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2009/03/01 on air 「僕らにできる国際協力って何ですか?」                  (guest) 山本敏晴さん

世界で一番いのちの短い国―シエラレオネの国境なき医師団



世界で一番いのちの短い国―シエラレオネの国境なき医師団





(オープニング)

「こんばんは、岡田准一です。今夜も始まりました 『Growing Reed』
この番組では、毎週一つのテーマの専門家をお呼びして、徹底的に質問。
番組の終わりには “考える葦” として、
僕も皆さんと一緒に成長したいと思っています。

えー、ニュースを見ていると、世界中で紛争が起きていて、
多くの民間人が犠牲になっている事が、報道されています。
そんな、紛争現場に出かけて行って、治療に当たる、医師や看護師の皆さんがいます。
そうした活動を行っている団体の一つに “国境なき医師団” というのがあります。
昨年から、公共広告機構のCMに、国境なき医師団が取り上げられ、
その活動の様子を目にしたリスナーも、多いと思います。

実は、僕もですね、ものすごく、えー、興味を持っているというかですね。
なんて言うんでしょう、必要な職業だなーって、勝手に思っているというか、
そういう感じがあってですね。

なんと今日は、2005年まで、その国境なき医師団の理事を務めていた、
山本敏晴さんをゲストにお迎えしたいと思います。

山本さんは、現在も、NPO法人宇宙船地球号の事務局長として、
国際協力の最前線に、立っている方です。
紛争地域だけではなく、自然破壊や飢餓地域などにも出かけて行って、
国際協力をするという事は、どういうことなのか。
民間人による国際協力の現場では、何が起きているのかをお聞きします。

『僕らにできる国際協力って何ですか?』

J-WAVE 『Growing Reed』
新しい一週間の最初の60分。ぜひ、一緒にお付き合いください」



(岡田くんの曲紹介)
「雨の夢を見る。
砂漠に横たわる、庭の夢を見る。
苦痛に目覚め、手の中から時が流れ落ちて行くように、僕は夢を見る。
STING 『DESERT ROSE』」
Brand New Day






