この分野は 自分にこそ 発言できる、という、何か テーマを持ったりとか、
  あるいは、こういった目線で 自分は持ってるんだ、発言しているんだ、
  世の中を見ているんだ、っていうふうに アウトプットできる、目線を持っているか、
  きっと、どちらかを持たざるを得ないような状況、というか、お仕事でして。 
  自分は、新進気鋭 というような肩書き というのは、呼ばれ方でも、
  今年 30に なりますから、そろそろ捨てなくては いけないだろうな と」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「とういことで、何々に詳しい、っていうことを言われるような、
  評論家に ならなきゃ いけないな というのは、常々、思っていますかね」
岡田くん
  「自分では、何に詳しい と」
荻上さん
  「一つは、メディア ですよね、当然のことながら。
  メディア評論家と名乗る、というか、呼ばれることも ありますので」
岡田くん
  「うーん」
荻上さん
  「また、ちょっと 今日とは テーマは違うんですけれども、
  最近は、性風俗 といいますか、男女の いろいろな、
  特に、アンダーグラウンドの状況で、特に、女性の方が 売春行為をしたりとか、
  あるいは、ヤクザとかと絡んで、いろいろなビジネスをしたりとか、
  そうしたことを いま、調査をしたり しているので、
  そうした分野も これからは ちょっと、アウトプットで、
  発言していこうかな、と思ってますね」
岡田くん
  「元々、何に興味があって、この仕事、始めたんですか?」
荻上さん
  「うーん、一番 最初は ですね、ネット上で、いくつか 論争が行われていて、
  他人が論争しているのを聞くとですね、
  見たり聞いたりすると、
  ちょっと それ違うだろう、って思うような ポイント っていうのが、
  いくつか出てくるわけですね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「それのポイントの、いくつかのうち、
  例えば、フェミニズム とかですね、あるいは、イラク人質事件 とかですね、
  あるいは、インターネットの登場をめぐる、
  例えば、携帯電話とか、パソコン とか、ゲーム とか、
  そうしたものに対する意味づけの仕方が、どうも おかしいぞ、と。
  特に、年長世代の やっている議論が、なんかこう」
岡田くん
  「ズレてるとか・・・」
荻上さん
  「当事者目線から見ても ズレてるな、というのが 一つと、
  今後の日本のためにも 良くならないな、っていうのが 一つ。
  こういうふうに、疑問を抱いていったことが、
  評論家として 書き続けていこうと思った、一つの きっかけ ですかね」
岡田くん
  「うーん」


(曲)
KASABIAN 『VELOCIRAPTOR!』
ヴェロキラプトル!


