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2009/03/15 on air 「舞台は人生を変えますか?」                        (guest) 宮本亜門さん

宮本亜門の バタアシ人生 ―自殺未遂・引きこもり・対人恐怖症・・・すべて経験済み 居場所を見つけた11人の生き方のコツ話



宮本亜門の バタアシ人生


宮本 亜門



(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには“考える葦”として、
僕も皆さんと一緒に成長したいと思っています。

今夜のゲストはですね、演出家の宮本亜門さんです。

うーん、まあ、あの、僕は実は、お会いしたことはないはずなんですよね。
あの、ま、でも子供の頃から 『宮本亜門は知っている』 というね、某CMを。
あれでは、知っていますし。
あのー、演出家として、
ミュージカルの世界で活躍する、華やかなイメージ、というのは、あります。

実際、宮本さんが演出する作品の、今年のスケジュールが手元にあるんですが、
えー、まず、4月に、
三上博史さん、秋山菜津子さん、安倍なつみさんが出演する、音楽劇 『三文オペラ』
7月には、
石丸幹二さん、戸田恵子さんが主演する、
ブロードウェイミュージカル 『サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ』
11月には、
大竹しのぶさん、草笛光子さんが主演する、ブロードウェイミュージカル 『グレイ・ガーデンズ』
の上演が決まっています。
他に、5月には、
横浜開港の150周年記念のショーの演出も、なさいます。

まあ、すごいですねえ。
忙しいというか、売れっ子な、かんじですよねー。すごいなあ。
つい最近では、オペラ 『ラ・トラヴィアータ』 の演出も手掛けられました。

そんな華やかなイメージの宮本さんですが、
先頃、出版した対談集 『宮本亜門のバタアシ人生』 によりますと、
引きこもりや、自殺未遂といった過去があったそうなんですよね。
いったい、宮本さんに何があって、今の宮本さんになったんでしょうか。

『舞台は人生を変えますか?』
J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間、最初の60分。ぜひ、一緒にお付き合いください。」



(岡田くんの曲紹介)
「夜が来て、音楽が流れて、それが素晴らしいメロディーであってくれれば・・・
JAMIE CULLUM 『MIND TRICK』」
キャッチング・テイルズ(3ヶ月or5万枚限定特別価格)





