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2011/6/12 on air  「独立して仕事をする面白さって 何ですか?」               (guest)  谷尻誠さん



(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。 今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週 一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も、みなさんと一緒に、成長したいと思います。

今日は ですね “独立して仕事をする”
まぁ、これは ですね、ほんとに、一度 思い立っても、なかなか難しかったり、
覚悟がいる、っていう感じに思えますよね。
番組の 若いスタッフが言うには、周りに、独立を考えてる人は少ない、というか、
最近、もう めっきり、いなくなって、
昔は 多い イメージだったんですけど、最近は、いなくなってる みたいですね。

ただ、組織に入っていても、一番 大事なのは、自分で 人間関係を作ったり、
自分の考えで動いたりする、自立した仕事、
自立をする、っていうことは、組織に入っても できるような気はしますけど、
これが なかなかね、難しいというか。

ただ、やっぱり 僕としては・・・まぁ、独立してないですけど、
昔は、殻を壊してやる、とか、枠を破壊してやる~! と思いながら、仕事してましたけど、
だんだん、なんかね こう、枠を広げていって、
まるっきり 変えるんじゃなくて、
徐々に、ものごとを変えていければいいなぁ、って思うように 変化していって、
ゆっくり、自分のね、やりたいこととか(笑)
チーム作って、仲間を作って やったりとか してますけどね。

ま、今回ですね、そんな、自立したいと思って 仕事をしている方に、
ピッタリの ゲストを ご紹介します。

今日の ゲストは ですね、建築家の、谷尻誠さん。
谷尻さんは、1974年生まれ。
広島と 東京の 2か所を拠点に、
住宅のみならず、商業空間、会場構成、ランドスケープ、プロダクト 等、
様々な デザインの設計を行っている方です。

ほんとに、いま 人気の 若手建築家 というか、
“若き 安藤忠雄” みたいに言われてるね、方ですけども。
なんと、独立以来10年で、70軒を設計し、
しかも、現在進行形の プロジェクトを 40本も抱えてる、という方ですね。

単に、建物を設計するだけではなく、考え方や コミュニケーションを設計する、という、
谷尻さんの思考を 今日は 解剖してみたいと思います。
きっと、これから 自立して 仕事をしていこう、と思う方の、参考になるんじゃないでしょうか。

“独立して仕事をする面白さ って 何ですか?” 

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。 ぜひ、一緒にお付き合いください」



(曲)