岡田くん
  「まあ、あの・・・そんな 荻上さんの、
  今回、あれなんですよ、ラジオ。 “ラジオができることって何ですか?”」
荻上さん
  「うん。 大きい テーマですね」
岡田くん
  「これ、どう思いますか? ラジオ。
  ラジオ体験 て、ありますか?」
荻上さん
  「ラジオ体験、ですか?」
岡田くん
  「はい」
荻上さん
  「子供の頃から、ラジオ、わりと 聴いていましたよ」
岡田くん
  「テレビ よりも・・・」
荻上さん
  「テレビも、もちろん たくさん観てましたけど、
  自分の体験で いえば、一番 ラジオ 聴いたな、と思うのは、
  高校受験の時と、大学受験の時、ですかね。
  受験の時は やっぱり、テレビを観ていたら、勉強できないわけです。
  そんな時に、ラジオ って、コミュニティー というか、
  なんとなく “コイツら” とか “オレ達” とか、
  そういった、なんとなく 抽象的な、ツルむ仲間みたいなものを作ってくれる メディア で、
  やっぱり、12月とか 1月に なってくると、ラジオの パーソナリティー の方が、
  『そろそろ 受験本番ですよね。 受験生のみなさん、頑張ってください』
  みたいなことを言ってくれたりするわけですよね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「そうすると、受験生としての自分は、たいへん励まされて、
  自分だけじゃない、日本に いろんな受験生の方がいて、
  そうした人も 頑張ってるんだから、自分も頑張ろう、というような感じで、
  自分を励ますための、仲間意識を作るための メディア として、
  ラジオ っていうのは、わりと 一生懸命、聴いてましたかね」
岡田くん
  「いまは、聴かれますか?」
荻上さん
  「いま、聴いてますね」
岡田くん
  「おー・・・」
荻上さん
  「特に ニュース番組とか、
  テレビなどでは流れないような、ニュースコメントを載せてくれるような番組というのが、
  非常に多いので、そうした番組は、よく 好んで 聴きますかね」
岡田くん
  「あのー、荻上チキさんが思う、ラジオ って、何ですか?」
荻上さん
  「ラジオですか? うーん。
  ラジオの歴史を振り返ってみると、約100年近い歴史があるわけじゃないですか」
岡田くん
  「うんうん」
荻上さん
  「で、ラジオ って、登場した時は、ちっぽけな、オタク向けのれ ツールだったんだけれども、
  それが 1930年代から、50~60年代ぐらいまでに かけて、
  マスメディアに なっていくわけですね。
  一家に一台、みんなで聴いていく メディアだ、と」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「だから、1950~60年代前後の ラジオというのは、たぶん、みんなの メディア。
  つまり、マスメディア っていうような形容が、ものすごく ピッタリな メディアだったと思うんです。
  しかし、60年代に入って、テレビに その座を奪われて、80年代から 90年代 ぐらいまで、
  例えば、深夜ラジオ っていうのが、なんとなく ラジオの イメージを 形作っていくように、
  みんなのものでは ないかもしれないけど、確実に、オレ達のものでは ある、っていうふうに、
  リスナー に 思わせるための道具。 それが、ラジオだったと思うんですね。
  だから、他の人達は 聴いてないかもしれないけど、
  オレ達だけは、この番組を聴いてる。
  この番組を聴いている オレ達は、それだけで 仲間である。 そんな、なんか こう、
  共同意識 というか、連帯感を与えてくれる メディアが、これまでの ラジオだったと思うんですよ」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「しかし、ラジオが これから どうなっていくのか、と考える時に、
  この “仲間を作る” 特定の人達をくっつける、っていう、
  そういった ラジオの機能というのは、いま 変わりつつあるなぁ と思うんですよね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「それは 何故かといえば、やはり インターネットが登場したことによって、
  ネットの方が “オレ達” っていうもの、
  仲間意識、っていうものを作る メディア として、
  ものすごく優れたものとして、出てきてしまっているから。
  なので、テレビに マスメディアの座を奪われて、 
  いま、オレ達の メディア っていうような場所を 奪われそうになっているのか、