岡田くん
  「今はですねぇ、何の稽古中ですか?」
宮本さん
  「いまはね 『三文オペラ』 といって、えー・・・」
岡田くん
  「はい、三上博史さんの。」
宮本さん
  「そうなんです、三上博史さんの。
  プレヒトという作家のですね“音楽劇”ですね。」
岡田くん
  「“音楽劇”
  オペラではない。」
宮本さん
  「三文 “オペラ” っていって、三文ていう “安っぽいオペラ” っていう、
  ちょっと、ふざけたタイトルで、あえて 『三文オペラ』 って言ってる、
  ドイツの、1920年代の作品なんですけど、
  すっごい面白いんですよ。
  それでもう、大胆に、こう、ちょっと、演出をさせてもらってます。」
岡田くん
  「おぉ! どういうふうな演出を・・・」
宮本さん
  「(笑)」
岡田くん
  「(笑)されるんですか?」
宮本さん
  「あのねえ、僕、破たんしてますから。演出家の中では。基本的に。(笑)」
岡田くん
  「アハハ! どういうふうなことを、こだわってやられるんですか?」
宮本さん
  「(笑)えーとねえ。 どう・・・えー?こだわって? うーん。」
岡田くん
  「何を、こう、テーマにというか。
  演出を、何をこう、こだわってやられるんですか?」
宮本さん
  「まず、えーと、ま、いろんな場合があるんで、一概には言えないんですけど。
  脚本があるじゃないですか。」
岡田くん
  「はい。」
宮本さん
  「で、普通はこう考えるっていうのは、だいたいわかるじゃないですか、読むと。」
岡田くん
  「うん、うん。」
宮本さん
  「普通は、嫌なんですよ、僕。(笑)」
岡田くん
  「あー。」
宮本さん
  「といって、ただ、変わりたいわけじゃないけど、
  僕は、例えば、人の舞台を観ていても、
  人の、例えば、ギャラリー行って、なんか、作品観たり、
  あと、映画観たりしてても、
  もちろん、ほんとに、こう、わかりやすくて楽しい舞台もあるし、
  わかりやすくて面白い、アート作品もあったりすんだけど、
  僕ん中で『あっ、人間て、こんないろんな可能性があるんだ』とか、
  『こんな考え方があっても素敵だなー』とか。
  えーと、なんか、自分の中でこう、ワクワクさせるもの?」
岡田くん
  「うん。」
宮本さん
  「ていうものに、興味がある人なんですね。観る方として。
  それとおんなじで、自分が舞台で、ものを作るとき、
  『普通だったら、こう考える。これも、わかる』 でも、
  『もしかしたら作家って、こんなふうにも考えていたのかなー』とか、
  『おんなじセリフでも、こういうふうにとったら、どういう気持ちになるんだろう』とか。
  じゃあ、視覚的に、普通だったらこうやって、
  例えば今回、馬小屋って設定があるんで、
  『あっ、馬小屋っていったら、藁があるな』とかいうけど、
  全部、泥まみれの馬小屋ってことも、ありえますよね。臭いとか。
  そうしたら『そっちを強調したら、どうなるんだろう』とか。
  ま、そういうことを、まず考え始めて、
  役者たちと一緒に、あーでもない、こーでもないも、やって。ていうかんじ。
  僕にはまぁ、遊園地みたいなもんかな。
  すいません。(笑)」
岡田くん
  「アハハハ!」
宮本さん
  「蜷川さんと、全然違うかもしれない。アハハハ!」
岡田くん
  「いやいやいや。 あのー、演出家としての宮本亜門さんていうよりも、こう、
  宮本亜門さんの原点を、知りたいんですよ。」
宮本さん
  「あぁ。」
岡田くん
  「僕らの世代で。すいません、ちょっと失礼かも、わからないですけど。」
宮本さん
  「全然いいです。うん。」
岡田くん
  「子供の頃から(笑) 『宮本亜門は知っている』 っていう・・・」
宮本さん 
  「ほんとですよ!」
岡田くん
  「アハハハ! CMが・・・」
宮本さん
  「よく憶えてますね。」
岡田くん
  「あったんですよ。 何を知っているんだろうって、こう・・・」
宮本さん
  「ほんと、いろんな人に言われました。
  『お前、なに知ってんだよー!』 って(笑)言われました。」
岡田くん
  「イメージがあるから、申し訳ないですけど。(笑)
  やっぱ、なんかこう “生き方” とか。
  今回 『バタアシ人生』 って本を出されるにあたっても、そうですけど、
  演出家としても、すごいじゃないですか。」
宮本さん
  「ま、それいうとね、
  あのCMで “知ってる” っていうことは、よくわかってないですね。」
岡田くん
  「アハハハ!」
宮本さん
  「ぶっちゃけた話。」
岡田くん
  「大人の、こう、なんだろう。」
宮本さん
  「違いが、なんとか、とかいうね。」
岡田くん
  「違いがわかる男。」
宮本さん
  「違いがわかる。 うちの親父は、喫茶店やってたんで、
  インスタントかインスタントじゃないかの違いは、僕わかりますけど。(笑)」
岡田くん
  「アハハ。」
宮本さん
  「それは別として、みたいなことで。
  いやでも、あのコーヒーは、美味しかったです。
  ま、それは、置いといてですね。(笑)」
岡田くん
  「アハハハ。」
宮本さん
  「えーと、なんだろう。
  僕は・・・何かを知ってるってわけじゃ、ほんとになくて、ただ、
  “違いが”(笑)別に、そこに戻るんじゃないじゃないけど。(笑)」
岡田くん
  「アハハ!」
宮本さん
  「違いが好きですよね。子供んときから。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「僕、もともと、引きこもりだったり、人と・・・」
岡田くん