JAZZTRONIK 『WORKING DAY』
en:Code


岡田くん
  「谷尻さん」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「めちゃくちゃ 忙しいんじゃないですか?」
谷尻さん
  「そうですね、ま、忙しくないと 不安なんですよ」
岡田くん
  「アハハハハ!  不安ですか?」
谷尻さん
  「不安ですね」
岡田くん
  「今も、だって 現在進行形の プロジェクトが、40本」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「これ、スゴイ ですよね」
谷尻さん
  「まぁ、数にすると スゴそうですけど、
  やってることは、建築 っていう、一つのこと じゃないですか」
岡田くん
  「はい」
谷尻さん
  「だから、なんか、40でも 100でも」
岡田くん
  「(笑)いやいや、そんなことない」
谷尻さん
  「結局は、建築をやるんだな、と」
岡田くん
  「いっぱい、だって 抱えて、タイプも やっぱ、違うもの 作られるじゃないですか」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「バラバラに作っていって、こう、できるんですか?」
谷尻さん
  「僕の 一人の脳みそ だけだと、難しいと思うんですけど、
  でも、頼んでくれる人の 脳みそ も いたり、
  作ってくれる人の 脳みそ も あったり、
  うちの スタッフの 脳みそ も あったり、
  いろんな 脳みそ が シャッフルされて、ものが できるわけですから、
  毎回、混ぜるものが違う ってことは、できあがるものも違いますよね」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「だから、そんなに・・・自然だと思ってますけどね」
岡田くん
  「(笑) それは、なんか、みなさんが言うには、
  谷尻さんは、ほんとに、コミュニケーション能力が ハンパなく・・・」
谷尻さん
  「はい(笑)」
岡田くん
  「あと、柔らかい」
谷尻さん
  「はい。 人好き なんですよね」
岡田くん
  「人が 好きなんですか?」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「その、なんだろう、その・・・建築家で、こだわっていくところと、
  やっぱ、依頼されるところと、こう、なんだろう、その、
  柔らか過ぎちゃ ダメなとこも、あるじゃないですか」
谷尻さん
  「あ、そうですよね。
  なんか よく、柳の葉のようなのがいい、っていう話をするんですけど」
岡田くん
  「はい」
谷尻さん
  「なんか こう、風が吹くと 揺られて、
  でも 最終的に、風が止んだ時に、一番 美しい形に なるように、
  僕ら、ガイド 引ければいいよね、っていう 話をしてて」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「風 吹くと、いらない葉っぱ、飛んで行くかもしれないし、
  でも、一番 きれいな形が、最後には できる状態で 仕事したいな、と思っているんで、
  いろんな コメント貰える方が、
  自分の考えだけで ものが出来てしまうと、つまんない じゃないですか」
岡田くん
  「うーん。 ご自分は どういう人だと、自分のこと 思ってますか?」
谷尻さん
  「どういう人 なんですかね。
  なんか、フィルター みたいな 役割が いいな、と思うんですよね。
  いろんなものが ある時に、僕が フィルター に なって、
  下に落ちてるもの、っていうのは、純度の高いものだけが残ってて、
  いらないのものは そこで 濾しちゃう ような、
  そういう 役割が いいなぁ、と思います」
岡田くん
  「それは、いつ頃から、そう思いだしたんですか?」
谷尻さん
  「いつ頃から ですかね・・・」
岡田くん
  「いま、30・・・」
谷尻さん
  「7ですね」
岡田くん
  「7、ですよね」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「いつ頃から・・・」
谷尻さん
  「なんか こう、いろんな雑誌とか 建築とか 見てても、
  みんな、なんか すごい、作家性が 強いんですよね」
岡田くん
  「まあ、そういうのが 自分の カラー というか・・・」
谷尻さん
  「カラー が ありますよね」
岡田くん
  「はい」
谷尻さん
  「でも、カラー が あることだけが、カラー なのかな? と思って」
岡田くん
  「(笑)深いですね」
谷尻さん
  「カラー が 無い、ってことも、カラー なんじゃないかと」
岡田くん
  「ハハハハ(笑) 深いですねぇ」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「それは、昔から 思ってたんですか?」
谷尻さん
  「わりと なんか、そうですね。 いろんなこと考えるのは 好きな方 かもしれないですね」
岡田くん
  「うーん。 なんか、思ってたより 優しそうな・・・」
谷尻さん
  「(笑)」
岡田くん
  「アハハハ!」
谷尻さん
  「よく 言われるんですよ、それ」
岡田くん
  「なんで ですか?」
谷尻さん
  「建築家の ポートレートが、良くないんじゃないですか。
  ちょっと、斜に構えた感じの写真、大体、使ってるじゃないですか」
岡田くん
  「ハハハハ! もうちょっと、なんか こう、クールな イメージも あったんですけど」
谷尻さん
  「もう、全然ですね」
岡田くん
  「(笑) 会社の名前も、だって “Suppose design office” ですね」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「これ、Suppose っていう、意味は・・・ サポート? じゃない・・・」
谷尻さん
  「想像する とか、まぁ、仮定する とか、っていう意味は あるんですけど、
  なんか、自分の名前 付けちゃうと、オレ オレ! みたいな感じ じゃないですか」
岡田くん
  「 “ 誠 office ” ・・・ design office」
谷尻さん
  「ええ、そういうのは ちょっと(笑)
  結局、一人で 作れないですよね。
  建築家は、お金 出さないし、手を動かさないですよね、現場で。
  やっぱり、なんか こう、指揮者とか そういう、監督的な立場で、
  ものを作ることも 大事だけど、環境を作ることの方が、すごい大事なんじゃないかな、と思って」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「建築家が 偉そうに、指示 出して、
  いいから やれ、っていう スタンスよりも、
  この人のために 作りたい、って思ってくれる事の方が、大事じゃないですか、周りの人が」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「そうすると、そういう 環境づくりを どうするか、とか。
  やっぱり、ずっと バスケットやってて、自分達の チームの方が 実力がなくても、
  いい空気が作れると、勝てちゃうこと って、ありますよね。
  それって 実は、環境の デザインなんだな、と思って」
岡田くん
  「うーん。 そこも含めて、環境の デザイン」
谷尻さん
  「ええ」
岡田くん
  「なんか、谷尻さんは、
  この人と一緒に ものを作ったら 楽しいな、って思わせる人だ、って、
  人が言ってました」
谷尻さん
  「ほんとですか?」
岡田くん
  「はい」
谷尻さん
  「そう ありたいですね」
岡田くん
  「その秘訣が 聞きたいですね。 それが 結局、ポイントじゃないですか」
谷尻さん
  「そういう意味では、考える時は、誰よりも 不真面目に考えて、
  作る時は、誰よりも真面目に作りたいな、と思ってますね」
岡田くん
  「へぇー」
谷尻さん
  「だって、真面目に考えてると、つまんないことしか出てこないんですもん」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「これ できる、これ できない、これ できる、って わかっちゃうじゃないですか」
岡田くん
  「コスト とか、予算面で、これ できる、とか」
谷尻さん
  「そういう、現実だけで、答えを求めてくこと って、
  実は、経験の幅だけで 決まってしまいますよね」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「その人に 経験が少なければ、その幅も、実は もう、同時に、小さいですし、
  経験がある方が 幅が大きくなる、っていうだけだと、つまんない じゃないですか。
  ものの考え方とか、クリエーション て、ほんとは こう、
  もっと、わけのわからないところから、出来事が起こってきて、
  興奮したり、すごい 高揚感を覚えたりすると思うので、
  できるだけ そういうふうに、決めないように してますね」
岡田くん
  「でも それ、でも、途中で 困りますよね」
谷尻さん
  「困りますね」
岡田くん
  「これがいい、って言ってたけど、
  これは、予算的に使えねえよな~ って、なってくるじゃないですか」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「その作業ん時は、どうするんですか?」
谷尻さん
  「あがく んですね」
岡田くん
  「アハハハハ! あがく・・・」
谷尻さん
  「ええ」
岡田くん
  「楽しい・・・」
谷尻さん
  「どうやったら できるか、ってことも、同時に考える というか」
岡田くん
  「あー・・・」
谷尻さん
  「ええ。 やったことがないこと って、みんな、できない って、簡単に言う じゃないですか。
  でも、できない、って言う 人 って、実は、もう それ以上 伸びない、ってことですよね」
岡田くん
  「うん、そうですね」
谷尻さん
  「だとしたら、どうやったら できるのか、ってことを やっぱり、
  あがいて考えて、一つ、そのやり方が見つかると、
  あ、こういうふうに やっていけば いいんだな、っていう、きっかけ みたいなものは掴めるので」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「ま、なんとなく、そういう感じで・・・」