  それとも、インターネットと、例えば 一緒に付き合っていくことによって、
  セットで “オレ達” っていうようなものを囲っていく メディアに なっていくのかは、
  ちょっと わからないですね」
岡田くん
  「うーん」
荻上さん
  「ただ、僕にとっては やっぱり、学生時代からの経験からして、
  オレ達のメディア。 仲間内のメディア。
  そういった イメージが、やっぱり ラジオには 強いですね」
岡田くん
  「うーん。 ラジオ、好きですか?」
荻上さん
  「好きですよ」
岡田くん
  「その、好き、っていう魅力は、何なんでしょうね」
荻上さん
  「うーん。 やっぱり・・・例えば マスメディア。
  新聞に対して 雑誌の方が、新聞では取り上げられないけれども、
  ディープな ネタを 深堀りできる、っていうような面があったりするわけですね。  
  あるいは、テレビに対して ラジオ っていうのも、おそらく、そういった面があって、
  テレビでは 取り上げられない ニュース、あるいは、
  テレビでは、まだまだ ちょっと 新人で、出づらい お笑い芸人の方とか、ミュージシャンの方とか、
  そういった方も 自分で番組を持てたりして、なんか こう、実験的に育てられながら、
  しかし、そこでしか できないような表現、っていうのを やっていたりする、と」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「なので、やっはり テレビには テレビの、良いところも ある。
  他にも、ネットには ネットの、良いところも あるんですけど、
  ラジオでしかない魅力というのがあるからこそ、ラジオは好きだな、というふうには思いますね」
岡田くん
  「なんか もっと、こうした方がいいのに とか思うこと ありますか?」
荻上さん
  「ラジオに対して ですか?」
岡田くん
  「はい」
荻上さん
  「今は なんといっても、第二の ラジオ離れ期、に 来てると思うんですよね」
岡田くん
  「(笑)さすが だね。 なんかね」
荻上さん
  「(笑)」
岡田くん
  「第二期、とか・・・(笑)」
荻上さん
  「ハハハ! それっぽいですよね」
岡田くん
  「それっぽいよね。 アハハ(笑)」
荻上さん
  「第一期が 先ほど言った、テレビが登場したことによって、マスメディアの座を奪われていく。
  そうした時期が、ラジオには あったんですけれども、
  でも ラジオは、なんだかんだ いって、それを乗り越えた、と思うんですよ」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「いま、第二期の、ラジオ離れの時期が来ている。
  ラジオ離れが なぜ起きているのかといえば、
  テレビの次に、新しく登場してきた メディアということで、
  インターネットに、その座を奪われている、というのが 一つですよね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「もう 一つは、不況によって ですね、広告費なども ガタ落ちしていますので、
  やはり、面白いことをやろうとしても、
  ちょっと 体力が落ちてしまってるな、という面が あるわけですよね。
  お客を取りに行こうと思っても、体力が無い。
  または、取りに行こうと思っても、お客自身が 他の メディアに目を向けてしまってるので、
  なかなか、ラジオに向いてくれない。
  こうした、二重苦 三重苦の 状況が、いまの ラジオには あると思うんですよ。
  ただ、例えば、いろんな ラジオ番組が、インターネットの ウェブサイトを作って、
  こんな ゲストの方に来ていただきました、とか、
  あるいは、ツイッター など、いろいろな メディアを活用して、
  ファンとの コミュニケーションの場を設けたり とか、
  一度、インターネットに奪われそうになった お株を、
  インターネットを 逆に活用してしまうことによって、
  ラジオの魅力を より広げるために使ってる、というような番組が とても増えたと思うんですよね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「最初、ラジオも、なんだかんだ言って、抵抗してたんですよ。
  ネットに取られてたまるか と、まぁ ライバル視 していたんですが、
  ライバル視 するのではなくて、上手いところを 互いに吸い合おう というような仕方で、
  ラジオが進化しようとしている。 そいういった、いま、状況に あるので、
  こうした流れを より加速させればいいのに、っていうふうには思いますね」
岡田くん
  「うーん」