  「ていう・・・書いてある、ねぇ。」
宮本さん
  「そうです。すっごい、人と話すのが、最初、怖かったり、
  自分が人と変わってるんだとか。
  自分が好きなのが、仏像だったり、茶道だったり。」
岡田くん
  「うん。」
宮本さん
  「とにかく、中学校のとき、もう、仏像が好きで好きで、
  一人でこう、お寺行って、拝んでた人間ですから。別に、宗教、関係なくね。」
岡田くん
  「はーぁ!」
宮本さん
  「別に、何か見えるわけじゃないですよ。
  だけど『素晴らしい!』とか言いながら、こう、ため息ついて、仏さんの前に座ってると、
  だいたい、お坊さんが来て『なんか、悩みがあるんだろう?』って来て。(笑)」
岡田くん
  「アハハハ!」
宮本さん
  「悩み、ないんですよ。
  『仏像、観に来ただけです』って言うくらい、好きだったんですよ。」
岡田くん
  「へーぇ。」
宮本さん
  「ま、そういうとこが“変わった子”っていうイメージが、自分の中であったり、
  親も心配したり。
  でも、自分が、人と違っても、
  『いいな!』と思うものが違うって、あるじゃないですか、みんな。」
岡田くん
  「うんうんうん。」
宮本さん
  「でー、それは、おかしいんじゃないか、おかしいんじゃないかって、
  すっごく自分を責めて来た人間なので。
  でも、なんか、演出家とか、
  まあ、いろんな、こうやって出会えた人と、話しをさしてもらうと、
  これも面白いんだなって、わかって来てたり。
  まあ、あと、演出をすることでも、
  普通はこう考える。違う考え方もある。
  みんなが常識と思ってることが、案外、
  地球の裏行くと、非常識だったりするじゃないですか。」
岡田くん
  「うんうん。」
宮本さん
  「そうすると『あっ、なんだ』って。
  固定概念て、自分で、いつの間にか作っちゃうんだな、みたいなことが、
  舞台とか、人と出会ってくと、いろいろ勉強になる。」
岡田くん
  「それ、いつ頃、気がついたんですか?
  人と違うことが、別に構わないんだっていう思いとか・・・」
宮本さん
  「これ、演出家になってから。」
岡田くん
  「なってから。」
宮本さん
  「演出家になる前は、ずーっと苦しかったですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「10代、20代は。僕、29歳で演出家になったんだけど。」
岡田くん
  「はい。」
宮本さん
  「まあ、コンプレックスの塊だったから・・・」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「やっぱり、社会でやっていけないっていう。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「その、ものの見方が違うっていうの。
  “気を読め” じゃないけど『僕は、ダメなんだ』と。」
岡田くん
  「うん。いろいろ、そうですよね。空気読めちゃったりすると、なんかこう、
  違うのがダメなんだ、みたいなかんじになってね。」
宮本さん
  「『やっぱり、人と違うんだ』
  映画館行っても、人と笑うところが違うとか。(笑)
  いろんなとこで、一人、大声で笑ってて『うわっ、睨まれた!』とか(笑)
  そんなことも含めて。
  やっぱり、そういうのありましたね。」
岡田くん
  「うーん・・・
  辛かったですか?
  だから、引きこもっちゃったりとかっていうの多かったですか。」
宮本さん
  「僕は、辛かったですねぇ。
  二度と戻りたくないな。 あの、10代、20代には。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「辛いですねえ。
  ほんと、大人になることが、こーんなに楽しいのかって、いま思ってるけど。」
岡田くん
  「ハハハハ。 それは、演出家目指したときからですか?
  でも、もともと、その、出方をやられてたんですよね。」
宮本さん
  「いや、もともと・・・えーとね、演出家を目指してたと、
  “いま思えば”というのは、
  その、18歳の時に、1年以上、部屋の中に引きこもったときなんですよ。
  レコード聴いて、音楽聴いて、
  その中で、ま、現実じゃない、ある、音楽の世界に入って、
  例えば、あるときは、クラシックの激しい曲聴いて、
  もう、汗だくになって、踊りまくってるわけですよ。」
岡田くん
  「うんうん。」
宮本さん
  「踊り方なんて、わかんないですよ。ただ、ジャンプしてるような。
  それ、危ないですよ、表から見たら。(笑)」
岡田くん
  「(笑)家族だったら、心配しますよね。」
宮本さん
  「もう、大変でしたよ、両親も。みたいなことが、あったりとか。
  でも、そのときに、
  あっ、この音楽を、こんなに面白く、自分の中で、興奮出来てる、
  そこに色が見えて来たり、なんか、こんなふうな世界観になってる、
  こんなふうに、みんなが踊ってたらすごいなー、とか。
  そんなことが、もしかしたら、
  まぁ、テレビの監督なのか、わかんないけど、映画監督なのか、舞台の演出家なのか、
  例えば、もしかしたら、アーティストなのか、わからないけども、
  それでやっていけるとすると、舞台演出家かな? と思い始めたんですよね。」
岡田くん
  「うんうん。」
宮本さん
  「それは、子供のときから、時々、舞台を観ていたこともあって、
  でも、演出家には、すぐ、なれることはないけど、
  自分のこの興奮を、人に伝えたいとか。
  それがスタートなんですよ。」