(曲)
SPEECH 『IT'S A CHALLANGE FOR ME』
ピーチー


岡田くん
  「なんか、依頼してくる方の、どういうとこ 見ますか?」
谷尻さん
  「僕は ですね、だいたい 住宅に関していうと、自宅に 必ず 行くので、
  自宅に行って、その人が どんな靴 履いてるのか、靴箱に どんな靴があるのか とか、
  本棚に どんな本が入っているのか、CD 何 聴いてるんだろう とか、
  この人、片づけ 上手か 下手か だとか、
  どんな、洋服の センスがあるのか だとか、
  キッチン、どんなふうに使ってんだろう、どんな食器 使ってんだろう、
  っていうようなこと 見ていくと、その人の 人物像が見えてくる じゃないですか」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「それと やっぱり、会話 ですよね」
岡田くん
  「家、行くんですね」
谷尻さん
  「行きますね。 これ もう、マストに させてもらってますね」
岡田くん
  「へぇー・・・ 家、行かない人、多いですよね」
谷尻さん
  「家 行ったら、いろんなこと 見えるじゃないですか」
岡田くん
  「あー・・・それ やっぱ、大事にするとこの観点が、しっかりされてる。
  (笑)しっかりされてる、って言うのも おかしいですけどね。
  普通、なんかね、自分のとこ 来てもらって、
  どういうのが いいんですか? みたいな、打ち合わせして、やるじゃないですか」
谷尻さん
  「でも、家に行って、例えば、食事を出してもらうことも あったり、
  お酒を一緒に飲むことも あったり、
  なんか、仕事の必要なものの要素 以外のことがすごく、たくさん ありますよね」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「そっちの方が 結構、実は、大事だったりするので、
  建物つくる要望、聞いちゃうと、
  庭が欲しい とか、リビング 広い方がいい とか、子供部屋 二つ欲しい とか、
  そういうことしか語れないですよね、一般の人 って。
  でも 本当は、この人 って、どんなことに 豊かさ感じるのか、だとか、
  どんなことが気持ちいいと思うのか、っていうのは、
  その、要望以外のところに あると思うので、できるだけ 無駄話、しますよね」
岡田くん
  「じゃあ もう、ちょっと、最初の方に 聞いちゃおうかな・・・」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「建築とは、何ですか?」
谷尻さん
  「何だろう・・・ 僕にとって 建築は、
  でも、そういう意味では、コミュニケーション ツール ですよね」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「それを・・・」
岡田くん
  「仕事してる感じ、ありますか?」
谷尻さん
  「全く 無いです」
岡田くん
  「無さそう ですよね」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「(笑)・・・なさそう ですよね」
谷尻さん
  「でも、同じ お金 貰うんだったら、自分が楽しんで お金 貰った方が いいじゃないですか」
岡田くん
  「はいはい」
谷尻さん
  「つまんないな、と思いながら お金 貰うのは、なんか ちょっと、嫌ですよね」
岡田くん
  「それが なかなか、ねえ、できる・・・
  つまんない仕事 って、無いですか?」
谷尻さん
  「つまんない時は、つまんないから 何とかしよう、って言います」
岡田くん
  「ハハハハハ! そうなんですか」
谷尻さん
  「ええ」
岡田くん
  「そうかぁ、つまんないから、面白くするために どうしようか~、みたいな」
谷尻さん
  「うん。 なんか、今 やってる 仕事 って、
  未来の仕事を作っていることだと 思うんですよ」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「つまんないな、って思う仕事を、そのまんま 作っちゃうと、
  その性格 って、やっぱ、次も そういう仕事が来るはずなんですよね。
  だから 今、自分が 絶対、こうなんだ、っていう やり方を ある程度は やっておかないと、
  次に生まれてくる仕事の性格は、あってこないと思うんですよ」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「だからこそ、未来を 今、作ってるんだ と思いながら、今の仕事に。
  向き合い方は、つまんないものを やったら、つまんないことが続く、って思ってるんで、
  結構、ストイック には、そこは やります」
岡田くん
  「あのー、谷尻さんは、独立までの いきさつは、どういう流れ だったんですか?」
谷尻さん
  「僕は ほんとに、なんていうんでしょう、どっちか っていうと、
  きちんと大学 行って、先生について、独立される方が わりと多い中で、
  どっちかっていうと 僕は、大学も 行ってないし、専門学校で 遊んでたし、
  プラプラ プラプラ してて、
  で、設計事務所、就職してたんですけど、
  26歳の時に、自転車の レースに行きたくて ですね、
  サラリーマン やってると、長く 休みが貰えないんで・・・」
岡田くん
  「実際、試合に出たくて・・・」
谷尻さん
  「はい。 で、長野とか 北海道で、レースが あるんで、とりあえず 辞めて、
  設計事務所、つくっておいて、
  人の図面の 手伝いしながら、レースに行こう っていう魂胆 だったんです」
岡田くん
  「レースの方が、大事だった わけですね」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「ハハハハハ(笑)」
谷尻さん
  「(笑)」
岡田くん
  「それから、そのまま・・・」
谷尻さん
  「で、ほんとに こう、今みたいに、一生懸命やるつもりも ほんとに なかったんですよ。
  ただ、下請けで 図面 手伝ってれば良かったんですけど、
  下請け って、言われた通りを 期限内に やるのが、下請けの 使命じゃないですか」
岡田くん
  「はいはい」
谷尻さん
  「でも、なんか こう、提案しちゃうんですよね。
  もっと、こうした方が いいんじゃないか、とか。
  だから、言われた通りに やらないし、期限 守らないんで、
  全部、下請けの仕事、無くなっちゃって。
  もう、仕事が無いから、しょうがないから、焼き鳥屋で バイトしてたんですよ」
岡田くん
  「へぇー・・・」
谷尻さん
  「で、なんとなく 周りの友達が、谷尻 プラプラしてるから、
  なんか あの人 お店 出すらしいから、会いに行ってみろ、とか って言われて、
  会いに行って、まあ、変なことばっかり 言ってると、
  面白そうだから やってみろ、みたいな。
  で、お店とか やったことあるか? って言われても、
  いまだから 言いますけど、やったこと なかったんですけど、
  むしろ 得意です、ぐらいで・・・」
岡田くん
  「アハハハ!」
谷尻さん
  「やらしてもらって・・・」
岡田くん
  「へぇー」
谷尻さん
  「でも、なんか、そこを受けちゃうと、やらないと いけなくなるから、やるじゃないですか。
  そうやって、あっ こうやったら、カフェ って作れるんだ、あ、美容院 作れる、
  病院 作れる、住宅 作れる、っていうふうに、だんだん、トライする中で、
  あ、結局 ずっと、こうやって、勉強することなんだな と思って」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「あ、これなら いける、と思って。
  まあ、ちょっと こう、いい勘違いが できたんですよね」