(曲)
R.E.M. 『RADIO SONG』
アウト・オブ・タイム<SHM-CD>


岡田くん
  「荻上さんてさあ、なんでも話せる?」
荻上さん
  「なんでも、話せないですね」
岡田くん
  「(笑)なんでも話せない」
荻上さん
  「ジャカルタのこととか、聞かれても困りますから。 アハハハ!」
岡田くん
  「メディア論 て、どっからどこまで なんですか?」
荻上さん
  「あー、メディア・・・」
岡田くん
  「ラジオに ついては、結構、調べたんですか?
  第二期、第三期 って、それ 自分が見てて感じたのを こう、整理していってるかんじ・・・」
荻上さん
  「あー、でも、メディア論 っていうのは、一つは、歴史研究なんですよね。 各メディア、
  テレビが 例えば、50年代に 日本に登場して、60年代に バー っと売れて、とかっていうふうに、
  どの メディアが どんな歩みを追って、今に至るのか、っていうのを追って行くのが、
  一つの メディア論の、基本的な方法なので、
  テレビとか、ラジオとか、インターネットとか、新聞、あるいは 電話とかですかね、
  そうした メディアの歴史 みたいなものは、
  学生時代に 結構、叩き込まれたりは するものなんですよね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「ただ、最近、メディア論 ていうふうな 一括りで、切れないようなところも あってですね、
  例えば、インターネット っていうことを メディア論で語ったとしても、
  じゃあ、インターネットでも、メールと、特定の ウェブサイト、
  mixi とかの ウェブサイトも、モバゲー みたいな ウェブサイトも あれば、ツイッター も ある。
  そういったものを 一つの メディア論で語ることって、無理ですよね」 
岡田くん
  「うーん」
荻上さん
  「なので、そうした、インターネットは こうだよね、みたいな、
  一言で括れないような状況があるからこそ、
  世の中にある技術で、しかも、人間の コミュニケーションに介入するものは、
  ひとまず、全て メディアなんだ、と捉えたうえで、
  一個一個、丁寧に見ていく、ってことをしなくちゃ いけないな、というふうに思ってますね」
岡田くん
  「大変な量に なりますよね。 一個一個、丁寧に見ていて・・・」
荻上さん
  「うーん、そうですね。 でも、今ちょうど、僕ら アラサー で、
  アラサーの 日本人ていうのは、子供の頃から ゲームを たくさんしたりとか ですね、
  で まぁ、テレビがあって、ビデオがあって、今度は DVDがあって、
  あるいは、インターネットが出て来て、っていうふうに、
  いろんな メディアが、登場して発展していく様、っていうのを、
  リアルタイムで、生で見てるわけですよね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「そうした メディアについて語るのは、
  もちろん、自分の体験から 語ることも できるわけじゃないですか。
  それに加えて、いろんな歴史とか、他の人の 使い方とか、
  そうしたものを分析して、観察したうえで語れば、
  わりと、同世代の方とか だと、
  メディア って、こうだよね、って語ると、
  結構、小難しいような話をしてるかのようで、
  そうそう そう、そうだよね みたいな、話が、わりと通じやすいような状況にあるので、
  そんなに 難しい作業だとは思わないし。
  メディアが好きだから、メディアについて語りたい、とも思うので、
  ラジオが好きだから、ラジオについて語る、
  ネットが好きだから、ネットについて語る、と」
岡田くん
  「じゃあ。 オレは、自分の世代だからか 知らないですけど、
  僕ら世代、って、29 とか 30、
  27 から 34 ぐらいかな・・・」
荻上さん
  「アラサー っていうことですよね、今ちょうど」
岡田くん
  「アラサー世代が、すごい面白いと思ってて、
  で、この時代が、きっと 何かを変えていく、と呼ばれる世代に なってほしいと ね、
  勝手に願ってるんですけど」
荻上さん
  「はい」
岡田くん
  「アラサー世代 って、先ほど 言いますけど、
  ご自分で、何世代 って、名前つけますか? じゃあ」
荻上さん
  「自分で ですか?」
岡田くん
  「自分で、っていうか、この、なんだろう、30ぐらいの。 いろいろ こう、なんだろう、
  変化を、って、さっき・・・出てきて、
  いろいろ もう、できあがってきて、いろいろ 変化してきて、
  たぶん、週休二日制、味わいだしたのも、オレらからだし、みたいな(笑)わかんないけど こう、
  ゆとり教育、始まりだしたのも、自分たち世代 だし、
  で、それがダメで 変わって、とか、いろんな 社会の現状も見て」
荻上さん
  「はい」
岡田くん
  「ちょうど、高度経済してから、日本が変わった時代を見てきて、
  で、やっぱ ちょっと、違ったよね。 追い求めてきたとこ、違ったよね。
  地震も起こって・・・」
荻上さん
  「起きましたね」
岡田くん
  「起こって、やっぱ ちょっと、変わっていかなきゃ いけないよね、って 見た時に、