岡田くん
  「あの、山本さんから見て、いま一番深刻な国際医療の現場って、どこですか?」
山本さん
  「えーと、やっぱ、中東のですね、イラクとかアフガニスタンの領域だと思います」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「ま、田舎、地方に行きますと、まだ、病院が全然なかったり、
  医者や看護師がいないところが多いんですけれども、
  いまだに、この両国では内戦が続いているために、
  医者はもう、外国に逃げ出してしまった。病院は、戦争で壊されてしまったので、
  復興が出来ないというのが、非常に悲惨な事ですね。
  しかも最近は、我々、国際協力団体が入って行ったのに、
  外国人はみんな、あの(笑)アメリカ人だと思ってるんですよ」
岡田くん
  「はあ、はあ」
山本さん
  「で、アメリカが嫌いな人がですね、中東、特に多いですから、
  日本人もアメリカ人も一緒だと思ってますので、
  要するに、拉致して、人質にして身代金を要求したり、
  場合によっては殺されてしまうという事で、
  国際協力団体は、やりたいんだけれども、
  なかなか、やりにくいという、一番難しい状況になっていると」
岡田くん
  「そもそも、山本さんが興味を持ち始めたのって、いつからですか?
  そういう、国際協力って」
山本さん
  「うんと。 まあ、最初の最初は、小学六年生の時に、
  親父に連れられて、南アフリカ共和国に行ってるんですけども」
岡田くん
  「行かれたんですよね」
山本さん
  「当時、アパルトヘイトは、
  えっと、まあ、白人至上主義みたいなのが、やってましてですね、
  それが、非常に驚いたと。 こんな情勢があるんだ。
  で、黄色人種も、ま、有色人種は全部、黒人と一緒ですから、
  日本人も、中国人も、韓国人も、みんな黒人なんですよ」
岡田くん
  「うん、うん、うん」
山本さん
  「カラードですから。
  そういうわけで、黒人側の人間になったという、非常に衝撃を受けましたね」
岡田くん
  「へー。 それで、興味を持たれてというか」
山本さん
  「いや、そんときは、単にびっくり。(笑)
  子供心に、びっくりしたな、っていうだけでですね」
岡田くん
  「どう・・・単純にですけど、
  僕は、国際協力っていうものに対して“すごいな!”と思うわけですよ。
  あの、意義のある仕事だな、と。
  なにかしら、一つだけには留まらないですけど、全部の仕事が。
  民間で入って行って、あのー、やるっていうのが。
  どうやって、なるのかな?っていうのが、先ず、気になったんですよ。
  普通の お医者さんをやられてたんですか?はじめは。 山本さんは」
山本さん
  「えーっとですね。はじめはもちろん、普通の病院でですね、
  小さい病院の院長やってた事もありますし、
  大学病院の勤務医やってた事もありますから、普通の、もちろん、医者でした。
  というか、国際協力をするためには、最低でも5年間の、
  いわゆる、社会人としての経験、医者としての経験がないといけませんから」
岡田くん
  「そうですね」
山本さん
  「まあ、最低5年間。
  だから実際、24で医者になりますからね、
  いずれにしろ、30歳を過ぎてから、国際協力を始める事になりますね」
岡田くん
  「『したい』って言って、行くんですか?
  なんか、そういう機関のとこに、ちゃんと入って、行くっていう事ですか?」
山本さん
  「そですね、ちょっと、統計わかりませんけど、
  医者になる人の、たぶん1割前後はですね、
  そういった、国際協力に興味があって、
  人道援助をしたいと思って、なって来る人もいますよ。
  看護師さんの場合は、もっと多いと思います。3割ぐらいだと思いますね」
岡田くん
  「うーん。 じゃあ、結構 若いとこから、山本さんも、
  たくさん、いろんな国に行かれてっていうことですか?」
山本さん
  「えーと、あの、中学時代に、一眼レフのカメラを親父に買ってもらってから、
  中学校のころから、父に連れられて、
  大学時代からは、自分でバイトで稼いだお金で、
  途上国の写真を撮って歩いてたんですよ。
  私は元々、写真家の方が、実は先に、
  医者よりも先に、実は(笑)世に出てる人なんですけれども。
  で、その、写真を、いい写真撮るためには、
  不純な動機で、先進国のロンドン、パリに行くよりも、
  途上国のアフリカとかへ行った方が、人に撮れない写真が撮れるじゃないですか。
  私はそういう、非常に不純な動機で、途上国に行ってたんですよ。
  そしたら、その先で、結果的に、
  国際協力団体が、そういう、援助をやっているのを見たんですね」
岡田くん
  「うんうん」
山本さん
  「そしたらですね、やってる援助が、当時の、ド素人の私から見ても
  『おかしいな、こんなことやっても意味ないじゃない』」
岡田くん
  「へーぇ!」
山本さん
  「『お金なんかあげたって、使っちゃえば終わりで、
  食べ物あげたって、飲めば終わりじゃん』ていうことでですね、
  いわゆる、やりっ放しの援助。一時凌ぎの援助をやっている事が多くてですね、
  『こんなの意味ないな。国際協力なんか、やるべきじゃないな』
  というふうに、私は思ってたんですよ」
岡田くん
  「えー!」
山本さん
  「大学生時代までは」
岡田くん
  「はい、はい。 それで、なんで変わったんですか?
  『変えなきゃ』と思った?」
山本さん
  「それは、ちょっとありましたね。
  で、それがまだ心に残ったまま、大学時代を終わって、
  それで、30歳になったわけですよ、経験がついて」
岡田くん
  「はい」
山本さん
  「で、私、妻がいるんですけども、
  妻の方が最初に 『国際協力やりたい』 って言いまして、
  私は 『やめろ!』 と」
岡田くん
  「フフ。(笑)」
山本さん
  「『国際協力なんて、意味ないから』 と。『自己満足だ』 と」
岡田くん    
  「まあ、目の前のことしか出来てない。
  本質的には、変えられてないんだよ、っていう・・・」
山本さん
  「変えられてないんだ。全然これじゃダメだ、と。
  一時凌ぎの援助じゃ、やめとけ って言ったんですけど、
  『どうしても、やる!』 っつって、行っちゃったんですよ。ある団体に」
岡田くん
 「はい、はい。 へーぇ」
山本さん
  「そしたらやっぱり、毎日、愚痴のEメールがやって来まして、英語で。
  『内容がほんとに酷い』 と。『あなたが言った通りだ』 と。
  という愚痴を聞いてたらですね。
  半年間、ずーっと愚痴が来るわけですよ。
  じゃあ、俺だったら。
  こうやったら、本当に意味のある国際協力が出来るかもしれない、っていう事をですね、
  その愚痴を聞きながら、考えるようになったんですよ」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「で、私の頭の中で、
  本当に意味のある国際協力の理論が、構築されて行ったんですね」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「じゃあ、やりたくなって来て。 私、理論が出来ると、やりたくなる人なので、
  じゃあ、やってみよう、という事で、
  当時の私は、自分の団体を、まだ、作る能力がなかったので、
  大手の団体に、どこでもいいから入ろうと思って、
  で、その中で入ったのが、
  ま、最初は“国境なき医師団”だった、っていうことですね。
  その後、五つの団体に入ってます。
  五つの団体、比較しながら活動してました」
岡田くん
  「ええー!? そうなんですか。
  五つ、入ってたんですか?」
山本さん
  「同時に、五つ入ってました」
岡田くん
  「国境なき医師団と・・・」
山本さん
  「医師団だけじゃなくて、“JICA” っていうですね、日本政府の、
  政府系の団体にも入ってますし、
  その他にも、NPO法人であるとか、いろんな所に入ってますよ」
岡田くん
  「はーぁ。それで、全部、現場を・・・」
山本さん  
  「見ながら、どういう国際協力が一番、最善かなっていうことを考えていたんですね。
  やりながら」
岡田くん
  「はーあ。で、今、宇宙船地球号・・・」
山本さん
  「ですね。いま、こういうのが最善に近いだろうっていうことを思いついたので、
  それを、やる段階。NPO法人の宇宙船地球号というのを創設したという、
  経緯になっています」
岡田くん
  「うーん。じゃあ結構、国境なき医師団とか、いろいろやって、
  まあ、五つやってたなか、葛藤は多かったですか? 現場では」
山本さん
  「そりゃあ、そうですね。 一応、組織から派遣されてますから、
  組織から言われた仕事を、やんなきゃいけませんのでね。
  仮に、それが 『意味ないな』 と思っても、やんなきゃいけませんから(笑)」
岡田くん
  「フフフ(笑)
  『意味ない!』 って、結構、多いですか?
  例えば、本質的に言ったら、もう、国を変えなきゃいけない、
  とかっていうことに、なっちゃうじゃないですか。
  教育機関を、まず、えー、補正してとか」
山本さん
  「はい」
岡田くん
  「『国を変えないと、元々、そういうの、なくならないよ』 とか」
山本さん
  「ええ、ええ」
岡田くん
  「いろいろ、こう、突き詰めていかないと、変えれないことって、
  多くなるじゃないですか」
山本さん
  「そういう方向性も、一つあります。
  だから、NGOで国際協力を始めた人の、実は、90%の人が、
  2年ぐらいで、辞めてしまうんですよ。
  国際協力に絶望して」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「俺は、ここに、学校の先生、やりに行った、と、
  看護師さんやりに行ったけども、
  一回やって、満足して辞める人が、多いんですが。
  『結局、私のやってることは、その、枝葉末節の、いくらやっても変わらない、この国は』
  『こんなこと、意味ないわ』 と思って、辞めてしまう人が、9割なんですが、
  残った1割の人は、
  『じゃあ、これは、国を変えなきゃいけない』
  じゃ、日本政府のJAICAに入って、国と国との、国家公務員として、
  外交として行ってですね、
  その国の、厚生労働省に指導する、その国の、文部科学省に指導する、
  という立場で行くようになるんですよ」
岡田くん
  「はーあ」
山本さん
  「要するに、NGOだった人が、日本政府のJICAに入って、
  “二国間援助” っていうんですけども、要するに、ODNですね、いわゆる。
  政府開発援助っていうのを、途上国にやって行くような人にならなきゃダメだ。
  根本的から変えなきゃいけない、っていうふうに気がつく人が、
  1割ぐらい、いるんですよね」