(曲)
EMINEM 『NOT AFRAID』
Recovery


岡田くん
  「まあ でも、珍しい流れの 建築家、って言っても、過言では ないですね」
谷尻さん
  「そうですね」
岡田くん
  「みんな、結構、建築家の人 って、ちゃんと 建築の大学 出て、
  アシスタント 何年も(笑)何年も やって、自分で 独立、って流れが・・・」
谷尻さん
  「そうですね」
岡田くん
  「多いですけど・・・」
谷尻さん
  「なんか こう、難しくないです? 建築、って。
  なんか、難しそう じゃないですか。
  建築家の人って、難しいことで語るし、
  だから、社会性がないんだな、と思うんですよ」
岡田くん
  「へへへへ(笑) 面白いですね、谷尻さん」
谷尻さん
  「(笑)」
岡田くん
  「アハハハ!」
谷尻さん
  「建築家って、すごい、社会性が必要な仕事じゃないですか」
岡田くん
  「はい」
谷尻さん
  「だから、もっと 公園が良くなるために どうしたらいいか、
  学校が良くなるために どうしたらいいか、
  図書館を どうやったら もっと良くなるか、ってことを、
  頼まれてないのに、考えるべき立場 じゃないですか」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「だから、そういうことを やるときに、難しいことを、
  例えば、社会とか 市民の人と 話をしても、建築の言語で 話をすると、
  みんな ほとんど、ハテナ ですよね」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「でも、そうじゃなくて、気持ちいい って 何ですか? ってことを、みんなで一緒に話す。
  当たり前のことかもしれないですけど、
  そういうことが できないと、いい建築なんか 作れないと思って」