(曲)
EMILIE CLAIRE BARLOW 『YOU'RE DRIVING ME CRAZY !』


岡田くん
  「いま、何と呼ばれるのが、一番、自分にしっくり来ますか?
  例えば、あの、なんだろう、舞台を作る人。表現者なのか、演出家なのか。」
宮本さん
  「そういう意味では、表現者とか、創作者とか、クリエーターとか、
  なんかその、ものを作ってるワクワク感て、クリーエーターみたいな感覚は、
  好きですよね。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「なんか、ワクワクする。
  ないところから、何かを作り上げるって、面白いじゃないですか。
  といっても、全くない訳じゃない、と思ってるんですよ。
  ていうのは、僕たちは、全部、僕も、
  いろんなものを、目で見て来てる、ま、先達たちが作ってるものもあると思うから、
  そこから、いろんなものを、あるときは、コピーしながらも、
  自分達のアイディアを、自分の入れながらっていうことなんだろうけど、
  “作れてる”っていうことが、めちゃめちゃ面白いなと、思ってますねぇ。」
岡田くん
  「形を作れてるっていう・・・」
宮本さん
  「そうですね。 で、いろんな人と、それをきっかけに話せるとかね。
  ある人は、好きだった嫌いだったもいいし。
  この前、オペラやった時も、初日、舞台上に出たら、
  『ブラボー!』って言う人と、『ブー!』って、すっごい怒ってる人、いるんですよ。」
岡田くん
  「フフ(笑)」
宮本さん
  「もう、来た来たー!と思って、顔がほくそ笑んでる自分がいるんですよ。(笑)」
岡田くん
  「アハハハ!」
宮本さん
  「全員、同じ意見てことはないし、
  でも、みんな好き嫌い、やっぱあるから、それは、あれなんだけど、
  ただ、それ以上に、自分が、ほんとに作ってて、誠心誠意を込めたし、
  それをやったときの舞台で、まあ、いろんな賛否両論があるのも、
  『いいんじゃない?』って。」
岡田くん
  「ワァー。 そう思えるとこは、強いですよね。」
宮本さん
  「これもやっぱりね、経験ていうか、
  あまりにも、いろんんなもの見て来たし、いろんな経験して来て。
  最初は、怖かったですよ。
  最初は、みんなに好かれたくて、もう、なんか、好かれるものをやんなきゃいけないとか、
  “愛されたい病”じゃないけど、僕の中であったから。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「変わってる人間だからこそ、やっぱり人に認められたい、っていう、
  すごい恐怖感が、奥にあったんですよ。」
岡田くん
  「うん。」
宮本さん
  「でも、これ。 それやってると、どうも、自分の奥が『あれっ?嘘ついてない?』って、
  よく、語りかけるんだよね。
  僕の場合、自問自答、始まっちゃうんですよ。」
岡田くん
  「どっちか、岐路に分かれるときがあるじゃないですか。
  クリエーターなのか、いわゆる、まあ、言い方が難しいけど、
  プロで、表現者として、みんなが求めるものをやる方の人と、
  自分がやりたい方のを、突き詰める人と、別れて行くじゃないですか。」
宮本さん
  「うん。
  これねえ、そういう意味ではね、もしかしたら、両方だと思う、僕は。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「僕は、結局は、でも、自分が作りたいもの作ってるんだけど、
  やりたいことは、人と交流したいんですよ。 目的は、そこなの。
  だから、部屋で、一人で作って、一人で上演して帰りたいわけじゃなくて、
  やっぱり、その、オペラのときも、
  『ブラボー!』って言ってくれた人達がいることが、嬉しいわけでしょ。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「だけど、違う意見の人達も、いても当然、ていうことなので。
  ただ、作って、自分で『良かった マル』ではないんだろうな。
  僕にとっては、この舞台を作らせてもらうことで、
  人と交流を、させてもらっていることが嬉しい。」
岡田くん
  「うーん。 それを、言うと “コミュニケーション” じゃないですか。」
宮本さん
  「そうです。」
岡田くん
  「コミュニケーションが、すごく苦手だった子供のときと、
  コミュニケーションを、すごく大事にしている今と、あるじゃないですか。
  逆に、子供の頃、すごくコミュニケーションしたいから、ものすごく・・・」
宮本さん
  「全く、その通りです。
  僕は、引きこもったっていうのも、最初から、したくなかったはずがないと思うんですよ。
  で、あのとき、出れなくなっちゃったって、
  部屋から、出れなくなったのは、
  コミュニケーションしたいがために、出来ないので、いろんなことが始まっちゃった。
  頭の中で。
  自分を責めたり、周りを責めたりっていうことで、混乱が始まって、出れなくなったので、
  最初っから、ただ、人と話したくない、っていうわけではなかったんですね。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「うん。だから、それはその、引きこもるっていうのは、すごいエネルギーがいることで、
  ある意味で。
  ある意味、ものに対する、ただ反抗というよりも、
  対、違うエネルギーを出さないと、引きこもれないじゃないですか。
  親は『学校行け!』って、しまいにもう『どうしたの?』って。
  先生にも『宮本くーん!』って言いに来るわけだから。(笑)
  それでも、部屋で鍵かけてるっていうのは、すごいエネルギーなんだけど。(笑)」
岡田くん
  「うん。」
宮本さん
  「(笑)ていうものが、そのとき、あったんじゃないかなぁ。
  だから、それは、裏を返せば、人と、ほんとに交流したいとか・・・」
岡田くん
  「うん・・・
   相当、勉強されましたか? そんときに。」
宮本さん
  「まあ、20代は、とにかく出演者として、勉強しようと思ったんで、
  いろんな舞台出て、まあ、ロンドンにも行ったり、
  とにかく、舞台を観続ける。
  とにかく、出来るもの、感じるものは、
  奥では、歯を食いしばりながら、出来ることは、全部やる。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「ていうことを、やる。」
岡田くん
  「いま、演出家になりたいっていう人も、聴いてると思うんですよ。
  何を大事にして、どうやったら演出家になれるんだと思ってる人、
  多いと思うんですよね。」
宮本さん
  「(笑)演出家になれる方法論は・・・これというのはないでしょうね。」
岡田くん
  「アハハハ! ないですか!」
宮本さん
  「ないっていうか、みんなバラバラだから、
  例えばねえ、何か方法があったら、みんなその論法だけで。
  ただ、好きな舞台だったらば、何っ回も観た方がいいとか、
  やっぱり、いろんなこと知るっていうのは、面白いことだから、
  ただ頭でっかち、っていう意味じゃなくて、経験できるものは、
  もう、目の中に入れるものは、全部入れちゃったらどうですか、っていうかんじかな。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「それは、一つのものを観たとしても、興味があるないで、
  見方、全く変わるじゃないですか。
  普段、例えば、何かに興味を持ったとしますよね。
  例えばじゃあ、恋愛をしてたとして、そしたら、街を歩いていて、いつの間にか、
  恋愛をして苦しんでるときは、いろんなカップルのこと、見えたりしますよね。
  で、なんであの人達は、上手くいってるんだとか。
  普段、違うときに見たカップルと、目の中で、スーッと通り過ぎるものは、
  人のことが、すごい、見えてきたりしたり、することあるじゃないですか。
  ま、何を言いたいかっていうと、
  その時の、心の持ちようで、ものの見方が変わって来ますよね。
  同じものや、同じ人が、目の前にいたとしても。
  それとおんなしで、もし、演出家になりたいんだったらば、
  いろんなものが、全部自分の興味として、持ってった方が『お得じゃない?』
  っていうぐらいかな。」
岡田くん
  「フフン。(笑)」
宮本さん
  「だから、例えば、街歩いててもそうだし、
  まあ、ニュースもそうだし、出会いもそうだし、
  それって全部、人が人のことをやってるのが、演劇なので、
  むかーしから人類の歴史の中で、あったわけじゃないですか。
  そういう意味では、ほんと、みんな、
  人をもっと探りたかったり、自分を探りたかったり出来る、仕事でもあるから、
  演出家やりたい人は、面白いよー、って。
  もう、題材は山のように、日常にも転がっているし。
  舞台も、世界中、いたるとこに、いたる種類のものがあるし、
  見ようと思ったら、いろいろ出来るんじゃないですか。
  だから、部屋でもんもんと『演出家になりたい』と頭を抱えるよりは、
  いろいろ、出歩いてみるのもいい気はします。」
岡田くん
  「うーん。 あのー、宮本亜門さん、舞台しか、あれですか?」
宮本さん
  「ううん。」
岡田くん
  「いろんなことを。」
宮本さん
  「映画も撮ったりとかしたし、
  この前ちょっと、美術展? 展覧会で、アート作品、作ったりもしたし、
  いろいろ!(笑)です。」
岡田くん
  「(笑)いろいろですよねぇ。」
宮本さん
  「もう、いろいろやって、恥も全部さらし、
  『こんなのが生きていた』と、忘れられても、俺は楽しむぞ、
  みたいな(笑)かんじです。」
岡田くん
  「アハハハ!
  どういう、どういうふうにって、ありたいんですか?
  今回、だから、宮本亜門さんって、どういうふうに出来ているんですか?っていう、
  あれなので・・・」
宮本さん
  「うーん、僕はとにかく、自分の中で、やっぱりどうしても、人間に興味があるので、
  それは、自分に対する興味も含めてなんだけども、
  いろんなことを経験して、積んでいきたいんですよ。
  それは、職業っていうのは“演出家”っていう、一つの職業じゃないですか。
  一つの方法論で、それも面白いけど、
  演出家じゃないものも、興味があったものは、
  ジャンルを越えて、いろいろ経験させてほしいと。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「で、もちろん、ブロードウェイで仕事をしたことも、最高だったし、
  今度、国を越えて行くのもいいし、
  たった一度しかない人生だったら、存分に、いろんな体験をさせてほしい、と。
  で、おかげさまで、いまこんなに面白い場所に、来させてもらっちゃったんですね。」
岡田くん
  「うん。」
宮本さん
  「うん。いま、もう一回、ゼロからやったら、また大変なんですね。
  10代、20代ってやったら。
  もう、いま、吐きそうになっちゃうんだけど、(笑)
  いま、せっかくここまで、
  まあ、50になったんだけど、51か。
  もう、面白くてしょうがないので、
  このまま突き進んで『あっ、気がついたら死んじゃった!』っていうとこまで、
  楽しませてもらいたな、ということなので・・・」
岡田くん
  「“自分” 楽しみたいんですね。
  楽しませたいし、楽しみたい。」
宮本さん
  「そう。 だって、面白いんですもんね、生きてるって。」