(曲)
ASIAN DUB FOUNDATION 『SPEED OF LIGHT』
パンカラ



  

岡田くん
  「ほとんどの方が、辞められちゃうんですね」
山本さん
  「そうです。 理由は、その、
  ギャラはですね、例えば、国境なき医師団の場合、5,6万円のはずです、
  月給がですよ。
  5,6万円ですから、とても生活できませんので。
  まず、それだけでも、続けられない(笑)と。
  あと、もう一つは、現場に行ってみると、私の嫁さんじゃないですけれども、
  『全然、これは、やっても意味ない』 というくらい、現状は酷い、と」
岡田くん
  「一時凌ぎ っていったら変ですけど、
  そんな、根本的に変えることでは、なかったりとかするっていうことですか」
山本さん
  「そうですね」
岡田くん
  「はーぁ。えっ!でも、いまちょっと、5万で?」
山本さん
  「(笑)」
岡田くん
  「月5万ですか?」
山本さん
  「6万円くらいかな、今。 でも、大差ない、そのくらいですね。
  数万円です」
岡田くん
  「そっかぁ・・・
  そりゃ、なかなか続けられないですよねえ」
山本さん
  「でも、言っときますが、いま言ってるのは、いまの話は、NGO、
  民間の団体の一部は、数万円でやってるんで、
  例えば、日本政府のJICAに入れば、国家公務員以上の給料が出ますので。
  国家公務員と同じ手当に加えて、へき地手当とか、危険地手当が出ますので、
  最低でも、日本人の平均年収の550万以上で、多いと1000万を越えます。
  国連職員になると、1500万ぐらいまで出ますので、
  そういった、NGOから始めても “国を変える仕事” に移って行った人は、
  普通の日本人の平均年収よりも、多くの給料を貰うような立場に、
  変わって行くんですよ」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「ですから、国際協力を、ぜひ、仕事としてやる道もある、ということを、
  みなさんに知っていただきたいなと思ってます」
岡田くん
  「うーん。
  協力する、というわけではなくて、仕事に出来るということですね」
山本さん
  「そうです。
  ボランティアが無給だとしたならば、有給のプロフェッショナルとして、
  国際協力の専門家として、生きて行く道もあるんだということを、
  若い人に知ってもらいたいなと思って、よく、
  年間50回くらい、講演をやってるんですけども」
岡田くん
  「はーあ。 それは知らなかったですねえ。そういうのも、あるんですねぇ。
  へーぇ、いろんなやり方が。
  でも、その、2001年から、シエラレオネというとこに派遣されたんですけど」
山本さん
  「はい」
岡田くん
  「これは、どんなところですか?
  これ、どこ?どこでしょうか。すいません・・・」
山本さん
  「シエラレオネって、アフリカの西の方。
  西アフリカにですね、ケニアとかセネガルって国があるんですが」
岡田くん
  「はいはい」
山本さん
  「その隣にある、北海道ぐらいの小さな国です。
  どんな国かというと“世界で一番、命の短い国”と言われてまして」
岡田くん
  「本、出されてますよねぇ」
シエラレオネ―5歳まで生きられない子どもたちシエラレオネ―5歳まで生きられない子どもたち