  それを 荻上さんから見ると、どういう世代なのかな? って・・・」
荻上さん
  「そうですね。 特に、例えば、ゆとり教育 とか、メディアの話とか、
  いろいろ、切り口は あると思うんですけど、広く見ると、僕は、基本的には、
  やり直し世代、だと思うんですよね」
岡田くん
  「ほぉー、“やり直し世代” 」
荻上さん
  「つまり、今まで、例えば 政治的なこととか、
  あるいは、メディアの抱えてる いろいろな問題にしても、
  問題点がある っていうことは もう、散々、指摘され尽くしているわけですよ。
  され尽くして され尽くして され尽くした結果、
  みんなが無関心に なってしまっている っていうのが、いまの現状だと思うんですね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「例えば、東日本大震災の際に、明らかになった、原発事故があったわけですよ。
  原発問題 っていうものは、特に、今の 若い人達 っていうのは、
  そもそも、そういった争点があるということ 自体を 忘却していた、というか、忘れていた。
  隠していた というか、見て見ないように してきた。
  見て見ないようにした というか、そもそも、あることを知らなかった。
  そいうふうに、いろいろな問題点が、いままでの社会には 存在してきたんだけれども、
  上の世代が 論点化してきた、その 論点化のしかたじゃ、全然 解決してこなかった」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「しかし、今は 多くの若者。 多くの、僕達を含めた、アラサーより下の世代 っていうのが、
  その論点の存在、そのものを知らないような状況に ある、と。
  しかし、このまま放置しておくと、原発事故に象徴されるように、
  いろいろな問題 というものが 明らかになって、ダメに なって、
  日本そのものを 危険に おかしていく、というような状況にあると思うんで、
  そうした論点を 一個一個、問い直して、
  で、議論をやり直していく、っていうことが、たぶん 求められていると思うんですね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「例えば、メディア論に関連して言うならば、
  メディア論 て、ちゃんとした学問としての メディア論とは 別に、
  特定の世代の人達が語る “なんとなく メディア論” て、あると思うんですよ」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「それは 例えば、ゲームをすると バカになる、とか、活字を読まないと バカになる、とか、
  上の世代の人達が体験してきた メディア体験、ていうのを、
  一つ、絶対的なものだと捉えたうえで、
  下の世代は、それと違うことをやった。 そんな 違うことをやっていたら、
  アイツら、オレ達より 劣るに違いない、っていうような タイプの議論が、
  ずっと 積み重ねられてきたんですね。
  そうした議論ばかりが 一人歩きしていった結果ですよ、
  この国は、メディアに対する教育 っていうのが、
  ほとんど されないような国に なっているんですよね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「普通、こういった国 っていうのは、先進国では、なかなか考え難い。
  例えば、テレビが登場して、もう 50年以上 経つ と。
  あるいは、ラジオは もうすぐ、100年近く 経つ と。
  インターネットが、約20年から15年ぐらい ですかね、
  それぞれ、歴史を経てきてるんですけれども、
  どの メディアも、それについて、じゃあ 教育しよう、っていったときに、
  方法論が、この国には 全く無いんですよね。
  インターネットが登場して、例えば、ネットを通じて 犯罪に巻き込まれるかもしれないし、
  書き方 一つで、他人を傷つけてしまうから、加害者になる可能性も ある。
  じゃあ、子供達に メディア教育を しっかりしましょう、
  インターネットについて教えましょう、っていう話は、よく、年長世代の方、されるんですよ」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「まず、そう言ってる人達が、ネットについて 知らない。
  なので、教える人が そもそも いない、と。
  そういった人達も、じゃあ、もっと慣れてる テレビとか ラジオとかについて、
  教育できるかといえば、できない と。
  そういうふうに なんとなく、すごく わかり易い、
  新しい メディアは ダメで、古い メディアは OK なんだ、みたいな、
  単純化された議論ばかりに 慣れてきた結果、
  メディアについて考えるための 知識、知性 というものを 損なってきたような 歴史がある。
  こういった歴史 っていうのは、いろんな論点について 言えるんで、そうした 考え直し を、
  様々な 数多な点で、していかなくちゃ いけないなぁ、というふうには思ってますね」