(曲)
DES'REE 『LIFE』
ライフ





岡田くん
  「海外の経験とかって。海外も行かれていて・・・」
宮本さん
  「そうですね、なんか、ほんとに。
  まあ、ミュージカルだと、ブロードウェイと呼ばれてるところってこう、なんか、
  そこがすごいっていうふうに、言われますよね。だけど、実際、アメリカだったら、
  まあ、アメリカのミュージカル、イギリスもそうかな、
  ミュージカルが、僕は好きな理由はね、
  ジャンル越えちゃってるからだけなんですよ。
  もともと、生まれたのが、民族が多くて、
  ニューヨークだから、マンハッタンの、あの狭ーい島で、人が、
  いろんな、言葉もわかんない人達がいて、
  そん中に、音楽が、当時は、ラジオしかないようなときに、
  ヒット曲を、ミュージカルが始まって、話がわかりやすくてみたいな、
  人種を繋いじゃってるようなエンターテイメントで、
  バレエ団と、ボードビリアンと、お芝居の人が一緒にやっちゃったのがミュージカル、
  みたいなかんじで、
  最初から、ミュージカル、ちゃんとしてたわけじゃなくて、
  ジャンル越えだったんですよね。
  で、そこにあるから、実に自由だと思ってるんですね。」
岡田くん
  「うん。」
宮本さん
  「だから、ミュージカルってスタイルが、僕は好きっていうよりは、
  ミュージカルになっても、好き嫌いはいろいろあるんですね、僕の中でも。
  全部好きなわけじゃ、全然なくて。
  ただ、そういう、越えることが出来ちゃう、そういう自由感とか。
  で、当然、芝居の後に、急に歌いだしたら、バカバカしいのは、僕もわかってる。
  わかってることを、敢えてふざけて遊んでる面白さで、
  ふざけるがゆえに、人口だからこそ、
  ポロっと、本物が落ちることも、あったりするんですよね。
  本物の感情が。」
岡田くん
  「うんうん。」
宮本さん
  「つい普段、セリフや何かで言えないことを、
  ポロッと落ちることもあったりするってのも、僕はまた、魅力的だなと思ったりするんで、
  それで、ミュージカルが好きになったのね。
  で、『いつかはブロードウェイ!』と思ってたんですが。」
岡田くん
  「やってみて、どうだったんですか?」
宮本さん
  「やってみてねぇ。」
岡田くん
  「ぶっちゃけ、どうだったんですか。」
宮本さん
  「ちいちゃな村! あそこも!」
岡田くん
  「アハハハ!」
宮本さん
  「あそこは、あそこで、すっごい才能があるし、その歴史たるや、凄いんだけど、
  まだ、ある意味では“こここそがすべて”とは、全然思わない。
  やっぱり、いろんな、ある偏った人達も、たくさんいるし、
  でも、ここはここで、自分達が大切にして来たものを作り上げて来た、っていう意味では、
  すっごく面白いとこでした。
  だけどその、僕は、やっぱり、そこに行かないと気が済まなかったのは、
  じゃあ、ミュージカル・イコール・ブロードウェイって言われたら、どうなんだ。
  そこで、経験してみるとわかることって、あるじゃないですか。
  そういうものを経験したら、  
  あっ、なんだ、ここはここで、一つの村としては素晴らしい。
  だけど、ここが世界のうんぬんではない。
  日本は、日本で、違うものがあり、
  じゃあ、こんどはまた、チベットは、チベットで、違う民族舞踊があり、
  もう、どれが優劣が、どうの、何が正しいじゃ、ほんんとにないんだな、
  っていうところを、経験できてるのが、嬉しいですよね。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「ただ、ニューヨークが、いまだに好きなのは、ニューヨークで、舞台をやりたいのは、
  やっぱり、いろんな人種がいるから。」
岡田くん
  「うーん。 ごちゃごちゃしてて・・・」
宮本さん
  「ごちゃごちゃして、隣の部屋に、誰住んでるのか、わかんないみたいなね。
  この音楽、何だ? みたいな人、いたりするなないですか。
  部屋から聴こえて来るのとか、言葉も通じないことも多いし、
  まー、そこにいると、目が覚めるというのか。
  あっ、こんなにいろんな人達が、世界にいるんだって、気が付くときがありますよね。
  一番いいのは、世界を旅して来ることだと思うんだけど。
  そういう意味では、ニューヨークっていうのは、面白いところではあるなと。」
岡田くん
  「ミュージカル。 日本のミュージカルと、ブロードウェイのミュージカルって、
  違いがあると思うんですけど、こう、具体的に、どんなことが違いましたか?
  俳優の在り方とか。」
宮本さん
  「ブロードウェイは、ブロードウェイで、いろんな役者がいるね。
  いるんですよー。
  なんで、これがまたねえ、バラバラだなと思ったことは事実で、
  ま、ミュージカルだと、よくいうと、
  歌、踊り、芝居、みんな出来るとかいうことを言われるけど、
  やっぱり、大体、三つ出来る人、いませんね。(笑)」
岡田くん
  「あー。」
宮本さん
  「それで、ただ、すごく嬉しいのは、誰か、何かを秀でてる人は、面白いですよね。
  歌が、すっごい上手い。ちょっと、演技は下手だ、とかね。
  そうすると、それぞれの、まあそういう言い方、失礼かもしれないけど、
  才能、うまくコマとして、その人の最大の魅力を、中心に出して行く、
  っていうのも、演出家の仕事なので、
  役者も、案外バラバラだったりするし、
  全員、才能があるとは限らないし、
  演出家によって、やっぱり、タイプもバラバラなんですね。
  なんで、そこら辺のところは、大きく違わないと思ったけれど、
  もし、違いがあるとするなら、層は厚い。 
  人は、多い! とにかく、層が厚い。
  行かれたことあると思うけど、レストランに行くとほんとに、
  もし、レストランに行ったとして、
  『ここら辺、なかで、役者さんいますかー?』って言ったら、
  ほとんどのウェイターやウエイトレスが、手を上げますよ。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「ま、とにかく、層が厚いんで、みんな、普段はアルバイトして、仕事を狙ってるんで、
  例えば、オーディションかなんかをすると、
  オーディションは一日、そうだな、もう何十回って、あちこちでやってるわけですよね。
  オーディションの来方なんか、全然違いますよね、日本とね。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「もう、緊張してる人がいない!」
岡田くん
  「へへへ!(笑)」
宮本さん
  「慣れちゃってるから。(笑)」
岡田くん
  「あー、そう。」
宮本さん
  「落ちるのも慣れてるし、受かるのも慣れてるから、堂々と、みんな、来る人が多くて、
  で、すっごい勢いで、自分のことアピールして、わかんなかったら、
  採らなかったアンタに才能がないって顔して帰りますからね、ちゃんと。(笑)」
岡田くん
  「アハハハ!
  信じてる人は多いですよね。」
宮本さん 
  「じゃなきゃ、やってけない、あんなに人が多くて、人種がバラバラで、
  まわりのこと気にしてたら、生きてけないですよ。」
岡田くん
  「はぁー。」
宮本さん
  「やっぱり、自分のことアピールしていかないと、ってのがあるんじゃないですか?  
  まあ、そういう意味では、すごい強いとこでもあるんですね。
  それが、いいとも限らないし、そういうとき、やり過ぎだったりするんですけど、
  『それ、お前、もう少し人の話、聞こうよ』とかね。」
岡田くん
  「アハハハ!」
宮本さん
  「『調和とかないの? 調和とか、この国には』とか、
  何回も大きな声で、日本語で言いたくなるような、
  自分だけ主張して、絶対『sorry』言わないって言う人も、多いです。」
岡田くん
  「それを、まとめてくって、大変ですよねー。
  調和がないと・・・(笑)舞台は成り立つんですか?」
宮本さん
  「いや、でもねえ、それなんだけど、自分の意見が、
  ちゃんと納得したら、変えてく力もあるから、
  そういう意味では、ちゃんと、立場で。
  あっ、こういう違いはあるかな。
  えーと、じゃあ、稽古をしている段階。
  これ、ほんとに、必ずそうとは限らないけど、こういうことが多かったというふうに、
  言い方をさしてもらって挙げると、
  日本の稽古の場合は、最初まず、みんな、言うことを聞いてくれちゃうんです。」
岡田くん
  「うん。」
宮本さん
  「まず、演出家、何やりたい。
  じゃ、黙ってくれて、じゃあ、こうして下さい。みんな『ハイ、ハイ』
  ほんとに、人がいいんです。素晴らしいんです、みんな。
  で、見方を変えれば、誰も言い返してくれないんです。
  で、これどう?って、ちょっと!って、質問も少なかったりするんですね。
  みんな、よく聞いてくれる。
  ところが、その舞台が、もし上手くいかなくなったらば、
  『なんだ、ホントにもう。宮本のせいだよ!』って、だんだんこうなっていくことがある。
  ところが、ブロードウェイの場合は、最初に、異常な質問。
  『僕は、ちょっと、これやってくれ』
  『ちょっと待って下さい、これは、こうじゃないんですから』
  『ちょっと待ってっくれ、これは、こうじゃないですか!』
  もうね、稽古が進まない。
  この出演者たちは、全員、僕を敵対視してるのか、と思うぐらい・・・」
岡田くん
  「(笑)妨害かー!って言うぐらい。」
宮本さん
  「もう、ほんとに、言い返す。言い返しますよ。
  ところが、その中で、彼等が、話し合いを納得したら、
  自分の責任として、今度、作り上げてくんですよ。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「もう、後半、質問どころか、
  何があって、もし舞台が上手く行かなかったとしても、
  自分の責任になるんです、ほんと。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「ていうね、何か、順番が違うのかな。どっちが、いい、悪い、じゃないんです。
  あのー、だから、自分のものとして行く段階が違う。
  というのは、あるかもしれませんね。
  