山本さん
  「2002年のユニセフの統計で、平均寿命が34歳ですね。  
  平均寿命が34歳。
  日本人の女性の平均寿命が、86歳ですから、
  3分の1しかいっていないことになりますね」
岡田くん
  「それはやっぱり、えーと、いろんなものを。 整ってなさ過ぎてってことですか?
  病気とか・・・」
山本さん
  「基本的には、戦争で治安が崩壊してですね、
  学校と病院が全部、ぶっ壊されてしまった、と。
  そこで、マラリアと。
  だいたい途上国は、マラリア、肺炎、下痢で脱水、の三つで、
  亡くなってしまうんですけど、子どもが。
  マラリア、下痢と肺炎がですね、コントロールできないということで、
  ほとんどの方が、死んでしまうと。 そういう状況でした」
岡田くん
  「どうだったんですか、現場に行って、は」
山本さん
  「ですから、とにかく病院が壊れてるんで、まず、建築から始まってですね、
  医者をやりに行ったというよりも、まず、建築をやりに行ってですね(笑)
  で、その後に、病院を作って。
  私は必ず、未来に残るような活動をしないと意味がないと思ってたので、
  現地の、医者や看護師を育てるっていうことを、個人的にやっていました。
  団体とは、関係なく」
岡田くん
  「はーぁ!それじゃあ、上から言われたものではなく、
  自分で医者を育てるっていうことを、現場でやってた っていうことですよね」
山本さん
  「はい」
岡田くん
  「結構、辛かったですか?
  あのー、いろんな意味で。 どうだったんだろう と思って」
山本さん
  「いや、それはもう、私も、完全に現代っ子ですから、
  クーラー大好きで、ニンテンドーDS大好きな人ですけれども、
  いきなりもう、電気も何もないと。シャワーもないですね。
  だから、シャワーなんか、水、こう、お冷 汲んで、ぶっかけるようなやつですからね。
  というような中で、ほんとに、最初の1か月は、本当に辛くて、
  もう泣いて帰ろうかと思いました」
岡田くん
  「(笑)でも、やっぱり、それでも、なかなか変えられないわけじゃないですか。
  現状とゆうか・・・」
山本さん
  「そうですね。 ただまあ、こういったNGOで行く場合、
  一応その、未来に残せる一つの形があるんですよ。
  それは、地元の看護師を育てて、自分が作った病院が、私が日本に帰った後も、
  ずうっと続いていけるような体制にすると いうところまで、もっていくと。
  具体的には、国立の病院に変えるんですよ。
  国に、それをタダであげて、しかも、渡した段階でスタッフが全部、
  日本の看護師と同じ、
  私は、日本の看護学校で、講師もやってるんですけども、
  60点レベルまでは、育ててから渡す、
  ということが実現できれば、まあ、いいかなと思って、やってましたね。
  一応、それは成功しました。
  七つ作ったんですけど、病院。
  いまだにそれは、国立の病院になって残ってますので、
  私は一応、未来に残す、意味のある援助をしたつもりでおります」
岡田くん
  「うーん。 それ、すごいですよね。
  すごいことですよね、それは。 できるっていうのは」
山本さん
  「いや、いや。
  NGOで行った場合はですね。国を動かすレベルは出来ないので、
  いま言ったような、作った病院や学校が、
  未来に残すような形にするのが、最善ではないかと、思います」
岡田くん
  「NGOとNPOの違いって、なんですか?」
山本さん
  「NGOはですね、玉石混淆で、ものすごく大きな、立派な活動をしてる団体から、
  ものすごく小さな、しょぼい団体まであるんですよ。
  簡単に言うと、例えば赤十字のような、世界190カ国以上で活動していて、
  予算も、国連よりもデカい団体もあれば、
  例えば、大学生のサークルで、3人ぐらいでやって、
  予算が2万円ぐらいの団体も(笑)あるんですよ。
  両方とも、NGOです。
  NGOは “Non-Governmental Organization” で “非政府組織” ですから、
  国連と政府以外の団体、全部NGOですから、
  宗教団体も含めて、会社も全部NGOなんです。極端に言えば」
岡田くん
  「うーん」
山本さん 
  「だからNGOっていうのは、定義なんかないと思って下さって、まず、
  いいと思いますね」
岡田くん
  「NPOは?」
山本さん
  「NPOっていうのは、なにかっていうと “Non-Profit Organization” ですから、
  “非営利団体” になります。
  これは実は、ちゃんとした法人で、
  会社のような、れっきとした法人なんですよ。
  都道府県、例えば、うちの団体だったら、東京都に届け出を、
  13枚の書類を出して、審査を受けて、通るとNPO法人を名乗れるんですよ。
  もっと後も、毎年、事業報告書と会計収支報告書を毎年出さなきゃいけなくて、
  それもいろいろ監査があります。
  非常に厳しく管理されているのが、NGOの中で、
  法人格を取得したNPO法人ていうことになります。
  よって、NGOの中で、NPOを取得してる団体が、
  日本の場合は、信用ができると考えてよろしいかと思います」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「ただのNGOの場合は、
  だから、大学生のサークルの3人かもしれないってところですね(笑)」
岡田くん
  「どういう、運営資金ていうのは、いろいろですか?」
山本さん
  「運営資金は、団体によって、全く異なります」
岡田くん
  「異なりますよね」
山本さん
  「要するに、個人からの募金だけでやってる団体もありますし、
  あと、企業から、お金をもらってる団体もあります。
  その場合は、その企業からとか、からみは良くも悪くも出来ますから、
  その企業に都合の悪い事は、出来なくなりますし、
  あとは、宗教団体の、例えばキリスト教系とか仏教系の団体が、
  かなりの、高額を受けてるので、
  宗教的に中立である必要がない団体は、
  宗教団体から、多額のお金をもらっているところもあります」


(曲)
LENNY KRAVITZ 『BELIEVE』  
Are You Gonna Go My Way





岡田くん
  「よく、寄付とか、いろいろあると思うんですけど、
  それ、重要性ってのは、結構おっきいですか?」
山本さん
  「えーと、これちょっと、なかなか迂闊に言えないんですけども、
  寄付をですね、私、あまり薦めていない人なんですよ」
岡田くん
  「えー」
山本さん
  「理由はですね、例えばその、さっき申したように、国際協力団体といっても、
  素晴らしい活動をしている団体もあれば、
  大したことしてない(笑)団体もあるんですよ。
  例えば、有名な団体だからって、素晴らしい活動してるとは限りません」
岡田くん
  「はい」
山本さん
  「で、必ず私が、募金するときに注意することと言って、三つ四つ挙げてるんですけども
  一つ目は、必ずホームページに職員の人が、いくら給料貰ってるか、
  明記してるかどうかを、必ずチェックしなさいって言ってるんですよ」
岡田くん
  「書いてますか?でも」
山本さん
  「書いてないですね。うちの団体は書いてますけど、はっきりね。
  例えば、ヨーロッパとかアメリカ、ちゃんとしていて、書いてあるんですよ。
  ヨーロッパでは、職員の給料と事務所の家賃や、事務所の経費を足して、
  すべての総予算の3割を越えてはならないって、法律があるんですよ。
  で、日本にはまだ、それがないので、いい加減になってるんですが。
  もし3割以上の給料とか、事務所の経費になってる場合は、  
  そのNPOやNGOに、募金をするべきではないっていう社会の風潮があり、
  法律にもなってるんですね。
  日本は、そういう意味では、非常に遅れている状況になってます。
  アメリカは、すごい厳しくて、90%以上ですね。
  ヨーロッパは70%以上が、プロジェクトに使われなければいけない、
  というかんじに、なっていますね」
岡田くん
  「うーん」