岡田くん
  「先生とか、いるんですか?」
谷尻さん
  「先生は・・・師匠は いないんですけど」
岡田くん
  「いないですよね、聞いてると」
谷尻さん
  「ただ、ま、職人さん とか、工務店の社長とか、
  そういう人が、いろいろ こう、ご指導下さって、
  お前、もっと こうやって やるんだよ! みたいな感じで 教えてもらって、
  それで、なんか、普通の工務店さんて、
  頼んだら、よしよし って、文句 言わずに、作ってくれるんですけど、
  僕が会った 工務店の社長は、
  お前、何で こうやって作るんだ、とか、
  やたら、コンセプトを聞きたがるわけですよ」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「最初の頃は、僕、コンセプトを考える余裕も なかったんですよ、作り方も わかんないから。
  で、がむしゃらに作ってく中で、
  普通に作ってくれ って言っても、作ってくれないんですよ、その社長が。
  意味ないこと やらせるな、って」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「そうするうちに、お施主さんに プレゼンすると同時に、
  その 工務店の社長にも プレゼン通らないと、作れないような気分に なっちゃって」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「だんだん、いろいろ こう、コンセプトを しっかり考えるようになって、
  誰もが OK って言えるものを作んないと、やっぱ ダメなんだな、と思うようになって、
  すごい、よく考えるように なったんですよ」
岡田くん
  「へぇー。 じゃあ、建築と関係なしに、
  影響を受けた人、もの・・・」
谷尻さん
  「いや、もう 周りの人に、影響 受けまくってますもん、いまだに」
岡田くん
  「いまだに・・・」
谷尻さん
  「はい。 なんか、この間、すごい面白かったのは、
  外科の先生と話してて、こう、右手も左手も 使えないと、いい手術ができない、って言うんですよ。
  で、左手で 箸を使って、普段、ご飯を食べる練習 してるらしいんですよ。
  でも、最初のうちは、左手 使うことに 一生懸命になって、
  味が わかんなくなった らしいんですよ。 こっちに、一生懸命に なっちゃうから」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「右手は、それ無しに 味わえるじゃないですか。
  『オレ、左手と右手が 同じ味になるまで、2年かかった』 って、おっしゃって。
  一番 大事なのは、右手だった、っていう話で」
岡田くん
  「(笑)」
谷尻さん
  「左利きに なるためには、
  実は、右手が 上手く ガイドをしてるから、左手が スムーズに できるんであって」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「その関係 って、実は あるんだな、と思った時に、
  なんか、左利き っていうと、左に意識が行くんですけど、
  実は、そこの周りにある 右手が大事だ、っていうのって、
  たぶん、仕事やってるうえでも、ここが大事 って、わかってるんですけど、
  そこ以外のことが すごく、ここを良くする要素だったりするんだな、っていうのは、
  やっぱ 一緒だな、と思って・・・左利き ヤバイな、とか(笑)」
岡田くん
  「へぇー」
谷尻さん
  「なんか、そういうところと、自分がやってることが、
  すぐ結びつくのが 習慣化してる感じは ありますね」
岡田くん
  「面白いですね。 素直なんですかね」
谷尻さん
  「子供 って、天才 じゃないですか」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「なんか、ノイズが入ってない状態で、自分が ピュアに考えれるじゃないですか。
  ほんとは そういう、
  子供のような思考で、ものが捉えれたらいいな、っていうのは思いますね、いつも」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「名前を取る、っていうの、習慣化していて」
岡田くん
  「名前を取る・・・」
谷尻さん
  「はい。 例えば、コップ っていう名前があると、
  水とか 液体を飲むものだ っていう、もう みんな共通の ルールに なってるじゃないですか」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「でも、コップ っていう名前、取ってあげると、
  水が入っているもの、に なった瞬間に、
  それで、金魚 飼ってもいいし、花瓶にしてもいいし、
  実は、水も入ってなくて、何か ものが入っててもいいし、
  コップの使われ方が、すごく、急に広がりますよね」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「でも、名前がある時は、飲み物 飲むためのもの、だけにしか 成り得ないので、
  一度、名前 取ってあげると、可能性が すごい広がるので、
  いろんなものの名前を取りながら、ものを見るように してるんですよ」
岡田くん
  「うんうん。 それは、あのー、なんだろう・・・わかるんですよ、頭ん中で。
  でも、それが、ずーっと 実践できないんですよね。
  そういう こう(笑) そういうことって 思うんですよ、たぶん、みんな」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「固定観念、持ち続けちゃ いけない、とか、違う見方しなきゃ、とか、
  ずーっと、頭では わかって、思うんだけど、
  いざ、仕事 ずーっと こなしていくと、みんな 忘れちゃって、
  ずーっと 実践できなくなっちゃったり するんですけど、
  そういう時 って、どうするんですか?」
谷尻さん
  「えーと ですね、
  『はじめて考えるときのように』 っていう、野矢茂樹さんの 本があるんですよ。
はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫)
  哲学書 なんですけど、僕、本 読むの、すごい嫌いなんですけど、
  その本は、読み切ることができて」
岡田くん
  「僕は、建築家で 本読むの嫌いだ、って言った人、初めてです」
谷尻さん
  「もう、すっごい嫌いですね」
岡田くん
  「ハハハハ(笑)」
谷尻さん
  「読むのも 書くものも、嫌いです」
岡田くん
  「(笑)そうなんですか」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「あー、さっきの・・・忘れちゃった時、どうするんですか?」
谷尻さん
  「その、『はじめて考えるときのように』 っていう、なんか、
  内容も いいんですけど、タイトルが すごく良く って、
  なんか こう、これって こういうものだ、っていうふうに、つい、
  自分の 経験とか常識が、ものごとを決定していくので。
  でも “はじめて考える” っていうのは、
  さっきの “名前を無くす” っていうことと すごく近くて、もう一度、初めて・・・
  初めて、住宅ができるとしたら・・・住宅というよりも、そこに、
  例えば 4人の家族が住む場所として、どう考えてくべきなのか、っていうふうに、
  そこから考えないと ダメだよな、っていうのは、
  なんか、その本を見ると、
  あ、はじめて考えないとな、って思いながら、
  いろいろ こう、考えていくようには してますね」
岡田くん
  「うーん」