(曲)
DAFT PUNK 『DIGITAL LOVE』
Discovery


岡田くん
  「なんか、僕の願い、言っていいですか?」
荻上さん
  「はい」
岡田くん
  「いい評論家を集めてほしいです」
荻上さん
  「うん」
岡田くん
  「(笑)なんていうか。 いい評論家、悪い評論家、いっぱいね、いろいろ あるんだと思うんですよ。
  あんま、まぁ、明言は 避けますけど(笑)
  いい評論家、悪い評論家、いっぱいあって、
  でも きっと、いろんな人のための評論家がいて いいと思うんですけど、
  でも 実際、評論家が思う、質のいい 評論家 って、あると思うんですよね」
荻上さん
  「はい」
岡田くん
  「この人は、ほんとに 質のいい評論家だ、みたいな人達が集まっていて、
  そこには、質のいい評論家しか入れない グループみたいなのがあって(笑)
  選ばれないと、メンバーには規定されない、みたいなのがあると、やっぱ 僕らは、
  あ、ここの人は信用できる、っていうのがあると、
  その情報 って、真実になっていくと思うんですよね、きっとね」
荻上さん
  「そうですね」
岡田くん
  「みんなが、周りが、そこの人達が言うんだったら、その 言うことが真実であり、
  あ、これは ほんとに、本物かもしれない、って 言われるような場所があれば、
  きっと、なんか、オレら、信じれるんだけど、
  評論家 自体が バラバラに言っていて、
  例えば、商売的なことで 書かざるを得ない とか、
  これは もう、褒めざるを得ない とか、わかんないけど(笑)なんか、
  いろいろ あるから、こう書きます、みたいなことって、あるじゃないですか」
荻上さん
  「ありますね。 御用評論家も いたり」
岡田くん
  「御用評論家も(笑) なんか・・・だから、まとめてくださいよ。 若いんだから。
  若いんだから、っつったら(笑)29歳、変わらない(笑)」
荻上さん
  「ハハハハ! ザックリと、投げましたね」
岡田くん
  「ザックリと だけど・・・やっぱ 評論家の ねえ、人達、29歳で、やっぱ 嬉しいじゃないですか。
  こんだけ 論客が、ワー って 出て」
荻上さん
  「今 おっしゃられたことって、まさに 実は いま、僕、やってる最中 なんですよね」
岡田くん
  「あ、そうなんですか」
荻上さん
  「僕、シノドス という会社を、社会学者の 芹沢一也という者と、経済学者の 飯田泰之という者と、
  3人で、会社を作ってまして、
  僕は 評論家ですが、残り 二人は、経済学者 と 社会学者で、
  言論の、特に 若手の研究者や評論家を集めた、発表の場。
  プラットホーム といいますか、メディアを いま作ってるんですね。
  で、例えば 政治とか、社会について考える時に、
  いま、世の中に出てる雑誌とかって、たくさん あると思うんですよ、
  そういうことについて 考える雑誌」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「ただ、そういった雑誌 って、軒並みですね、平均年齢が 40、50 を超えてるんですね。
  これは、読者の購買層ですね。
  読者の購買層が、40、50 を超えてる ということは、
  書かれる言葉も、40、50 に向けて書かれるわけじゃないですか、当たり前のことながら。
  しかしながら、40、50 の人が考える社会と、20代、30代の人が考える社会とでは、
  時々、ぶつかる問題 というのが あるわけですね。
  例えば、年金問題 然り、社会保障の問題について 然り、
  上の世代が、例えば、特定の お金を貰い続けていきたい、ってうことを、
  一つの メリット と 考えるのであれば、
  下の世代は、それを払い続けたくない というものが、もしかしたら、メリット に なるかもしれない。
  そうした 政治的争点が 様々に あるにもかかわらず、
  若手の研究者とかが集まる 媒体、というのが、いままで無かったわけですよね。
  なので、まず それを作りたい、というのが 一つあって ですね、そうした会社を作りました。   
  で、さっき “やり直し世代” というふうに言ったんですけど、
  評論の世界では、何をやり直さなくては いけないか といえばですね、
  いままで 評論の世界で やられてきたこと って、大体、
  文明評論 とか 文化評論が、ほとんどだった わけですよ」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「つまり、人間は どんどん劣化していってる、とか、街がどんどん、輝きを失っていってる とか、
  なんとなく、ふんわりとした雰囲気で、ザックリと 社会を分析してる、っていうのが、
  評論家の お仕事だったわけですよね。
  ま、誰でもできるじゃねえか そんなこと、と。
  そうした仕事が わりと、ずうっと続けられてきたんですけど、
  いまは、事実ベース といいますか、
  根拠ベース の議論をしない限り、説得力を持ちにくいような社会になってるし、
  そういった社会を歓迎すべきだ、っていうのが そうした論客をまとめている、一つの理由ですね」
岡田くん
  「うーん」
荻上さん
  「数年前まで、テレビでは 散々と、
  何か 殺人事件が起きて、それで 何か、ワイドショー などが騒ぐたびに、
  若者がキレやすくなった、とかですね、若者が凶悪化した、とかですね、
  少年犯罪が増加している、って話が・・・」
岡田くん
  「言われた世代、ですよね(笑)」
荻上さん
  「ええ。 言われ続けてきましたよね」
岡田くん
  「ちょうど “キレる 14歳” とか でしたね」
荻上さん
  「そうでしたね。 僕ら “キレる世代” でしたよね(笑)」
岡田くん
  「アハハ(笑) キレる世代・・・」
荻上さん
  「そういうこと、散々、言われてきたんですけれども、
  わりと、学問とかに触れだして、いろいろ 調べるような年代になって、確認をしていくとですね、
  全然、キレてないんですよね、僕ら世代、というのは」
岡田くん
  「うん、まぁ、中にはね」
荻上さん
  「中には、いるけれども」
岡田くん
  「どの時代でも、キレる子供はね(笑)」
荻上さん
  「ええ、そうなんですよ」
岡田くん
  「どの時代でも、いますから」
荻上さん
  「どの時代でも、いる。
  ただし、統計的に見ると、僕らの世代 というのは、殺人も 件数は低いし、
  また、凶悪犯罪と呼ばれるものも、発生件数 自体が、そもそも低い と。
  しかしながら、なぜ 僕達の世代ばかりが、キレやすい、危険だ、というふうに 言われて、
  しかも その原因が、例えば ニュータウン だ、例えば ゲームだ、
  例えば テレビの見過ぎだ、等々など とかね、そうしたふうに さらされたのか、っていえば、
  単に 皆さん、事実に基づかないで 議論をしていたから、そっから先の議論 というのも、
  やれ テレビが悪い、とか、よくわからない議論に続いて行ったな と。
  そんなところから出される議論の解決策に、全く、効果なんて あるわけがない わけですよね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「そうした議論が、僕達に 何か役に立ったか、といえば、
  全く 役に立ってこなかった、という歴史があるので、
  こういった歴史を 次の、下の世代に、受け継がせていくことだけは、
  してはいけないだろう、ということは、常々 思ってますかね。
  なので、事実ベースで、
  特定の分野についてだけ、信頼をおけるような評論家と付き合う、というのでは なくて、
  様々な分野をこなしながら、様々な専門家同士が語り合いながら、
  社会を少しずつ、寛容にしていくための方法、っていうのを、
  徹底的に議論をするような場、というのを、
  これから作っていく、というのが 課題になるんじゃないかな、と思いますね」
岡田くん
  「 『シノドス』 を、もうちょっと メジャー に、
  いっぱいの、こう、会員制みたいにして(笑)わかんない、あの、あれですよ。
  評論家の人達をね、質のいい情報を、
  評論家も認める場所に、ぜひ、していってください」
荻上さん
  「そうですね。 それが できなかったら、僕は 終わりですからね(笑)」
岡田くん
  「(笑)」
荻上さん
  「頑張りますけど、はい」