岡田くん
  「じゃあ、ちょっと聞いていいのか、わからないですけど、
  国境なき医師団に、僕、あの、お金を出したことあるんですよ」
山本さん
  「はい」
岡田くん
  「だけど、なんでやめたんですか?
  (笑)聞いちゃいけないことですか。マズイっすか」
山本さん
  「えーと、まあ、あの、本当に意味のある、国際協力っていうのを、
  突き詰めて考えたうえで、五団体経験したうえで、
  やっぱ、こういうのがいいだろうと思ったんですけどね。
  やはりそれが、国境なき医師団の唱える活動とは、
  私の意見が違ったということですね」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「世の中、絶対に正しいことも、間違ってることもありませんからね。
  どちらの団体が正しいとか、間違ってるってことはないんですけども、
  私の考える最善のものとは、ちょっと違ったということだと思います」
岡田くん
  「まあ、そうですよね。 いろいろ、やり方がありますもんね」
山本さん
  「別に、私と “国境なき医師団” だけじゃなくて、
  例えば “赤十字” っていう団体もあれば “世界の医療団” て団体もあれば、
  他にも、いっぱいあるんですよ。
  それぞれの団体が、少しづつ違う理念で、違う方法で活動してるということです」
岡田くん
  「うーん。
  赤十字との違いって、なんですか?」
山本さん
  「赤十字はですね、スイス人の方が、
  イタリアで起こった、フランスとオーストリアの戦争があった時に、
  敵味方両方、たいへんな被害が出たんですよ。たくさんの死傷者が出たと。
  でも、赤十字の創始者の方は、
  敵でも見方でも関係なく、戦争で傷ついた人は助けましょうよ、
  っていう活動を始めたんですよ。
  これで、始まったのが、赤十字の活動なので、
  ま、元々は、戦争が起こった時の、人権を保護するっていうので生まれたのが、
  赤十字の最初の流れで、それから生まれたと言っていいかなと思いますけどね」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「国境なき医師団の方は、たしか1970年前後に、医者とジャーナリストが組んで、
  医療をするのと同時に、要するに、こういう、世界に酷い事があるってことを、
  まあ、ジャーナリストもいますからね、
  啓発しようと。
  要するに、ジャーナリズムを同時にやって行く団体をしようとして始まった側面が、
  国境なき医師団の場合は、あると思いますね」
岡田くん
  「うーん・・・」
山本さん
  「で、少しづつ、活動方針が微妙に違うんですよ。
  各団体、良くも悪くも、自分がやってることがですね、
  ま、一番正しいと思ってやっているので、
  なかなか、手を組んでやるということを、実は、国際協力団体ってのは、
  しない傾向にあるんですね」
岡田くん
  「まあ、そうですよね。
  ちょっとした、なんか、国との関係だったりとか、
  どこまで行くか、行かないか、とか、
  いろいろ出てきちゃいますよね。
  その、ルールって言ったら変ですけど、方針と言うか、いろんなこう、
  大きな団体でも」
山本さん
  「そうですね。例えば、NGOが “非政府である” ということを強調するために、
  どんな政府とも協力しないんだ、というときにですね、
  それは、アメリカと協力しない団体は、多いんですけれども、
  その国の、例えば、援助に行くアフリカの国とも協力しないで、
  完全に独自でやるんだっていう団体もあれば、完全に政治的に中立であるためにね。
  でも、やっぱり、その国と協力しないと、そんなこと言ったって援助できないじゃん、
  ていうことで、協力しながらやる国もあれば、
  アメリカとか日本と組んでやる団体も、あるんですよ。
  これは、お金の入って来る用途が変わりますから、
  どれが正しいも間違ってるも、ないんですけれども、
  非常に、その団体のスタンスが、特に、政治的な中立性の上で、大きく異なる、
  と考えていいと思います」
岡田くん
  「うーん。はぁ、そっか。
  じゃあ、よく知らないといけないってことですよね」
山本さん
  「そうですね」
岡田くん
  「僕たちも、その、例えばなんだろう、寄付っていうのかな、をしたし とか、いろいろ、
  協力したいな、って思ったときでも、知らなきゃいけないですよね。
  でも、知れないですよねぇ」
山本さん
  「そうですね」
岡田くん
  「(笑)どうしたらいいですか?
  資料とか送ってくれ、とかって・・・」
山本さん
  「私は、本を、8冊ぐらい書いてまして、そのうちの半分は印税なしで、
  完全に非営利で出してるんですけども、
  それは、私は、自分の団体を大きくする気はない、募金をしていない団体なので、
  ほんとの事が書けるんですけども。
  要するに 『国連には、例えば、こういう長所と欠点がありますよ。
  NGOには、こういう長所と欠点があります。
  政府系の団体だと、こういう長所と欠点がある』
  っていうことを、割と公平に書いてる本を、8冊ぐらい出版してます。
  ぜひ、それを、立ち読みで結構ですので、
  そういった本をね、ぜひ読んでいただければと思いますね」
岡田くん
  「うーん。結構リアルに、ガーって書いて・・・」
山本さん
  「書いてありますね。
   必ず、偏らないように、中庸を得た発言をするように、非常に注意しながら、
  各団体の長所と欠点を、すべて公平に、書いてるつもりでおります」
世界と恋するおしごと―国際協力のトビラ世界と恋するおしごと―国際協力のトビラ