(曲)
FRANK SINATRA 『THEM FROM NEW YORK,NEW YORK』
New York New York: His Greatest Hits





岡田くん
  「いままで、ご自分で『これは生み落せた』っていうか、
  『これは発見できた』っていうものって、作れたことって、ありますか?」
宮本さん
  「えー、いろんな舞台を作って来て?」
岡田くん
  「うん。パーフェクト!っていう・・・」
宮本さん
  「うんうん。パーフェクトはね、僕は、一生ないだろうなと思ってますね。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「パーフェクトというのは、きっと、あるパーフェクトというイメージがあって、
  そこにハマったとき、パーフェクトなんでしょうねぇ。
  つまり、その人にとってのパーフェクトって、全員違うじゃないですか。
  だから、そういう意味では、パーフェクトがないっていう言い方もあるし、
  すべてパーフェクトかもしれない。(笑)」
岡田くん
  「ウッフフ。(笑)ほーぉ。」
宮本さん
  「(笑)ていう、僕、枠組みを決めてないので。」
岡田くん
  「枠がないんですね。」
宮本さん
  「ないですね。 ていうのは、枠を決めると、自分で、そこに何かが足りなかったのか、
  それとも、それが、ちゃんといったのかっていう恐怖感とか、
  そういう、一つに、自分で固定して行ってしまうんじゃないかと思うんですね。
  だから、そのとき出来る最大のものをやる。」
岡田くん
  「うーん。」
宮本さん
  「最大限のものだけは、努力しようとする。」
岡田くん
  「でも、定義はきちんと知ってるじゃないですか。  
  例えば、ミュージカルは、ミュージカルの歴史だったりを全部、調べるだろうし、
  オペラだったら、オペラっていう、こう、
  カテゴリーに分けて、きちんと説明も出来るじゃないですか。
  それでも“枠をなくす”って、すごく大変な作業じゃないですか。」
宮本さん  
  「うーん。でも、例えば、じゃあ、そうかな・・・
  えーと、そうかな、ごめんね。」
岡田くん
  「(笑)」
宮本さん
  「えー、もうね、僕ね。 僕に、枠ってものが、ホントに、ないんだよね。(笑)」
岡田くん
  「(笑)いえいえ、普通。 まあ、わからないかもしれないけど、普通は・・・(笑)」
宮本さん
  「そうかあ、オレ、普通、わかんないですよー。
  だから、悩んで来たんですよー。(笑)」
岡田くん
  「(笑)普通は、たぶん、なんかこう、ま、
  定義を説明できなくて、
  できないのに『枠は取りたい』とかって言うことが、多いと思うんですけど、  
  例えば、定義を、作れるとするじゃないですか。
  そこに、固定概念が生まれて、そこを、こう、
  それがすべてなんだ、って思うことも、あるじゃないですか。」
宮本さん
  「そういう人は、幸せだよね。 それは、それで。」
岡田くん
  「それで、いいですか?」
宮本さん
  「だって、自分で、固定概念を作って、
  自分で、落ち着いてるんだったら、
  それは、それで、誰も批判する必要ないし、良かったじゃない、と思います。」
岡田くん
  「(笑)ああ、そうかあ。」
宮本さん
  「それも、いいと思います。」
岡田くん
  「ああ、それもいいのか。」
宮本さん
  「僕は、その、自分にとっての、
  “枠のなさ”っていう、もしかしたら固定概念を、勝手に持っていて、
  それで、自分に安心してるのかもしれないし。」
岡田くん
  「ふーん。うんうんうん。」
宮本さん
  「変な言い方だけど、さっきの話だと。
   なので、とにかく、いま岡田さんが言ってくれた、その、
  “普通”っていうのが、わっからないですよ、僕にとっては。」
岡田くん
  「フフフ。 わからない方が、いいと思います。」
宮本さん
  「『普通って何?』とか。その、じゃあ、例えば、ほんとに『普通の人って誰?』とか。
  この世界があって、あんまり違う人達がいたりすると、
  『日本の普通って、じゃ、誰のこと?』っていうときね、
  きっと、思い病んでも、答えは出ないだろうな、と、いうかんじなんですよね。」
岡田くん
  「いえ。でも、それが本質だと思います。」
宮本さん
  「いやいや、そんなですけど。そこで。
  そこで、悩んじゃったんで、昔。」
岡田くん
  「あー・・・」
宮本さん
  「普通がいると思ってたんで。(笑)」
岡田くん
  「うんうんうん・・・
  “舞台が怖い”ってのは、あります。
  あの、こんなとこで、悩み相談みたいになると・・・」
宮本さん
  「うーん、いやいや。」
岡田くん
  「映像の仕事が、僕、多いんですけど、
  映像は、この、言うと、意思が、
  同じ意思の人達が集まって、
  やり直しも利くし、
  その、ものを、どう良くするかっていう状態で、作って行くじゃないですか。」
宮本さん
  「え? え? えーと、ごめんなさい。
  僕、映像、もうひとつ。
  一回しか、映画、撮ってないんで、聞きたいんだけど、
  “同じ意思の人達”って、どういうことなんですか?」
岡田くん
  「同じ意思っつったら変ですけど、その作品を、
  ま、だから、稽古場みたいなもんですよ。
  お客さんが、いない、状態じゃないですか。」
宮本さん
  「なるほどー!」