(曲)
CURLY GIRAFFE 『NEW ORDER』
New Order


岡田くん
  「あのー、谷尻さんは、広島で活動することに こだわってる、って・・・」
谷尻さん
  「こだわってる、というか ですね、
  広島で生まれて、広島で 仕事し始めたから、広島で やればいいな、という感じなんです」
岡田くん
  「うーん。 なんか でも、東京も、いっぱい 仕事あるし、
  東京で仕事する 弊害、とかって あるんですか?」
谷尻さん
  「全く 無いですね」
岡田くん
  「なんか、気持ちが変わったりとかは、あるんですか?
  広島でやる、例えば、海外でやる・・・東京でやる・・・」
谷尻さん
  「あー、ありますね。 広島を 俯瞰もできるじゃないですか、東京に来ると。
  東京から見た 広島 って、こうなんだな とか。
  広島に いると、東京 って こうなんだな、っていう・・・」
岡田くん
  「東京の建築 見て、どうですか?」
谷尻さん
  「いやぁ・・・どうですかねぇ。
  なんか、怖いですよね。 どんどん建っちゃうんで」
岡田くん
  「(笑)・・・怖い。 はい、そうですね」
谷尻さん
  「いいの? こんなに、さっさと建てて、みたいな」
岡田くん
  「もう、あっという間に 建っちゃいますからね」
谷尻さん
  「もうちょっと 考えた方が いいんじゃないかな、っていうのは。
  でも、やっぱり そこには、経済が背景にあると、
  経済を基準として、時間も決まるし、規模も決まるし、っていうのって、
  まあ 当たり前なんですけど、もうちょっと なんとかできないのかな、とか」
岡田くん
  「まぁ でも、経済と 建築、って、こう、イコール みたいなもんじゃないですか」
谷尻さん
  「そうですよね。 でも、経済が イニシアチブ握るのが、すごい嫌いなんですよ、僕」
岡田くん
  「でも、そうなっちゃってないですか?」
谷尻さん
  「僕は、そういう意味じゃ、
  ま、事務所は そうならないように、かなり 気をつけてますね」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「ええ」
岡田くん
  「日本全体が、でも、そういう流れに・・・」
谷尻さん
  「なってますよね」
岡田くん
  「なっちゃってますけど、それに対しては・・・」
谷尻さん
  「ま、僕は、自分時間で やりたいな、っていうのは ありますよね」
岡田くん
  「うーん・・・」
谷尻さん
  「でも まあ、どうしても、お店とか そういうものは、この日に オープン ていうのは 決まるので、
  もちろん、プロとしては、そこに合わせて やりますけど、
  ほんとは、ゆっくり やりたいですよね」
岡田くん
  「うーん。 その、建築が 人の心に 影響を与える、っていう意味では、どうですか?」
谷尻さん
  「うーん。 なんか、空間の中に 人が入ると、
  建築 って やっぱり、形とか、姿形で 語られがち ですけど、
  でも、そこには 空気があって、光があって、音がある わけじゃないですか。
  どういうふうに それが 体験できるのか、みたいなことは すごい、意識してますね」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「それは、音楽やってる人に会えば、
  音の響き方によって、空間の大きさの 感じ方が違うじゃないですか。
  すぐ 音が消えちゃう部屋の方が、狭く感じますし、
  音が、カチーン・・・て、鳴り響くような 空間にいると、
  すごい 広い場所に いるような感覚に なるでしょうし」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「暗いと、静かにしないといけないような 気持ちに なるし、
  明るいと、賑やかな場所に なるでしょうし、
  そこで、どんなことが行われるか によって、
  いろんなもの って、変えてかないと いけないんで、
  姿形だけでなく、見えないものも、同時に設計できるように なりたいな、っていうのは、
  すごい、ありますよね」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「はい」




岡田くん
  「あのー、今回の テーマが、
  “独立して仕事をする面白さって 何ですか?” っていうの なんですけど」
谷尻さん
  「面白さは・・・」
岡田くん
  「まんま、聞いちゃって いいですか?」
谷尻さん
  「はい。 面白さは・・・」
岡田くん
  「独立する、っていうことに対しての、価値観、ありますか?」
谷尻さん
  「僕、なんか そんなに、意を決して 独立してないので、あんまり、なかったんですけど、
  いまは でも、あれですね、なんか こう、変な 使命感があって、
  やっぱり もっと、建築の魅力みたいなものを 社会に伝えたいな って、
  すごい、強く思うように なったんですよね」
岡田くん
  「おっ」
谷尻さん
  「ええ。 だから、こんな 僕みたいな人間でも、こうやって できて、
  こういう考え方を 共感してくれる人がいるんだから、
  もっと、こういうことを社会に伝えて、
  みんなも 少し、意識が、ほんの少しでもいいから 変わっていくことが、
  何か こう、役に立てないかな、とか。
  そういうのは、数 作るってことの重大さ、みたいなのが 少しずつ こう、
  考えるようになったと思うんですよね」
岡田くん
  「うーん」


SOTTE BOSSE 『HOME(YESTERDAY MIX)』
Tomorrow Knows Yesterday


岡田くん
  「じゃあ、前半にも 同じ質問しましたが、いまの流れで、
  衣食住の、建築って。 その大事な 3つの要素に入っている、建築を作っている 建築家として、
  建築、って、何ですか?」
谷尻さん
  「建築だけ、なんか、選ぶものに なってますよね。
  洋服とか料理 って、自分の好きな 材料や、サイズや、色や、形とか、選んで、
  みんな、自分に合うように やりますよね」
岡田くん
  「はい」
谷尻さん
  「でも、建築 って、与えられた、
  例えば、2LDK 3LDK を選ぶ、っていうことが、まず 前提になってしまってるじゃないですか」
岡田くん
  「まぁ、パッケージ が 多いですからね」
谷尻さん
  「はい。
  もしかすると、ある人は、一部屋しか ないけど、5人の家族が住める可能性だって あるし、
  もっと こう、その人にとっての 建築、っていうものを、ほんとは考えていく方が、
  そういう、洋服とか食事と 同じように、フィット するものに なっていくと思うんですよ」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「だから、そういうことが 少しでも、できたらいいな、とは 僕は思ってますけどね」
岡田くん
  「うん」