国際協力師になるために国際協力師になるために




アフガニスタンに住む彼女からあなたへ―望まれる国際協力の形アフガニスタンに住む彼女からあなたへ―望まれる国際協力の形




彼女の夢みたアフガニスタン彼女の夢みたアフガニスタン




地球温暖化、しずみゆく楽園ツバル地球温暖化、しずみゆく楽園ツバル




あなたのたいせつなものはなんですか?―カンボジアよりあなたのたいせつなものはなんですか?―カンボジアより





岡田くん
  「中立性っていう意味だと “国境なき医師団” ていうのは、どうなんですか?」
山本さん
  「国境なき医師団は、NGOの中でも、非常に政治的な中立性を重視している、
  ある意味で、極端な団体だと言っていいかと思います。
  私が入った、五団体の中でも、最も、そっち側に寄っている団体ですね」
岡田くん
  「中立を取る、ということですか?」
山本さん
  「そうですね。だから、どんな団体とも、絶対に協力しない、と。
  で、他の団体とも、協力しない。
  なんでかって言うと、他の団体は、どっかの政府と協力してる可能性がありますよね」
岡田くん
  「はい」
山本さん
  「だから、自分が、例えば、アメリカが嫌いな団体だと誤解されないためには、
  他の団体と、ツルまない方がいいと。その人の、仲間だと思われるから。
  っていうことを、かなり強調してる側面があると思いますね」
岡田くん
  「ふーん」
山本さん
  「そういう団体です。 そういう方針も、一つあって、
  それがまあ、一長一短があるということです」
岡田くん
  「うーん。まあ、そうっすよねー。難しいですよね。
  でも、まあ、ぶっちゃけ言うと、どっかと組まないと、お金も入って来なければ、その、
  派遣した人にも、ちゃんと払えないし、とかって、
  いろんな問題が出て来るじゃないですか」
山本さん
  「えーと、ヨーロッパはですね、キリスト教が主流なので、
  寄付文化っていうのがありまして、
  大量の募金が、企業や個人から来るんですよ。
  ですから、その、ヨーロッパに拠点を据える、
  フランスに拠点がある国境なき医師団などの団体の場合は、
  基本的には、もう、すごい量のお金が入ってますよ。
  ウン百億とかですね。国連のWHOの予算よりも、多い予算が入って来てます」
岡田くん
  「それは、現場にも回るんですか?」
山本さん
  「もちろんです。ええ、もちろんですね」
岡田くん
  「ほうほう、ほうほうほう。
  ま、ヨーロッパは・・・」
山本さん
  「さっき言った、ヨーロッパですから、
  70%以上のお金が、プロジェクトに必ず回されてます」
岡田くん
  「そう。まあ、ヨーロッパは、よくNPOとか、すごい多いし、
  ちゃんとしてるとこが多いとかっていうのは、聞きますよね」
山本さん
  「はい」
岡田くん
  「うーん。
  じゃあ、あの、“宇宙船地球号”
  これ、どういう活動してるんですか?」
山本さん
  「えーと、宇宙船地球号は、そういった、ちゃんとした、
  ほんとの国際協力をやろうよ! って人を、育てる団体を作ってるんですよ。
  現状、行われている国際協力が、あまりに酷いと、まあ、私は考えていますので、
  本当に意味ある国際協力を、学問的にも、ちゃんと考えて、やっていただく人を増やす、
  っていう活動を、やっています」
岡田くん
  「本当の意味での国際協力って、どういうものですか?」
山本さん
  「えーとですね、ま、一つは、自己満足の活動を、なるべくしないようにする、
  ということが、一つ重要だと思いますね。
  要するに、はたして、そこ国の人の未来にとって、本当に役に立つのか? と。
  この、自分がやってる活動が。
  学校を作るにしても、医療をやるにしても、
  はたして、これが、10年後、20年後までね、作った病院や学校が、残って行って、 
  しかもこれが、自分が帰った後も、
  現地の宗教や文化に、受け入れてもらえるだろうか? ということを、
  よくよく考えた上で、やることですよね」
岡田くん
  「それ、やっぱ、アイデンティティーを、きっちり認めて、
  七カ国語を覚えてるのも、そういうことっていうことですよね?山本さんは」
山本さん
  「そうですね」
岡田くん
  「向こうに合わす、ということですか?
  その、国、国、国に」
山本さん
  「半分はそうですね。
  国際協力で難しいのは、バランスの取り方で、
  近代文明の、例えば、教育を普及するとか、西洋医学で人の命を治すとかいう、
  いい側面もあるけれども、逆に、そういった、経済を発展さして行くと、
  実は、今度、公害だらけになったり、環境問題が、汚染されたりして、
  途上国が、ボロボロになって行く、という側面もあるので、
  実は、現代文明の良し悪しと、
  現地文化のままで、放っておいた場合の良し悪しってのが、あるんですよ」
岡田くん
  「うん」
山本さん
  「その辺のバランスを、どの辺にとるのかっていう、非常に難しい、
  要するに、国際協力をやる人は、人間的にもですね、
  そういったことを、哲学的に考えなければいけない側面も。
  私、全然、そんな立派な人じゃないんですけども、(笑)
  だから、あの、そういうことを、少なくとも、
  自分で知ってることが重要だ、ということを提唱してますね」
岡田くん
  「もんのすごい難しいですよね。
  その場所場所によって、変わってきちゃうじゃないですか」
山本さん
  「そうです。 だから例えば、中東に行ったら、当然、イスラム教の勉強をするし、
  南米に行ったら、だいたい、キリスト教カソリックが多いので、カソリックの勉強して、
  私は、宗教、中立ですけども。 必ず、自分は中立だけれども、
  あくまで、宗教や土着の文化を尊重しながらやる、という立場でやるんですね」


(曲)
YUSA 『NO TENGO OTRO LUGAR』
Haiku (Dig)