岡田くん
  「その、みんなが、ワイワイやって・・・」
宮本さん
  「あー!・・・」
岡田くん
  「みんなで、ワイワイ『これ、どうしたらいいんだよ。どうしたらいいんだよ』って、  
  “言う人”しかいない。
  スタッフだから、みんなが。」
宮本さん
  「なるほど!」
岡田くん
  「そこが、お客さんが入って来ると、
  お客さんが、こうやって観た時点で、興味っていう、目線が入って来るじゃないですか。」
宮本さん
  「ああっ!」
岡田くん
  「その目線が、怖いんですよ。 いまだに。(笑)」
宮本さん
  「はあっー!
  でも、コンサートのときは、どうなんですか?」
岡田くん
  「あれこそ、怖いです!」
宮本さん
  「あれこそ、大量の人が、興味・・・」
岡田くん
  「一万人とかの人が来て・・・」
宮本さん
  「うん!」
岡田くん
  「見られるけども、
  あっれも、実は、もう、あの、その、なんだろう・・・
  実は、もう、吐きそうになりますよね。」
宮本さん
  「ハハハ!(笑)」
岡田くん
  「吐きそうになるっつうか、
  気持悪くなっちゃう、というか・・・」
宮本さん
  「えっ! ごめんなさい。 すっごい興味が出てきちゃった。ごめんなさい。
  コンサートのときに、歌を歌ってるときの、
  その恐怖感と、
  芝居をしてるときの、舞台の上で、
  舞台で、芝居をしてるときの恐怖感。
  おんなじもの?」
岡田くん
  「いや、ちょっと、違うかもしんないですね・・・」
宮本さん
  「なにが違うんですか?」
岡田くん
  「・・・・・」
宮本さん
  「どっちの方が、怖いんですか?」
岡田くん
  「音楽があって、音楽というリズムに寄りかかった人達が来るのが、
  えーと、コンサートだったりするんですけど。」
宮本さん
  「はい、はい。」
岡田くん
  「でも、音楽がなく、芝居で見せて行って、
  会話ひとつひとつの技術だったりとか、
  ま、結果いうと、なんか、視線をどう持って行くか、っていう仕事が、
  コンサートでも、舞台でもあるとは思うんですけど、
  お客さん、観てる側の人を、
  視線を、どうやって、持って行かせればいいか、みたいなことも、考えながら、
  ま、コンサートに関しては、自分達も作るので、
  演出みたいなのもするので、あれですけど。
  なんだろう、音楽が、ある、ない、とか・・・
  なんだろうな。」
宮本さん
  「音楽があった方が、少し・・・」
岡田くん
  「や、感情の、持って行きかたが違うんですよ。
  コンサートに“悲しい”は、いらないんですよ。」
宮本さん
  「あー・・・」
岡田くん
  「悲しい、だったりとか・・・
  ある一定の、高揚感を与えてあげればいいわけですよね。」
宮本さん  
  「なるほど。はい、はい。」
岡田くん
  「でも、舞台ってのは、高揚感だけじゃない、
  悲しみだったり、そこに、落としたものだったり、
  いろんな、多種多様な感情を、見つけて行ってもらうことを、
  しなきゃいけないじゃないですか。」
宮本さん
  「あー。」
岡田くん
  「それは、台本があって、それを作って行って、
  その感情を、リアルに見せたりとか、
  でも、リアル過ぎると、ちょっとダメだから、演じてるっぽくやるのか、
  いろんなやり方があると思うんですけど。
  こう、なんだろう、
  さらけ出される?」
宮本さん
  「うん。 でも、それが、映画だったら、
  自分の芝居が、さらけ出されたとしても、
  あとで、観客が勝手に見てるから、楽ってやつ。」
岡田くん
  「そう、そう。(笑)」
宮本さん
  「そこにいる、ってことが・・・」
岡田くん
  「辛いわけじゃないですけど、すごい、なんだろうな、なんかね、尊敬するんですよ。
  ミュージカルと、舞台が出来る人っていうか、
  その、一個一個の感情を、拾われてるじゃないですか、
  拾われてるっつったら変ですけど、お客さんに。
  なんかこう、観て、こう、なんだろう、
  すごく、感じられてる。」
宮本さん
  「ほう・・・」
岡田くん
  「コンサートは、一定の、ま、例えば、カッコイイだったり、なんか、
  ゾクゾクっていうのだったり、楽しいだったり、
  あっ、次の曲、これ知ってる、とか、一緒に歌ったりとかって、
  ある一定の感覚なんですけど、
  舞台とか、芝居ってもう、感覚の量が、増やしたり減らしたりも出来るだろうし、
  新しい感覚だったり、なんだろう、
  も、いろんな感覚を、こう、お客さんが、拾おうとして来てるじゃないですか。」
宮本さん
  「うん。」
岡田くん
  「だからもう、すごい、なんだろうなぁ、
  舞台のエネルギーって、すごいなーと思ってて、
  それでみんな、ハマって、
  そういうのが好きだーって言って、やるんだと思うんですけど、
  僕は、怖いですね。
  何度か、やらしてもらったことあるんですけど、
  すごいなぁって思います。」
宮本さん
  「怖いから、もうやりたくないっていうことですか? 
  それとも、もしかして・・・」
岡田くん
  「いや、やりたくないわけではないですけど・・・
  なんかね・・・」
宮本さん
  「まだ怖い、ってかんじ。」
岡田くん
  「まだ、怖いですねー。 やるっていう、こう・・・」
宮本さん
  「あとは、慣れだね。」
宮本さん・岡田くん
  「フハハハハハ!(笑)」