(曲)
GLEE CAST 『SOMEWHERE ONLY WE KNOW』
グリー<シーズン2>ザ・ウォーブラーズ


岡田くん
  「なんで、評論家、って 名乗ってんですか?」
荻上さん
  「他に、名乗りようがないからですかね(笑)」
岡田くん
  「あぁ、そうかなぁ・・・」
荻上さん
  「学者でもないし、でも、ライター じゃないし、という、結構・・・うん、
  引き算で、そこを選んだ感じですかね」
岡田くん
  「(笑)なんか、いい言葉 ないんですかね、と思ったんですよ。
  評論家 って、いうと、なんか まぁ、いろいろ 幅も広いし、難しいなぁ と思うんですよね」
荻上さん
  「悪口で、使われたり しますよね」
岡田くん
  「そうそう」
荻上さん
  「アイツ 評論家ぶりやがって、みたいな」
岡田くん
  「とか。 なんだろうなぁ・・・例えば、さっき 言ってた、
  今の現状を知らない世代が、じゃ、それを知ってくれ、って言って、真実を書いていく、
  それ、ジャーナリスト じゃないですか」
荻上さん
  「はい」
岡田くん
  「で、みんな 知ってほしい。 実は、こうで こうで こうだから、
  みんな 知らないのは、なんで知らないんだ。 これを知ってほしい、って いうのって、
  たぶん、ジャーナリスト って 呼ばれるんだろうな、と思うんですよ。
  でも、そういうことも したいわけですよね」
荻上さん
  「ま、そうですね、うん」
岡田くん
  「・・・だし、じゃ、評論家。
  人を評する、物語を・・・なんか、いろんなものを評する、とかが 評論家 って いうのか。
  なんか、僕らが思ってる 評論家、っていうのと、評論家の方が思ってる 評論家、って、
  ちょっと、ズレがある気が するんですよ」
荻上さん
  「うーん」
岡田くん
  「それが、なんか、一つになれば、評論家 っていうのが もっとわかりやすいのかな、って、
  いま、喋ってて 思ったことだけど・・・」
荻上さん
  「あぁ、なるほどね。
  評論する人達は、いろんな方がいるんで、一括りには できないですけど」
岡田くん
  「まぁ、いろんな人は いますから・・・(笑)」
荻上さん
  「でも それぞれ、頭の中に、世の中、もっと こうなった方がいいのにな、っていう、
  アイディア とか、イメージ があって、
  それを実現すべく、いろいろな ニュースについて コメントを挟んでいく、っていうような人達が、
  非常に多いと思うんですよね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「そういった人達は、決して ジャーナリストではない。 でも、研究者でもない。
  学者と ジャーナリストの、中間にいるのが、
  僕は、評論家の イメージには、わりと近いんですけれども、
  そうした 評論家の仕事は、結局 何をしてるのが仕事か といえば、
  世の中の価値を いろいろ組み替える 仕事だと思うわけですね。
  すごく わかりやすく言えば、テレビの コメンテーター っていうのが いる、と。
  そういった人を バカにする人もいるし、実際、バカな人も たくさんいる、と」
岡田くん
  「(笑)」
荻上さん
  「そういった コメンテーター が、ニュースについて 解説をした時に、
  ニュースについての 解説委員 というのは、別に いたりするわけですね。
  これは、これ これ、こういうニュースなんです、と 解説をする。
  それに対して、何かしらの 意味づけをする。
  この世界は もっとこうなっていった方がいい、とか、
  この世界は こういうふうなところが落ちているから、こういったことが起きるんだ、と。
  そういった、意味づけとか 価値づけが、
  9割方の評論家が、的外れなものばっかり、球を投げてるので、
  今 わりと、信頼を得られないような部分が あるんですけれども」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「わりと、事実に即したような 仕方で、
  本当は こうなってるんだけど、なかなか報じられないよね、っていうような、
  みんなが知りたがっているけれども、意外と知らなかった、っていうものを 提示してあげて、
  みんなに関心を、実際に抱かせることに 成功する人、
  それが たぶん、評論家だと思うんですよ」
岡田くん
  「なんか、評論とか、こう、なんだろう・・・こういうので、
  最終的な目標 って、あるんですか?」
荻上さん
  「最終的な目標ですか?」
岡田くん
  「評論をしていく っていう、意味とか 意義とかも、そうですけど」
荻上さん
  「うーん。 例えば、自分が どういった人に なりたい、っていう意味での目標とは、また 別に、
  評論をすることで、どんな社会を実現したいか、っていう目標が たぶん あると思うんですよね。
  その目標でいえば、大きく分けて、二つあるかと思っていて、
  一つは、この社会、少しでも 寛容にすること、と。
  まぁ、拡張する、といいますか、いろんな人にとって 生きやすい社会を実現するために、
  議論を整理したりとか、物事を発信していったりとか するということ。
  それを実現するためには、もう一つの役割 というか、目標があって、
  いままで、声を出せなかった人、
  あるいは、いままで、一度も語られてこなかったような人達の 声を聴き、
  それを 代わりに伝えていく、っていうことをする。
  この 二つが、評論家としての、長期的な 自分の仕事なんじゃないかな、と思いますかね」




岡田くん
  「ごめんなさい、今日、ラジオの話なんですけど」
荻上さん
  「あ、いえいえ」
岡田くん
  「(笑)全然、ラジオ、
  まぁ、なんか繋がってるから・・・」
荻上さん
  「強引に 繋げますと、例えば 僕は、
  インターネットなどを通じて、そうした メディアを作っているわけじゃないですか。
  あるいは、ラジオなどでは ですね、そうした 若手の方とかを積極的に使って、
  こういった人 いますよ、という形で 育てていくような場所としても あるわけじゃないですか」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「で、テレビ っていうのは、そうやって 上がってきた人達の、
  悪く言えば、旨い所ばっかり かっさらっていくような所でも あるけれども、
  良い所は、しかし そういうふうに 実力のある、注目すべき人達 っていうのを、
  こんな人がいるんだよ、っていう形で、
  世の中に ドンと押し出していく、っていう 役割があるわけですよね。
  例えば、今の テレビとか、今の ラジオとか、雑誌とか 新聞とか、
  そうしたもので やってることって 温いよね、とか、
  もっと こうしたらいいのに、っていうような アイディアがあったら、
  それを例えば、インターネットとか、あるいは ラジオとか、
  そうした所で、お試しが わりと しやすくなってる状況でもあると思うんですね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「そうした お試しをした上で、やっぱり こっちの方に 注目すべきだ、っていうような、
  可能性とか 希望みたいなのが、ラジオとか インターネットとか、そうした場から生まれてきたら、
  それが どんどん どんどん 拡大していく、っていうことは、実際に 起こっているわけですよ。
  なので、そういった メディア自体が いろいろな役割を使い分けていく中で、
  中で議論される論点とか 論客とかを、生成変化 というか ですね、
  どんどん どんどん、新陳代謝を促していくような 配置に、
  今、ようやく なっているような気がするんですよね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「テレビが プッシュすれば、その人が 売れる。
  それ以外の人は 誰がいるか わからない、という状況じゃなくて、
  自分が この人を プッシュしてるから、
  その人が 今、ラジオから どんどん、オーバーグラウンドに なっていくのを応援するぜ、とか。
  やっぱり、ラジオの、こういった番組でしか聴けないような、
  生の声 っていうのを聴き続けるぜ、みたいな、
  棲み分けをしながら、より良い情報を獲得していく、っていうような、選択肢は 広がっているので、
  今の関係は、昔から比べれば 全然、豊かな メディア環境に なってるというふうに、
  僕は 思いますけどね」