岡田くん
  「現地に行って、でも、こう、認めてもらえないときとか、あるんですか?
  やっぱ、そういうふうに、ま、嫌な言い方かもしんないけど、
  中東の方行ったら、アメリカ寄りだと思われてしまうときも、あるわけじゃないですか、
  中立を取るときに」
山本さん
  「ありますね。
  私は、現地語を覚えて、宗教を尊重するんで、
  私個人的には、ありませんけれども、
  大手の、みなさんが知っているような国際協力団体の、ほとんどは、
  現地から、追い出しを食らっているケースが、
  物凄く、年間何十件もあります」
岡田くん
  「へーぇ!
  なんかしたいと思って行っても 『もう、いらねーよ!』 って言われてしまう、
  ってことですよね」
山本さん
  「はい。 特に最近、その傾向が強いですね」
岡田くん
  「ほー」
山本さん
  「理由は、その・・・ま、その、アメリカがですね、中東とか、
  イラクとかアフガニスタンで戦争やっただけじゃなくて、
  国際協力も、学校とか作ったりも、
  まあ、言い方、悪いかもしれませんが、その言い訳のために、
  国際協力も、軍隊がしてるんですよ。 学校作ったりしてるんですよ。
  つまり、国際協力団体も、学校作ってるんだけれども、
  『じゃあ、お前も、アメリカの仲間だろ』 っていうふうに誤解されて、
  みんな一緒くたに、外国人は されて、
  こないだのような拉致事件が」
岡田くん
  「赤羽さんが・・・」
山本さん
  「起こったというような事も、ありますね。
  だから、アメリカ軍が、なまじ中途半端に、国際協力をしてしまったために、中東で。
  余計、混乱を生んでしまい、
  本当の国際協力団体が、危険な目に会っているというのが、現在の状況の一つです」
岡田くん
  「うーん・・・
  難しいですね。難しい・・・」
山本さん
  「非常に、難しいんですよ」
岡田くん
  「難しいですよね。
  日本が、結構いっぱい、いろんなとこに学校作ってるけども、
  結局、作ったはいいけど、運営は、もう、そっちに任してるから、
  運営が出来ないとかっていう学校も、いっぱい聞きますし」
山本さん
  「あの、よく多いのが、東南アジアの、特にカンボジアとかバングラデシュにね、
  学校を作って、
  喜んでるというと怒られるんですけども(笑)
  満足されてる方が多いんです。 自分の名前を、学校に付けて、と。
  ま、実は、建てるのはですね、300万円くらいあれば、
  途上国で、学校って、簡単に建つんですよ。
  ところが、運営するには、学校の先生の給料払わなければいけませんし、
  鉛筆とか教科書とか、シラバスって、教育運営方針とか作んなきゃいけませんから、
  管理費に、何百万円も、毎年掛かるんですよ」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「それを出すお金がないために、
  コンクリートの学校は建ったけれども、ただの空き箱になって、
  2,3年で崩壊するという現象が相次いでいるという事が、多いですね」
岡田くん
  「今、現状みたいですよね。
  あと、まあ、子ども、働かした方が、家計的には助かるから、
  学校なんか行かなくていい、っていうとことも多いっていうことを聞いたりとか。
  その地域とかで・・・」
山本さん
  「それも、一つの側面ですよね。
  結局いま、問題は、持続可能性といって、
  これから、石油などの資源がなくなり、
  地球温暖化をはじめとした環境問題が進んでしまう中で、
  昔の途上国、江戸時代の頃の、日本のような、
  いわゆる、お父さんやお母さんから習った農業を、
  子供が、学校にも行かずに、それを引き継いでやって行くというスタイルで、
  続けていってる国が、アフリカ、アジアにあった場合、それを、
  『お前ら、そんな原始的なこと、やめろ』 と言って、
  教育とか、医療とか、経済発展をガンガンやらせることが、はたして正しいのか?
  っていう側面も、国際協力の裏側には、あるんですよ。
  それは、少なくとも、10%ぐらいは、頭の中に置いて、
  国際協力や、援助、開発をやらなければいけないと思っています」
岡田くん
  「ものすごい哲学と、やっぱり、
  自分の中の信念がないと、やれないですね。 国際協力っていうか(笑)」
山本さん
  「いや、それがね(笑)そうでもないんですよ」
岡田くん
  「えっ!(笑)そうでもないんですか? なんか・・・」
山本さん
  「私は、実は、ちょっと変わってる人で、
  ほとんどの国際協力をやってる人。少なくとも、やり出した人は、
  すごい気軽な、楽天的な人が多いんですよ。
  それだから、例えば、青年海外協力隊で派遣された方の、92%は、
  2年間の派遣が終わった後に、もう辞めてしまって、国際協力を続けないんですよ。
  8%です。続ける人は。
  要するにそれほど、国際協力っていうのは、やってみたけれども、
  ほとんどダメだった、と。
  自分の思うような活動が出来ずに、
  やったけれども、どうも、意味なかったんじゃないかな、
  っていうことに終わってしまうことが多いんですよね」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「だから、残りの8%の人が、国連職員とか、日本政府のJICA職員になって、
  本物の、プロの国際協力を目指すっていう人に、育って行くということかな、
  と思っています」
岡田くん
  「どうやって育てたらいいんですかねぇ」
山本さん
  「基本的には、三つの条件がありまして、プロの国際協力をやるためには」
岡田くん
  「はい」
山本さん
  「英語力が、例えば、TOEICで600点以上とか、
  あとはですね、2年間の海外勤務経験があること、
  一番有名なのが、青年海外協力隊の2年間とか、
  国連ボランティアなどの、国際協力系ですけど、
  別に、会社でもいいんですよ。 外資系の企業の、2年間、海外勤務でもかまいませんし。
  要するに、2年間の海外勤務。
  3番目が、専門性っていって 『あ、そうなんだ』 と、
  世界は、こんなに大変なんだ。世界を良くするためには、やっぱり何らかの専門性。
  自分に出来ることがないとダメなんだ、と、普通は気付くんですよ。
  2年間、現地に、現場に行けば。
  するとそこで、例えば、戦争止めるために、政治の勉強しよう。
  人権を守るために、法律の勉強しよう。
  経済、発展させるために、経済。
  もしくは、教育をやる、医療をやる、環境問題をやる、っていったような、
  いま言った、五つか六つぐらいの、どれかの “専門性” を身に付けるために、
  大学が大学院に入り直すんです」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「この三つの、英語力と、2年間の海外勤務経験と、専門性、の三つがあると、
  最終的には、プロの国際協力師になれると、私は提唱していますね。
  4年前からずっと」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「実際、それで、影響を受けた方が、
  現在、国連職員とか、JICA職員等になってますので、
  非常に、私としては、活動している意味があるかな、と思っていますね」
岡田くん
  「いまは、じゃあ、日本で何人ぐらい、いらっしゃいますか?
  プロフェッショナルと呼ばれる、呼べる方?」
山本さん
  「数百人は、でも、いると思いますよ」
岡田くん
  「ほんとですか?」
山本さん
  「はい」
岡田くん
  「国際機関だけではなく、いろんな、全部トータルで、っていうことですか」
山本さん
  「そうです。はい」
岡田くん
  「ほー。(数)百人・・・ふーん。
  じゃあ、それ以外で。
  例えば、これを聴いてるリスナーだったりとか、
  でも、なんかしたいとか、えー、どうしたらいいかって思ってる方、
  多いと思うんですよ。
  その、プロフェッショナルには、なれないかもしれないけど、
  ま、後方支援なのか、サポートなのか、いろんなものをしたいと思ってる“僕たち”が、
  出来ることって何ですか?」
山本さん
  「私は、実際、募金は薦めてませんで、
  一般の方に出来る最大の国際協力は、
  環境問題系の活動だと、私は一貫して提唱してます」
岡田くん
  「うーん」
山本さん
  「いまですね、例えば、アフガニスタンとかイラクで、
  戦争や内戦が酷くなってる原因の一つが、地球温暖化なんですよ。
  地球温暖化によってですね、温度が上がるだけじゃなくて、
  降水量が減ってる地域が、
  “気候変動”って、言うんですけども、地球温暖化による。
  特に、地中海沿岸、北アフリカと、中東のアフガニスタン周辺で、
  降水量が、激減してるんですよ」
岡田くん
  「雨が降らない・・・」
山本さん
  「雨が降らない。
  すると、どうなるかっていうと、農耕、あの、
  小麦作ってる民族と、牧畜やってる民族が、
  『俺は、小麦に水やりたい』 『俺は、ヤギに水飲ましたい』 って民族が、
  内戦を始めてしまったんですよ。
  で、余計、イラク、アフガニスタンの戦争が酷くなってしまってる現状の側面、
  理由が、地球温暖化だ、というわけで・・・」
岡田くん  
  「そういう面もある、ってことですね」
山本さん
  「そういう側面も、一つあるってことですね。
  だから、もしもみなさんが、わけわからない募金をするよりは、
  電気の節約とか、買い物をするときにね、環境に配慮してる企業の商品を買う、
  とかいうことを、やったことの方が、
  私は、より直接的に、正しい国際協力になるんじゃないかなと考えています」
岡田くん
  「じゃ、国際協力って何ですか?
  一言で言うと」
山本さん
  「要するにあの、自分の人生の、一割でも三割でもいいから、
  自分自身のためだけではなくて、社会、世界のために使おう、と思うのであれば、
  それは別に、日本で、電気をこまめに節約することも、立派な国際協力だし、
  会社員になったら、会社の中で、なるべく、環境にやさしい商品を作ろう、
  っていうふうに努力することも、立派な国際協力なんですよ。
  だから、私は、消費者でも、会社員でも、プロの国際協力師としても、
  どんな立場でも、僕は、国際協力は出来ます、ということを、
  一貫して提唱してきています」