岡田くん
  「じゃ、働く、っていうことについての、こう、思ってることとか ありますか?」
谷尻さん
  「働く、っていうのは ほとんど もう、楽しむ、ってことじゃないですかね。
  僕は、どう楽しむか、って思ってますね」
岡田くん
  「思い方ですか。 じゃあ、楽しめねえよ~、って、
  いま、ラジオ 聴いて・・・(笑)
  思った人達も いると思うんですよ。 仕事・・・」
谷尻さん
  「あー」
岡田くん
  「まあ、いろんな仕事が あるんで、
  じゃ、辞めちまえ、っていうのは なしにして(笑)
  楽しめねえよ、って思った人達に、何て 言いますか?」
谷尻さん
  「すごい、厳しい言い方の方 だとすると、
  不平不満、言ってるのって、自分を否定してる、って ことですよね。
  誰かのせいにして、結局、自分を守ろうとしてるだけだから、
  結局、自分のことを否定してるのと 一緒だと思うんですよ、不平不満は」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「でも、本当は、いろんなことを 周りから言われたり、大変な状況にある時 って、
  全然、大事な人 じゃない人に、そんなに 一生懸命、誰も 言ってくれないと思うんですよね。
  嫌なことであっても、そうやって 言ってくれてること、っていうのが、
  どうやったら 魅力になるのか、って 考え始めることができたら、なんていうんでしょう、
  すごい、仕事 面白くなると思うんですよね」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「文句ばっかり言う人がいるけど、
  文句 言ってもらえる価値があるから 言ってもらえてるわけであって、
  その人に対して、どう、いい裏切りができるか、っていうことで、なんかこう、
  楽しみたいと思うんですよね」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「だから こう、以前に、お施主さんに、すっごい怒られたことがあって、
  もう、すっごい怒られると、普通は ごめんなさい、だと思うんですけど、
  でも 僕は、すごい嬉しいな と思って。
  こんなに 怒ってくれる って、すごい いいな、と思って」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「怒られること自体は 嫌ですけど、だから ほんと、
  こんなに言ってくれて ありがとうございます、みたいな感じで 言ってたら、
  アンタに怒るのは バカらしい、って、お施主さん、逆に 許してくれたことがあって」
岡田くん
  「(笑)」
谷尻さん
  「でも、ほんとに、向こうが 一所懸命に なってくれてることなんだ、っていうふうに わかった時に、
  もっと、こっちも 向きあわないと いけない、と思いましたし」
岡田くん
  「うーん、なんか すごいですねぇ。 なんか、やっぱ こう、ねぇ、
  自分が変われば、相手も変わるし、こう、価値観 次第 じゃないですか。 思い方 次第」
谷尻さん
  「そうですね、はい」
岡田くん
  「それをねぇ、こう、全て 実践できてる・・・なかなか できないじゃないですか。
  みんな こう、わかってても、なかなか こう、ずーっと 実践できない・・・」
谷尻さん
  「でも、僕も できなかったはずなんですけど、できるようになったんで、
  みんな、できると思うんで」
岡田くん
  「思い続ける・・・」
谷尻さん
  「はい、もう、勘違いも 才能ですからね」
岡田くん
  「(笑)」
谷尻さん
  「できる、って思えた人しか、できるように なんないじゃないですか」
岡田くん
  「素晴らしい 言葉ですね。
  うーん。 じゃあ、谷尻さんが いま、一番 興味あること・・・」
谷尻さん
  「一番、興味あることですか?」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「でも やっぱ、人 ですね」
岡田くん
  「人・・・」
谷尻さん
  「いろんな人に 会いたいですし」
岡田くん
  「これから、やりたいなぁ と思ってること・・・」
谷尻さん
  「はい、建物ですか? 建物は やっぱり、やったことないものが やりたいですね」
岡田くん
  「やったことないこと、あります?」
谷尻さん
  「たくさん ありますよ。 美術館とか、学校とか」
岡田くん
  「あー・・・」
谷尻さん
  「そういうものは やったことがないので、
  やったことがないからこそ、今までにないもの 作れる自信があるので」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「でも 建築 って、やったことがない人に対して、かなり こう、ネガティブ じゃないですか」
岡田くん
  「そうですね」
谷尻さん
  「経験 無いんだったら、ちょっと無理かもしれないね、っていう、建築の社会があるんで、
  その社会自体、なんとか こう、壊してしまいたいですよね」
岡田くん
  「うーん。 建築の社会自体は、変わってきてるんですか?」
谷尻さん
  「そうですね。 やっぱり いろんな、ああいう事件が、姉歯さんの事件があったりすると、
  厳しくすることしか、しないですよね。
  そうすると、ほんとは 若い事務所の人達に、
  チャンス っていうのは 無くなっていくんですよね。 小さな事務所とか。
  企業が やってれば 安心だ、っていう、見方に 偏っていくのが 社会なので、
  それは、すごい 残念だなぁ と思いますね」
岡田くん
  「なんか まぁ、今回、地震も ありましたけど。 地震が あって、東京では こう、
  この 2~3年で、全部 変えていかなきゃ いけない、っていう 動きも あるみたいですけど、
  そこら辺で、なんか こう、変わっていく っていうことも あるんですか?」
谷尻さん
  「うーん、でも、ああいう・・・出来事としては、すごい 良くないことだと思うんですけど、
  やっと みんな、気づき始めたわけじゃないですか、節電しよう、とか。
  っていうか、当たり前でしょ、みたいな話ですよね」
岡田くん
  「うん」
谷尻さん
  「なんか そういうことを、社会が きちんと、みんな 意識し始める、ということにおいては、
  すごい いい、きっかけだと思うんですよね」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「やっぱり、ああいうことで、
  亡くなった方があったりする、っていうことは、すごい、僕は、悲しいことだと思いますけど、
  でも、世の中の人が 少しずつ そういう、意識を持ち始る っていうのは、
  とても大切なことだなぁ、と思いますね」
岡田くん
  「うーん。 これからの建築は、変わってきますか?」
谷尻さん
  「変わってくと思います」
岡田くん
  「うーん。 変えていこうと・・・」
谷尻さん
  「変えていきたいと思います」
岡田くん
  「いい言葉ですね。 変えていきたいと・・・」
谷尻さん
  「はい」
岡田くん
  「どっから、攻めていくんですか?」
谷尻さん
  「どっから 攻めてくんですかね? あ~、わかんないですね」
岡田くん
  「そういうことに なっていくと、行政とかにも 攻めていかないと、変えられないですよね。
  一個 一個、ちょっと ちょっと ちょっと、変えていくもの なのか・・・」
谷尻さん
  「そうですよね。 僕、そういう意味だと、
  いろんなものに 物申す時に、つい 戦っちゃうんですよね」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「もっと、絶対、こっちの方がいいんだ、っていうふうに、強く 言っちゃうんですよね。
  そこが もうちょっと、大人になりたいな、と 自分では思いますね」
岡田くん
  「(笑)」
谷尻さん
  「なんか、コンペ とかも、出したりしても、
  例えば、ファイナルに残ったりすると、公開プレゼン みたいなの、あったりするんですよ。
  そうすると、自分の考えは こうだ、って 言うんですけど、
  審査員の人から、でも こうじゃない、って言われると、
  いや、絶対 こうです! っていうふうに、つい、戦っちゃうんですよ。
  でも、本当は、そういうふうに言われると、
  もうちょっと、ふにゃふにゃ していた方が ほんとは 上手く いくのかな、と思ったり(笑)」
岡田くん
  「(笑) でも、コンペ 勝ちまくり みたいじゃないですか」
谷尻さん
  「そんなこと ないですよ。
  民間とかで、指名コンペ みたいなのだと、やっぱり、結構 勝ててるんですけど、
  公共の、フリー な ものの コンペだと、ファイナル率は高いんですけど、
  案が アバンギャルド 過ぎて、負けちゃうんですよね(笑)」
岡田くん
  「攻めていってるんですね」
谷尻さん
  「攻めますね。 で、スタッフに、
  『もう いい加減、勝ちたいです』 みたいな・・・(笑)」
岡田くん
  「アハハハ!」
谷尻さん
  「だから、ここは折れて下さい、とか 言われるんですけど、
  でも、折れたやり方で 勝っちゃうと、また それが癖になりそうで、なんか 嫌だから、
  これで勝たないと ダメなんじゃないか、っていう思いがあるんですよね」
岡田くん
  「うーん」
谷尻さん
  「勝つための案、というよりは、自分達が思ってるもので 勝つことに意味があると思ってるので、
  あんまり こう、ミート し過ぎるのは、マズイなあ っていう意識は ありますね」