(曲)
忌野清志郎 『OH! RADIO』
Oh! RADIO


岡田くん
  「これから 10年間」
荻上さん
  「はい」
岡田くん
  「30代の間に、こうしていきたい、こんなことやりたい、っていうのは ありますか?
  こう 変えていきたい、とか」
荻上さん
  「そうですね。 一つは、信頼すべき 評論家、信頼されるべきではない 評論家、あるいは 専門家。
  そうした人達の腑分けというのが、今後 どんどん どんどん 進んで行くと思うんですよね。
  特に、東日本大震災が起きて以降、ですね、
  本当のことを言ってくれる人 と、嘘を言ってしまうような人 とか、
  よくわからないで役に立たない人 と、
  腕まくりをして さっさと役に立ったうえで、それを報告してくれる人 とか、
  メディアで、何か 情報発信をする人達に対する 価値づけ っていうものが、
  より シビアになってると思うんですよ。
  すごく、これは いいことだと思うんですよね」
岡田くん
  「うん」
荻上さん
  「そういうような リスナー とか、読者とか、そうした人を相手にしながら、
  書き手、論客、論点 の 更新ていうのを、続々と進めていくこと。
  具体的な数人の論客 っていうのは、退場させつつ、
  有意義な書き手 というものの、影響力を より拡大していくための、お手伝いをすること。  
  それが 評論家で、かつ 編集者でもある、自分の仕事かな、というふうに思いますね」





(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、荻上チキさんと お話をさせていただきました。
えー、今日ね、テーマが “今、ラジオができることって何ですか?” だったんですけど、まぁ、
今日みたいな放送が、
きっと、ラジオができることの 力 なんじゃないのかな、っていうふうには、思ったりは しますね。
なんか、こう、どんどん変わっていけるし、やっぱ、インターネットとかとは違うのは、
文字だけではなくて、本人が喋る声だったりとか、って、なんか やっぱ、
その人柄が出てくるかんじも するんですよね。

荻上さんは、そうですね、すごいですよね。
20代で・・・まぁ 30ですけど、
評論家 って名乗ろう、って思えるのは、逆に、すごいなあ って思う というか。
うーん、なんか あんまり、自分の感覚では、
やっぱ 30ぐらいで、物事を全部 語れるほど 知らないし。

いろんなことを論じる、評論する っていうので、やっぱ、
僕は、現場を無視しちゃ いけないと思っていて。
自分の中で それを論じるとか、表現、ほんとの意味で できる人 ってのは、
やっぱ、現場を経験した後の人 な気がしてるんですよね。

やっぱ これが違うと思う、とか、
次の世代の人に、これ ぜったい頑張ってほしい、とか。
言葉が 言葉であるうちは、あんまり 良くなくて、
言葉が 哲学に変わった時に、
評論とか っていうのは、歴史に残る、読み継がれていくものになるんだろうし。

若い人が こういうふうに 発言をして、いろいろ戦うことは、いいことですよね。
やっぱ、物事 って、いろんな意見があるから、
若い人が もっと バンバン、言うべきだと思うし、
なんか、それに対しての、上の意見 てのも あるだろうし、
きっと、なんか、上の人から学ぶことも、ほんとに たくさんあるし、
上の人が 下の人から言われて、気づくことも、たくさん あるだろうし。
こういう、論じたり 評論したり っていうのは、
お互いの関係が いい関係を保てる状態を、お互い 知らないと いけない気は しますけどね、
物事を論じるには。

なんか、きっちり、論じる場合の 終着点、ってのが あったら、いつも いいのになあ、って、
見てて、思ったりしますけどね」


(曲)
RADIOHEAD 『CREEP』
パブロ・ハニー(コレクターズ・エディション)



(荻上さんからの コメント)

「そうですね、僕が 今の ラジオに求めることは、
とにかく、縛られないことですよね。
実験の場があってこそ、
世の中に、いろんな処方箋というものを提示するための、
準備期間 というのが あると思うわけですよ。
特定の方向に、みんなが 一斉に 適応していってしまうと、
状況が変わってしまうと、そこの、前の秩序に適応してしまったがゆえに、
後の状況に 適応できないということが起こると思うんですよね。

ラジオが 例えば、テレビとか インターネットが 登場したことによって、
メディアとしての役割がないのだから、無くしてしまえ。
あるいは、テレビとか ネットとかと 同じようなものにしてしまえ、っていう形で、
ラジオらしさ、っていうものを失くしてしまうと、
そこでしか育てられないような 人材 とか、そこでしか共有できないような ネットワーク、
そこでしか温められないような 論点、というものを、
育てることが できなくなってしまうと思うんですよ。

なので、ラジオは、ラジオらしさ というのを 決して 捨てることなく、まあるくなることなく、
いろんな実験 ていうものを 日々、
でたらめだ というふうに言われようが、斜陽産業だと言われようが、
やり続けてほしい、というのが 僕の願いですかね」

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