(曲)
GOMEZ 『SEE THE WORLD』
How We Operate





(対談が終わって、岡田くんの感想)

「さあ、ということで、山本さんと、お話をさせていただきました。
いやー、なんか、発見出来たことが、たくさんあった・・・ですねー。

なんか、そうなんだ! と思いつつ。
でも、なんか、うーん・・・すごい難しいなぁ、とは思いました。
あの、大事なことだとは、すごく思うし。
うん、じゃあ、自分に出来る有意義なことって何だろう?って思うと、
すごく悩んでしまったりとか、すると思うんですよね。
あの、相手にとっては有意義じゃないんじゃないか、とか。

だから、相手のことを知ることが大事だ、っていうことを、おっしゃってましたけど、
ゴゲン(言語?)とか、宗教とか、いろんなこと。
まず、相手を知って、自分が何が出来るか、ってことが大事だっていうふうに、
言ってくれてたんだと思うんですけども。
うん、まさに、そうだなと思いますし。

なんか、うーん・・・
知りたいですよね。単純に。
国際協力とかっていうことも、えー、大事ですし、
やる前に、いろいろ、
知らないことが、多いなーとは、すごく思いましたね。

やっぱ、日本のことは、やっぱりなんとなく、わかっていたりも、するけど、
実は、知らないことも、たくさんあって。
政治のことだったりとか、社会のことだったり、歴史のことだったりとか。
全然、知らないことが多いなか、
文化とかが違う、海外のことを、何かやろう、と思った時に、
やっぱり、自分自身のアイデンティティーがある、日本ていう国を知らないきゃいけないし。

なんだろう、その、なにかをやるなら、その相手の国だったり、人だったりとか。
うーん、なんでも、やっぱり、
国際協力は、まず“知る”ということから始めなきゃいけないのかなぁというのが、あの、
環境問題だったりとかね。
いま、どういう問題で、これが、どういうふうに広がっていってしまっているのか、とか。

僕等は知らないことが多い、ですね。
うーん。 知りたいなあと 思った、一日でした」


(曲)
JOHN LEGEND 『EVERYBODY KNOWS』
Evolver






(山本さんからの、コメント)

「やっぱり、岡田准一くんが、話の中でね、
募金したことがあるって、おっしゃってたけれども、
実際、どうやって運営されてるのかな、っていうふうにね、
疑問を持たれてるっていうことに、非常に、好感を覚えましたね。

やっぱり、だた、お金を渡すだけではなくて、
一体、どうやって運営されているだろう ってことに疑問を持って、
いい意味で、興味本位で質問されて来られたことはね、良かったなと思ってますね。

国際協力はですね、
私が、昔から提唱してる、国際協力師という、
プロとして、職業としてやっていく道があるっていうことも、まあ、一つは。
ボランティアで、無給でやるんじゃなくて、
日本人の平均年収以上の給料を貰って、やってる人も、
世の中には、何百人もいるんだ ということを、
まあ、知っておいていただければと 思います」

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