(曲)
SHAGGY 『KEEP'N IT REAL』
ホット・ショット




(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、谷尻さんと お話をさせていただきました。
うーん、なんていうんスかね、独立が テーマだったんですけど、
まあ、独立しようが 会社に勤めてようが、その人の 環境づくり。
ま、谷尻さんは、相当、環境づくりが 上手いんだな、っていう感じは しましたね。
あと、心の持ち方を きちんと正しいものにしよう、っていうことを忘れてない感じが しますよね。

なんか やっぱり、忘れちゃったりするんですよね。
こういう気持ち 大事にしなきゃ、って思うんだけど、どっかで忘れちゃってたりとか、
どっか 文句が出ちゃったりとか、つまんねえな~ って 思っちゃったりとか。
しかも、長くやってれば、余計 出てきちゃうし。
そんな中でも やっぱり、谷尻さんは、忘れないでおこう とか、
大事なものを きっちり、自分の中で チョイスする能力も 高いんでしょうし、ねえ。

なんか、谷尻さんの 名言があるらしくて、こう、
『言われる前から、僕は 助走してます』 っていう。
“助走” は、女の恰好してるわけじゃなくて、ちょっと 走ってる、
助走してます、っていうのが、名言らしいですけど、
なんか、言われてから、動き出すのでは なくて、
言われる前から こう、準備して。

それは なんか、依頼される前から、
こういうの面白そうだな、
あの人・・・友達になった瞬間から、この人、家 作るんだったら、どうしようか、とかって、
考えてるんだと思いますけど。
だから、言われた時には もう完全に、100パーセントで走れる、っていうことなんだと思いますけど。

これは なんか、何にでも大事だなぁ とは。
いわゆる こう、ムダなこと?(笑)ムダなこと、ったら やらないかも しんないけど、
大人になると、ムダを省こうとしちゃうので、でも そん中でも、ムダを大事にして、
なんか ちょっと、空想してみたりとか、お店で働いてたら、
オレだったら、こうやったら この店、もっと良くなんのになぁ、とか、わかんないけど、
言われてないけど 考える、っていうことは・・・すごい いいことだなぁ と思うし、
これは まぁ、僕も、忘れないように、今日から 心掛けておこうかな(笑)と思います」


(曲)
JACK JOHNSON 『HOME』
A Broke Down Melody + DVD




(谷尻さんからのコメントは ありません)

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