(曲)
LINDA RONSTADT 『IT'S SO EASY』
Simple Dreams






(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、宮本亜門さんと、お話をさせていただきました。
いーやー、でもなんか、も、51歳、なんですね。
見えないなーっていうのが、まず、ありましたけど。

でも、やっぱ、なんかこう、
さすが 『宮本亜門は知ってるな』 っていう感じは。(笑) 生き方をね。
生き方っていうか、コミュニケーション、すごく大事にして生きてるっていうね、
とても、なんだろう、いますごく楽しいのかなー、とも思ったし。
なんかこう、いま、悶々としてる、今日のリスナーの、もしいたら、
あ、そうしたらいいのかなぁって、思ってもらえたような気もしましたし。

うーん、人生、楽しそうですよね。
みなさんもね、楽しく生きましょう、人生は。
って、思いました。」


(曲)
SHERYL CROW 『IF IT MAKES YOU HAPPY』
If It Makes You Happy






(宮本さんからの、コメント)

「僕はもう、初めてお会いしたんだと思うんですけど・・・
とっても、ピュアな人だなと思いましたね。
うん、根が。
奥にあるものが、すごいピュアだなぁと思った。
だから、とても正直だし、
その怖さも、舞台に対する怖さも、よくわかったし。
まあ、これ、岡田くんに失礼かもしれないけど、
もってるコンプレックスは、僕と、似てるなと。アハハ!
ま、ちょっと、奥は似たもの同士かな、と。
勝手に思わしていただいております。

でも、ほんとに、あの、
今日は、話さしてもらって、よかったし、
えー、いい意味で、結論がでない、楽しい対談が出来たと思ってます。
ありがとうございました。」

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